今日の一冊バックナンバー

  • Apr

    02

    『月夜のみみずく』ヨーレン詩 くどうなおこ訳 ショーエンヘール絵(偕成社) 

    『月夜のみみずく』ヨーレン詩 くどうなおこ訳 ショーエンヘール絵(偕成社) 

    雪深い冬の夜、とうさんと女の子はみみずくを探しに森へと向かいます。女の子はずっとこの日が来るのを心待ちにしていました。くじけそうな寒さもなんのその、とうさんとふたりきりの誇らしさ、ちょっぴり大きくなった喜び、そして感動的なみみずくとの出会い・・・。
    神秘的な美しさに満ちた、夜の森での出来事は、決して忘れることのできない思い出になるでしょう。そして記憶の根っこの部分に深く深くしみこんで、大人になって普段は忘れていてもきっと大切な時に思い出すのでしょう。こんな経験を人生の宝物と呼ぶのかもしれません。訳も絵も一丸となってヨーレンの詩の世界を支えている、ため息の出るような美しい絵本。

    (京都府京都市 メリーゴーランドKYOTO 鈴木 潤さん)

  • Apr

    03

    『わたし クリスマスツリー』佐野洋子(講談社)

    『わたし クリスマスツリー』佐野洋子(講談社)

    山のふもとの雑木林のなかに、1本のもみの木が立っていました。もみの木はきれいな町にいってクリスマスツリーになるのが夢でした。秋がすぎ、冬が近づいてくるともみの木は、いてもたってもいられなくなります。でも雑木林のなかのもみの木を誰が見つけてくれるというのでしょう。ついにもみの木は自ら根っこを土から引き抜いて、町へとむかうのですが・・・。
    泣きながら帰ってきたもみの木に、年とった木が言います「しっかり土に根をいれるんだ。」
    自分の居場所、まわりの人々との関係、外の世界への強い憧れ。もみの木に自分の姿を重ね合わせて私はページをめくっていました。ちょっぴり切なく、力強く、そしてすべてを包み込んでくれるやさしさに溢れています。

    (京都府京都市 メリーゴーランドKYOTO 鈴木 潤さん)

  • Apr

    04

    『どんどんどんどん』片山健(文研出版)

    『どんどんどんどん』片山健(文研出版)

    子どもがたったひとりで歩いているとしたら・・・。いったい何があったのかと大人はほってはおけないでしょう。「どこから来たの?」「お父さんとお母さんは?」あれこれ尋ねた後は、「一緒に来なさい」「きっと迷子なのね」となるかもしれません。私は子どもが生まれてからこの本にまた新しく出会ったように思いました。
    どんどんどんどん、そりゃあもうただどんどんどんどんと突き進む子ども。つかれたらちゃんとひとやすみする子ども。そこには大人なんて寄せつけないたくましさと、意思の強さを感じるのです。こんな風にどんどん遠くへ行こうとする子どものじゃまをせず、見守ること。難しいけれど、それが大人のたったひとつの役割のように思えてならないのです。

    (京都府京都市 メリーゴーランドKYOTO 鈴木 潤さん)

  • Apr

    05

    『これはなみだ?』長新太文 栗林慧写真(福音館書店)

    『これはなみだ?』長新太文 栗林慧写真(福音館書店)

    葉っぱの上におちた水の粒、ひとつ。
    これはなに? しょっぱい? にがい? それともあまい?
    人にとってはほんの一滴の水の粒であっても、小さな生き物にとってはおおきなみずたまり。
    公園や神社、野っぱらなんかで地面に目を凝らしてみれば、たいてい目にすることのできるアリ。そのちいさなアリたちのつぶやきが聞こえてくるようなのです。
    目をこらさなければ見逃してしまう、小さいけれど大きな世界。きっと私たちのまわりにはそんなことが溢れているのでしょう。
    大切なことをそっと耳打ちしてくれるような写真絵本。

    (京都府京都市 メリーゴーランドKYOTO 鈴木 潤さん)

  • Apr

    06

    『ぼんさいじいさま』木葉井悦子(ビリケン出版)

    『ぼんさいじいさま』木葉井悦子(ビリケン出版)

    春の空が青く晴れわたった、気持ちのいいある朝のこと、ぼんさいじいさまはいつものように宝物のぼんさいをうっとりと眺めていました。すると「ヤッホー じいさま お迎えにきました」とどこからか小さな声がして・・・。
    子どものようにかわいがっていた動物や植物に見送られながら、ぼんさいじいさまは静かに命の終わりを感じ、受け入れ、そしてもうひとつの世界へと旅立っていきます。
    死をこれほど深く温かく、やさしさと慈悲に溢れたまなざしで描いた本が他にあるでしょうか。命の尊さと美しさ、それを生きる喜びがページからあふれ出るようです。私たちは大きな自然の流れの中の一粒でしかないのだと、この本を手にするたびに感じるのです。

    (京都府京都市 メリーゴーランドKYOTO 鈴木 潤さん)

  • Apr

    09

    『ぱんだ』岩合光昭(クレヴィス)

    『ぱんだ』岩合光昭(クレヴィス)

    パンダってどうして愛嬌がこんなにもあるんだろう。
    「大人(成獣)でも子ども(幼獣)みたいに見れるのもジャイアントパンダらしさです」ー本文より
    変わらないという可愛らしさを持っていて何事にも真剣なのがパンダを愛らしいと思う理由のひとつと考えられます。ちなみに、ジャイアントパンダらしさってなんだか素敵な表現だと思いませんか? 上野にリーリーとシンシンがやってきて早一年。暖かい春が訪れ、夏頃にはパンダの赤ちゃんが生まれるかもしれないというニュースが飛び込んできました。上野は、ぱんだの赤ちゃんで賑やかになる夏が訪れるかもしれません。
    「リーリーはヒヒーンとくりかえしてやってくる」ー本文より
    という、写真が掲載されているんですが、「ヒヒーン??」パンダの鳴き声が気になってしまう一冊でもありました。そんな、上野、和歌山、中国のぱんだの写真集です。イワゴーさんがとった100点のパンダ達。もちろんオススメは、リーリーとシンシンの写真です(笑)
    岩合光昭×パンダでほっこりする一冊はいかがですか。

    (東京都台東区 明正堂書店アトレ上野店 櫻井邦彦さん)

  • Apr

    10

    『星に願いを、月に祈りを』中村航(小学館)

    『星に願いを、月に祈りを』中村航(小学館)

    小学生のアキオたちは、夏の学童キャンプ中、ホタルを見ようと深夜宿舎を抜け出します。星空の下、「星空放送局」という謎のラジオが流れていました。そこから、物語は始まります。私は、二回読み返してしまった作品です。前半は青春小説かと読み進め、途中の交錯するストーリーと、まさかの展開にドキリとさせられてしまいました。それぞれの物語がつながり、願いと祈りを知った時、私は胸が熱くなりとても優しい気持ちになりました。読み終わった後、夜明け前の一番星を見に行く自分がいました。きっと夜空を見上げたくなる一冊となるでしょう。中村航先生の深い愛と奇跡の物語をどうぞ。

    (東京都台東区 明正堂書店アトレ上野店 櫻井邦彦さん)

  • Apr

    11

    『マリアビートル』伊坂幸太郎(角川書店)

    『マリアビートル』伊坂幸太郎(角川書店)

    伊坂幸太郎先生『グラスホッパー』の続編です。新幹線のなかで繰り広げられる殺し屋たちの物語。個性あふれるキャラクターたちと圧倒的な展開に脱帽の一冊。やっぱり新幹線のなかで読んでほしい作品です(笑) そして、東北新幹線下り、東京発―仙台行きに乗るとさらに臨場感が伝わってくることでしょう(無理を言って申し訳ございません)。新幹線エンターテイメント、伊坂発・急行(途中下車できません)発車します!?

    (東京都台東区 明正堂書店アトレ上野店 櫻井邦彦さん)

  • Apr

    12

    『グレイヴディッカー』高野和明(講談社文庫)

    『グレイヴディッカー』高野和明(講談社文庫)

    あの『ジェノサイド』の高野和明先生の作品です。とにかく逃げろ! ノンストップ・サスペンス! 主人公は、元詐欺師ですがどこか憎めない八神俊彦。骨髄ドナーとなり、ひとりの小さな命を救うため病院と向かいます。八神は、途中事件に巻き込まれ、謎の殺戮者、グレイヴディッカーに追い詰められていきます。屋根に飛び移ったり、隅田川へダイブしたりと休まる暇はありません。さて、グレイヴディッカーの正体は? 目的は一体何なのか? はたして無事に病院に辿りつけるでしょうか? 物語は色々なことが絡んできます。貴方は今夜眠れなくなるかもしれません。なぜなら、八神の一昼夜の逃避行に目が離せなくなるからです。さぁ、逃亡劇の扉を開きましょう。

    (東京都台東区 明正堂書店アトレ上野店 櫻井邦彦さん)

  • Apr

    13

    『図解!! やりかた大百科』(パイ インターナショナル)

    『図解!! やりかた大百科』(パイ インターナショナル)

    生活に役立つ情報を完全にイラスト化! わかりやすい図解で説明している一冊。必要なアイテムもアイコン表示しています。例えば、季節は春です。新生活に髪型を変えよう。明日からモヒカンで出社だ。と思いついてもすぐにできません。でも、この本を持っていれば大丈夫。すぐに新しい髪型になれます(なかなかモヒカンOKの会社は少ないと思いますが)。さぁ、気合いを入れてお洒落をしよう。としたらピアスを洗面所でうっかり落としてしまった。でも、慌てないで。排水管から取り出すやり方も掲載されていますから! まさに、役に立つかも知れない438の豆知識が詰まっている本です。突然、ヒョウに出くわしたとしても、両手をあげて自分を大きく見せつつ、ゆっくり後退する。これで逃げられるはず? です。鎖かたびらビキニの作り方なんていうのも図解されています。ミサンガの編み方はすぐに実践できそう。みなさん、役に立ちそうですか? 花見の席で役立つかは保証できませんが、読んでいて楽しい本です。プレゼントに添えて。何かのために一冊常備して。とにかく何かを実践してみる。と使い方は色々あると思います。ちょっと広く浅いかも知れませんが、あまり深く考えずに読んでみて下さい。きっと、知りたかった知識がひとつは見つかり、役に立つ時がくると思います! 

    (東京都台東区 明正堂書店アトレ上野店 櫻井邦彦さん )

  • Apr

    16

    『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ(新潮文庫)

    『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ(新潮文庫)

    海外ドラマ「LOST」にはまった方なら再度読み直して欲しい一冊です。LOSTの最終話は悲しい結末であったが、この本はそうではありません。休暇で六週間の航海に出るはずだった寄宿学校の生徒たち。ところが船が流され、嵐のはてに無人島に漂着してしまう。少年たちは力を合わせて、島での生活を築きあげていく。傑作冒険です。

    (京都府京都市 大垣書店イオンモールKYOTO店 安永憲正さん)

  • Apr

    17

    『海底二万里』ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    『海底二万里』ジュール・ヴェルヌ(創元SF文庫)

    「ふしぎの海のナディア」1991年 4月12日 に放送されたアニメーションを見た方なら手にとっているはずの冒険小説。日本の冒険モノ・軍艦モノの想像力を規定しているともいえる。当時最先端の技術や知識のちょっと先を見据え、しかも現実の事件や政治を織り込んだ半現実のSF世界。おもしろくないわけがない。

    (京都府京都市 大垣書店イオンモールKYOTO店 安永憲正さん)

  • Apr

    18

    『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)

    『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)

    まさに「スター・トレック」!! 始まりは、月面で発見した宇宙服を身に着けた死体だった・・・。明らかに人間のはずなのに、どの月面基地にも所属していなかった。それどころか、彼は現代人ではなかった。何と! 5万年前の人間だったのだ! 彼はどこから来たのか? 現代に生きる人類との関連は? ミステリー、ファンタジー、そしてロマン。あらゆる感覚を味わうことのできる作品です。

    (京都府京都市 大垣書店イオンモールKYOTO店 安永憲正さん)

  • Apr

    19

    『機龍警察』月村了衛(ハヤカワ文庫)

    『機龍警察』月村了衛(ハヤカワ文庫)

    なるほど、機甲兵装なんていかにもありそうな設定とストーリー。警官のプライド、警察官僚の内幕、傭兵やテロリストたちの世界、など、いろんな要素が詰まっていて、舞台仕立てとしてはとても盛り沢山なのはいい。話も、三機の機甲兵装に乗る元傭兵、ロシアの警官崩れ、元テロリストの過去を絡めながら、警察という組織内部の争いをうまく描いていると思う。が、しかし・・・何度読んでも「機動警察パトレイバー」が頭から離れない、現実の日常に自然に巨大ロボットが溶け込んだ情景描写が、強いリアリティをもっている。

    (京都府京都市 大垣書店イオンモールKYOTO店 安永憲正さん)

  • Apr

    20

    『サイバラバード・デイズ』イアン・マクドナルド(早川書房)

    『サイバラバード・デイズ』イアン・マクドナルド(早川書房)

    「サンジーヴとロボット戦士」はまさに、「フロントミッション」の世界感、ヴァンツァーと呼ばれる人型機動兵器を操り物語を進めるゲームの臨場感以上のストーリーに感服。
    分離戦争まっただなかのインド。サンジーヴの村にも戦火がおよぶ。アニメさながらの巨大ロボットの戦いに、子どもも大人も大喝采。ロボット戦士にあこがれる少年の冒険譚。
    又、ヒューゴー賞、英国SF協会賞を受賞した「ジンの花嫁」も、どことなく鉄腕アトムや新造人間キャシャーンの世界観があり、こちらも読み進めるうちにどんどんと引き込まれてゆく作品である。ダンサーのエシャは、レベル二・九という高い知性を持つAIの外交官A・J・ラオに求婚される。おそろしいまでに魅力的な彼に、エシャはすっかり夢中になるが・・・。AIと人間との結婚が産みだす悲喜劇を描き、猥雑で生命力あふれる近未来のインドを描く連作中短篇7篇を収録。

    (京都府京都市 大垣書店イオンモールKYOTO店 安永憲正さん)

  • Apr

    23

    『誠心誠意、嘘をつく』水木楊(日本経済新聞出版社)

    『誠心誠意、嘘をつく』水木楊(日本経済新聞出版社)

    まずは書名に惹かれた! 自民党を生んだ男 三木武吉とは、ただの嘘つきなのか? 政治に疎い自分でも一気読み! 今の政治家にはないアクの強さ、だからこそ惹きつけられる。政治が混迷している今に読むべき一冊!! でも・・・、入手困難かも・・・。

    (東京都杉並区 サンブックス浜田山 木村晃さん)

  • Apr

    24

    『侠骨記』宮城谷昌光(講談社文庫)

    『侠骨記』宮城谷昌光(講談社文庫)

    中国小説といえば、三国志、水滸伝・・・、いやいや、もっと奥が深い! 自分が中国小説にハマッた一冊! 難しそう、と、倦厭しないで読んでほしい! まずはカルく読める宮城谷作品の入門編! 次に『晏子』『楽毅』を読めば全作品を読みたくなります!

    (東京都杉並区 サンブックス浜田山 木村晃さん)

  • Apr

    25

    『犬神家の一族』横溝正史(角川文庫)

    『犬神家の一族』横溝正史(角川文庫)

    いわずと知れた名作! 横溝作品に触れてしまうと、最近のミステリーがもの足りなくなってしまうのが難点(笑) 若い読者には絶対に読んでほしい一冊!! 映画もいいかもだけど、やっぱ原作にはかなわない!!

    (東京都杉並区 サンブックス浜田山 木村晃さん)

  • Apr

    26

    『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル(新潮文庫)

    『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル(新潮文庫)

    有名な探偵小説の親、C.ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズ。その短編を集めた一冊です。特にこの短編集には有名どころの12話が集められており、なかには子どものころに読んだ覚えのある話も見つかるかもしれません。ですが、巧妙なトリック、作中ロンドンの雰囲気、キャラクターたちの軽快なやり取りなど、今だから理解し、味わうことのできる要素も多くあります。この12編はそのような「シャーロック・ホームズ」らしさが強く出ており、楽しんで読むことのできる短編集だといえます。ほかの長編作品、『緋色の研究』や『バスカヴィル家の犬』などが、少し難しそうだと感じている方にもお勧めです。

    (東京都杉並区 サンブックス浜田山 上条幹弥さん)

  • Apr

    27

    『陰陽師』夢枕獏(文春文庫)

    『陰陽師』夢枕獏(文春文庫)

    さまざまなメディア展開がなされた本シリーズ、その一作目です。映画化やコミック化などもされていますが、やはり作者が描き出す平安京の雰囲気は、小説でこそ最も強く味わえるものです。時代背景や古典の考証も十二分に練られているので、古典が苦手だという学生の方の、ひとつの足がかりにもなるかもしれません。

    (東京都杉並区 サンブックス浜田山 上条幹弥さん)