今日の一冊バックナンバー

  • Nov

    01

    『本の逆襲』 内沼晋太郎(朝日出版社)

    『本の逆襲』 内沼晋太郎(朝日出版社)

    最終章のトップに「書店」が減っても「本屋」は増える、とかかげた内沼さんの10年の歩み。漠然と紙の本の減ることへのこわさを感じていた私にも「ミシマ社」や「恵文社」のストーリーが見えてきました。

    (ミシマガジンサポーター EishiNさん)

  • Nov

    02

    『三島由紀夫レター教室』三島由紀夫(ちくま文庫)

    『三島由紀夫レター教室』三島由紀夫(ちくま文庫)

    アタマからオシリまで、手紙、手紙、手紙。借金の申し入れから愛の告白まで、歳も仕事も異なる男女5人のあいだを手紙が行き交います。物語として面白いことはもちろん、手紙の参考書としても役に立つ(かもしれない)一冊です。筆不精な貴方もぜひ。

    (ミシマ社営業チーム 池畑索季)

  • Nov

    03

    『定本 日本の秘境』岡田喜秋(ヤマケイ文庫)

    『定本 日本の秘境』岡田喜秋(ヤマケイ文庫)

    ここじゃないどこかに行きたくなることがある。本書は昭和三十年代の日本の奥地を探訪した紀行文集である。単なる旅先のレポートではなく、道程について丁寧に書かれているのが出色だ。旅は現実と非現実の境界を跨ぐことに意味がある。旅の本質はその道程なのだ。と思いながら、どこへも行けない僕はまた本の中へと逃避するのだ。

    (古本屋ワールドエンズ・ガーデン)

  • Nov

    04

    『親のための新しい音楽の教科書』 若尾裕(サボテン書房)

    『親のための新しい音楽の教科書』 若尾裕(サボテン書房)

    音楽を聴くのは好きだけど音楽の授業は苦痛だった。本書は明治以降に輸入された西洋音楽と音楽教育を通して、音楽との距離感や関わり方の変化を体系的に解説した一冊。理論というものを学ぶことで、音楽を身近に感じられなくなり、いつしか最もプリミティブな感覚を失っていたのではと気づいた。幼児が音に合わせて飛んだり跳ねたりしている姿や、子守唄で寝息を立てている姿が実は一番フラットな音楽との接し方なのかもしれない。

    (古本屋ワールドエンズ・ガーデン 小沢悠介さん)

  • Nov

    05

    『梶井基次郎全集』 梶井基次郎(ちくま文庫)

    『梶井基次郎全集』 梶井基次郎(ちくま文庫)

    やっぱり『檸檬』だった。中学校の教科書で梶井基次郎を知り、以来大好きな作家である。好ましく思っている理由は、きっと読み手を意識した作為的な文章が少ないと感じるからだろう。自意識を外に向けずに内に向けている文章が心地いいのだと思う。本書には数篇の習作も収録されており、書き上げられればどのような作品になったのだろうと想像せずにいられない。高橋英夫氏の解説も卓抜。

    (古本屋ワールドエンズ・ガーデン 小沢悠介さん)

  • Nov

    06

    『ア・ロング・ウェイ・ダウン』 ニック・ホーンビィ(集英社文庫)

    『ア・ロング・ウェイ・ダウン』 ニック・ホーンビィ(集英社文庫)

    人生には時としてどうにも身動きがとれなくなる時がある、らしい。幸いにして僕にはまだ経験がないが、いざという時のために学習はしておきたい。本作はそんな進退窮まった男女4人が自殺の名所で鉢合わせし、期間を決めてもう少し生きてみようと話合をする。もちろん時間の経過で恢復するわけではないけど、時間が必要なこともある。結論を遅らせるという解決方法もあるのだ。

    (古本屋ワールドエンズ・ガーデン 小沢悠介さん)

  • Nov

    07

    『次の本へ』 苦楽堂/編(苦楽堂)

    『次の本へ』 苦楽堂/編(苦楽堂)

    「一冊は読んだ。でも、次にどんな本を読むといいのか、わからない」本書序文の引用である。本書は作家、学者、ジャーナリストなどそれぞれの在野でご活躍の八十四名の「本から本への渡り方」を書いたエッセイ集。これはブックガイドではなく、本との出会い方の指南書である。巻末記載の「『次の本』に出会うきっかけ別インデックス」もユニークでぜひ活用したい。同社の最初の本なだけあり熱量が伝わる。

    (古本屋ワールドエンズ・ガーデン 小沢悠介さん)

  • Nov

    08

    『浪曲定席 来馬亭よ、永遠なれ』 長田衛(創英社/三省堂書店)

    『浪曲定席 来馬亭よ、永遠なれ』 長田衛(創英社/三省堂書店)

    「浪曲は古くはありませんよ。はやりすたりではなく、人間本来の不変の価値観に訴えるものなんですよ」と語るのは95歳の現役浪曲師・五月一朗だ。浪曲の掛け値なしの大看板である。浪曲と聞いてピンとくる人(特に若者)はいないだろう。しかし、浅草へ行けば木馬亭で浪曲は聞ける。昭和30年代までの庶民の暮らしの中に根付いていた浪曲を絶滅させたくないという著者の熱すぎる思いに思わず脱帽する1冊だ!!

    (ミシマガジンサポーター 堀内恭さん)

  • Nov

    09

    『豪快さんだっ! 完全版』泉昌之(河出文庫)

    『豪快さんだっ! 完全版』泉昌之(河出文庫)

    豪快さんは豪快だ。出生時には母親のお腹を蹴り破り、その第一声は「おぎゃあ」ではなく「だァーッ!!」だったという豪快さん。昼飯はカツ丼二人前、焼き肉屋に行けばお品書きの上から順にすべて平らげる豪快さん。風呂がぬるければ湯船ごとひっくり返し、事業を興せば駿河湾でクジラの養殖を成功させる豪快さん。その豪快さはとてもまねできるモノではない。しかしなによりも豪快なのは、3分の1ほど読み進めると後は豪快さんがぱたっと登場しなくなるという完全版ならではの潔さだろう。なんだかとにかくいろいろ豪快な本です。

    (ミシマ社 鳥居貴彦)

  • Nov

    10

    『木暮荘物語』三浦しをん(祥伝社文庫)

    『木暮荘物語』三浦しをん(祥伝社文庫)

    小田急線の世田谷代田駅徒歩五分のおんぼろアパートが舞台の物語。それぞれの想いや悩みを抱える住人たち。そのどれもがどこかいびつで、正常ではないけれど、おかしくて、いとおしく、愛らしい。今の時代が忘れかけている、人と人の繋がりと愛の物語で、すごく心が温かくなる物語です。

    (図書印刷株式会社 石村正直さん)

  • Nov

    11

    『烏に単は似合わない』阿部智里(文春文庫)

    『烏に単は似合わない』阿部智里(文春文庫)

    華やかで優雅な世界のファンタジー。と思いきや、期待を裏切り展開される本格的なミステリー。皇子のお后候補として集まった4人の少女がその煌びやかな表舞台の裏側で様々な思惑を交錯させていく。オンナは怖い生き物だと感じる1作。

    (図書印刷株式会社 石村正直さん)

  • Nov

    12

    『羆嵐』吉村昭(新潮文庫)

    『羆嵐』吉村昭(新潮文庫)

    大正四年冬、北海道天塩山麓の開拓村で起こった、日本獣害史上最悪の惨事を描くドキュメンタリー長編。くまのプーさん、くまもんなどユーモラスな動物という熊のイメージがガラガラと音を立てて崩れていくこと必至。

    (図書印刷株式会社 石村正直さん)

  • Nov

    13

    『夏への扉』ロバート・A・ハインライン著、福島正実訳(ハヤカワ文庫SF)

    『夏への扉』ロバート・A・ハインライン著、福島正実訳(ハヤカワ文庫SF)

    SF史上最高にいけてる猫ピートと不運な主人公ダニエル、天使なリッキイ。晩年、観念的になっちゃたハインライン初期の傑作。SFとしてのネタや小道具は今となっては古典的だけど、とにかくストーリー展開が絶妙!

    (図書印刷株式会社 山宮伸之さん)

  • Nov

    14

    『ロード&ゴー』日明恩(双葉文庫)

    『ロード&ゴー』日明恩(双葉文庫)

    これは是非とも大スクリーンでの映像化を希望します。スリリング&スピーディーな展開に釘付けになりつつ、救急車を出迎える看護婦さんたちに大感激。首都高からのクライマックスの爽快感ったらありゃしない。ただ、都内の道路に精通してたらもっと臨場感を味わえたんだろうな。

    (図書印刷株式会社 山宮伸之さん)

  • Nov

    15

    『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀/松村卓(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

    『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀/松村卓(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

    「私はこれで筋トレやめました」
    そう言えるくらい目からウロコの連続でした。いかに「常識」にとらわれているか、再確認するとともに、行動も促してくれた大切な出会いとなりました。

    (ミシマガサポーターさん)

  • Nov

    16

    『デザインの手がかり』尾原史和(誠文堂新光社)

    『デザインの手がかり』尾原史和(誠文堂新光社)

    「デザイン」って聞くと、センスとか感性の問題で、自分には馴染みのない言葉だったけれど、この本を読むと、日々のくらしの中にはデザインがあふれていて、とても身近なものなんだ、という発見がありました。ちょっと見方を変えるだけで、世界にはこんなおもしろいものがたくさんあるんだ、と感動します。読んで、めくって、考えて、読書中は、!!!の連続で、全身の毛穴がカーって開く一冊です。

    (ミシマ社 長谷川実央)

  • Nov

    17

    『旅をする木』星野道夫(文春文庫)

    『旅をする木』星野道夫(文春文庫)

    極北の地アラスカで、写真家・作家として活躍していた星野 道夫さんが、アラスカを初めて訪れるきっかけとなった1枚の写真にまつわるお話や、美しく厳しい自然と、そこに暮らす人々や動物たちのお話など、心に響く珠玉の作品が、33篇綴られています。星野さんの静かで、やさしく、味わい深い言葉が、春の雨のように、じんわりと心にしみてきます。折にふれ、読み返したくなる1冊。

    (味よし 鈴木直さん)

  • Nov

    18

    『ワイルドサイドを歩け』ハリス,R(講談社+α文庫)

    『ワイルドサイドを歩け』ハリス,R(講談社+α文庫)

    世界を放浪し、シドニーで書店オーナーの経験ももつロバート・ハリスさんのエッセイ集です。「人生のリスト」「言葉の力」「旅と本」「本を食う」「サボリ道」「マジックアワー」「三十年来の旅仲間」etc・・・ 旅先に持ち歩くほど繰り返し読んだ本なのに、目次を見ているだけで、今でも何だかワクワクしてきます。著者は、この本のあとがきで語ります。「これを読んで少しでも人生(たび)が楽しいものになったら、僕は幸せである。」

    (味よし 鈴木直さん)

  • Nov

    19

    『night rainbow 祝福の虹』高砂淳二(小学館)

    『night rainbow 祝福の虹』高砂淳二(小学館)

    世界で初めて「月光で現れる虹」を完全に捉えた写真集です。疲れている時や眠れない夜に、そっとこの写真集を手に取り、海の中をゆうゆうと羽ばたいて泳ぐマンタの群れや、静けさに包まれていく夜のビーチ、星々の光を浴びて静かに眠る1本の木、夜空に現れたダブルレインボー、そんな美しい写真を眺めながら、遠いハワイの夜空に現れるかもしれない「夜の虹」に思いをはせていると、不思議と心が安らぎ、気持ちが落ち着いてきます。

    (味よし 鈴木直さん)

  • Nov

    20

    『科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集』寺田寅彦/著、池内了/編(岩波少年文庫)

    『科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集』寺田寅彦/著、池内了/編(岩波少年文庫)

    明治生まれの物理学者で、随筆家としても著名な寺田寅彦さんのエッセイ集です。お茶碗の湯の面から立つ湯気から、雷やモンスーン気候などを考える「茶碗の湯」や、3・11の震災の事を思わずにはいられない「津波と人間」など、身近な自然現象から、科学的なものの見方を教えてくれます。科学は、ちょっと苦手・・・という人でも、自分の興味に合わせて選んで読んでいけるのではないかと思います。美しい日本語も魅力。

    (味よし 鈴木直さん)

  • Nov

    21

    『イワンの馬鹿』レフ・トルストイ/著、北御門二郎/訳(あすなろ書房)

    『イワンの馬鹿』レフ・トルストイ/著、北御門二郎/訳(あすなろ書房)

    和田誠さんの装丁が心和む、世界的文豪・トルストイの良質な短編を集めたシリーズの中の1冊です。物語に出てくるイワンは、何の報いも求めず、権力や富を手に入れても、それを無造作に人々に配り、欲望を捨て、ただ汗を流し働き、人々の為に尽くし、日々を生きていきます。一日一日大地を踏みしめて・・・。「人として大切にしたいこと。」を思い出させてくれる同シリーズの民話の中では、他に『二老人』『愛あるところに神あり』も、おすすめです。

    (味よし 鈴木直さん)

  • Nov

    22

    『失われた感覚を求めて』三島邦弘(朝日新聞出版)

    『失われた感覚を求めて』三島邦弘(朝日新聞出版)

    やっぱりミシマ社ってすごい。と改めて思いました。いろんな選択をしていく中で、ちがう!と思って軌道修正するのはとてもエネルギーの要ること。それでも感覚や先の先を見据えて行動をおこせるというのが素敵だし、とっても大切なことだなと思いました。

    (ミシマガジンサポーター 三宅沙弥さん)

  • Nov

    23

    『体の贈り物』レベッカ・ブラウン/著 柴田元幸/訳(新潮文庫)

    『体の贈り物』レベッカ・ブラウン/著 柴田元幸/訳(新潮文庫)

    エイズ患者の世話をするホームワーカーである主人公と、介護をされる患者たちの交流を1話ずつ描いた連作短編集です。前に登場したときにはできていたことができなくなっている患者、もうホスピスに行ってしまった患者、いなくなってしまった患者、残された者たち。ストーリーには常に死の気配が漂っているのに、不思議と透明な明るさに満ち溢れているのは、主人公の淡々とした、でも決して冷たくはない語り口と、「汗の贈り物」「涙の贈り物」など、すべての話に「~の贈り物」とつけられた美しいタイトルのおかげかもしれません。

    (ミシマ社 平田薫)

  • Nov

    24

    『きもち』谷川俊太郎/文、長新太/絵(福音館書店)

    『きもち』谷川俊太郎/文、長新太/絵(福音館書店)

    1978年の『かがくのとも』で刊行された絵本の復刊版。「やさしいきもち」や「おこるきもち」、心の中に生まれては消える気持ちの変化が、ボクの目線を通して描かれています。おわりのほうのページを除いて文字が一つもなく、絵のみが力強く語る「絵」本。けれども(だからこそ?)遠い昔のあの感情、あのシーンが鮮明によみがえって胸がきゅっとなる......。見えない「きもち」がボクのからだで見事に視覚化され、こころにじんじん伝わります。子どもにも、あれこれ会話しながら読み聞かせたい一冊。

    (マリモ舎 友成響子さん)

  • Nov

    25

    『不便から生まれるデザイン』川上浩司(化学同人)

    『不便から生まれるデザイン』川上浩司(化学同人)

    世の中はどんどん便利になってきました。スマホ一つ取ってみても、便利で便利で仕方がないですよね。電車の乗り換えに四苦八苦したり、地図を片手に右往左往したりすることもなくなりました。でも「便利さと豊かさは同じなのだろうか?」と提言する人がいます。それが本書の著者である京都大学・工学部の川上浩司准教授。「不便なところにも益はあるんじゃないか(それを"不便益"と呼ぶ)」と、あえて「不便」な状況に身を置くという実験をされています。その実験がおもしろくて、思わず不便ラブになっちゃいました。

    (マリモ舎 森秀治)

  • Nov

    26

    『京暮し』大村しげ(暮らしの手帖社)

    『京暮し』大村しげ(暮らしの手帖社)

    京のおばんざいを世に紹介した料理研究家・大村しげさんによるエッセイ。京町家で過ごした春夏秋冬を、生きた京言葉で味わい深く語っています。おなすのまる煮き、しょうがめし、すみれご飯、いもぼう......。今夜の食卓でさっそく真似したくなるような、おばんざい情報もぎっしり。ちなみに、きゅうりの塩もみは、塩をつけてもむのは「損なやり方」で、濃い目の塩水に浸けるとおいしいそうですよ。懐かしいのに、なぜか古くさい感じがしない。丁寧な暮らしの知恵が凝縮した、むしろ新鮮な実用書ではないかと思うのです。

    (マリモ舎 友成響子さん)

  • Nov

    27

    『にぎやかな天地(上)(下)』宮本輝(講談社文庫)

    『にぎやかな天地(上)(下)』宮本輝(講談社文庫)

    京都で"一冊入魂"の本作りをするミシマ社に通じる精神が潜んでいるような......気がする小説。主人公の船木聖司は、京都でフリーの編集者として自分の進む道に思い悩んでいます。その悩みが妙にリアルで、同業者として共感の嵐がビュンビュンと吹き荒れます。そして、本書のもう一つのテーマ「日本の発酵食品」。日本の伝統文化の偉大さ、糀の神秘を感じずにはいられません。思わず糠床を育てたくなっちゃいますよ、ホントに。

    (マリモ舎 森秀治さん)

  • Nov

    28

    『熱血の棋士 山田道美伝』田丸昇(日本将棋連盟)

    『熱血の棋士 山田道美伝』田丸昇(日本将棋連盟)

    人の生き様を描いた読み物には、なぜか心惹かれてしまう。"孤高の"とか"悲運の"とか"破天荒の"なんて枕詞が付くと、もう身体をクネクネさせながら悶絶しちゃいます。この本に描かれているのは"熱血の"生き様。何が熱血かと言うと、棋士である山田道美九段の研究姿勢です。当時のスター大山康晴名人に挑戦するため、すべてを将棋に捧げ、特に序盤の研究に精を出しました。その介あって、ついに初タイトルを獲得する......。ところが、山田九段は奇病のため36歳という若さでこの世を去ってしまいます。その短くも波乱に満ちた人生を知れば知るほど、やはり悶絶してしまうのです。

    (マリモ舎 森秀治さん)

  • Nov

    29

    『本気で5アンペア――電気の自産自消へ』斉藤健一郎(コモンズ)

    『本気で5アンペア――電気の自産自消へ』斉藤健一郎(コモンズ)

    福島での原発の事故を経験して、もう電力会社のつくる電気を使いたくないと思った、という素朴な動機から一見ラジカルに見える節電生活を始めた著書。やってみたら出来ちゃった、といった感じのシンプルさがいっそ楽しいです。けっこう大丈夫なものですよね...。うちもご飯は鍋で炊いています。

    (ミシマガジンサポーター 佐藤朝子さん)

  • Nov

    30

    『日記をつける』荒川洋治(岩波現代文庫)

    『日記をつける』荒川洋治(岩波現代文庫)

    著者が、まるで美味しいお酒を味わうかのように、古今東西の日記文学などを紹介しながら、日記のつけ方、楽しみ方などを説いてゆく一冊。なんといっても文章が素敵。たとえば高浜虚子の俳句を引いたあと、「ああ、うまあい。無敵である。」と続く。荒川さんの解説を通して作品に触れると、こちらにまでその「うまあい」が伝わってきます。著者によると、日記は1月1日などきりの良い日ではなく、中途半端な日から始めたほうが続くそうなので、月末の今日は、日記書き始め日和かもしれません。

    (ミシマ社 星野友里)