今日の一冊バックナンバー

  • Aug

    01

    『贈るうた』吉野弘(花神社)

    『贈るうた』吉野弘(花神社)

    結婚したときに、友人が「祝婚歌」という詩を教えてくれました。吉野弘という人の詩だそうです。それまで、本は好きだけれど詩はよくわからないと思っていました。でも、この詩はなぜかとても心に残って、何度も読みかえしました。「祝婚歌」もおさめられたこの詩集は、"恋を知り初めた人に"や、"自分を励ましたいと思う人に"など、「贈る」ことをテーマに選ばれたものです。私もいつか、友人が私にしてくれたように、大切な人に詩を贈りたいと思います。

    (ミシマ社 平田薫)

  • Aug

    02

    『あなたにとって「本当に必要な保険」』清水香(講談社+α文庫)

    『あなたにとって「本当に必要な保険」』清水香(講談社+α文庫)

    こういう実用書をミシマガに紹介していいものかとも思ったのですが、目からウロコの部分があったのです。「何もかも自分で準備する必要はなく、国や自治体、さらに勤務先から受けられる保障を確認して、それでも不足する分のみ、自腹を切ればOKなのです」とあり、自分の場合はどうか?!と、考えることが大事なのだと教えられます。保険よりまず貯金が必要なことも。他人ではなく、自分基準で生きてみましょう。

    (ミシマガジンサポーター にやがりもんさん)

  • Aug

    03

    『土と生きる 循環農場から』小泉英政(岩波新書)

    『土と生きる 循環農場から』小泉英政(岩波新書)

    成田空港に囲まれた地で「循環農法」の野菜をつくり、消費者へ直に届け続けてきた小泉英政さん。無農薬・無化学肥料、堆肥も里山の落ち葉からつくってしまうというその農法の手間は、想像を絶するものです。日々、淡々とつくる。そうして届けられた野菜は、ひと味もふた味も違い、忘れられない味がするといいます。その並々ならぬ姿勢の後ろに隠されていたのは、「権力」という名の暴力に静かに抵抗を続けてきた、小泉さんの人生そのものでした。こんな時代だからこそ胸に響く、あたたかい一冊です。

    (ミシマ社デッチ 松重鮎子)

  • Aug

    04

    『「沖縄シマ豆腐」物語 』 林真司( 潮出版社)

    『「沖縄シマ豆腐」物語 』 林真司( 潮出版社)

    最初沖縄に行って驚いたのは、夏でも豆腐は常温で販売されていること。
    人気の豆腐店は店頭に並んだ途端、アッという間に売り切れる。うちなーんちゅ(沖縄人)にとって、シマ豆腐とは「あちこーこー(熱々)」で食べるのが最高。筆者の足で調べたアジア圏の豆腐事情がおもしろい。

    (MOTTAINAIクラフト あまた 若本紀子さん)

  • Aug

    05

    『せやしだし巻京そだち』小林明子・ハンジリョオ(140B)

    『せやしだし巻京そだち』小林明子・ハンジリョオ(140B)

    旧き良き昭和、とある京都の老舗呉服問屋のお嬢の目から見た、ウチ(私/家)を中心に展開するリトル(リアル)ワールド。京都人ってこんなふうに作られていくの。イケズもだし巻きの巻き方も、伝承なんです。

    (MOTTAINAIクラフト あまた 若本紀子さん)

  • Aug

    06

    『 日本・中国の文様事典』視覚デザイン研究所編(視覚デザイン研究所)

    『 日本・中国の文様事典』視覚デザイン研究所編(視覚デザイン研究所)

    お馴染みの和模様=青海波・亀甲・格子・・・中国唐文様=龍・鳳凰・蓮華...
    ペルシア文様ペイズリー、縄文式土器に埋め尽くされた文様、江戸の歌舞伎役者の着物柄、
    中国陶磁器の吉祥文様、隈無く溢れんばかりの文様事典。
    「シルクロードのように長かった」「資料のあまりの多さに途方に暮れて」
    編集後記が物語る、美術・工芸に携わる者の聖書たる一冊。

    (MOTTAINAIクラフト あまた 若本紀子さん)

  • Aug

    07

    『京都国立近代美術館蔵[川勝コレクション]河井寛次郎作品集』京都国立近代美術館編(東方出版)

    『京都国立近代美術館蔵[川勝コレクション]河井寛次郎作品集』京都国立近代美術館編(東方出版)

    京都国立近代美術館に寄贈された425点にも及ぶ、京都の陶芸家故河井寛次郎の作品集。
    収集家故川勝堅一は、実業界にありながら美術工芸に多大な功績を果たした人物。
    出会った瞬間旧知の仲に落ち入る二人。月日が流れるにつれ、作り手が収集家のために自ら遺すべき作品を創る。この作品群は、二人が作り上げた「河井寛次郎」という陶芸家の人生の曼荼羅。

    (MOTTAINAIクラフト あまた 若本紀子さん)

  • Aug

    08

    『藤森照信の特選美術館三昧』藤森照信(TOTO出版)

    『藤森照信の特選美術館三昧』藤森照信(TOTO出版)

    「建築探偵」として有名な著者の眼にかなった、何度でも訪れたい全国から厳選された27件の美術館の見所を紹介する一冊。
    日本は世界でも類い稀な美術・博物館が多数住み分ける国。けして奥山の町営博物館も侮れない。ローカル線を乗り継いで、彼の美術館の為だけに目指す旅もえぇじゃないか。きっとお気に入りが見つかる建築家のファイル。

    (MOTTAINAIクラフト あまた 若本紀子さん)

  • Aug

    09

    『人は愛するに足り,真心は信ずるに足る』中村哲、澤地久枝(岩波書店)

    『人は愛するに足り,真心は信ずるに足る』中村哲、澤地久枝(岩波書店)

    2008年から翌2009年にかけて行われた対談をまとめた本なのですが、語られている内容は、まさに今、直面している問題です。
    アフガニスタンにおいて30年以上ものあいだ、医療、水路建設に携わられた中村医師の行動と、その裏にあった個人としての苦しみを知るにつけ、人間の崇高さ、タイトルの深さに心が動かされます。

    (ミシマガジンサポーター 戸田百合子さん)

  • Aug

    10

    『データの見えざる手』矢野和男(草思社)

    『データの見えざる手』矢野和男(草思社)

    副題は「ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」。著者は日立製作所中央研究所で腕の動きを毎秒20回記録するリストバンドを開発。それを用い蓄積した「ヒューマンビッグデータ」を分析した結果、人間の活動は、分子の熱運動と同じ法則に従っており、人間活動の「効率」は、熱力学の「熱効率」の式で記述できるのだという。ホントに? と思いながら読み進めるのだが、これが本当に滅法面白かった。科学的に導き出された人間活動への知見が、過去に自分の仕事や生活からなんとなく感じていた「実感」と近かったり(たとえば"あなたが今日何に時間を使うかは、無意識のうちに科学法則に制約されており自由にはならない"p.20より)、その逆で常識を覆すようなことも書かれており感嘆した。人間理解の研究がこういう方向性でも進んでいると知る意味でも、必読の一冊ではないだろうか。

    (ミシマ社営業チーム 渡辺佑一)

  • Aug

    11

    『書棚と平台』柴野京子(弘文堂)

    『書棚と平台』柴野京子(弘文堂)

    「本を作る」とか、「本を読む」こと以上に、「本を届ける」ことを日々考えています。本を本屋さんに届ける。それはとても価値があってかっこいい仕事だと思うのですよ。でもこういう仕事は目に見えないことが多い(そこがまたかっこいい!)。僕も仕事をするまで、本屋さんに本がどうやって届いているかなんて気にしたことがありませんでした。この本は取次と呼ばれる、「本を本屋に届ける仕事」をしている業種の歴史をひもといた本です。本や本屋のことを違う視点で見ることができるかもしれません。

    (小屋BOOKS本屋店主 松井祐輔さん)

  • Aug

    12

    『本を読む人のための書体入門』正木香子(星海社新書)

    『本を読む人のための書体入門』正木香子(星海社新書)

    小学生の頃にマンガを読んでいて、フキダシごとの"文字の形"が違うことに気付いて、印刷されているのに形が違うなんてすごい!と思った記憶があります。それが書体と呼ばれていて、世界にたくさんの書体があることを知ったのはわりと大人になってからでした。形が違えば雰囲気が変わる。普段何気なく接している文字の雰囲気、ちょっと飛躍すると「心」を読むことは、なんだか本という友達の新しい一面を発見したようで、恥ずかしくも嬉しい気持ちになるのです。

    (小屋BOOKS本屋店主 松井祐輔さん)

  • Aug

    13

    『かかわり方のまなび方』西村佳哲(筑摩書房)

    『かかわり方のまなび方』西村佳哲(筑摩書房)

    この本はタイトルがすごいのです。「かかわり方」の「まなび方」の本であって、決して読めば「まなべる」本ではない。でもそれがいいのだと思います。技術や知識は絶対的に必要です。でも、その先に必要なのは感覚というか、気持ちの部分であると思うのです。それが人との「かかわり方」であればなおさらです。人とのかかわりを追求してきた人々に、なぜ、どうやって人とかかわっているのかを丁寧に取材したこの本は、漢方薬のように読んだ後じわじわと心に効いてきます。

    (小屋BOOKS本屋店主 松井祐輔さん)

  • Aug

    14

    『ひきだしにテラリウム』九井諒子(イーストプレス)

    『ひきだしにテラリウム』九井諒子(イーストプレス)

    この本には33個の精巧なテラリウムが納められていて、それぞれに素晴らしい世界を見せてくれるのです。......とそれっぽく形容できなくもないのですが、なんだか書けば書くほど、本の魅力を損ねているようで。マンガです!ショートショートです!最高に面白いです!!ということで許してください。

    (小屋BOOKS本屋店主 松井祐輔さん)

  • Aug

    15

    『マルドゥック・スクランブル1~3』冲方丁(早川文庫)

    『マルドゥック・スクランブル1~3』冲方丁(早川文庫)

    「なぜ生きているのか」、などというすごいテーマを、愚直に、ひたすら追求し続けることの辛さ。それは同時に強さでもあるし、愛おしさにも変わるものなのだと思います。一度死んだ少女の、再生の物語。そこで描かれているのは、全く美しくない、人によっては目を覆うような残虐な世界。でもだからこそ僕たちは、その強さを感じることが出来るのです。とにかく大好きなシリーズ。完結シリーズが出ると言われ続けてはや数年。出てほしいような、ほしくないような。

    (小屋BOOKS本屋店主 松井祐輔さん)

  • Aug

    16

    『うみの100かいだてのいえ』いわいとしお(偕成社)

    『うみの100かいだてのいえ』いわいとしお(偕成社)

    ほんやさんでかったら
    このほんのふくろにいれてくれて
    うれしかった。

    (ミシマガジンサポーター 渡辺作太朗くん)

  • Aug

    17

    『海街diary / 1』吉田秋生(小学館)

    『海街diary / 1』吉田秋生(小学館)

    最近、ミシマ社のメンバーやデッチさんなどその界隈で3姉妹の人に会うことが多いな~と思い、そんな話をみんなでしていた矢先に、京都のアライからこの第1巻を借りて読み始めました。「お、また3姉妹、というか4姉妹!」と思う間もなくあっという間に物語に引き込まれ、止まらずに最新刊6巻まで一気読み。といっても漫画遅読の私は1冊あたり1時間かかるので、お盆休みの1日は海街の日となりました。内容はとにかく間違いないので読んでくださいというにとどめますが、やっぱり夏の間に1日、幸せな「海街を読む日」をつくって、読みふけっていただきたいと思います。是枝裕和監督による映画化も楽しみです。

    (ミシマ社 星野友里)

  • Aug

    18

    『むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く』永 六輔(毎日新聞社)

    『むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く』永 六輔(毎日新聞社)

    書名は著者自身が冒頭に書いているように、放送作家出身の小説家・劇作家だった井上ひさしの名言である。ちなみに井上は1934年生まれ、永は33年生まれ。つまり、1年後輩の言を自著の書名にしたのだ。後輩が先輩の志を継ぐという例はよくあるが、先輩が後輩の志を継ぐという例は珍しい。著者自身も「上を向いて歩こう」の作詞者であり、現在も旺盛な著作家でもあればラジオのパーソナリティでもあるという多芸な天才。

    (自由が丘在住 放送作家 大倉徹也さん)

  • Aug

    19

    『やくざと芸能と 私の愛した日本人』なべおさみ(イースト・プレス)

    『やくざと芸能と 私の愛した日本人』なべおさみ(イースト・プレス)

    そのムカシ、テレビで売れていたこの著者の名前を憶えている人はどのくらいいいるだろう。私も忘れていた名前を本屋で見つけた。こんな本を書いていたのかと大発見。大げさな書名だが、彼が「放送芸能人」として売れっ子のままだったらこの本は決して書けなかっただろう。なぜなら本書では「禁止用語」が自由に使われているからだ。それほど放送というメディアでは限られた日本語しか使われていないことなどを著者とともに発見してほしい。

    (自由が丘在住 放送作家 大倉徹也さん)

  • Aug

    20

    『昭和に火をつけた男 青島幸男とその時代』森炎 , 青島美幸(講談社)

    『昭和に火をつけた男 青島幸男とその時代』森炎 , 青島美幸(講談社)

    青島幸男と私は同年生まれ。彼が放送作家、タレント、役者として売れていたころにはまったく縁がなかったが、彼のテレビタレントとしての最後のコメントは私が書いた。その間に彼はなぜ政治家に転向して東京都知事までなったのか。その後を継いだのはやはり同年生まれの石原慎太郎。確かに彼は青島に火をつけられたのだ。著者の一人である美幸は青島の長女。さまざまな才能に恵まれた父親の、希有な娘の記録としてもおもしろい。

    (自由が丘在住 放送作家 大倉徹也さん)

  • Aug

    21

    『思えばいとしや

    『思えばいとしや"出たとこ勝負"―小沢昭一の「この道」』小沢昭一(東京新聞)

    俳優小沢昭一は、ずいぶんたくさんの本を残しているが、同時に日本ラジオ史に残る名語り手でもあった。今のラジオにも、アナウンサーが文学作品を自ら演出・朗読している番組があるが、朗読と「語り芸」はまったく違う。彼が「語り芸」の雰囲気を最後に文章化して残したのが東京新聞の「この道」という連載コラムで、本書はそれをまとめたものだ。彼の「語り芸」の魅力をこの本でぜひ知ってほしい。

    (自由が丘在住 放送作家 大倉徹也さん)

  • Aug

    22

    『品格と色気と哀愁と』森繁久彌(朝日文庫)

    『品格と色気と哀愁と』森繁久彌(朝日文庫)

    あれほどすばらしい俳優だった森繁久彌の名前を聞くことも、今はなくなりました。時の流れの無常を思わずにはいられません。だからこそ達筆家でもあり無類の語り手でもあった本書をお勧めしたいのです。下品はあっても品格はない、エログロはあっても色気はない、哀愁という言葉はもうほとんど死語になっている現代に、この書名に惹かれる人はいないでしょう。だからこそ推薦したいのです。あなたは今の日本文化をこれでいいと思っていますか。

    (自由が丘在住 放送作家 大倉徹也さん)

  • Aug

    23

    『蒼ざめた馬を見よ 新装版』五木寛之(文春文庫)

    『蒼ざめた馬を見よ 新装版』五木寛之(文春文庫)

    ずいぶん前に読んで、こんな物語を考える人ってどういう人なのだろうと衝撃を受け、ロシアにも行ってみたくなりました。再読して、ぜひロシアに行きたいです。ロシア熱が高まるのは私だけでしょうか?!

    (ミシマガサポーター にやがりもんさん)

  • Aug

    24

    『調理場という戦場』斉須政雄(幻冬舎文庫)

    『調理場という戦場』斉須政雄(幻冬舎文庫)

    なりふり構わず、没頭する。振り返れば何をしていたかなんて覚えていないけれど、必ず自分の血肉となって、そのひと自身ができあがっていく。頭ではわかっているが、本当に実践できる人が、「この人はやるな」という人なんやな、とおもいました。斉須さんが「僕もこんなふうになりたい」と書かれている、何人もの人たちが、またえらくかっこいいです。本物感がすごいです。聞き書きをされたのは、ミシマ社でもおなじみの木村俊介さん。読み終わってから知り、こちらもたいへん納得しました。静かで、そして情熱的な一冊。おすすめです。

    (ミシマ社 寄谷菜穂)

  • Aug

    25

    『いつも、ふたりで ――ばーさんがじーさんに作る食卓』岡西克明、岡西松子(講談社)

    『いつも、ふたりで ――ばーさんがじーさんに作る食卓』岡西克明、岡西松子(講談社)

    食べることが大好きで、自分ひとりしか食べないとしても手を抜きたくない私。高くて新鮮でそのまま食べてもおいしいような材料を使えばそりゃあおいしいものはできます、できますとも! (何も間違えず完璧に作れたとしてですよ笑)でもそうじゃないんですよね。食べさせたい人がいて、身近にある食材から魔法のように料理を作ってしまう。それがまさにこの本に出てくるばーさんです。ページをめくるたびによだれをおさえ、おもわず料理をこすってしまいそうになります。においだけでも! と・・・。食べることは生きること。当たり前のことを粗末にしていたら幸せにはなれないような気がしてなりません。ばーさんに乾杯! 

    (神奈川県横浜市 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店 芦澤真希さん)

  • Aug

    26

    『はなちゃんの夏休み』石田ゆり子(東京糸井重里事務所)

    『はなちゃんの夏休み』石田ゆり子(東京糸井重里事務所)

    誰かを好きになると私は一途です。ずーっとついていきます。石田ゆり子さんはそんな私が大好きな女優さんのお一人です。美人で演技も上手で文才もあり文句なしの方です。そんなゆり子さんが愛犬はなちゃんの気持ちをはなちゃんにかわって綴っています。私も犬を飼っているのでこんな風に思っていたらと読んでいてワクワクしてしまいます。どんな時もそばにいてくれる、かわらない姿に毎日元気をもらっているのです。

    (神奈川県横浜市 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店 芦澤真希さん)

  • Aug

    27

    『魚を一尾、さばけたら!?』濱田美里(河出書房新社)

    『魚を一尾、さばけたら!?』濱田美里(河出書房新社)

    なんて素敵なタイトル。私は思わず胸躍りました。私の住む街にはまだ商店街があり、新鮮な魚を安く買うことができるので、この本を先生に自分でさばいてみようと思い手に取りました。自分で裁かなくても切り身になっているもの、スーパーでお願いすれば下処理だってしてもらえます。もちろん時間のないときはそれでもいいですが、この本を読んで、さばいて作ったあじのなめろうを食べたらやみつきになってしまいました。それから私の得意料理に素敵な一品が加わったのです。あじをさばきながら私は、今日この命で生きている、おいしくありがたく頂こうと思うのです。

    (神奈川県横浜市 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店 芦澤真希さん)

  • Aug

    28

    『となりの蔵のつくも神』伊藤遊(ポプラ文庫ピュアフル)

    『となりの蔵のつくも神』伊藤遊(ポプラ文庫ピュアフル)

    今は空前の妖怪ブーム。本当に河童や妖怪がいるのなら、こわいものでないのなら(笑)友達になりたいと人知れず思っていました。でも身近な存在ではないですよね。この本に出てくる「つくも神」たちは人々が大切に使っていた小道具に宿る、気付いたらそこにいる"もの"たちなのです。私もこんなお友達が欲しいよー!

    (神奈川県横浜市 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店 芦澤真希さん)

  • Aug

    29

    『うれないやきそばパン』富永まい 文/いぬんこ 絵/中尾昌稔 作(金の星社)

    『うれないやきそばパン』富永まい 文/いぬんこ 絵/中尾昌稔 作(金の星社)

    私は児童書を担当しているのですが、この作品は私の中ではかわらずBest 1 をキープしています。なんてったって表紙の絵! やきそばパンが正座してる! そして個性豊かな仲間たち!(全員パンですが。)子どもはこの絵をどう受け止めるんだろうと思うけど、私にはこのいぬんこ先生の絵はどストライクでした。大好きです! 主人公「カナリヤパン 可成屋」をきりもりしているおじいさんが早起きしてパンを作っている場面は涙なしでは読めませんでした。後ろ姿で語る男っていつの時代もかっこいいんですね! そしてそれをそっと見守るおばあさん・・・。これ以上はネタバレになってしまうので是非この先は皆さんに読んで頂きたいです。;そして何人の人が涙することかひそかに期待しています。

    (神奈川県横浜市 紀伊國屋書店ららぽーと横浜店 芦澤真希さん)

  • Aug

    30

    『資本主義から市民主義へ』岩井克人/著、三浦雅士/聞き手(ちくま学芸文庫)

    『資本主義から市民主義へ』岩井克人/著、三浦雅士/聞き手(ちくま学芸文庫)

    貨幣は貨幣だから貨幣。言葉は言葉だから言葉。それらが奇跡的に生まれたとき、ヒトは人間になったのだ!! なにやら背筋がゾクリとする論考。対談形式で、聞き手ともどもハイレベルすぎてとても理解しきれないが、エキサイティング!

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Aug

    31

    『えーえんとくちから』笹井宏之(PARCO出版)

    『えーえんとくちから』笹井宏之(PARCO出版)

    グレーの布張り、黄色い帯の綺麗な装丁に引き込まれるように手に取って、本をぱらぱらとめくっていると、そのあまりの美しさに、本屋さんの店頭で泣きそうになりました。短歌は、なんだか難しいものだと思っていたし、歌集を手に取ったこともなかった。けれどそれを軽く通り越して、意味なんてわからんでもええやん、とポンッと思えるような、ほんとうにうつくしい歌集。これがきっかけで、自分のなかの言葉の世界が広がった気がします。

    (ミシマ社 新居未希)