今日の一冊バックナンバー

  • Mar

    01

    『たりないピース』宮崎あおい・宮崎将(小学館)

    『たりないピース』宮崎あおい・宮崎将(小学館)

    宮崎あおいさんと兄・将さんが旅したインドの紀行写真集・エッセイ。
    自分の見れないものを見せてくれる。それが本の役割のひとつでもある。この本はまさに、普段生活しているだけでは見ないであろう世界を私たちに見せてくれます。
    宮崎兄妹の飾らない人柄のおかげで、すんなり読み手に伝わってくる。淡々としているが、私たちの心に投げかけるものがある。そんな出会いの一冊になればと思う。

    (東京都 TSUTAYA三軒茶屋店 後藤怜子さん)

  • Mar

    02

    『幸せな王子』原作:オスカー・ワイルド 絵:清川あさみ 翻訳:金原瑞人(リトルモア)

    『幸せな王子』原作:オスカー・ワイルド 絵:清川あさみ 翻訳:金原瑞人(リトルモア)

    言わずと知れた、オスカー・ワイルドさんの「幸せの王子」をテキスタイルアーティストの清川あさみさんが再び命を吹き込みました。清川さんが創り出すイラストや写真とはまた違った不思議な画は、のぞきこむようにじーっと見入ってしまいます。きれいで、やさしくて、切なくて。それは本文以上に語りかけてくれます。これまでにない感覚を是非体感してみてください。

    (東京都 TSUTAYA三軒茶屋店 後藤怜子さん)

  • Mar

    03

    『自分の仕事をつくる』西村佳哲(筑摩書房)

    『自分の仕事をつくる』西村佳哲(筑摩書房)

    働き方研究家の著者が、柳宗理、パタゴニア、ヨーガンレール、象設計集団・・・など様々な人たちに働き方を訪ねていく。4+6=□ ではなく、□+□=10 の考え方をしてみること。正解はもらうものでなく自分で作り出すものだということ。自分の仕事のオーナーは自分なのだ。と気づかせてくれることで仕事をより楽しむ姿勢になれます。ドラフトの宮田さんを訪ねたページでは、組織をより良いものにするにはどうしたらよいのか。すべてのリーダーが頭を抱えるような問題へのヒントになるかもしれません。リクルーター、現役、リーダーの人。すべての働く人にオススメです。

    (東京都 TSUTAYA三軒茶屋店 後藤怜子さん)

  • Mar

    04

    『紙と活版印刷とデザインのこと』パピエラボ(ピエブックス)

    『紙と活版印刷とデザインのこと』パピエラボ(ピエブックス)

    尾原史和さんの「逆行」を読んだら、なんだか無償に印刷の話を聞きたくなって買った一冊。まさにタイトル通り、紙が好きで、活版印刷の虜で、魅力的なデザインを生み出す3人のお話。その拠点となるお店「パピエラボ」には、お客さんから職人さんまでたくさんの人が訪れる。彼らはどんな仕事をしているのか。始まりはなんだったのか。読んでいると、本当に紙や活版印刷が愛おしいのだなと感じる。印刷工場のおじさん(職人さん)のインタビューでは、現代の印刷や活字に対しての捉え方も個性があって面白い話を聞くことができること間違いなし。

    (東京都 TSUTAYA三軒茶屋店 後藤怜子さん)

  • Mar

    07

    『一瞬の夏(上下巻)』沢木耕太郎(新潮文庫)

    『一瞬の夏(上下巻)』沢木耕太郎(新潮文庫)

    僕は沢木さんのものを一冊紹介したくて選んだのがこちら。沢木さん自身もどっぷり関わって栄光から転落したボクサーを再起させようとする男たちのノンフィクション。夢で結ばれた仲間の絆が現実の残酷さの前に崩壊していく様が哀しくも美しい。これがフィクションであったらもっと陳腐になっていただろうと思わせる、現実にあった大人のためのオトギバナシ。

    (東京都 三省堂書店 神保町本店 篠崎凡さん)

  • Mar

    08

    『うらおもて人生録』色川武大(新潮文庫)

    『うらおもて人生録』色川武大(新潮文庫)

    ミシマ社渡辺氏もオススメしていた一冊(笑)。色川さんのものだからまた博打の話なんじゃないのなんて言う方もいるかもしれませんが、そんな人だからこそ書ける人生訓です。不良のための処世術なんて書かれていたように思いますが、誰もが感じる人生の難しさに「そんな上手くいくことばかりじゃないよ」と語りかけられているような視線がとても優しい。どんな人にも読んでもらいたい、人生のバイブル。

    (東京都 三省堂書店 神保町本店 篠崎凡さん)

  • Mar

    09

    『モダンタイムス』伊坂幸太郎(講談社)

    『モダンタイムス』伊坂幸太郎(講談社)

    伊坂さんのものの中ではさほど評価の高くないように思うのですが個人的に一番気に入っています。いつものユーモアたっぷりの物語ですが、根底にある監視社会、情報操作といったテーマは我々が今、社会に対して漠然と感じている一番の不安ではないでしょうか? こうしたテーマをエンターテイメントに持ち込んでいる作家は他には見当たらないし、伊坂幸太郎ほど現在を捉えている作家はいないのではと思わせる一冊。

    (東京都 三省堂書店 神保町本店 篠崎凡さん)

  • Mar

    10

    『アラビアの夜の種族』古川日出男(角川書店)

    『アラビアの夜の種族』古川日出男(角川書店)

    この小説を紹介するのはとても難しい。ナポレオン侵攻時のカイロで語り部の語られる古いアラビアのファンタジーなんて書くと少しとっつきにくく感じてしまうと思いますが、これは現在のいわゆる私小説からはなれた「本当の物語」。圧倒的な物語のスケールと独特の文章で長さを感じないほど引き込まれます。ここ十年ほどで最高の小説。

    (東京都 三省堂書店 神保町本店 篠崎凡さん)

  • Mar

    11

    『私が殺した少女』原尞(ハヤカワ文庫)

    『私が殺した少女』原尞(ハヤカワ文庫)

    ミシマガでこの手の小説を紹介しても大丈夫でしょうかと思いつつオススメするハードボイルド小説。僕は原さんの大ファンでどれも紹介したいのですが、完成度としてはこれかなという感じです。どうしてもチャンドラーとの比較をされてしまうのですが、スピード感、プロットの複雑さ、ラストの意外性という点ではこちらの方が上なんじゃないかと思っています。何より探偵・沢崎のキャラクターと東京の街の描写が素晴らしい。刊行から20年経っても色あせていません。

    (東京都 三省堂書店 神保町本店 篠崎凡さん)

  • Mar

    14

    『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン(講談社)

    『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン(講談社)

    昔、何も考えずフラフラしている時(?)、友人にすすめられて読んだ絵本。大いに感動し、自分自身をみつめなおした本で、それ以降、いろいろな絵本を読みあさった思い出の本。続編の『ビッグ・オーとの出会い』もおすすめ。

    (大阪府 TOKYU 宮本雅浩さん)

  • Mar

    15

    『自分の中に毒を持て』岡本太郎(青春出版社)

    『自分の中に毒を持て』岡本太郎(青春出版社)

    今年は岡本太郎生誕100年の年。いろいろな企画本、重版本がでている。昔読んだものを今読み返すと、当たり前かもしれないが自分の中の感じ方が違うのがわかる。この本もその一冊。

    (大阪府 TOKYU 宮本雅浩さん)

  • Mar

    16

    『こころ』夏目漱石(プランクトン、他)

    『こころ』夏目漱石(プランクトン、他)

    昔の名作が装丁を変えたり、マンガ化したりして話題になっているが、私にとってこの作品は、人のこころの微妙な描写、人間関係が忘れられない。中途半端な年頃(?)に読んだ、自分のこころに強烈に残っている作品。

    (大阪府 TOKYU 宮本雅浩さん)

  • Mar

    17

    『さよならをいえるまで』文:マーガレット・ワイルド、絵:フレヤ・ブラックウッド、翻訳:石崎洋司(岩崎書店)

    『さよならをいえるまで』文:マーガレット・ワイルド、絵:フレヤ・ブラックウッド、翻訳:石崎洋司(岩崎書店)

    書名と表紙が気になり、手にとって読んだあと久々に泣きそうになった絵本。単純に犬を飼っている自分にとっては超感動もの。

    (大阪府 TOKYU 宮本雅浩さん)

  • Mar

    18

     『わたしはわたし。そのままを受け止めてくれるか、さもなければ放っといて。』アルファポリス編集部 編(アルファポリス)

    『わたしはわたし。そのままを受け止めてくれるか、さもなければ放っといて。』アルファポリス編集部 編(アルファポリス)

    名言、格言類の本は好んで目を通すが、多岐にわたって選ばれており、興味深い。ことばもいいが、写真が非常にいい感じ。

    (大阪府 TOKYU 宮本雅浩さん)

  • Mar

    22

    『江戸っ子長さんの舶来屋一代記』茂登山長市郎(集英社新書)

    『江戸っ子長さんの舶来屋一代記』茂登山長市郎(集英社新書)

    良い本に出会うと直ぐに行動に移したくなる。心のなかで感動しただけではすませない、それが私の読書です。私が書店を開こうかと悩んでいた時に思い切り背中を押してくれた本を紹介します。
    この本は銀座の"舶来屋"サンモトヤマの創業者茂登山長市郎の一代記。商人としてのあり方、商品やお客さんへの愛情、商店をもつということへの情熱が筆者の実体験と共に語られています。ショップに限らず、仕事で悩んでいる方にも色々なヒントをくれる本です。この本を読んで、書店を開業し、そうする勇気を与えて頂いたことに対する感謝の気持ちを伝えたくて茂登山さんにお手紙を書いたところ、すぐにお返事を頂戴しました。ご多忙のなかで送って下さったその手紙にはこんなことが書かれていました。
     1.反省はするが、後悔はしない
     2.決して愚痴をこぼさない
     3.悪口を言わない
     4.人を羨ましがらない
    この4つを守れば、他人とはちょっと違った仕事ができるはずですよ。

    (東京都渋谷区 J STYLE BOOKS 大久保亮さん)

  • Mar

    23

    『自分の中に毒を持て』岡本太郎(青春文庫)

    『自分の中に毒を持て』岡本太郎(青春文庫)

    自分は何がしたいのか、自分ってそもそも何だろう、嬉しい感情はどこから生まれてくるのだろう・・・。この本は自分という存在と向き合うきっかけを与えてくれる本です。そもそも私にドロップアウトの楽しみを教えてくれた本かも知れません。
    "人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって自分は自在さを失ってしまう。"
    他人の色眼鏡で自分を見ることの馬鹿らしさ、自分らしく生きることの大切さを教えてくれる本だと思います。

    (東京都渋谷区 J STYLE BOOKS 大久保亮さん)

  • Mar

    24

    『表参道のヤッコさん』髙橋靖子(アスペクト)

    『表参道のヤッコさん』髙橋靖子(アスペクト)

    日本のスタイリストの先駆者で、現在も、広告、CMなど第一線で活躍される高橋靖子さんの自伝的エッセイ集。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当するなど、夢のような話のなかにも、気がついたらすごいことしちゃってた、というような自然体な高橋さんの雰囲気が伝わってきます。自分に素直になって、ただ"楽しいから、やる"、ってとても素敵なことだと思います。そして、そんなことを可能にしてくれる町、原宿・表参道の今と昔が楽しめる本です。"原宿に行けば何かあるんじゃないかな"って言う期待を持たせる場所。いつまでもそんな町であって欲しいです。

    (東京都渋谷区 J STYLE BOOKS 大久保亮さん)

  • Mar

    25

    『私の履歴書 経済人3 ~井上貞治郎』(日本経済新聞社)

    『私の履歴書 経済人3 ~井上貞治郎』(日本経済新聞社)

    段ボールの考案者であり、レンゴーの創設者である井上貞治郎さんの自伝。幼い頃から丁稚奉公にでるが、どれも長続きせず、転々と放浪し、挙句の果てには満州・香港にまで渡り、いい加減な日々を送る。強い野心があるわけでもなく、ただブラブラと自分の運命を天に任せるおおらかさ、破天荒さ。この自伝の面白いところは著者の駄目な姿ばかりが描かれていて、成功談が端折られていること。ある意味、上手くいかない時に成功の芽は育っているのかも知れません。
    *この物語はレンゴーのサイトでも全文お読み頂けます。

    (東京都渋谷区 J STYLE BOOKS 大久保亮さん)

  • Mar

    28

    『グルメを料理する十の方法』栗本薫(光文社文庫)

    『グルメを料理する十の方法』栗本薫(光文社文庫)

    小錦顔負けの巨体の持ち主アザミと、美人テキスタイルデザイナーのえりか(ギャル曽根ばりの大食い)のふたりが、ある日レストランで毒殺事件に巻き込まれて・・・。著者のお姿を拝見すると女傑(!)といった雰囲気なのですが、ご本人弁によると摂食障害を患い、インスタントの袋めんもひとついっぺんに食べられなかったそうな。好運にもどこかの棚で見つけたら、ぜひご一読を。マツコ・デラックスで2時間ドラマにしてほしいなぁ~んてネ。

    &今日の一本(映画)
    「料理長殿、ご用心」
    1978年、アメリカ、イタリア、フランス、西ドイツの合作。出版社を経営するマックは太りすぎの美食家。医師からは美食大食いをやめるよう警告されますが、速攻無視! 自ら選んだ世界のベストシェフ4人を集めて晩餐会を開催しようとしますが、その夜から次々とシェフが殺されて・・・。ストーリー&料理どっちも三ツ星!

    (大阪府 TOKYU金剛店 藤原睦美さん)

  • Mar

    29

    『フロスト日和』R・D・ウィングフィールド(創元推理文庫)

    『フロスト日和』R・D・ウィングフィールド(創元推理文庫)

    ほんのりと刑事コロンボの香りがしますが、ストーリーは別物。刑事モノでは、ひたすらひとつの事件(あってもその前後と枝葉)を追うものが多いですが、「あ~そうだよね~」って言っちゃうくらい、大小入り混じってお仕事(事件)がテンコ盛りです。わかるぞぉ、フロスト! ガンバレェ~私!!(自分に転換)

    &今日の一本(映画)
    「最高の人生の見つけ方」
    2007年アメリカ映画。ご存知の方も多いと思いますが、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのふたりが、終幕を迎えつつある人生において、「やっておきたい事リスト」を作成。ひとつずつ実現していこうとします。ふたりの名優はもちろんですが、ニコルソンの秘書役ショーン・ヘイズがピカイチ! 心にひびく仕事ぶり・・・、若い人達にもぜひ観てほしい一本です。

    (大阪府 TOKYU金剛店 藤原睦美さん)

  • Mar

    30

    『ローカル線で温泉ひとりたび』たかぎなおこ(メディアファクトリー)

    『ローカル線で温泉ひとりたび』たかぎなおこ(メディアファクトリー)

    うらやましすぎる・・・。おかっぱ頭のたかぎさん、どこに行こうが飲んじゃってます。私だって食べる事もビールの味も大好きなのにアルコール分解酵素が仕事を拒否。ビール大好きな下戸なんです・・・。さて、『愛しのローカルごはん旅』共々、いろ~んなSwitch全部OFFにして、お楽しみ下さい。

    &今日の一本(映画)
    「ぼくのエリ 200歳の少女」
    2008年、スウェーデンの作品。いじめられっ子の12才男子と姿形は12才の少女、でも実はヴァンパイアというふたりの物語。音のない白く冷たい極寒の世界・・・。恋した女の子から漂うケモノ臭・・・。ラブストーリーのくくりですがトンデモナ~イ。トワイライトのロブ様をペッと抜いちゃう生々しい映像。テンションは確実に下がりますが、一見の価値アリです!

    (大阪府 TOKYU金剛店 藤原睦美さん)

  • Mar

    31

    『検屍官』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)

    『検屍官』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)

    シリーズ作・第一弾。刊行ペースがのんびりなので最初の頃は「早く次! 次ぎ書いてっ!!」といった感じでしたが、17弾が発売された近頃では、「共に生きてきたなぁ~」的心境で、心静かに次回作を待ち侘びています。事件は毎度凄惨ですが、モルグのなかまで一緒にぐぐっと入り込んで、主人公達と同じ空気を吸っている気さえしてきます。

    &今日の一本(映画)
    「ゾンビランド」
    2009年のアメリカ映画。「え~ゾンビ系はちょっとぉ~」という方にこそ、ぜひオススメしたい作品です。「ソーシャルネットワーク」フェイスブックを題材にした作品で主人公を演じた、ジェシー・アイゼンバーグが、今作では下痢っ腹でいけてないんだけど「自分ルール」を忠実に守ってゾンビランドを生き抜いていきます。思いがけずはっとするような、ナイスな言葉が飛び出してきたり・・・、見逃せない一本デス。

    (大阪府 TOKYU金剛店 藤原睦美さん)