今日の一冊バックナンバー

  • Nov

    01

    『宗教詩ビージャク――インド中世民衆思想の精髄』カービル/著、橋本泰元/訳(平凡社)

    『宗教詩ビージャク――インド中世民衆思想の精髄』カービル/著、橋本泰元/訳(平凡社)

    詩といえば一部の上流階級のものだった15世紀インドで、誰にでも分かる平易な言葉で多くの哲学的な詩を歌ったカビール。「人間はヒンドゥー教徒、イラスム教徒として生まれてこなかった」「師も弟子もなかったから、行ける行けないという道もなかった」形骸化した宗教思想をバッサリ斬る、祈りと警句に満ちた言葉がぎっしりです。一生かけて読解したくなる本。

    (デザイナー 矢萩多聞さん)

  • Nov

    02

    『ツナグ』辻村深月(新潮文庫)

    『ツナグ』辻村深月(新潮文庫)

    中学1年生の次男が買ってきた文庫本。ソファに置かれていたのを何気なく手に取ってページをめくったら、知らぬ間に引き込まれていました。本の面白さとともに、次男の精神的な成長を感じた一冊となりました。

    (ミシマガジンサポーター いとみきさん)

  • Nov

    03

    『とっぴんぱらりの風太郎』万城目学(文藝春秋)

    『とっぴんぱらりの風太郎』万城目学(文藝春秋)

    思わず「分厚い・・・」と呟いてしまうような厚さですが(意外と軽い)、そんな厚さはおかまいなしに物語の世界に引き込まれ、切なさと哀しさとおもしろさでページをめくる手が止まりませんでした。読み終わったあとの鳥肌と、ええええそうなのか、そういうことか!! という動揺はお墨つき。著者初の時代小説ですが、ならではのユーモアと、今までとはひと味もふた味も違った新しい一面が味わえます。鴨川をぷらぷら歩く、ニート忍者・風太郎の姿を、ずっと目に焼きつけておきたいなあと思いました。

    (ミシマ社仕掛け屋チーム 新居未希)

  • Nov

    04

    『牧野邦夫画集 写実の精髄』牧野邦夫(求龍堂)

    『牧野邦夫画集 写実の精髄』牧野邦夫(求龍堂)

    牧野邦夫を知ったのは新聞に載っていた展覧会の広告だった。京都大丸ミュージアムでは絵を見ているうちに凄さで身体が震えてきたのを憶えている。今年、練馬区立美術館の展覧会の図録としてこの本が出た。ここで僕は懐かしい絵と再会することができた。と同時に絵の中の「千穂」さんに恋をしていたことを思い出した。

    (大阪府豊中市 田村書店千里中央店 西村宗典さん)

  • Nov

    05

    『銀二貫』髙田郁(幻冬舎文庫)

    『銀二貫』髙田郁(幻冬舎文庫)

    『銀二貫』はある選考会のために読んだのだった。映画や漫画ではよく涙ぐむ僕だが小説で泣いたのは初めてだった。そして『銀二貫』は第一回Osaka Book One Projectの受賞作となった。「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本」で売上の一部で施設に本を贈る計画だ(1月末まで)。是非読んで泣いて協力して下さい。

    (大阪府豊中市 田村書店千里中央店 西村宗典さん)

  • Nov

    06

    『島はぼくらと』辻村深月(講談社)

    『島はぼくらと』辻村深月(講談社)

    滅多に無いが書店員の役得で作家さんに会えることがある。辻村深月さんとはこの本が出る過程でお茶会に招かれた。写真よりもキュートな方だった。瀬戸内の小島の高校生4人の青春小説・・・なのだが回りの大人たちも魅力的だ。後半東京でのある人物(秘密)がとてもよかった。イラストもよく、是非この絵でアニメ化してほしい。

    (大阪府豊中市 田村書店千里中央店 西村宗典さん)

  • Nov

    07

    『うるわしき日々』小島信夫(講談社文芸文庫)

    『うるわしき日々』小島信夫(講談社文芸文庫)

    好きな作家について語りたい。野呂邦暢も好きだけど『THE BOOKS』に書いたので小島信夫のことにする。彼の晩年の小説はエッセイ風なところがあったり、過去の作品の引用があったり、真っ直ぐに進まない。それがまたよいのだがそのよさをどれだけの人がわかってくれようか。しかしこの作品は比較的読みやすい。

    (大阪府豊中市 田村書店千里中央店 西村宗典さん)

  • Nov

    08

    『マルコヴァルドさんの四季』イタロ・カルヴィーノ/著、関口英子/訳(岩波少年文庫)

    『マルコヴァルドさんの四季』イタロ・カルヴィーノ/著、関口英子/訳(岩波少年文庫)

    イタロ・カルヴィーノをご紹介します。『まっぷたつの子爵』(晶文社)、『レ・コスミコミケ』(ハヤカワ文庫)もあるけどこの本から読み始めるのがいいんじゃないかな。都会に暮らすマルコヴァルドさん一家の話が20本。釣った魚を取られかけたり、窓の外のネオン看板を割ったり・・・。少年文庫だけど子供用の本じゃないよね。

    (大阪府豊中市 田村書店千里中央店 西村宗典さん)

  • Nov

    09

    『昭和の劇』笠原和夫(太田出版)

    『昭和の劇』笠原和夫(太田出版)

    映画『仁義なき戦い』のシナリオライターが、徹底的な取材の過程で入手した2.26事件の秘話や吉田茂の出生の秘密など昭和の闇について思いの丈を語っている。600ページを超える大作で、熱い語り口に圧倒される。

    (ミシマガジンサポーター 下呂のイクローさん)

  • Nov

    10

    『ひとの居場所をつくる』西村佳哲(筑摩書房)

    『ひとの居場所をつくる』西村佳哲(筑摩書房)

    「ここには居場所がない」と、大きな街を歩いていると感じます。たしかに、働く場所とお金を使う場所は溢れているかもしれない。でも「経済活動」をしていないと疎外された気持ちになる。それってすごく不健全なんじゃ......そんな感覚を、見事にとらえてくれたのが本書です。「馬中心に考える」「手間はかければかけるほどいい」。田瀬さんのお話は示唆に富んでいます。時代と逆行するものかもしれないけれど、そこに光がある。ランドスケープ・デザイナーとして、空間づくりの現場を生きてき人だからこそ持ちうる説得力。失われた「居場所」を回復する試みが、ここにあります。『自分の仕事をつくる』(筑摩書房)、『いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)とあわせてオススメしたい一冊です。

    (ミシマ社営業チーム 池畑索季)

  • Nov

    11

    『永山則夫 封印された鑑定記録』堀川恵子(岩波書店)

    『永山則夫 封印された鑑定記録』堀川恵子(岩波書店)

    間違いなく、日本ノンフィクションの最高傑作。S・ キングの名作「刑務所のリタ・ヘイワース」は、①小説であり②作中の語り部によって主人公の絶望は希望に変わったことが暗示され③正義を実行すべき司法の腐敗と不作為を告発しているが、本作は①と②が違う。ノンフィクションであり、孤独と貧困の底で4人をピストルで射殺した永山青年の絶望は、獄中の28年を経て生きるという希望を見出だしたまま死刑によって生涯をとじたことを筆者の執念の取材がつまびらかにしていく。

    (講談社 加藤晴之さん)

  • Nov

    12

    『日本の血脈』石井妙子(文春文庫)

    『日本の血脈』石井妙子(文春文庫)

    〈美智子皇后の曽祖父は佐賀藩士として会津城攻めに加わりアームストロング砲を打ち放ち、その城内では紀子妃の曽祖父が応戦していた......。〉(石井妙子・本の話WEB「自著を語る――人の思いが人を作る。」より)
    本書には、小泉進次郎から美智子皇后まで10人のファミリー・ストーリーが収まっている。いずれも一冊の本になっても不思議ではない対象に迫るため、資料と取材によって作り出した文章の原石を削りに削り磨き上げ、その人がなぜそのような人物になったのかを映し出す10枚の魔法の鏡にした、文字どおり珠玉の連作短編ノンフィクション。

    (講談社 加藤晴之さん)

  • Nov

    13

    『複合汚染』有吉佐和子(新潮文庫)

    『複合汚染』有吉佐和子(新潮文庫)

    有機水銀化合物などの農薬、化学肥料による環境破壊と人体への有害物質の蓄積を指摘したこの小説が、1974年に『朝日新聞』に連載されるやいなや、騒然となる。綿密な取材にもとづく良質なノンフィクション的な描写と、この作家独自の感覚というか嗅覚的な記述が同居していることで、小説として破綻している、いや、これは実験的な純文学だと文壇でも論争になった。そんな混乱にもみくちゃにされ、有吉さんという大きな作家が、その後沈んでいったような印象が残るのは気のせいだろうか。さて、それから約40年後......。「日本は、いまだに世界で第一位とも第二位ともいわれる農薬・化学肥料の大量使用国なんです」と、さきの週末、自然農法にこだわる河名秀郎さんからお聞きしたから驚いた。福島原発事故は収束せず、一流ホテルや大企業の食品表示偽装の不祥事は続く。構えが大きく、読み手を飽きさせない有吉さんのような作家がいま挑むテーマがここにあるような気がする。

    (講談社 加藤晴之さん)

  • Nov

    14

    『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」(渡邉格・講談社)

    『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」(渡邉格・講談社)

    初めに紹介した堀川恵子さんの本の主人公・永山則夫は1968年にピストルで4人を射殺し逮捕、獄中でマルクスの「資本論」を読み始める。稀代のジャーナリストでもあったカール・マルクスが、19世紀に出現した残酷な世界の全容を言葉で表すために生涯を賭した「資本論」。それが、グローバリズム資本主義の病理に迫るため今日ふたたび「資本論」が有効だという熊野純彦東大教授の「マルクス 資本論の思考」は、こんなふうにはじまる。
    〈......永山の目に飛び込んできたのは、まずはこういう一節であったはずである。「資本制的な生産様式が支配している社会の富はひとつの『とほうもない商品のあつまり』として現象し、個々の商品はその富の原基形態として現象している。私たちの研究は、それゆえ商品の分析からはじめられるのである」......〉
    本書は、人口8000人弱の過疎のまちで、自然栽培の小麦と古民家に宿る天然の麹や酵母でパンを作る一人の職人が著した、新たな「資本論」なのではないだろうか、とミシマ社の星野さんや三島さんと一緒に一所懸命に作った本をふたたび手にしながら思う。渡邉さんは、今日もパンという「商品」に新たな希望と夢をこめる。世界は変わるかもしれない。

    (講談社 加藤晴之さん)

  • Nov

    15

    『神無き月十番目の夜』飯嶋和一(小学館文庫)

    『神無き月十番目の夜』飯嶋和一(小学館文庫)

    高田郁さんのご講演を最近お聞きしたので「銀二貫」のことを書こうとしたら、なんと少し前に田村書店の西村さんが取り上げているではないか。さて、気を取り直して。時代小説を書くためには、ノンフィクションと同様、膨大な研究史料を渉猟しなければならない。高田さんの場合はそのうえさらに、小説に出てくる食材をつかって料理をつくる(しかも美味しい)。「飯嶋和一にハズレなし」といわれる寡作の作家・飯島さんも、まるで歴史学者のような振る舞いで史実に向かいそのうえでフィクションを構築する。本作は江戸時代初期の史実をもとにしているが、登場人物たち一人ひとりが目前に迫ってきて彼らが生きた「あかし」を訴えかけてくるようだった。ここで飯嶋作品を取り上げさせていただいたのには理由がある。「人が本をつくり、本が人をつくる」――これは韓国の書店経営者・愼鏞虎が店頭に掲げた言葉だ。作家・高田郁を生んだのは、大好きだった山本周五郎の作品「なんの花か薫る」だったように、よい本は、人がなにかをなすキッカケを与えてくれる。五年に一作書くか書かないかの飯島さんが丹精込めた作品は、それを読んだ人の明日をつくる。僕たちも、ありがちな自己啓発書や安直なタレント本など駄本を野放図に出すのを戒め、飯嶋さんや高田さんのような、人をつくる本をつくっていきたいと、僕はいまそう願っている。

    (講談社 加藤晴之さん)

  • Nov

    16

    『押忍! 手芸大図鑑』金澤21世紀美術館/監修(青幻舎)

    『押忍! 手芸大図鑑』金澤21世紀美術館/監修(青幻舎)

    2011年11月〜2012年3月まで、金沢21世紀美術館にて開催された「押忍! 手芸部と豊嶋秀樹『自画大絶賛(仮)』」のカタログです。創ることの自由や楽しさを思い出させたり、気づかせてくれます。ときどき開くと心が軽くなる一冊です。

    (ミシマガジンサポーター すずめ商店さん)

  • Nov

    17

    『岩波茂雄 リベラル・ナショナリストの肖像』中島岳志(岩波書店)

    『岩波茂雄 リベラル・ナショナリストの肖像』中島岳志(岩波書店)

    上記の「ひとこと」と矛盾するようですが、編集の仕事は「読む」ことが全てではありません。読まなくてわかる。それが編集のひとつの理想でもあると思います。本書を読めば、ますますそう思えます。「原点回帰の出版社」をミシマ社は謳っておりますが、その「原点」の多くが、岩波茂雄にありました。本が少しでも好きな人は、必読です。あの国民的一冊『こころ』はいかにして生まれたか。そのやり取りに、漱石は「贈り物」を託しました。私たちはそれをしっかり受け止め、生かしていかねばいけません。

    (ミシマ社 三島邦弘)

  • Nov

    18

    『風の歌を聴け』村上春樹(講談社文庫)

    『風の歌を聴け』村上春樹(講談社文庫)

    こんなに色々な表現の仕方があるんだ!っというようなたくさんの気づきがあります。
    登場人物の頭の中を直接覗いているような、思考を体験しているような感覚がありました。
    「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」へと続く村上春樹の処女作です。
    頭の中に情景が繊細に出来上がっていくのに、突如として絵で説明が出てきたり。
    新しい楽しいものに出会えた時の様な気持ちになりました。

    (世田谷区 かなめ整骨院院長 中島怜美さん)

  • Nov

    19

    『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』小林弘幸(幻冬舎)

    『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』小林弘幸(幻冬舎)

    魅力的な情報がすごくたくさん詰まっているのに、すうっと素直に吸収できるとてもシンプルな本です。読む時期や、その時の自分の状況によって惹かれるポイントが違ったりします。何度読んでもわくわくします。キラキラな自分になれそうな、そんな一冊です。

    (世田谷区 かなめ整骨院院長 中島怜美さん)

  • Nov

    20

    『タニタとつくる美人の習慣』細川モモ(講談社)

    『タニタとつくる美人の習慣』細川モモ(講談社)

    We are what we eat.
    今までの間違った情報に気づかせてもらい、正しい知識に衝撃を受け、それをちゃんと理解することができます。太るのはカロリーのせいじゃない!大好きな細川モモさんがタニタと作った本です。

    (世田谷区 かなめ整骨院院長 中島怜美さん)

  • Nov

    21

    『Luvtelli Baby Book !』細川モモ(luvtelli.com)

    『Luvtelli Baby Book !』細川モモ(luvtelli.com)

    いつかお母さんになりたいという人のための知識がぎっしり詰まっています。専門的なことが書いてあるのに、内容がとても分かりやすく、とにかくデザインが素敵で、ページをめくるのが楽しくなっちゃいます。大好きなシリーズの本です!

    (世田谷区 かなめ整骨院院長 中島怜美さん)

  • Nov

    22

    『いつまでも、をんな』丹生谷 真美(主婦と生活社)

    『いつまでも、をんな』丹生谷 真美(主婦と生活社)

    小学校を卒業する時、先生から「優しくて強い人になってください」と言ってもらった言葉の意味が少し分かったような気がします。柔らかい優しさと凛とした強さを積み重ねていくことを、ちゃんと考えるきっかけになりました。そして、素敵に年をとっていきたいと思いました。大切に読み続けていきたい一冊です。

    (世田谷区 かなめ整骨院院長 中島怜美さん)

  • Nov

    23

    『暗黒女子』秋吉理香子(双葉社)

    『暗黒女子』秋吉理香子(双葉社)

    ふらっと立ち寄った書店で、表紙の女子の視線に絡めとられました。女子高という閉ざされた異空間を舞台に、転落死した文学サークルのカリスマ会長の死の真相を探る耽美なミステリー。でも、真相に迫る場として設定されたのが、なぜか闇鍋会!? どんでん返しにも翻弄されます。

    (ミシマガジンサポーター Greenpeaさん)

  • Nov

    24

    『建設業者』建築知識編集部(エクスナレッジ)

    『建設業者』建築知識編集部(エクスナレッジ)

    書店営業中の私が、「『善き書店員』と一緒に並べたら面白そうだな」と思ったのがきっかけで手に取った本書は、建設業界に係わるさまざまな職種に従事する、37名の職人へのインタビュー集である。建設と出版、かなり離れた仕事のように見えるが、読んでみると、はて、これは自分たちが今やっている仕事にも重なるような・・・。職人さんたちの言葉には、自分の心に留め置きたいと思えるようなものが山ほどあった。その矜持と見識に背筋の伸びる思いがする。続けること、つなぐこと、残すこと。仕事ってやつはそういうことで成り立っているのかな、とふと思う。私もいつかはこんな「いぶし銀」になれるだろうか。大事なものを見失いかけている日本の皆さん、できればこの本は読んでおいたほうがいいと思います。

    (ミシマ社営業チーム 渡辺佑一)

  • Nov

    25

    『 坐禅は心の安楽死』横尾忠則(平凡社ライブラリー)

    『 坐禅は心の安楽死』横尾忠則(平凡社ライブラリー)

    高校の頃、一週間お寺に入ったことがあります(悪さをしたわけではありませんよ)。唱えた念仏などは忘れてしまいましたが、和尚の「足るを知れ!」という言葉だけははっきり覚えています。若き日の横尾忠則も坐禅を通じて、当たり前のことを素晴らしく感じるようになったそうです。自分の日常が満たされていることを知る、和尚が言っていたことはこういうことなのかなぁ。

    (FUTABA+京都マルイ店 鎌田裕樹さん)

  • Nov

    26

    『ふくろうくん』アーノルドローベル(文化出版局)

    『ふくろうくん』アーノルドローベル(文化出版局)

    日々暮らしているとどうしても悲しいことはありますが、ふくろうくんはそれをおいしいお茶にして飲んでしまいます。タイトルとは対照的に明るい文章から悲しみと共に生きていく強さを感じる「なみだのおちゃ」。他4つのお話が収録されています。小さい頃から何度も開いてきた絵本ですが、年齢を重ねるごとに魅力が増している気がします。ふくろうくん、ずっと友達だから!

    (FUTABA+京都マルイ店 藤田歩さん)

  • Nov

    27

    『最後の晩餐』開高健(光文社)

    『最後の晩餐』開高健(光文社)

    不精な男が一人で暮らしていると、気がつけば財布も冷蔵庫も空、なんてことがあります。どうしようもないので本でも読もうかと思い、自宅の本棚から手に取ったのが知人から頂いたこの本。王様やスパイの食事から戦時下、人食の話まで「食」について掘り下げた一冊です。空腹も忘れて読みました。

    (FUTABA+京都マルイ店 鎌田裕樹さん)

  • Nov

    28

    『足摺り水族館』panpanya(1月と7月)

    『足摺り水族館』panpanya(1月と7月)

    コミックというジャンルにくくれない不思議な読み物でした。現実の中でまれに起こる不思議でなんだか怖い体験は確かに経験したはずなのによく思い出せないものです。大抵の人はそういうものが日常にまぎれ、なかったことのように日々を過ごしています。この漫画はそういうものの記録のようです。あるはずのない話なのに奇妙に身に覚えを感じるのは忘れていた過去の記憶にシンクロしているのかもしれません。誰とも分かち合えないものを存分に分かち合え、緻密でデタラメな描写にまるで夢をみているような感覚に陥る・・・!ぜひ一度味わってみてください。

    (FUTABA+京都マルイ店 藤田歩さん)

  • Nov

    29

    『僕とポーク』ほしよりこ(マガジンハウス)

    『僕とポーク』ほしよりこ(マガジンハウス)

    「何かおもしろい漫画ない?」と聞かれたらまず『僕とポーク』を薦めています。さらりと描かれたキャラクターのなんと魅力的なこと。老若男女すべての人へ、一家に一冊『僕とポーク』!大好きです。(藤田)
    僕が小学生の頃、まだ携帯はそこまで普及していませんでした。好きな女の子の家に電話をかけるのも、相手の父親が出やしないかとヒヤヒヤしたものです。便利なことは良いことですが、陰で失われていることもあるでしょう。そんなことを教えてくれる本です。(鎌田)

    (FUTABA+京都マルイ店 藤田歩さん、鎌田裕樹さん)

  • Nov

    30

    『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』想田和弘(岩波ブックレット)

    『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』想田和弘(岩波ブックレット)

    自立した個人の存在。一人ひとりが考え、勉強し、行動する。その大切さを改めて認識させてくれました。様々な分野で「消費モデル」にどっぷりつかっている現代への警告だと思います。

    (ミシマガジンサポーターさん)