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2011年、震災後に私が何度も読み返した一冊がこれです。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮、この5人の生涯が収められています。特に二宮尊徳の章は、今こそ多くの人に読んでほしい。尊徳は傾いた生家の再興を志し、身を寄せた伯父の家で懸命に働きながら少しの時間にも努力と勉強を惜しまず、何もないところから独力で財を成しました。その勤勉倹約により自然と高まった名声は彼の望むところではなかったものの、農民の出ながら藩主に請われ、たくさんの廃村に仁術を施し、人心と土地を再生させ、晩年は江戸幕府に取り立てられるほどでした。(そのなかでもとりわけ顕著な事業は、現在の福島県にある相馬藩の再興であった。)その徳をもって、本当に困った人たちをたくさん救った尊徳のあり方は、震災で落ち込んでいた私の心に、どっと響いたのでした。日本人はこれから先も彼の生き方と、「大地の恵みが私たちにもたらしてくれるもの」を決して忘れてはならないと、本気で思いました。土と太陽と水があってこそ、私たちは生きられるのだという、その当たり前すぎる現実を尊徳を通じて再認識した次第です。尚、本書は1894年、日清戦争が始まった年に英文で書かれました。当時、内村鑑三は34歳。この国を生きた先人の凛とした姿に胸が熱くなると同時に、私もまた、ささやかながら後世にバトンを渡す役目を持った一人として、背筋の伸びる思いがします。
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『真説ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹(エンターブレイン)
善悪、生死、美醜という一見相交わることのない世界を同一に描いた作品。あまりにも壮絶で残酷なシーンに読む手が止まりそうになります。それでも二度目(10年後)を読んだ時の衝撃たるや・・・。三度目はちびりそうになりました。心臓の弱い方にはオススメしませんが、「生きるって」何なのかを強く考えさせられます。
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