今日の一冊バックナンバー

  • Oct

    01

    『

    『"シンプル"という贈りもの ~アーミシュの暮らしから』ビル・コールマン(フレックス・ファーム)

    昔ながらの信仰を厳しく守り暮らすアーミシュの人々をとらえた写真集。こんな村が現代のアメリカにあるとは...。奇跡の美しさです。

    (広島県 廣文館金座街本店 藤森真琴さん)

  • Oct

    04

    『ホルモンの名店』森脇慶子・YAKINIQUEST(東京書籍)

    『ホルモンの名店』森脇慶子・YAKINIQUEST(東京書籍)

    ホルモン好きのホルモン好きによるホルモン好きのための一冊。東京のホルモンの名店は、とりあえずこの本でおさえられます。一店、見開き一ページ、シズル感溢れる写真付きで紹介される名店の数々。詳細なデータとお店の人からのコメントも嬉しい。武蔵野ホルモン倶楽部(私含め現在二名)のバイブル。

    (東京都武蔵野市 ブックスルーエ 花本武さん)

  • Oct

    05

    『悶々ホルモン』佐藤和歌子(新潮社)

    『悶々ホルモン』佐藤和歌子(新潮社)

    著者の佐藤和歌子さんといえば、間取りの手帖や、あっちの春樹との交流でも知られる才媛。この人のホルモン理解がハンパじゃないです。ぼくはこの本きっかけで焼肉の無限の可能性に目覚めました。名店で舌鼓を打ちながらも切ない感情にゆさぶられる場面もある単なるガイド本を遥かに越えた名著。

    (東京都武蔵野市 ブックスルーエ 花本武さん)

  • Oct

    06

    『あの事件を追いかけて』大畑太郎・宮崎太郎(アストラ)

    『あの事件を追いかけて』大畑太郎・宮崎太郎(アストラ)

    執念の取材。というわけではない。世にはあまたの凶悪な犯罪、事件があり報道される。我々はそのほとんどを忘れる。過剰に思い入れることなくその「場所」を訪れ、浄化された記憶、あるいは浄化されきらなかった残滓に想いを馳せる。そこに一抹のポエジーを感じたのは不謹慎だが事実だ。

    (東京都武蔵野市 ブックスルーエ 花本武さん)

  • Oct

    07

    『スクールガール・コンプレックス』青山裕企(イースト・プレス)

    『スクールガール・コンプレックス』青山裕企(イースト・プレス)

    変態。女学生趣味が変態というならば私は立派な変態であり、躊躇なく居直りこういった写真集を大いに歓迎するものだ。この本に登場する女学生たちは全て匿名の存在だ。ただ女学生という記号のみを纏い、あとは何も着ていない。エロいに決まってるではないか。

    (東京都武蔵野市 ブックスルーエ 花本武さん)

  • Oct

    08

    『日本万国博覧会 パビリオン制服図鑑』大橋博之 編(河出書房新社)

    『日本万国博覧会 パビリオン制服図鑑』大橋博之 編(河出書房新社)

    快著と言わざるをえないだろう。エクスポ70。日本中がやる気に充ち溢れ、科学は浪漫と同義だった時代。大阪は燃えていた。天を衝く太陽の塔、その裾野で人々は未来人に遭遇していた。パビリオンは彼女らの住処であったにすぎない。万博の主役は有り得ないコスチュームを纏ったスタッフ達だったのだ。

    (東京都武蔵野市 ブックスルーエ 花本武さん)

  • Oct

    12

    『知的生産の技術』梅棹忠夫(岩波新書)

    『知的生産の技術』梅棹忠夫(岩波新書)

    「〜術」とタイトルのついた本は数多く存在する。その殆どというか、全てはこの本の焼きなおしにすぎないのではないかと密かに思っている。本当に密かにだ。記憶力に自信のない今日この頃だが誰にも話した事はないということは確かだと思う。その前に話すべき相手がいないという説もあるがそれは気のせいという事にしておこう。
     書店の仕事というのは接客が重要であるというのは言うまでもないと言いつつ、言っている。もうひとつ分類というものも重要なものだ。文芸書、実用書、ビジネス書などという大きなジャンルからそれぞれのジャンルのなかで分けられるジャンルというものがある。ここが腕の見せ所だ。「金太郎飴書店」などと言わせてはいけない。いや誰も言っていないか、そんな事。実はと大げさに言う事ではないが店では新書を担当している。新書というのは出版社別に陳列されることが多い。自店でも棚は出版社別に並べている。但し、平台はジャンル別に分類している。それに役立ったのがこの本だ。その方法は読んでいただきたい。ちょっと逃げ腰である。ちょっとだけなので許して下さい。この本にあることを抽象化できればあらゆることに応用できるだろう。机の上や引き出しに散らかった書類、ファイルが散乱したパソコンのデスクトップもあっという間に片付くだろう。仕事の効率もアップするはずだ。そして新しいアイデアも思いつくだろう。「〜術」という本ばかり本棚に増えていないだろうか。クドいようだがこの本さえあれば事足りると必要以上に執拗にこれでもかと言わんばかりに嫌がらせのように念を押すのは書店にとってマイナスだろうか?

    (愛知県 丸善名古屋セントラルパーク店 原田元樹さん)

  • Oct

    13

    『スカイクロラ』森博嗣(中央公論新社)

    『スカイクロラ』森博嗣(中央公論新社)

    映画化されたことで一気に知名度が上がったことでしょう。それまでも書店の店頭で鮮やかなブルー一色の表紙の本を見かけたことがあるのではないでしょうか。その表紙だけでも棚に置いておく価値ありです。ジャケ買いできる本です。
    さて、その内容ですが衝撃的。キルドレとよばれる子供が戦争をしている。そんな暗いストーリーだけれどその描写はとても鮮やかなのだ。読んでいてどんどん惹き込まれる空を飛ぶ描写、そしてリズミカルに綴られるクライマックスの文章。それはとても美しい。
    この作品、歳をとらない子供が主人公ということもあってピーターパンやアダルトチルドレンなどといった事と絡めて語られるようだ。それは作者の仕掛けたトリックに引っ掛っていないか。それだけか?と言いたい。キルドレの記憶はどうなっている?そこばかりが気になる。もしかすると引っ掛っているのは僕の方か?

    (愛知県 丸善名古屋セントラルパーク店 原田元樹さん)

  • Oct

    14

    『数学は世界を解明できるか―カオスと予定調和』丹羽敏雄(中央公論新社)

    『数学は世界を解明できるか―カオスと予定調和』丹羽敏雄(中央公論新社)

    数学は苦手なもののひとつだ。苦手なものは結構数多くあるがその中でも上位の方なのだ。その下に続くものはと思ったがやめておこう。余りに数多くあり、語りだせばきりがないからだ。だが数学が苦手だと言っても誰にも信じてもらえない。いつ頃からだろうか、理系人間のように思われているようだ。こんな本を読んでいるからかもしれない。この本は数学の入門書というわけではない。よく言う(?)数学が美しいということもよくわからない。そんな数学が苦手(クドいな)僕でも楽しめた。この本を読んだのは数年前だ。読み始めたきっかけはよく憶えていない。「世界を解明」という言葉に惹かれたのかもしれない。若い頃はそんな野望を持っていたのかもしれない。記憶の片隅にも残っていない。若さ故のなんとかってやつだろう(たぶん)。そんな僕でもこの本を読んだ事で少し(控えめだなあ)は数学的な発想をできるようになった。そして売上のデータを読むこともできるようになったと勝手に思っている。
    そういえば「mathematics loves world」などと勝手に英語タイトルを書いたPOPをつけていたことがあったなあ。これも若さ故の何とかだなあ。

    (愛知県 丸善名古屋セントラルパーク店 原田元樹さん)

  • Oct

    15

    『ドグラマグラ』夢野久作(角川文庫)

    『ドグラマグラ』夢野久作(角川文庫)

    今さら説明の必要もない(ホントか)読んだものは一度は発狂すると言われている小説だ。初めて読んだのは学生の頃だ。それ以来何度も読んでいる僕はやっぱり発狂しているのだろうか。困ったもんだと言いつつ実のところ全く困っていない。

    (愛知県 丸善名古屋セントラルパーク店 原田元樹さん)

  • Oct

    18

    『もこ もこもこ』谷川俊太郎/作 元永定正/絵(文研出版)

    『もこ もこもこ』谷川俊太郎/作 元永定正/絵(文研出版)

    大人は、「これはどういうこと?」と意味を考えるけど、赤ちゃんは、体ごと感じて受けとめるんですよ、擬音やリズミカルな音に注目したり、喜んだり。などと言って、お客さまに説明してるけれど、ホントに喜ぶんだよ。ことばと不思議な絵がピッタリとコラボしているこの絵本は1977年生まれ。以来ずっと売れ続けてます。

    (北海道旭川市 こども冨貴堂 土井美千代さん)

  • Oct

    19

    『かんたん手づくり おうちでおもちゃ あかちゃんとあそぼう』堀川真(福音館書店)

    『かんたん手づくり おうちでおもちゃ あかちゃんとあそぼう』堀川真(福音館書店)

    この本の一番おもしろい所は、あとがき! なんて、作者に失礼か。もともと工作のワークショップもやっている彼は、息子が誕生してからは、赤ちゃんでも喜ぶおもちゃ作りに試行錯誤の日々。そして、一冊の本に。お家にある物を使って遊べるおもちゃは親の愛情いっぱい、だけど、赤ちゃんだって喜ぶツボはそれぞれだよ、というゆる~い視点に、肩の力がぬけますよ。

    ( 北海道旭川市 こども冨貴堂 土井美千代さん)

  • Oct

    20

    『水曜日の本屋さん』シルヴィ・ネーマン/文 オリヴィエ・タレック/絵 平岡敦/訳(光村教育図書)

    『水曜日の本屋さん』シルヴィ・ネーマン/文 オリヴィエ・タレック/絵 平岡敦/訳(光村教育図書)

    町にある昔ながらの本屋さんて、その土地のにおいがある。土地の文化と住んでいる人の思いが、ないまぜになった所に本がいて、そしてそして、なじみの客の好む本から、その人の大切にしている事を見抜く嗅覚を持つ本屋がいたら、お金では買えないものに出会える場になることでしょう、と、シーンと胸に響いた絵本です。

    (北海道旭川市 こども冨貴堂 土井美千代さん)

  • Oct

    21

    『動物の死は、かなしい?』あべ弘士(河出書房新社)

    『動物の死は、かなしい?』あべ弘士(河出書房新社)

    あべ弘士は話上手。好奇心旺盛で、話題の引き出しがたくさんで、同じエピソードを繰り返し聞いてもワクワク。
    改めて本で出会ったら、旭山動物園の飼育係としての真剣勝負に思わず心が正座しました。
    話し上手は書き上手だなあ。あべさん、これからも命の輝きのある動物の絵を描き続けてください。

    (北海道旭川市 こども冨貴堂 土井美千代さん)

  • Oct

    22

    『キツネ(北国からの動物記2)』竹田津実/文・写真(アリス館)

    『キツネ(北国からの動物記2)』竹田津実/文・写真(アリス館)

    写真家・竹田津 実は、野生動物とのつきあい方を心得ている。なかでも45年間、キタキツネを撮り続けてきた彼に、キツネたちは素の自分たちの生活をさらけ出す。
    日本の動物の中で、家庭の中に父親がいるのは人間とタヌキとキツネの3種だけなんだって。
    この本に登場しているキツネ家族の表情の豊かさに見入ってしまいます。

    (北海道旭川市 こども冨貴堂 土井美千代さん)

  • Oct

    25

    『イリュージョン』リチャード・バック(集英社)

    『イリュージョン』リチャード・バック(集英社)

    もし傍らにこの本があって、何の気なしにページを開いてイントロダクションを読むと、結局そのまま最後まで読めてしまう本。「かもめのジョナサン」の著者による飛行機乗りのリチャードと救世主ドンの寓話。救世主入門テキストに沿って修行することになるリチャードと一緒に読者もまた自分にとって何が大切か、について問いかけるはず。Illusionとは錯覚。誰にでも世界を見たいように見る自由があることを教えてくれる一冊。

    (沖縄県 OMAR BOOKS 川端明美さん)

  • Oct

    26

    『夕子ちゃんの近道』長嶋有(講談社文庫)

    『夕子ちゃんの近道』長嶋有(講談社文庫)

    児童書のようなタイトル、と思って読むとなんだかじんわりと味わい深い連作短編集。話は何者かよくわからない僕がアンティーク店フラココヤ屋で居候暮しをするとことから始まる。普段よく「人間関係」という言葉を使うけれど、その関係が作られていくさまがおもしろい。日々の積み重ねの大切さを実感させてくれる本。

    (沖縄県 OMAR BOOKS 川端明美さん)

  • Oct

    27

    『Lucie Rie ルーシー・リーの陶磁器たち』エマニュエル・クーパー(ブルース・インターアクションズ)

    『Lucie Rie ルーシー・リーの陶磁器たち』エマニュエル・クーパー(ブルース・インターアクションズ)

    しばしば作品とその作家を比べてその意外さに驚かされる。ルーシー・リーはその逆。静謐な佇まい、繊細な色と線、シンプルで品のいいフォルムは冷たくはなくむしろ温かい。これはそのまま彼女の代名詞になる。物を作ることに対するストイックな姿勢や独自のスタイルは多くの作家に影響を与え続けた。なんといってもこの本には彼女の貴重な手書きの陶芸ノートが収められている。白い衣服を身にまとい作品を作り続けた彼女の人生の様々な側面を知ることの出来る魅力的な一冊。

    (沖縄県 OMAR BOOKS 川端明美さん)

  • Oct

    28

    『犬が星見た―ロシア旅行』武田百合子(中央公論新社)

    『犬が星見た―ロシア旅行』武田百合子(中央公論新社)

    著者は根っからの観察者なのだなあと思う。「旅行者ってすぐわかるね。さびしそうに見えるね。」そう言った彼女に一緒に旅した作家の夫、武田泰淳が答える。「当り前さ。生活がないんだから。」この旅行に同行した人のほとんどがこの世にはもういないと思って読むと特別な切なさがある。旅行を終えた彼女のあとがきがまたいい。この本のタイトルの意味がその中に。

    (沖縄県 OMAR BOOKS 川端明美さん)

  • Oct

    29

    『最終目的地』ピーター・キャメロン(新潮社)

    『最終目的地』ピーター・キャメロン(新潮社)

    ある本の一節に「人生の途中で何かに出会ったらいやが応でも目的地(ディスティネイション)を変えなくてはならない。それを運命(デスティニー)という。」というのがあった。本書はまさに、ウルグアイでひっそりと暮らす人々のもとへ一人の青年が訪れたことで停滞していたそれぞれの人生が再び動き出す、という話。ここが最終目的地だと思っていても、いつでもまた次に新しい場所へ向かうことが出来るのだと気付かせてくれる。

    (沖縄県 OMAR BOOKS 川端明美さん)