今日の一冊バックナンバー

  • Feb

    01

    『フレーバーウォーター』福田里香(文化出版局)

    『フレーバーウォーター』福田里香(文化出版局)

    料理は苦手なのに、写真のかわいさについつい買ってしまった料理本のひとつです。
    見たことのない飲み物がたくさん載っているので、どんな味なんだろうと眺めているだけで楽しくなってきます。
    オススメは、シンプルなレモネード!(とはいってもこれしか作ったことがないのですが)
    おやつにお風呂上がりに最高です。料理が苦手な私でも簡単に作れたので、ぜひどうぞ。

    (あさひ高速印刷株式会社 宇賀神真弓さん)

  • Feb

    02

    『イギリスはおいしい』 林望(文春文庫)

    『イギリスはおいしい』 林望(文春文庫)

     イギリスって食べ物おいしくない・・・。と思っていたのですが、この本を読んでイメージが変わりました。
     日本では手に入らなさそうな食材が、文化的背景や調理法とともに紹介されており、想像力を掻き立てられます。
     なかでも、あとがきに書かれている「絶妙な雑さ」を具体的に指示したスコーンの作り方は、おいしそうでたまりません。。。
     なるほど、雑にざっくり作るからこそおいしくできる。
     文化によってそんな違いもあるのか〜。と、教えてくれた瞠目の一冊です!

    (ミシマ社 長谷萌)

  • Feb

    03

    『田紳有楽』藤枝静男(烏有書林)

    『田紳有楽』藤枝静男(烏有書林)

    池の中のグイ呑みが金魚のC子とまぐわったり、丼鉢が空を飛んだり、なんとも独特な世界観というか、著者の想像力の凄さに驚かされる超絶面白い小説。お隣の庭の池でこんなことが起こっていたら・・・と想像するとちょっとワクワク。烏有書林版の本書がオススメです。

    (マルノウチリーディングスタイル 北田博充さん)

  • Feb

    04

    『犬が星見た』武田百合子(中公文庫)

    『犬が星見た』武田百合子(中公文庫)

    夫、武田泰淳と友人、竹内好とのロシア旅行記。旅行記というのは、意外と読み進むのに時間がかかってしまうものが多かったりしますが、本書はその対極。あまりに面白くて、あっという間に読み終えてしまいます。肩の力の抜けた文章から、百合子さんの人となりが伺えます。「犬が星見た」というタイトルセンスの良さも◎

    (マルノウチリーディングスタイル 北田博充さん)

  • Feb

    05

    『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』保坂和志(筑摩書房)

    『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』保坂和志(筑摩書房)

    「寝言戯言」というタイトルで連載されていたエッセイを本にまとめたもの。考えること、書くことに対してとても能動的で、世界との対峙の仕方がとても格好良い。俺はこう考えてるんだけど、わからないなら別にいいよ、でも知ったかぶりはしないでくれ。的なスタンスが好ましいです。

    (マルノウチリーディングスタイル 北田博充さん)

  • Feb

    06

    『起こらなかった世界についての物語』三浦丈典(彰国社)

    『起こらなかった世界についての物語』三浦丈典(彰国社)

    あり得たかもしれない。けれど、実現されなかった世界を建築家が描いたドローイング集。わくわく感にちょっぴり哀しさが混じる不思議な読後。タイトルと装丁もとても魅力的です。ページをめくりながら、自由にその世界を空想してみてください。

    (マルノウチリーディングスタイル 北田博充さん)

  • Feb

    07

    『久生十蘭短篇選』久生十蘭(岩波文庫)

    『久生十蘭短篇選』久生十蘭(岩波文庫)

    小説の魔術師と呼ばれる久生十蘭の短篇を15篇収録した贅沢な短編集。洗練された文章、幻想的な雰囲気をじっくりと味わって読み尽くしたい一冊。

    (マルノウチリーディングスタイル 北田博充さん)

  • Feb

    08

    『月日の残像』 山田太一 (新潮社)

    『月日の残像』 山田太一 (新潮社)

    この本の中に、「うまいもんがあると聞くと、捜してでも食べにいく人なんて、なんか品がないよなあ」と渥美清の言葉がある。そして山田太一さんは「これは、食べることの羞恥心を知っている人の言だ」と思ったと書く。35編のエッセイは、どこから読んでもおもしろいし、深い。どこでやめても、いついつまでも心に残る。山田太一さんは読者を救う達人だと思った。噛み締めて読む一冊である。

    (ミシマガジンサポーター 堀内恭さん)

  • Feb

    09

    『流しのしたの骨』江國香織(新潮文庫)

    『流しのしたの骨』江國香織(新潮文庫)

    すこし前まで、冬休みは毎日友達と、飲んで騒いで過ごすもの、と思っていました。それがいつの間にか、家族で過ごす時間をとても大切に思うようになりました。この本は、ある家族の晩秋から早春の日々を切り取った一冊です。もう何度も読んでいるのですが、このお正月、家族と居間でだらだら過ごしながら読んで、いっそう幸せになりました。

    (ミシマ社営業チーム 平田薫)

  • Feb

    10

    『道具と人類史』戸沢充則(新泉社)

    『道具と人類史』戸沢充則(新泉社)

    ――「文明の進歩は人類にとって本当は危険かもしれない」。これは、3.11の翌年に亡くなった著者の遺言と受け止めた。「道具を作るこころと使うこころがいつも正しくかみあような人類の英知」を、石器や縄文土器の中に読み込もうという試みに魅かれ、手にしたもの。大きな写真と大きな文字で綴られた本書は、考古学に縁のなかった人にもおすすめ。

    (ささらプロダクション 小倉美惠子さん)

  • Feb

    11

    『新美南吉童話集』千葉俊二編(岩波文庫)

    『新美南吉童話集』千葉俊二編(岩波文庫)

    「それからのち菊次さんは、40年も生きていました。その間にはいろいろ変わったこともありました。明治の御維新で、今まで後ろに結んでいた丁髷をとってしまいました...」<「百姓の足 坊さんの足」より>。昨年は、新美南吉の生誕100年ということだったが、南吉の童話は近代化を迎える以前の市井に生きた人々の暮しや考え方が息づき、また近代化に揺れる庶民の身の丈の心情が伝わってくる。
    南吉の童話には、所在が知れない空想話とは異なる「根」が 感じられ、村内の近しいおじいさんおばあさんに昔話を聞かせてもらっているような安らぎがある。

    (ささらプロダクション 小倉美惠子さん)

  • Feb

    12

    『ストレンジオグラフィ』管啓次郎(左右社)

    『ストレンジオグラフィ』管啓次郎(左右社)

    土地に根ざした新美南吉とは対照的に、根を持たない現代の都市にあって、「stranger(よそもの)」を自認し、ひたすらに土地を訪ねて歩き続ける著者。管さんの旅や、旅から生まれる言葉は、管さんのセンスそのもの。時に、そこに生まれ育った者以上に深く狂おしく、その土地に思いを巡らせ、思索する著者の姿は、孤高という節度を保ちながらも、土地との関係の深さは時間で測るものではないことを教えてくれる。

    (ささらプロダクション 小倉美惠子さん)

  • Feb

    13

    『忘れられた日本人』宮本常一(岩波文庫)

    『忘れられた日本人』宮本常一(岩波文庫)

    多くの方がご存知かと思いますが、宮本常一の名著。「民俗学の本」と思って読み始めても、その物語の世界に引き込まれ、なぜか体の芯が熱くなるような...。学生時代から読み重ね、常に身近に置いてあるお守りのような本です。

    (ささらプロダクション 小倉美惠子さん)

  • Feb

    14

    『関西名物 上方みやげ』井上理津子、団田芳子(創元社)

    『関西名物 上方みやげ』井上理津子、団田芳子(創元社)

    「渋い!」の一言。地元の人の感覚で、「佳きもの」を紹介している。商品だけでなく、店の取材が行き届いていて、足を運びたくなる一冊。見ているだけでも楽しいですよ!『大阪名物 なにわみやげ』も併せてどうぞ。

    (ささらプロダクション 小倉美惠子さん)

  • Feb

    15

    『岩波茂雄 リベラル・ナショナリストの肖像』中島岳志(岩波書店)

    『岩波茂雄 リベラル・ナショナリストの肖像』中島岳志(岩波書店)

    膨大な資料と取材から言葉が紡がれていて、その次代に居合わせたような息吹きを感じました。『血盟団時間』『秋葉原事件』同様、中島さんの強い覚悟を感じます。

    (ミシマガジンサポーター 船戸 明さん)

  • Feb

    16

    『外科室』泉鏡花(岩波文庫)

    『外科室』泉鏡花(岩波文庫)

    泉鏡花の描く女性は、妖しさをもち、気高く、媚を売らない。男尊女卑が当然のようにまかり通っていた明治初期、こんなにかっこよく、美しく女性を描くひとは他にいなかったのではないかなと思います。難しいと言われることが多い鏡花の文体ですが、この作品は初期のものなので読みやすく、入口としてもおすすめです。

    (ミシマ社 新居未希)

  • Feb

    17

    『新世界より』貴志祐介(講談社文庫)

    『新世界より』貴志祐介(講談社文庫)

    全3巻から構成されているSF小説。冒頭は「手紙」から始まり、何のことだろう? と思いながら読んでいたが、ふと、気づくと3冊を読み終わっていた・・・こんな衝撃は初めて。SF小説にもかかわらず、とてもよくできていて読めば読むほど自分の頭のなかで鮮明な画像として浮かび上がってくる感覚が新鮮。何度も読み返している一冊。

    (あおぞら銀行 フィナンシャルオアシス自由が丘 田中裕美さん)

  • Feb

    18

    『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(新潮文庫)

    『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(新潮文庫)

    大統領殺害の冤罪の被害になってしまった主人公が逃亡するストーリー。まずこの作品のすごいところは、伏線がいたるところにちりばめられていること。章ごとに時間軸が入れ替えられ、最初のほうに出てきた昔の言葉や思い出が後の方でつながってくる。読めば読むほど感情移入してしまう。また、「信頼」関係で進んでいくストーリーが感動的。いくつもの危機があるのだが、昔の仲間や家族の間接的で全面的な応援により、主人公は救われていく。「人間最大の武器は『習慣と信頼』」。最後はハッピーエンドではないけれど爽快な終わり方。

    (あおぞら銀行 フィナンシャルオアシス自由が丘 田中裕美さん)

  • Feb

    19

    『旅のラゴス』筒井康隆(新潮文庫)

    『旅のラゴス』筒井康隆(新潮文庫)

    SF小説。一言でいうと「不思議な話」。人々が文明の消滅と引き換えに不思議な能力を手に入れたという世界が舞台になっている。その後、主人公が一生を通して出会う不思議な集団や経験が淡々と描かれている。しかし、淡々とした話が単なるファンタジーではなく、主人公の一生を通して、人生とは何かと読み手が考えさせられ、そのひとつひとつの不思議な話が心に強く残る作品。

    (あおぞら銀行 フィナンシャルオアシス自由が丘 田中裕美さん)

  • Feb

    20

    『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)

    『ガダラの豚』中島らも(集英社文庫)

    アフリカと呪術をテーマにしたミステリー小説(全3巻)。1巻はマジックと新興宗教、2巻はアフリカと呪術、3巻は日本での戦い、という壮大な構成。全体を通して不気味で暗い雰囲気なのに、重くない。宗教やアフリカについてよく調べられているからか、話のリアリティがとても楽しめた。全体を通して非科学(宗教)的なものと科学的なものの対立がテーマになっている。

    (あおぞら銀行 フィナンシャルオアシス自由が丘 田中裕美さん)

  • Feb

    21

    『死神の精度』伊坂幸太郎(文春文庫)

    『死神の精度』伊坂幸太郎(文春文庫)

    一人の死神・千葉が出会う6人の話がそれぞれにあり、6種類の短編小説を読んでいるような気持ちにさせてくれる。死神は仕事として、人間を調査し、死んでいい人間かどうかを判断する。主人公の死神・千葉はクールで真面目だが、愛嬌があるキャラクターがとっても魅力的。死という重い設定にもかかわらず、温かみのある話で読み終えたときは実に清々しい。本当に面白くて、1話だけ読むつもりが全部読んでしまっていた。続編もあるようなので早く読みたい!!

    (あおぞら銀行 フィナンシャルオアシス自由が丘 田中裕美さん)

  • Feb

    22

    『歴史を考えるヒント』 細野善彦(新潮文庫)

    『歴史を考えるヒント』 細野善彦(新潮文庫)

    日本という国名が決まったのはいつから? 百姓というのは農民ではないなど、普段何気なく考えていたことが、歴史をきちんと勉強することによって全くちがうことにきづく、なんとも目からウロコの一冊です。

    (ミシマガジンサポーター 桜井一さん)

  • Feb

    23

    『女子の遺伝子』三砂ちづる×よしもとばなな(亜紀書房)

    『女子の遺伝子』三砂ちづる×よしもとばなな(亜紀書房)

    三砂先生とよしもとばななさんの大先輩っぷりに脱帽です。人生、もちろんいろいろあるのだけれど、ふっと肩の力をぬいてみると、意外とちっぽけに思えたりするもの。20代、30代女子にむけて生きるヒントがたっくさんつまっている一冊。産んでみたくなることまちがいなしです。

    (ミシマ社 寄谷菜穂)

  • Feb

    24

    『「聴く」ことの力ー臨床哲学試論』 鷲田清一(阪急コミュニケーションズ)

    『「聴く」ことの力ー臨床哲学試論』 鷲田清一(阪急コミュニケーションズ)

    聴くということ、それは日常における単純な作業だと考えていました。しかしこの本を読むと、どうもそれは違う気がしてくるのです。目の前にいる彼が絞り出す、彼女が紡ぎだす温度のあることばたち。それらを真摯に受け止めることのできる私でいたい、そう思わせてくれる一冊でした。普段は何気なく行っている「聴く」という行為の意味、そしてその力を改めて見つめ直してみませんか。

    (ミシマ社デッチ 陣内萌)

  • Feb

    25

    『わかりあえないことから』平田オリザ(講談社現代新書)

    『わかりあえないことから』平田オリザ(講談社現代新書)

    コミュニケーションの出発点は断絶-"わかりあえないこと"-にこそあると説く著者。
    しかし、「わかりあえない」「わかりあえる」という評価の形容詞を口にするヒマがあるなら、早々に出発点を確認し、相手と向き合うことに努力を払いなさい、ということを言われているようにも思う一冊。

    (ミシマ社デッチ 菱田伊駒)

  • Feb

    26

    『おべんとうの時間』阿部了/写真、阿部直美/文(木楽舎)

    『おべんとうの時間』阿部了/写真、阿部直美/文(木楽舎)

    お弁当が好きです。人のお弁当も気になるのですが、あまりじっと見てはいけないような気がして、本で眺めています。弁当だけでなく、仕事や家族の話もあって、なんだか懐かしいような、あったかい気持ちになります。いろんな人がいて、いろんな生き方があって、いろんなお弁当があるんだなあ。だれか大切な人にお弁当をつくりたくなる一冊です。

    (ミシマ社関西仕掛け屋ジュニア 山本ひかる)

  • Feb

    27

    『どんとこい、貧困!』湯浅誠 (イーストプレス)

    『どんとこい、貧困!』湯浅誠 (イーストプレス)

    努力しないのが悪い。死ぬ気になればなんでもできる!そうなったのは、自分の責任だろ!? 上から目線の自己責任論を振りかざし、苦しむ人から目をそらす。そんな社会はもうやめよう!
    「がんばってみる気になる条件」って、皆、同じレベルで満たされているの?
    貧困について語りつつ、あらゆる「社会的弱者」と向き合う気持ちにさせる一冊。「がんばれてない」(ように見える)人に対する意識が、変わるはず。

    (ミシマ社デッチ 野津幸一)

  • Feb

    28

    『あまからカルテット』柚木麻子(文春文庫)

    『あまからカルテット』柚木麻子(文春文庫)

    おお、30歳ってこんなこと思うのか、楽しみだな、なんて思いながら読んだ一冊。素敵なアラサ―4人組が登場します。お稲荷さん、ラー油、おせち・・・、沢山の美味しそうな食べ物が出てきて、それらが鍵となって物語は進みます。なかでも物語にでてくるようなお稲荷さん、どこかで出会ってみたい、と思わせられます。読んでいて幸せな、少しお腹のすく一冊です。

    (ミシマ社デッチ 上田菜津美)