今日の一冊バックナンバー

  • May

    01

    『悲しい本』M.ローゼン/作、Q.ブレイク/絵、谷川俊太郎/訳

    『悲しい本』M.ローゼン/作、Q.ブレイク/絵、谷川俊太郎/訳

    多分、中学生くらいのときに出会った絵本。泣きながらシャワーを浴びる男の絵が強烈に印象に残ったけれどタイトルを忘れてしまい、初めて図書館中を探しまわってでももう一度見つけたいと思った絵本。モノクロームの画面から伝わってくる、静かだけれども見るものを引きずりこみゆさぶりを書けるような、深く激しい悲しみの感情にただただ圧倒される。

    (はてなブロガー ぐれこさん)

  • May

    02

    『あのね、サンタの国ではね・・・』嘉納純子/文、黒井健/絵(偕成社)

    『あのね、サンタの国ではね・・・』嘉納純子/文、黒井健/絵(偕成社)

    息子にはほぼ毎日絵本の読み聞かせをしていましたが、最も目を輝かせて聞き入っていたのがクリスマス関連の絵本。クリスマス時期だけではなくて、季節を問わず喜んで聞いていたのがこの絵本でした。サンタの国での一年の様子が描かれていて、1月はサンタの国での新年パーティーの様子、2月は子どもたちからのお礼の手紙を読んでいたりと、サンタの国の様子が生き生きと描かれています。とくに7月はサンタさんたちが子どもたちの様子を空から見守る月になっていて、その部分を読み旅に息子が「ぼく、7月は良い子にしてたかな〜」と不安そうな顔をしていたのを思い出します。子ども達の目がキラキラと輝くこの一冊は、今でも我が家の大切な宝物です。

    (はてなブロガー ポレポレとうさん)

  • May

    03

    『経済学的思考のセンス』大竹文雄(中公新書)

    『経済学的思考のセンス』大竹文雄(中公新書)

    著者もプロローグで明らかにしているように、本書では、一般の大人が頭に描く「経済」とは異なった視点でお金にまつわる話が語られます。読者は、「イイ男の結婚」や「プロゴルファーのやる気」に関する話題から、「年金制度」や「所得格差」についての考察まで、「インセンティブ」と「因果関係」のスパイスの効いた新鮮なコース料理を味わうことになるでしょう。

    (ミシマガサポーター いとみきさん)

  • May

    04

    『全くダメな英語が1年で話せた! アラフォーOL Kayoの「秘密のノート」』重盛佳世(マガジンハウス)

    『全くダメな英語が1年で話せた! アラフォーOL Kayoの「秘密のノート」』重盛佳世(マガジンハウス)

    大好評の益田ミリさんのコミックエッセイ『みちこさん英語をやりなおす』を営業中に、書店員さんにおすすめしてもらった本。微妙なニュアンスや程度の具合を、図式であらわしてくれてて、英語を勉強するときの副読本としていいよ〜、と教えてもらいました。さっそく買ってよんでみました。「数個が何個くらいを指すのか」、「大体ってどれくらいなのか」感覚的なことをイラストと一緒に説明してくれているのですごく役立ちそうです。指差し会話帳としてもつかえそうなので、英語圏に旅行に行かれる方にもオススメです! 私は単に読み物として読んでいても、なるほどがたくさんで楽しかったです。

    (ミシマ社 寄谷菜穂)

  • May

    05

    『タチコギ』三羽省吾(幻冬舎文庫)

    『タチコギ』三羽省吾(幻冬舎文庫)

    著者の三羽省吾さんは思春期の少年の心の動きを描写させれば日本一ではないでしょうか。
    女性には到底理解できないと思われる、くだらないけれど譲れない部分を思春期の少年は持っています。
    自分でも忘れていた、そんな感覚を思い出させてくれる小説です。

    (大阪府堺市 天牛堺書店堺東高島屋店 一色淳さん)

  • May

    06

    『戸村飯店青春100連発』瀬尾まいこ(文春文庫 )

    『戸村飯店青春100連発』瀬尾まいこ(文春文庫 )

    大阪弁のドラマや小説に違和感を覚え、「こんな言い方せえへんのになぁ」と感じるのは私だけではなく、大阪に愛着を持つ人間に共通する点だと思います。
    しかし、瀬尾まいこさんのこの小説は、ごく自然に大阪弁が使われていて、親近感が湧いてきます。小説の内容も大阪が舞台で非常にテンポ良く進んでいきます。
    お客様に「何かおもろい本ない?」と聞かれたら、必ずお薦めしている本です。

    (大阪府堺市 天牛堺書店堺東高島屋店 一色淳さん)

  • May

    07

    『おおきなかぶ』A・トルストイ /再話、内田莉莎子/訳、佐藤忠良/画(福音館書店)

    『おおきなかぶ』A・トルストイ /再話、内田莉莎子/訳、佐藤忠良/画(福音館書店)

    みんなで力を合わせることの大切さを教えてくれる絵本です。3歳の息子に与えたところ、すぐにお気に入りになりました。
    おじいさん1人の力で抜けなかったかぶを、おばあさんと孫と犬と猫と鼠と力を合わせて「とうとうかぶは抜けました」となるのですが、息子はかぶを引っ張るときの「うんとこしょどっこいしょ」の掛け声が気に入っているようです。
    本当の意味に早く気づいてくれることを願いながら読み聞かせています。

    (大阪府堺市 天牛堺書店堺東高島屋店 一色淳さん)

  • May

    08

    『かぶさんとんだ』五味太郎/文・絵(福音館書店)

    『かぶさんとんだ』五味太郎/文・絵(福音館書店)

    五味太郎さんの温かみのある絵が印象的な絵本です。
    お客様から2〜3歳くらいのお子様へのプレゼントと聞かれれば、お薦めしています。
    これも息子の読み聞かせ用に文字が少ないから楽だと思って選んだのですが、一言一句間違わずに読まないと、最初からやり直しさせられます。昨日の晩御飯がビール以外に思い出せない私にとって、子どもの記憶力は驚きです。

    (大阪府堺市 天牛堺書店堺東高島屋店 一色淳さん)

  • May

    09

    『ポーカー・フェイス』沢木耕太郎(新潮文庫)

    『ポーカー・フェイス』沢木耕太郎(新潮文庫)

    大学生のときに『深夜特急』から入って、『バーボン・ストリート』『チェーン・スモーキング』と読んできました。本書はもちろんハードカバーで発売日に購入しましたが、4/28に文庫が発売されましたので紹介させて頂きます。
    ノンフィクションライターの沢木耕太郎さんですが、エッセイの達人でもあります。
    一編を読み終えると、その逸話に出てきた人物の本が読みたくなり、読書欲が広がっていきます。

    (大阪府堺市 天牛堺書店堺東高島屋店 一色淳さん)

  • May

    10

    『整体から見る気と身体』片山洋次郎(ちくま文庫)

    『整体から見る気と身体』片山洋次郎(ちくま文庫)

    腰痛がきかっけで、痛みと身体、そして何かその間にあるものを知りたくなった。そんな中、店頭で見つけて(よしもとばななさんの推薦の帯)購入。すごくしっくり。数年ぶりに最初から読み直していると、気になるところ、響くところがたくさん!

    (ミシマガジンサポーター Ribbon cafeさん)

  • May

    11

    『文・堺雅人』堺雅人(文春文庫)

    『文・堺雅人』堺雅人(文春文庫)

    今さらですが、『半沢直樹』を見て、俳優の堺雅人さんにはまり、ミーハー心でこのエッセイを手に取りました。(写真もたくさんのっているのです。)そうしたらまあ、この人、作家が本業じゃないの? というくらいおもしろいではないですか。役作りのために読まれるたくさんの本や資料、その知識から繰り広げられるユニークな妄想。読み終わったときには、『半沢直樹』の堺さんではなく、俳優かつ作家の堺雅人のファンになってしまいました。今、まわりの人にすすめまくっている一冊です。

    (ミシマ社営業チーム 平田薫)

  • May

    12

    『植物はなぜ5000年も生きるのか 寿命からみた動物と植物のちがい』鈴木英治著(講談社ブルーバックス)

    『植物はなぜ5000年も生きるのか 寿命からみた動物と植物のちがい』鈴木英治著(講談社ブルーバックス)

    植物の本を制作中で、勉強のために読んだ本。タイトルからして気になるけれど、テンションが最高潮に達したのが、「死の起源」についてのくだり。生命の誕生が謎めいているのは知っていても、生物が「死ななければならなくなった」理由は考えたことすらなかった。著者は、細胞分裂で自身を複製する単細胞生物は「不死」であると指摘する。言われてみれば確かにそうだ。ほかにも、動き回る動物と動かない植物のちがいに迫るトピック満載で、生物とは何かを考えさせてくれる。

    (ライター 萱原正嗣さん)

  • May

    13

    『人類と建築の歴史』藤森照信著(ちくまプリマー新書)

    『人類と建築の歴史』藤森照信著(ちくまプリマー新書)

    建築の本の制作のために読んだ本。壮大なタイトルに腰が引けそうになったけれど、あにはからんや。「マンモスを食ってたころ」のすまいから「二十世紀モダニズム」まで、建築史をざっくり概観。藤森センセイの言葉の奥底には、建築をつくり、そこに住まう人間への温かい眼差しがある。建築家の難解な言葉遣いに幾度も跳ね返されてきた僕は、「こんなふうにやさしく建築を語る人がいるんだ!」と嬉しくなった。

    (ライター 萱原正嗣さん)

  • May

    14

    『ぼくはお金を使わずに生きることにした』マーク・ボイル著(紀伊國屋書店)

    『ぼくはお金を使わずに生きることにした』マーク・ボイル著(紀伊國屋書店)

    お金が気になる。自分の稼ぎはもちろん、お金がすべてであるかのようなこの世界がいつまで続くかも気になって仕方がない。お金の呪縛から少しでも逃れたくてこの本を読んだ。軽めのハウツー本かと思いきや、著者が1年間「カネなし」の実験生活を送る様子を、自身が抱える葛藤も交えてつぶさにユーモラスに綴る。著者を衝き動かすのは、お金が商品の不都合な裏側を覆い隠す現代消費社会への疑問。この問題から、僕らも目を逸らしてはいけないと思う。

    (ライター 萱原正嗣さん)

  • May

    15

    『「ほしい未来」は自分の手でつくる』鈴木菜央著(星海社新書)

    『「ほしい未来」は自分の手でつくる』鈴木菜央著(星海社新書)

    「カネなし」生活を送った昨日の著者が指摘するように、お金は商品の不都合な裏側を覆い隠してしまう。それへの加担から逃れるには、「消費者」から脱け出すしかない。この本は、その道筋として「ソーシャルデザイン」を提案する。それはすなわち、自分の人生を自分の意志でしっかと歩み、その先に自分が望む社会と未来をつくっていくこと。「生産者」としての自分を取り戻すことが、未来への希望をつくることになるというのだ。この本は制作に携わらせていただきました。

    (ライター 萱原正嗣さん)

  • May

    16

    『子どもの本屋、全力投球(就職しないで生きるには9)』増田喜昭著(晶文社)

    『子どもの本屋、全力投球(就職しないで生きるには9)』増田喜昭著(晶文社)

    本屋をやろうと企んでいる。昨日の本をつくりながら僕の「ほしい未来」を考えた末に辿り着いた答えだ。本屋の勉強でこの本と出会い、「おじいさんへの手紙」と題した「まえがき」ですっかりやられてしまった。大工だった著者の祖父は、頑ななまでにていねいに仕事と向き合う。その姿を思い浮かべ、著者は「子どもの本屋」として歩み始める。多くの人にとって仕事がそういうものになれば、世界はずいぶん変わるだろう。「就職しないで生きるには」シリーズの新展開も楽しみだ。

    (ライター 萱原正嗣さん)

  • May

    18

    『生まれた時からアルデンテ』平野紗季子(平凡社)

    『生まれた時からアルデンテ』平野紗季子(平凡社)

    著者の平野さんは、小学生のころから食日記をつけていたという生粋のご飯狂(そして平成生まれ!)。そんな平野さんが書く食エッセイからは、なんでもスマホで調べて、☆印でのあいまいな評価の数を気にして流されてしまういま、自分の足で辿って、ビビビと直感を探ることの切実さを感じる。食へのあくなき愛と真摯な姿勢、なによりも文章がとてもすてきだった。写真もデザインもすてきなのだけれど、もっともっとこの人の書いた文章を読みたいと思った。

    (ミシマ社 新居未希)

  • May

    19

    『あけるな』谷川俊太郎/文、安野光雅/絵(復刊ドットコム)

    『あけるな』谷川俊太郎/文、安野光雅/絵(復刊ドットコム)

    「あけるな」と言われれば、なおさら開けてみたくなる。その先に何があるのか、知りたくなる。子どもの頃、図書館へ行くたびに手に取っていたこの絵本は、好奇心や探究心を広げてくれた原点かもしれません。忠告を無視してどんどん扉を開けて行ったその先には、安野光雅の美しく幻想的な絵の世界が待っています。そして最後にたどりついたのは...。大人になった今でも見るたびに答えが変わる、一向に謎の解けない不思議な絵本です。

    (自由が丘ソーワアイス 松浦順子さん)

  • May

    20

    『オイスター・ボーイの憂鬱な死』ティム・バートン(アップリンク)

    『オイスター・ボーイの憂鬱な死』ティム・バートン(アップリンク)

    映画監督ティム・バートンによる絵本。彼の映画同様、登場するキャラクターたちは皆、不気味でグロテスクで哀れで、でもどこか愛らしい。そして彼らのストーリーは残酷で皮肉たっぷり。決してハッピーエンドではなく、ナンセンス。それなのになぜか切なく優しい気持ちが湧いてきて、キャラクターに愛着を感じるのが不思議です。そこがバートン作品全体に通じる魅力なのかもしれません。巻末には原文も掲載され、あわせて楽しめます。

    (自由が丘ソーワアイス 松浦順子さん)

  • May

    21

    『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫)

    『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫)

    "とある"施設で育った子どもたちの物語が、施設の卒業生である主人公の一人称で淡々と語られていきます。冒頭から漠然と感じられる不安感は、読み進むにつれやがて明確になり、そして静かに判明する主人公達の過酷な未来。どうやっても逃れられない運命の檻の中で、激しく抗う事もなくそれを受け入れていく彼ら。読み手としてはなんともいえないもどかしさと絶望を覚えながら、一筋の光明も感じられる、あたたかくてせつない物語です。

    (自由が丘ソーワアイス 松浦順子さん)

  • May

    22

    『竜馬がゆく』司馬遼太郎(文春文庫)

    『竜馬がゆく』司馬遼太郎(文春文庫)

    まるでその時代を生き、目の前で見てきたかのような文章に、ぐいぐいと引き付けられます。命をかけて世のために事を成したい。竜馬だけではなく、幕末を生きた若者たちの熱い想いがまっすぐに伝わってきます。明日をも知れぬ命を賭して力いっぱいに活きる姿は、現代を安穏と生きる自分への喝のようにも感じ、パワーが欲しい時に読み返しています。文庫版で全8巻。かなり読み応えはありますが、読み終えた時の感動と爽快感が最高です。

    (自由が丘ソーワアイス 松浦順子さん)

  • May

    23

    『カーテン』アガサ・クリスティー(早川書房)

    『カーテン』アガサ・クリスティー(早川書房)

    本シリーズ最初の作品が『スタイルズ荘の怪事件』。その同じスタイルズ荘を舞台にした、ポワロ最期の事件が描かれます。年老いて車椅子になったポアロは、灰色の脳細胞もかつての輝きを失せてしまったかのよう。果たして真犯人を見つけ出し、打ち勝つ事ができるのか?トリックだけでなく複雑な人物描写も緻密かつ巧妙に描かれ、読むたびに驚かされるクリスティー。最後の最後に「あっ」と思わず声をあげたくなる驚きが待っています。

    (自由が丘ソーワアイス 松浦順子さん)

  • May

    24

    『ハサミ男』殊能将之(講談社)

    『ハサミ男』殊能将之(講談社)

    美少女の首にハサミを突き立てる猟奇的殺人犯「ハサミ男」。本の中に吸い込まれて日常の喧騒を忘れたい方、最近のミステリは型にはまっていてどうもおもしろくないと思っている方、とにかく刺激がほしい! という方、どうぞご一読ください。トリックが気になってもう一度読みなおさずにはいられないはず。映像では表現できない小説ならではの可能性を感じられます、蒸した初夏の今日の夜にぴったり。

    (ミシマ社デッチ 廣政遥)

  • May

    25

    『インド・まるごと多聞典』矢萩多聞(春風社)

    『インド・まるごと多聞典』矢萩多聞(春風社)

    先日晶文社さんより『偶然の装丁家』が発刊されたばかりの矢萩多聞さん。紙版ミシマガや、ミシマ社本の装丁でたいへんお世話になっている装丁家さんです。多聞さんが装丁をてがけるきっかけとなった本がこちら。インドにまつわるいろんな人と、多聞さんが対談されているのですが、とにかくおもしろくて一気に読めてしまいます。本にぐるりとイラストがまかれたようなデザインもすてきです。インドが好きでもそうでなくても、おすすめです。

    (ミシマ社 寄谷菜穂)

  • May

    26

    『小説 孫子の兵法 上・下』鄭飛石(廣済堂出版)

    『小説 孫子の兵法 上・下』鄭飛石(廣済堂出版)

    中学2年生のころ図書館で出会いました。人生でもっとも大切な教訓としている「敵を知り己を知らば百戦危うからず」を与えてくれた本です。兵法を解りやすくストーリー化して描かれているとの紹介に惹かれ手にとったことを覚えています。物語に引きこまれたのはもちろんなのですが、「風林火山」や「呉越同舟」など、有名な言葉の由来に思いがけず出くわす「へぇ〜、なるほど〜!」的な楽しさも加わり、未熟な中学生の僕でも一気に読み終えたものです。

    (Cafe Jinta 小野仁士さん)

  • May

    27

    『炭水化物が人類を滅ぼす』夏井睦(光文社新書)

    『炭水化物が人類を滅ぼす』夏井睦(光文社新書)

    自分の疾患について悩んでいたときに、自分なりに調べに調べて行き着いたのが「糖質制限」という言葉でした。調べるほどに僕自身の問題のみならず、家内の女性特有の体調不調や、子どもの健康に関する心配事さえも、糖質制限により打開しうることを知り、眼から鱗でした。この本は著者の体験、そしてこの考え方の妥当性を広い視点から示してくれます。僕のように、今何らかの疾患があり、治療に疑問がある方にとっては打開のヒントがあるかもしれません。

    (Cafe Jinta 小野仁士さん)

  • May

    28

    『食の終焉』ポール・ロバーツ/著、神保哲生/訳(ダイヤモンド社)

    『食の終焉』ポール・ロバーツ/著、神保哲生/訳(ダイヤモンド社)

    「食」を生業とするものとして手に取らずにいられなかった一冊です。大量生産され安定的に供給されているかのように思い込んでいるが、現代の食料システムは、既に破綻への道を歩んでいる。この本は、それほどまでに深刻化した「食」の問題を、眼前に突きつけます。たしかに僕のカフェで使っている食材もジワリジワリと価格が上昇しています。読んだからと言って答えを持てるようなカンタンなお話ではないのですが、もう目を背けてはいられません。

    (Cafe Jinta 小野仁士さん)

  • May

    29

    『リナックスの革命』ペッカ・ヒマネン、リーナス・トーヴァルズ、マニュエル・カステル/著(河出書房新社)

    『リナックスの革命』ペッカ・ヒマネン、リーナス・トーヴァルズ、マニュエル・カステル/著(河出書房新社)

    街のカフェでパソコンを広げ仕事をする。遊びと仕事の境界が存在しない、ネット時代のワーキングスタイルですね。この本はそのルーツなのかもしれません。会社員時代に「働くこと」の意味に悩んだ僕は鬱になっちゃたんですが、その頃もしこの本に出会っていたら違う道を歩んだかも? 鬱を脱した僕が選んだ道は偶然にも「遊びと仕事の境界が存在しない"場所"」を提供することでした。今は僕自身が遊びと仕事の境界をなくして、ここで楽しく働いています。

    (Cafe Jinta 小野仁士さん)

  • May

    30

    『日常語訳ダンマパダ ブッダの〈真理の言葉〉』今枝由郎/訳(トランスビュー)

    『日常語訳ダンマパダ ブッダの〈真理の言葉〉』今枝由郎/訳(トランスビュー)

    10年前、ボクは鬱病の真っ只中にいました。当時は本を読む気力さえない状態だったんですが、内にある何かが栄養を求めてました。藁をもすがる思いで手にしたのが手塚治虫の代表作『火の鳥』と『ブッダ』でした。2年間暗闇の中でこの2作品を何度も何度も読みました。そのうちブッダの近くで話が聞きたくなり、仏教の本をイロイロ読んでみたのですが、どれもこれも難解すぎ。とてもじゃないけど読めなかった。それから10年、ふとブッダが現れやさしく語ってくれた。ボクにとってそんな本です。

    (Cafe Jinta 小野仁士さん)

  • May

    31

    『ことばが劈かれるとき』竹内敏晴(ちくま文庫)

    『ことばが劈かれるとき』竹内敏晴(ちくま文庫)

    何気なく暮らす日常の中で、ひととふれあい、ものとふれることを、できていると言えるのだろうか――演出家として生きた竹内氏は"真の人間的行動(演技)"を追い求めた。「ひと」の本来的なあり方を、自らの障害であった「ことば」から見い出した彼の言葉は、読むもののこころに直にふれ、響き、動かすだろう。『ことばが劈かれ』たとき、ことばは、からだは、本来の豊かな生を取り戻す。

    (ミシマ社デッチ 小林翔太)