今日の一冊バックナンバー

  • Jul

    01

    『地方にこもる若者たち』阿部真大(朝日新聞出版)

    『地方にこもる若者たち』阿部真大(朝日新聞出版)

    商店街が衰退し、ショッピングモールやマクドが立ち並ぶ郊外。
    そんなどこにでもある世界を、「懐かしい」と感じてしまう若者たちのリアル。
    なぜ若者たちは都市に憧れなくなったのか。なぜそんな世界でも若者たちは「それなりに幸せ」と感じるのか。
    本書のなかには、新書サイズに切り取られた「いま」がある。今月一番の新書! 個人的に!

    (大阪府大阪市 紀伊国屋書店梅田本店 浅山太一さん)

  • Jul

    02

    『NO LONGER CHILDREN 子供失格』友利卓司(双葉社)

    『NO LONGER CHILDREN 子供失格』友利卓司(双葉社)

    ぼくがオススメしなければたぶん世界の誰もオススメしない作品を一つ入れよう、ということで選んだのがこのマンガ。
    内容を端的にまとめれば、筋肉の異常発達した5歳児がチュパカブラなどのUMAをボコボコにする、というもの。
    画力がない、センスがない、思想がない。あるのは圧倒的な筋肉、ただそれだけ。
    もうホント絶対流行りません。読んでも誰にも自慢できません。読書に費やした時間、一分残らずすべてムダです。
    でも大好き。

    (大阪府大阪市 紀伊国屋書店梅田本店 浅山太一さん)

  • Jul

    03

    『自己啓発の時代』牧野智和(勁草書房)

    『自己啓発の時代』牧野智和(勁草書房)

    個人的にいま最も注目してる若手研究者が、この牧野智和さん。
    本書は、ベストセラーになった脳科学本や仕事術、就活の自己分析本からan・anの「なりたい自分」特集まで、世にあまたある自己啓発本を分析したもの。もちろん自己啓発本ではなく、社会学の本です。
    「なんか自己啓発本が求める働き方って、じつは会社とか政府にとってすごく都合のいい働き方なんじゃね??」そんな疑惑をちょこっとでも感じたことのある人にオススメ。

    (大阪府大阪市 紀伊国屋書店梅田本店 浅山太一さん)

  • Jul

    04

    『反転する福祉国家――オランダモデルの光と影』水島治郎(岩波書店)

    『反転する福祉国家――オランダモデルの光と影』水島治郎(岩波書店)

    「オランダモデル」と評されることになる、先進的な福祉社会を形成していくまでの政策過程を描いた前半。これももちろん勉強になる。
    けどそれ以上に、そんな先進的な福祉国家においてなぜか高まる移民排斥と右翼政党の躍進を分析した後半。これがすごい。
    移民流入によって高まる社会不安。公共セクターの腐敗などで支持を失う既成政党。エリート支配を批判し、「政治を市民に取りもどす」と叫ぶポピュリスト。中道右派の宗教政党との選挙前の密約と、その後の連携。
    僕は読みながら、数えきれないくらい「お前はオレかー」とツッコミました。

    (大阪府大阪市 紀伊国屋書店梅田本店 浅山太一さん)

  • Jul

    05

    『私の個人主義』夏目漱石(講談社学術文庫)

    『私の個人主義』夏目漱石(講談社学術文庫)

    ミシマ社伝説の営業・クボタさんが今年の5月に退社されるという話を聞いて、いろいろ悩んだ末にプレゼントしたがこの本。
    自分は何かをしなければならないのだけど、何をすればいいのかわからない。そんな、悶々としてる若かりし頃の漱石がとくに好きで、何度も読み返しています。
    日本には昔漱石という人が生きていた。それだけでちょっと頑張れる気がします。
    ちなみに「読んだら絶対メールします!」と言っていたクボタさんからのメールは、まだ届いてません。

    (大阪府大阪市 紀伊国屋書店梅田本店 浅山太一さん)

  • Jul

    06

    『拉致と決断』蓮池薫(新潮社)

    『拉致と決断』蓮池薫(新潮社)

    最近読んだなかで一番のヒット。衝撃的でありまったく知らなかった北朝鮮のお話がぼんぼん出てきました。まったく知らなかった世界がとても面白い一方で、24年も自由を奪われていた蓮池氏の言葉から、私たちがいま当たり前に享受している「自由」の重みも感じます。たくさんの人に、日本以外の人にも読んでほしい。

    (ミシマガジンサポーター 上杉恵理子さん)

  • Jul

    07

    『黄禍論と日本人』飯倉章(中公新書)

    『黄禍論と日本人』飯倉章(中公新書)

    諷刺画であつかわれた「日本」(や「アジア」)の姿をとおして見た、1890〜1920年ごろのもうひとつの日本外交の姿がみえる気がする。「黄禍論」がわかりやすく理解できます。

    (ミシマガジンサポーター 鯖介さん)

  • Jul

    08

    『りきしのほし』加藤休ミ(イースト・プレス)

    『りきしのほし』加藤休ミ(イースト・プレス)

    いよいよ大相撲名古屋場所が開幕! クレヨン画家、加藤休ミさんの最新作「り
    きしのほし」は、強い関取を目指して一生懸命頑張るお相撲さんのおはなしです。もういっちょ!もういっちょ! 画面いっぱい、迫力満点に四股をふみ、つっぱり、なげられ、きびしい稽古にはげむ新米力士、「かちかちやま」。稽古のあとは、アイスを食べたり、お花を育てたり。お相撲が大好きな休ミさんの、愛がつまった一冊です。
    前作「きょうのごはん」では、思わずよだれが垂れそうな、おいしそうなごはんをいっぱい描いた休ミさん。かちかちやまがほおばる山盛りのどんぶりご飯にちゃんこ鍋、特大肉まんを見ていたら、お腹がぐーと鳴きました。

    (エディトリアルデザイナー いわながさとこさん)

  • Jul

    09

    『犬たちの隠された生活』エリザベス・M・トーマス(草思社)

    『犬たちの隠された生活』エリザベス・M・トーマス(草思社)

    犬のきもちが知りたいひとにおすすめです。文化人類学者の著者が、10頭を超える自らの飼い犬を、30年もの間にわたって観察した仔細な記録。犬に思考や感情はあるの? 犬が「ごっこ遊び」をするって、本当? 人間が犬を「擬人化」しているように、犬も人間を「擬犬化」して見ている!? 徐々に解き明かされる、驚きに満ちた、めくるめく犬だらけの世界...! 猫派には、「猫たちの隠された生活」もありますよ。

    (エディトリアルデザイナー いわながさとこさん)

  • Jul

    10

    『ヨーガンレールの社員食堂』高橋みどり(PHP研究所)

    『ヨーガンレールの社員食堂』高橋みどり(PHP研究所)

    先日、ミシマ社で(なぜか)給食の話をしていて思い出した本。ヨーガンレールの社員食堂の毎日の献立が、写真と文でまとめられた、1年間の記録です。一番好きなのは、朝8時半に料理人の佐藤さんが厨房の戸を開けてから、午後3時に厨房の掃除が完了するまでの、食堂の1日が綴られたページ。スタッフが皆てぎわよく下ごしらえをし、「戦場のように」忙しい厨房をきびきびと動きまわる姿がかっこいいのです。

    (エディトリアルデザイナー いわながさとこさん)

  • Jul

    11

    『不思議というには地味な話』近藤聡乃(ナナロク社)

    『不思議というには地味な話』近藤聡乃(ナナロク社)

    作者の近藤さんは、アニメーションなどをつくっているニューヨーク在住のアーティスト。以前どこかで、「子供の頃に起こったできごとや考えていたことが、いまの作品づくりにつながっている」...というような事をおっしゃっていたのを聞いた(読んだ)気がするのですが、このエッセイには彼女の小さい頃の記憶が本当にたくさん詰め込まれていて、そのどれもがちょっと奇妙で、ほんのすこし怖いような懐かしいような、不思議な話ばかりです。

    (エディトリアルデザイナー いわながさとこさん)

  • Jul

    12

    『犬のルーカス』山本容子(ほるぷ出版)

    『犬のルーカス』山本容子(ほるぷ出版)

    ルーカス・クラナッハは、ある夏の夕暮れに、山本さんちにやってきた迷い犬。まゆげがあって、じっと考え事をしているような顔のルーカス。夕食どきには、自分の椅子に座って、人間の食べ物をいただくルーカス。銅版画のやわらかく繊細な線で描かれたルーカスの表情が、切なくて、かわいくて、大好きな絵本。

    (エディトリアルデザイナー いわながさとこさん)

  • Jul

    13

    『谷崎潤一郎フェティシズム小説集』谷崎潤一郎  (集英社文庫)

    『谷崎潤一郎フェティシズム小説集』谷崎潤一郎 (集英社文庫)

    夏、が巡ってきている今だからこそおすすめする一冊だ。夏は「フェチ」が蔓延する季節である。その暑さゆえに(今年の夏は特に暑い)、衣を脱ぎ捨て若さそのものを露出する男女。そして、何の気なしにこう言うだろう「いやー、俺って足フェチなんだよねー。眼福だわー」「私、二の腕大好き!二の腕フェチなの!さわっていい?」。なんと軽々とフェチを公言するあなた。とんでもない。「僕は一人の男子として生きているよりも、こんな美しい踵となって、お富美さんの足の裏に附くことが出来れば、その方がどんなに幸福だかしれない」ここまでの覚悟はあるか。『富美子の足』の主人公宇之ほどの覚悟はあるか。「フェティシズム」を背負う覚悟はあるか。もし、覚悟ができたらこの本を手にとってほしい。もう戻ってこれないッ!

    (ミシマ社デッチ 廣瀬雄規)

  • Jul

    14

    『ぼくらはそれでも肉を食う--人と動物の奇妙な関係』ハロルド・ハーツォグ(柏書房)

    『ぼくらはそれでも肉を食う--人と動物の奇妙な関係』ハロルド・ハーツォグ(柏書房)

    「なんで仔猫をいじめたら咎められるのに、虫を殺したり、牛肉を食べることは許されるの?」----子どもにこう訊かれて、きちんと答えられる方はいるでしょうか? 品種改良によって生まれつき呼吸困難のフレンチブルドッグ、食肉工場で惨めな一生を過ごすニワトリ、実験動物、菜食主義、捕鯨......などなど様々な問題にスポットライトを当てながら、一筋縄では行かない人間と動物の関係を描き出します。さぁ、果たして僕らは偽善者なのか?今日から「かわいそう」に要注意です。

    ((ミシマ社の本屋さん 池畑索季))

  • Jul

    15

    『カラダという書物』笠井叡著(書肆山田)

    『カラダという書物』笠井叡著(書肆山田)

    まずひとページめくる。よくある話ではあるが、作者の顔が載っている。 ところが、見たことがない顔芸がそこにある。どうしたらこんな顔ができるのだろうとやや惹かれながら、もう数ページめくる。顔と言の葉のギャップにまたやられる。執筆を依頼されてから十年以上寝かされたという文字たちが、縦に連なっているのだ。ダンサーだけに読ませておくのは、あまりにもったいない一冊。あなたのカラダ、めくってみませんか。

    (自由ヶ丘学園高等学校 英語科 高草雄士先生)

  • Jul

    16

    『POWERS OF TEN』フィリップ&フィリス・モリソン(日本経済新聞出版社)

    『POWERS OF TEN』フィリップ&フィリス・モリソン(日本経済新聞出版社)

    人様のトイレの本棚を覗くのが好きである。これまでのお宅訪問で最も徹底されていたのが『ぶらり日本歩き旅』を書いた森崎英五朗邸で、トイレ本だけしか置かれていない。なんという浅き直球根性。トイレでトイレを読むなんて、当たり前過ぎるではないか。やはりトイレは宇宙に限る。便器上で十億光年の彼方から十の-16乗mのミクロまでパラパラめくる贅沢。いずれ彼の家のトイレにそっと本書を置いてこようとおもう。

    (自由ヶ丘学園高等学校 英語科 高草雄士先生)

  • Jul

    17

    『天切り松がたり 初湯千両』浅田次郎(集英社文庫)

    『天切り松がたり 初湯千両』浅田次郎(集英社文庫)

    これまで本で泣いたことは、二度ある。そのうちのひとつがこれで、シリーズ第一巻・第二巻は耐えたのだが、本書の最後にある「銀次蔭盃」でついに涙した。二十代前半、このシリーズを繰り返し読むのが日課であった。いつしか辞書よりもボロボロになり、書き込みが多くなった。学級文庫に置いては、事あるごとに生徒にあげ、また買い足した。今でも街の雑踏のなか、お紺姐さんや安吉親分を探すクセは抜けていない。

    (自由ヶ丘学園高等学校 英語科 高草雄士先生)

  • Jul

    18

    『お腹からやせる食べかた』柏原ゆきよ(講談社)

    『お腹からやせる食べかた』柏原ゆきよ(講談社)

    パンが米よりも消費されるようになり、どうも遺伝子組み換えなる米もでてきたという。遺伝子組み換えというと何のことかよくわからないが、子孫を自力で残せない染井吉野のような稲なのだろう。桜は眺めるだけで済むけれど、米はそうはいかない。要は、今の日本はかつてないほど米の危機に陥っているのである。そんな哀しき米の涙を優しくぬぐってくれる待望の一冊。稲作は産業ではなく、日本の文化です。

    (自由ヶ丘学園高等学校 英語科 高草雄士先生)

  • Jul

    19

    『英単語ピーナツほどおいしいものはない』清水かつぞー(南雲堂)

    『英単語ピーナツほどおいしいものはない』清水かつぞー(南雲堂)

    個人的にわからない状態というのを愛している。人間はわかったとおもった瞬間に勘が鈍ってしまうからというのもあるけれど、それよりも何よりもこの先どう転ぶかわからないものを持っていたいのだとおもう。英単語に関しても同じで、お近づきにはなりたい。でも・・・。そんな片想い願望を叶えてくれる一冊。かわいい名前のタイトルと著者名とは裏腹に、言語学の神様と言われた男が冒頭で推薦している魂本です。

    (自由ヶ丘学園高等学校 英語科 高草雄士先生)

  • Jul

    20

    『スナフキンの名言集』トーベ・ヤンソン、編集サミ・マリラ(講談社)

    『スナフキンの名言集』トーベ・ヤンソン、編集サミ・マリラ(講談社)

    名作ムーミンに登場する、さすらいの旅人スナフキンは言います。「大袈裟に考えすぎないよう、気をつけることだよ」と。
    煮詰まりかけた夜は、彼の言葉を聞く為に、この本を開きます。少しくたびれた日の夜に読むと、心にしっくりとくるからです。この名言集は、イラスト満載で、飾るも良し、贈るも良しです。そして、表紙が仙台名物の「ずんだ(餅)」色なのも更に良しです。
    仙台人からもおすすめの一冊です。

    (仙台×ミシマ社プロジェクト 八巻祐子)

  • Jul

    21

    『本は10冊同時に読め!』成毛 眞(三笠書房)

    『本は10冊同時に読め!』成毛 眞(三笠書房)

    「本を一冊読むよりは、数学の公式を1個覚えた方が有益」とのたまっていた大学生の頃の自分に、読書習慣をつけてくれた一冊です。「四の五の言わずに読め!本を読まない奴はサル同然だ!」という強烈なメッセージが効きました。読書始めたいんだけど、なんかいい本ない?という相談を受けたら、いつもこの本を紹介しています。なんでもいいからとりあえず読め!というメッセージを込めて。

    (ミシマガジンサポーター 中野憲さん)

  • Jul

    22

    『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』村田昭治(国元書房)

    『村田昭治のマーケティング・ゼミナール』村田昭治(国元書房)

    「マーケティングは愛である!」と断言し、人生哲学に通じていることをとても分かりやすい言葉と豊かな表現力で伝えてくれます。
    日本マーケティング界の第一人者と言われた村田教授が退官される最後の一年の講義が綴られたこころときめく一冊です。この講義だけは一年間ちゃんと出た。この講義だけは。

    (税理士 加藤正英先生)

  • Jul

    23

    『税理士のための百箇条』関根稔(財経詳報社)

    『税理士のための百箇条』関根稔(財経詳報社)

    私は税理士という仕事をしています。がちがちの堅い仕事をしているように見られます。が、ところがどっこい微妙なバランスの上に成り立っているんだから日々努力を怠るべからず!という大先輩の教訓が詰まった一冊。裁判所と弁護士と税理士、国の論理と納税者の感情、法律と法律に書かれていない通達や社会通念というルール。それぞれに成り立ちと立場・考え方があり、その違いを知り、活かしていこう、と誓うのでした。

    (税理士 加藤正英先生)

  • Jul

    24

    『ゲーテのコトバ』明川哲也(幻冬舎)

    『ゲーテのコトバ』明川哲也(幻冬舎)

    かのドイツの文豪ゲーテは・・・という固い文章ではありません。放送作家で道化師という著者の明川さんが、濃厚な人生を送ったゲーテのコトバをもとに、生について、社会について、商いについて、アツくエッジの効いた、でも深いコトバで表現してくれます。月刊誌「ゲーテ」に連載される大好きな巻頭のページをまとめた集大成の本。

    (税理士 加藤正英先生)

  • Jul

    25

    『利休にたずねよ』山本兼一(PHP文芸文庫)

    『利休にたずねよ』山本兼一(PHP文芸文庫)

    日本の歴史上の人物で、子供のころからなんだかよくわからないけど気になってしょうがない人。千利休。美学の男!というだけでは語りつくせない何か、を小説にされてしまったので、吸い込まれるように読みました。この冬に市川海老蔵主演で映画化されるのもまた楽しみです。畳の上に正座なんて15秒しかもたないから茶道はできませんが、でもいつかは・・・。←いつやるの?

    (税理士 加藤正英先生)

  • Jul

    26

    『はやくはやくっていわないで』益田ミリ作・平澤一平絵(ミシマ社)

    『はやくはやくっていわないで』益田ミリ作・平澤一平絵(ミシマ社)

    独身男性が絵本ですか?っていわないで!
    この絵本は小さなお子さんはもちろん、その小さなお子さんを育てるお父さんお母さん、締切に追われる(締切を追い立てる?)社会人の方も是非読んでみてください。大切な何かを伝えてくれます。誰かにプレゼントしたい本NO.1。

    (税理士 加藤正英先生)

  • Jul

    27

    『舟を編む』三浦しをん(光文社)

    『舟を編む』三浦しをん(光文社)

    古い新聞記事を探すため、旧式パソコンのディスプレーのようなマイクロフィルムリーダーを数週間見続けたことがある。疲れ目を重ねたある日、瞼の裏に漢字が流れ込んでくるような不思議な感覚に襲われた。そのとき結膜下出血と診断されたのだが、15年の歳月、辞書「大渡海」の編纂に携わった玄武書房編集部員の脳内は、恐らく全てが活字で埋め尽くされていることだろう。ボサボサ頭の「まじめくん」と麗しき香具矢の恋物語は、形をもたない言葉が所を得て輝く様を暗に示している。シャープでぬくもりのある作品である。

    (仙台×ミシマ社プロジェクト 佐藤シロウ)

  • Jul

    28

    『日本一やさしい法律の教科書』品川皓亮・著、佐久間毅・監修(日本実業出版社)

    『日本一やさしい法律の教科書』品川皓亮・著、佐久間毅・監修(日本実業出版社)

    「法律」と聞くだけで、かった〜いというイメージ。興味もないし、興味をもったとしても何から手を付けていいのやら・・・とお困りの方も多いはず。そんなニーズにこたえてくれるのがこの本です。六法のエッセンスが平易な文章でぎゅうっと詰め込まれていて、法律の世界にどんどん引き込まれていきます。かわいい犬のイラストがこれでもかというくらい登場し、なんだか愛着がわいてきます。法律がわかれば社会がみえてくる、社会がみえてくれば視野が広がり、豊かな人生になる! とちょっと大げさですが(笑)、本当に良書だと思います。必見の書です!

    (ミシマガジンサポーター 辻井圭太朗さん)

  • Jul

    29

    『羆嵐 』吉村 昭(新潮社)

    『羆嵐 』吉村 昭(新潮社)

    夏なのでホラーというか怖い小説を紹介します。
    名字が熊田というだけに、熊にはとても興味があります。
    熊に関する本でもっとも恐ろしいと思った小説がこの『熊嵐』。
    大正時代の北海道で実際におきた、日本最大の獣害事件である三毛別羆事件を題材にした小説。
    熊が人を襲う描写が生々しくてとてつもなく恐ろしいのです!
    吉村昭の淡々とした文章がさらに怖さ倍増。
    トラウマになる可能性がある小説なので注意が必要です。
    大自然の中で生活したいと憧れていましたが考え直しました。
    熊に会っても死んだフリをしてはいけませんよ。

    (エッケプンクト店主 熊田孝洋さん)

  • Jul

    30

    『豆本づくりのいろは』赤井都(河出書房新社)

    『豆本づくりのいろは』赤井都(河出書房新社)

    豆本ってご存知ですか? 天地3インチ(約76ミリ)以内の小型本をミニチュア・ブック(豆本)と言います。
    神保町によく通っていたころに出会った豆本。歴史は古く4000年前からあるそうです。作り方や表現方法は多種多様で、作家の個性が出ていて凄くおもしろいのです。この本は豆本作家の赤井都さんが、豆本の作り方を丁寧に説明してくれています。製本に興味がある人にもおすすめですよ。
    知れば知る程奥深い豆本の世界。是非実際の豆本もご覧になってほしいです。

    (エッケプンクト店主 熊田孝洋)

  • Jul

    31

    『マリモを守る。 若菜勇さんの研究』千葉望・文、荒谷良一・写真(理論社)

    『マリモを守る。 若菜勇さんの研究』千葉望・文、荒谷良一・写真(理論社)

    私が自由が丘でお店を始めるきっかけになったのが、北海道の阿寒湖に生息する天然記念物のマリモ。なぜマリモがきっかけでお店が、という話は置いといて。

    マリモについて書かれた本はほとんど絶版で数少ないマリモ本がこの『マリモを守る。 若菜勇さんの研究』です。
    マリモはとても謎な生き物であり、いろいろと問題を抱えている生き物です。
    天然記念物なのにお土産で売られていたり、たまに水面に浮いてきたり。
    この本はマリモ研究の第一人者である若菜勇さんによるマリモの生態研究や保護について書かれた本です。
    表紙の大きなマリモの写真だけでグッときます。

    (エッケプンクト店主 熊田孝洋さん)