今日の一冊バックナンバー

  • Dec

    03

    『スクールガール・コンプレックス』青山裕企(イースト・プレス)

    『スクールガール・コンプレックス』青山裕企(イースト・プレス)

    突然ですが、本日より「青山裕企 特集!!」ということで、青山裕企氏の著作を中心に、氏の写真によって大いに魅力を引き出されている書籍を紹介させていただきたいと思います。師走最初の一週間、どうぞお付き合いくださいませ。
    さて、まずは青山裕企の代表作(と私が勝手に思っている)写真集です。女子高生の日常を切り取った、と言うにはいささか過激な内容かも知れません。が、"あの頃"をありありと思い出すには、寧ろ必要な過激さでしょう。何でも思い通りになるような気がして、でも本当に思いのままに出来ることは存外に少なくて・・・。そんな10代の頃を色鮮やかに(鮮やか過ぎるくらいに)思い出させてくれます。

    (静岡県静岡市 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 宗形康紀さん)

  • Dec

    04

    『ソラリーマン』青山裕企(パイ・インターナショナル)

    『ソラリーマン』青山裕企(パイ・インターナショナル)

    「食うため」と割り切ってるひともやりがいをしっかり感じてるひともみんなみんな深くて強くてチャーミング!!! そしてそれがカッコいい!!! これ以上何が要りましょう? 100万冊の自己啓発本もセミナーも敵わないソラリーマンを目指せば空も飛べるはず。これから働く人、今お仕事で悩んでル人一人一人に贈りたい愛と勇気のエールですレッツソラリーマン!

    (静岡県静岡市 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 工島明子さん)

  • Dec

    05

    『消失グラデーション』長澤樹(角川書店)

    『消失グラデーション』長澤樹(角川書店)

    とある私立高校のバスケ部が舞台の、極上のミステリである。あやまたず組み上げられたロジック! 読了後は感嘆の声を上げざるを得ないだろう。しかし、本書の本当にすごいところは、一流のスポーツ小説にもなり得ていることにちがいない。エースの抱える悩み、コートに立てない者の葛藤、そういったものすべてを巻き込みながら話は展開していきます。バッシュとコートの摩擦音やバスケットボールのずっしりとした重さを実感できる人にとっては、謎解きの臨場感も増すことでしょう・・・。
    ・・・あれ? 青山裕企特集!! はどこへいった? と思われたあなたへ朗報です。実は、本書の表紙の写真が青山氏の作品です。初めて手に取ったときは、ミステリの表紙になぜ? と思いましたが、読み進めるにつれ、この本の表紙はこれしかないと感じるようになりました。この感覚、ぜひとも味わってほしいものです。

    (静岡県静岡市 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 宗形康紀さん)

  • Dec

    06

    『夏服パースペクティヴ』長沢樹(角川書店)

    『夏服パースペクティヴ』長沢樹(角川書店)

    昨日紹介した書籍の続編です。やはり、このシリーズと青山氏の作品は絶妙な相性だと思います。「ジャケ買い」という言葉を耳にしますが、特に前作を読んだ方にとってこれはまさに「ジャケ買い」の対象でしょう。
    往年の名探偵もかくや、と思わせる推理を展開するこのシリーズの探偵役、樋口真由ですが、この名探偵がシリーズを通して(推理とは別に)訴え掛けて来る何かと、表紙の青山氏の写真が醸し出す雰囲気が同じ(もしくは限りなく近い)ように感じられてならないのです。この感覚をうまく文書にできないことが残念でなりませんが、百聞は一見にしかずとも言います。まずは表紙をじっくり鑑賞してから読み始めてください。書店でカバーを掛けてもらった方は、最初に一度ははずすことをおすすめします。

    (静岡県静岡市 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 宗形康紀さん)

  • Dec

    07

    『<彼女>の撮り方』青山裕企(ミシマ社)

    『<彼女>の撮り方』青山裕企(ミシマ社)

    灰色のイメージだったサラリーマンを青空に放り上げてくれた青山さん。あとから知った「スクールガール」のぎこちなさが不思議だったけど解けました謎~それでますます好感度upしちゃってほんっとにいい人ですねって書評になってるかなあこれ。なんだか目をそらしてた自分のコンプレックス隣に置いて「ま、よろしく」なんて肩なんか叩きたくなっちゃう本なんです。

    (静岡県静岡市 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 工島明子さん)

  • Dec

    10

    『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』泡坂妻夫(新潮文庫)

    『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』泡坂妻夫(新潮文庫)

    「未読の人に『しあわせの書』の秘密を明かさないでください」と、扉に書かれているミステリを紹介するのはとても難しいわけです。本書は、心霊術の実演や暴露講演で全国各地を回る胡散臭い名探偵、ヨギガンジーが活躍する長編です。さて、ここでわたくしもヨギガンジーよろしくひとつだけ予言をば。
    「あなたは、231ページを読み終えた時点で、必ず最初からつぶさに、それこそ一ページ一ページ丹念に読み返します」必ずです。

    (北海道旭川市 ジュンク堂書店旭川店 高田学さん)

  • Dec

    11

    『仮題・中学殺人事件』辻真先(創元推理文庫)

    『仮題・中学殺人事件』辻真先(創元推理文庫)

    ミステリの歴史。それは「意外な犯人の発見」という偉業抜きに語ることはできません。 そういう意味で、本書はその極み。なにしろ犯人は・・・「読者」なんですから。
    待って! わかってます! 「こんなところで犯人をバラす!? 死ね!」 うん、お怒りごもっとも! でもですね、本書に関して言えば、序章である「眉につばをつけま章」で作者自身が語っているのです。
    「この推理小説中に伏在する真犯人は、きみ(読者)なんです」と。
    つまりこの作品のキモは「いかにして自分が犯人に仕立て上げられるのか」なのです。そして、読み終えた段階であなたは思うはず。「読者以外、犯人足りえない」と。

    注:本書を読む前に『アクロイド殺し』『黄色い部屋の秘密』を読み終えておくことをオススメします。

    (北海道旭川市 ジュンク堂書店旭川店 高田学さん)

  • Dec

    12

    『狂鬼降臨』友成純一(出版芸術社)

    『狂鬼降臨』友成純一(出版芸術社)

    これはもう一冊の劇薬です。食前に読むことはオススメしません。地獄の鬼が突然現世に現れる。鬼たちは何故自分たちがこの世に送り込まれたのかわからない。わからないのでとりあえず地獄でしてきたことを繰り返す。ただただ繰り返されるあまりに一方的な殺戮。人間が単なる肉袋のように描かれる絶望感。そして驚愕の結末。トモナリはすごい。

    (北海道旭川市 ジュンク堂書店旭川店 高田学さん)

  • Dec

    13

    『占星術殺人事件』島田荘司(講談社文庫)

    『占星術殺人事件』島田荘司(講談社文庫)

    もし、タイムトラベル的能力が身についたら、間違いなくしていることがひとつあります。それは、「本作を1章の途中で挫折した高校時代の自分を叱り飛ばす」です。浪人時代公園のベンチで「読者への挑戦」(二回もある!)を経て、真相にたどり着いた私は、思わず「あっ!!!」という驚嘆の声を、比喩ではなく、実際に声に出して叫んでいました。本当に「某推理マンガに出会う前に本作を読めた僥倖」を今、噛み締めています。
    密室で殺された画家、六人の行方不明の女性たちと、次々と発見されるそのバラバラ死体。この昭和十一年に起こった「梅沢家・連続殺人事件」が四十年以上の時を経て、一人の名探偵によって一気に紐解かれるそのカタルシス。間違いなく日本ミステリ史上、燦然と輝く大傑作。

    (北海道旭川市 ジュンク堂書店旭川店 高田学さん)

  • Dec

    14

    『匣の中の失楽』竹本健治(講談社ノベルス)

    『匣の中の失楽』竹本健治(講談社ノベルス)

    まさに「匣」。探偵小説マニアによる衒学的な推理合戦。メンバーのひとりが書いた小説の通りに次々と事件が起きるという構成。どこまでもミステリでありながら、その世界観そのものを俯瞰することで、「読者」という安寧の地位を揺らがせ、『虚無への供物』『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』と並び「アンチミステリ」とも言われる本作。賛否が大きく分かれる作品だが、本作を書いた竹本氏が当時22歳だった事実を考えても、伝説の一冊。

    (北海道旭川市 ジュンク堂書店旭川店 高田学さん)

  • Dec

    17

    『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング(阪急コミュニケーションズ)

    『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング(阪急コミュニケーションズ)

    何か壁にぶつかった、もしくは、煮詰まったと感じたときに読んでください。はっきり言って薄い本です。読むのには、時間はかかりません。多分、1時間ないし、2時間で読むことができると思います。しかし、読後には、何らかの出口が見つかっているかと思います。しかし、その出口は小さなものかもしれません。その際は、時間をおいてから読みなおしてください。出口が大きくなるか、別の出口を見つけることができると思います。また、出口を見つけることができた方も、1年後、5年後、10年後と時間をおいて読みなおしてください。その際には、また、何か別のものの見方ができているかと思います。なぜなら、それまでのみなさんの経験によって思考が深くなっているからです。

    (福岡県福岡市 書斎りーぶる 本田賢吾さん )

  • Dec

    18

    『100の思考実験―あなたはどこまで考えられるか』バジーニ・ジュリアン(紀伊國屋書店)

    『100の思考実験―あなたはどこまで考えられるか』バジーニ・ジュリアン(紀伊國屋書店)

    昨日紹介した本とは違い、とにかく読むのではなく、考えてください。多分、頭が痛くなる人がいるかもしれません。なぜなら、答えはあってないような問題ばかりだからです。そして、読まれたひとりひとりが違った答えを持たれたとしても不思議ではなく、違いを大事にしていただきたいと思いますし、違いについて語り合っていただいてもいいかと思います。その答えを出す過程を楽しんでもらいたい一冊です。

    (福岡県福岡市 書斎りーぶる 本田賢吾さん)

  • Dec

    19

    『まかり通る 電力の鬼・松永安左エ門』小島直記(東洋経済新報社)

    『まかり通る 電力の鬼・松永安左エ門』小島直記(東洋経済新報社)

    今日、紹介する本はある人物について描かれた本です。その人物というのが、松永安左ェ門なのですが、波乱万丈というか破天荒な人生をおくった人物で語り出すと止まらなくなりそうなのでこのぐらいにしておいて、3.11以降問題となっている電力の問題を考える際、現在の10電力会社体制がどのようにしてつくられたのかを知ると中心人物が安左ェ門であり、その考え方に触れるとどこが問題なのかと見直すことができる1冊ではないかと思います。

    (福岡県福岡市 書斎りーぶる 本田賢吾さん)

  • Dec

    20

    『闇こそ砦 上野英信の軌跡』川原一之(大月書店)

    『闇こそ砦 上野英信の軌跡』川原一之(大月書店)

    さて、みなさんは「筑豊文庫」を知ってますか。そして、炭鉱労働達の生活を記録し続けた「上野英信」という人を知ってますか。多分あまり知っているという方は少ないかと思いますが、昨年ユネスコの世界記録遺産に登録された「山本作兵衛の炭鉱画」をご存知の方はそれなりにいらっしゃるのではないかと思います。その作兵衛さんとも交友があり筑豊の廃坑跡に住み炭鉱労働者達とともに生き、記録し続けたのが彼なのです。いま彼について読み直すことによって当時の炭鉱労働者の生活を知ることができ、現在の原発労働者へとつながっていることを知ると考えさせられるものがある一冊だと思います。

    (福岡県福岡市 書斎りーぶる 本田賢吾さん)

  • Dec

    21

    『中国畸人伝』陳舜臣(中公文庫)

    『中国畸人伝』陳舜臣(中公文庫)

    今週最後に紹介する本のキャッチコピーを考えるならば「畸(人)は貴(人)なり」です。なぜこのようなことをいうかというと実は私がおります福岡の書店ではBOOKUOKAという福岡を本の街にという掛け声のもと1月の間いろいろなイベントを行うのですが、そのひとつである「激オシ文庫」というイベントで今年紹介したのがこの本で、その際のキャッチコピーなのです。今、閉塞感のある社会状況の中、この本に出てくる人物達ならばどのように振舞うのかと考えながら読むと、今を生きる我々に対するひとつの道しるべになるのではないでしょうか。

    (福岡県福岡市 書斎りーぶる 本田賢吾さん)

  • Dec

    25

    『クリスマス・キャロル』ディケンズ/著 村岡花子/訳(新潮文庫)

    『クリスマス・キャロル』ディケンズ/著 村岡花子/訳(新潮文庫)

    クリスマスは何とも言えず、ウキウキとして楽しいものです。親しい友人や家族と集まって、お食事をして、プレゼントを贈り合う。日本のクリスマスも、平和でなかなか悪くない習慣だけれど、ただ浮かれるだけでは、もったいない。イギリスの文豪ディケンズの『クリスマス・キャロル』は、何度も映画化された有名な物語。ケチで偏屈なスクルージが、3人の幽霊に出会い、自らの過去、現在、未来を巡ることで改心します。心からクリスマスを祝う事で、これまでとは打って変わって街の人から愛されるようになるのです。スクルージが改心する過程は、何度読んでも感動的。どんな人間でもやり直す機会さえ与えられれば、変わることができる。自分が変わりさえすれば、また周囲も変わるのです。昨年、村岡花子訳の改訂版が出版され、題名も「クリスマス・カロル」から「クリスマス・キャロル」となりました。現代の読者に合わせて、訳文に訂正を加えたとのことです。ぜひ、この機会にクリスマスの精神を、スクルージから学んでみてはいかがでしょうか?

    (北海道札幌市 MARUZEN札幌北一条店 伊藤樹里さん)

  • Dec

    26

    『寺山修司全歌集』寺山修司(講談社学術文庫)

    『寺山修司全歌集』寺山修司(講談社学術文庫)

    1983年に没した寺山修司の戯曲が未だに上演されるのは、何故なのか。寺山修司が生きた、1960年~70年代の時代の空気を知り得ない若者たちに響く言葉の力が、ここにある。短歌を読み直すことで、寺山修司の多岐に渡った表現活動への理解が、深まります。テレビで放送された舞台(おそらく死後、上演されたもの)や、映画を見る限りの、貧弱な経験しかないために、アングラの教祖の様な、乱暴なイメージしか持っていませんでしたが、書いたものを読むにつけ、先鋭的な言葉のなかにも、そこはかとないユーモアを感じて、教祖がなんだか身近に思えてきました。かっこいいです。

    (北海道札幌市 MARUZEN札幌北一条店 伊藤樹里さん)

  • Dec

    27

    『るきさん』高野文子(ちくま文庫)

    『るきさん』高野文子(ちくま文庫)

    デビュー30年で単行本6冊という寡作というにも程がある、あまりに寡作な漫画家。高野文子。勝手に使命感を持って、これまでも折に触れひっそりと啓蒙活動に努めて参りましたが、この度、ミシマ社さんのホームページに拙文が掲載されるという又とない機会に恵まれたので、ここぞとばかりに、やっぱり推したい高野文子! 代表作を問われると、答えに窮してしまうのは、作品数が少ないからというより、作品によって作風が違うからなのです。そして常に最新作が一番すごい。すごすぎるので『黄色い本』は、すすめにくいし、単行本化されていない『おりがみでツルを折ろう』なんて、ため息しか出ません。で、『るきさん』です。『るきさん』は、わたしが一番はじめに手に取った高野文子作品です。4コマ漫画ではありませんが、サザエさんを思わせる親しみやすいキャラクターの、るきさんと、その隣人でお友達の、えっちゃん。独身女性2人の何気ない会話と日常が、見開き2ページに描かれています。カラーがキレイで文庫サイズがかわいくて、プレゼントにも最適。どこから読んでもいいし、何度読んでも飽きない。毎日、持ち歩いているうちに、きっと他の作品も読みたくなる。あっという間に高野文子ファンの一丁あがり! なのです。

    (北海道札幌市 MARUZEN札幌北一条店 伊藤樹里さん)

  • Dec

    28

    『百日紅』杉浦日向子(ちくま文庫)

    『百日紅』杉浦日向子(ちくま文庫)

    お正月休みに旅行に行かれる方は多いと思いますが、読書で脳内トリップというのも、またオツなもの。文化文政期の江戸の町に巻き起こる怪事件、難事件、時には珍事件を、次から次へと解決するのは、名だたる絵師の面々。葛飾北斎、その娘のお栄、居候の善次郎(のちの英泉)らの活躍を、心躍らせながら読み進めると、あれよあれよという間に身も心もすっかり江戸時代にタイムスリップしてしまいます。晩年は、NHK『お江戸でござる』の出演でもおなじみの杉浦日向子の漫画には、江戸の町に暮らす人々がまるで見てきたことのように活写されているので、読後など、近所を歩いていると次の角をちょいと入れば、そこに江戸の町が広がっているような気さえするものです。この年末年始は杉浦日向子を読んで、江戸の町を自由自在に闊歩してみてはいかがでしょうか?

    (北海道札幌市 MARUZEN札幌北一条店 伊藤樹里さん)

  • Dec

    29

    『手ぶくろを買いに』新美南吉 著 黒井健 絵(偕成社)

    『手ぶくろを買いに』新美南吉 著 黒井健 絵(偕成社)

    雪が降りそうな寒い冬の夜、ふと思い出すお話しがあります。小学校のとき、教科書で読んだ『手ぶくろを買いに』です。絵本を実際に持っていたわけではないのですが小学校を卒業して20年がたった今も心のなかに残っていてとても大切にしている物語です。絵本なので、実際に触れて、読んでいただけると読み終わったあとに、心のなかに何か温かい感覚が広がっていると思います。寒い冬の夜に読んでいただきたい一冊です。

    (ミシマ社 三島亜希子)

  • Dec

    30

    『人生の旅をゆく』よしもとばなな著(NHK出版)

    『人生の旅をゆく』よしもとばなな著(NHK出版)

    人は何のために生きるんだろう? そう問われたら、わたしは真っ先にこの本のことを思い出します。自分のお墓に、自分だけのとびきり素敵な思い出をたくさん持っていくためだよ、と教えてくれた本です。ばななさんお得意の、いい感じの切なさで、旅先や日常の一コマを切りとったエッセイ集。本書を読めば、なんとなく過ごしている毎日も、なんだか素敵なものに思えてきます。
    続編の『人生の旅をゆく 2』も併せてどうぞ。(あ、一冊じゃなくなってますね。)

    (ミシマ社 平田薫)

  • Dec

    31

    『冬の本』(夏葉社)

    『冬の本』(夏葉社)

    総勢84名の執筆者による書き下ろしエッセイ集。ページをめくりながら、執筆者の名前を眺めているだけでも愉しい。和田誠さんの手によるカバーなしの装幀がまた、いい。できることなら本書は、実際に書店店頭で手に取っていただきたいと思う。買うかどうかはまた別としても、この本を「立ち読みで済ましてしまおう」とはきっと思えないだろう。一頁目から読むもよし。気になる人から読むもよし。この便利で急ぎ足な時代にあって、むしろ手挽きで淹れた珈琲でも片手に、毎日ちょっとづつ、ゆっくりと味わうように読みたい、そんな気持ちにさせてくれる愛おしい一冊。心がじんわり温かくなっていくのをより強く実感できるのは冬だからこそ。本書を一目見て、僕は嬉しくなった。

    (ミシマ社 渡辺佑一)