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『世界あやとり紀行 精霊の遊戯』シシドユキオ、野口廣、マーク・A・シャーマン(INAX出版)
新刊として入ってきたのを見て、衝動買いした。国も年齢も服装も違う人たちが、紐を指に絡ませている。サンゴをかたどったり、赤ん坊が生まれる瞬間を表したり、神話や伝説を語ったり。子どもが集中力や記憶力を高めるために、また文字のない社会で知恵や知識を伝承するためにも使われていたという。最後にコラムを寄せているふたりは数学者と分子生物学者で、ともに国際あやとり協会の会員である。あやとりの奥深さを垣間見た感じ。副題もすごい。
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『ある図書館相談係の日記―都立中央図書館相談係の記録』大串夏身(日外アソシエーツ)
東京都立中央図書館でのレファレンスの記録である。期間は1988年から89年。インターネットはなく、まれに「電算端末」で検索しているが、ほとんど目録や辞典、書名カードを使っている。それでここまで調べられるのか、と感心しきり。『翻訳図書目録』『大宅壮一文庫雑誌記事索引』といった便利そうなものは、今は書籍としては発行されておらず、CD-ROMやライセンス制で利用できるようだ。使ってみたいなあ。
「図書館の21世紀は、図書館で働く人、図書館司書という専門職に負っていると私は考えている」
というくだりから敷衍すると、インターネットでは調べられないことを調べる書店員がいれば、書店は残るのかもしれない。Googleで検索するだけなら誰にでもできる。 -
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「愛撫・静物 庄野潤三初期作品集」庄野潤三(講談社文芸文庫)
「机」がいい。仕事もないのに会社の席に着き、机に執着する主人公が、英字新聞で見た牡蠣の蓋開け名人アンリ・デュラン君と、隣の席の机に無頓着なIに惹かれる。
サラリーマンのかなしみ、新婚夫婦のすれ違いを書いた初期から、暗い部分を縁取るだけで書かない「静物」に到達して、晩年は家庭の幸福を繰り返し描きつづけた。著者は昨年亡くなった。全集が出ることを切に祈っている。 -
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『隠岐共和国ふたたび―「隠岐学セミナー」での出会い』牧尾実(論創社)
一人の儒学者に導かれ幕末に育まれた隠岐と十津川の人々の心の絆が、百三十年の月日を越えて現代に蘇える。著者自らの体験をつづった隠岐で四百冊以上売れた郷土のベストセラー!
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