今日の一冊バックナンバー

  • May

    01

    『女という生きもの』益田ミリ(幻冬舎)

    『女という生きもの』益田ミリ(幻冬舎)

    益田ミリさんの本を読むと、心拍数があがるのは私だけでしょうか。共感と驚きとほっこりと切なさが混じったような、普段使用していない種類の感情が起動するのです。本書もそうでした。共通項は「女」、でもそれ以外は生まれも育ちも違うはずなのに、こんなにも何かを共有している生きものたちについて。男性も必読です。

    (ミシマ社 星野友里)

  • May

    02

    『古墳の歩き方』まりこふん(扶桑社)

    『古墳の歩き方』まりこふん(扶桑社)

    私の住む河内の八尾には心合寺山古墳があります。数年前、文化財調査がおわり、復元されてきれいになってビックリ。この本で全国各地の古墳をめぐる人が増えてきていることを知り、興味ワクワクです。

    (ミシマガジンサポーター EishiNさん)

  • May

    03

    『おしまいのデート』瀬尾まいこ(集英社文庫)

    『おしまいのデート』瀬尾まいこ(集英社文庫)

    たのしいゴールデンウィーク、何を読みたいかなあと考えた。あんまりギスギスしていなくて、ズキッと心に刺さるものでなくて、なんだか読んだあとに、青空がさっきよりもキレイにみえる本がいいなあ。そう思ったとき、この本が浮かんだ。
    いろんな「デート」をあつめた短編集(デートといっても、恋愛関係にある男女間のお出かけだけをデートと言うのではないのだな)。ちょっとしたしんどさとか、いやな気持ちを抱えて生きる、ふつうで平凡な日々を、瀬尾さんが描いてくれるということで、なんだか救われている気がする。

    (ミシマ社 新居未希)

  • May

    04

    『昔日の客』関口良雄(夏葉社)

    『昔日の客』関口良雄(夏葉社)

    この本を買ったのは、わたしたちのお店のある大山崎町の隣町にある本屋さん、長谷川書店水無瀬駅前店。「この本ください。」と手渡すと、「中村さん、こういうのお好きなんですか?」と長谷川さん。「"こういうの"って、"どういうの"ですか?」とわたし。「うーん、なんていうか随筆っていうか...」と長谷川さん。「うーん、どうでしょう...」とわたし。で、本を読み終えて気づきました。「"こういうの"、好きだ!」。わたしは『無所属の時間で生きる』城山三郎(新潮文庫)などの、「何げない穏やかな生活の中でつづられる随筆」が好きだということに、改めて気づいたんです。
    長谷川さん、"こういうの"、好きです。

    (大山崎COFFEE ROASTERS 中村佳太さん)

  • May

    05

    『わたしのワンピース』 にしまきかやこ(こぐま社)

    『わたしのワンピース』 にしまきかやこ(こぐま社)

    わたしが子どものころに読んだ中で、一番記憶に残っている絵本です。おとなになって、ある絵本屋さんでみつけて迷わず購入しました。いま読み返してみても、想像をかきたてられる、わくわくする内容です。同時に思い出されるのは、お母さんが作ってくれたお気に入りのスカートや布かばんの記憶。当時のきらきらした感覚がよみがえる大切な一冊です。

    (大山崎COFFEE ROASTERS 中村まゆみさん)

  • May

    06

    『詩への道しるべ』柴田翔(ちくまプリマー新書)

    『詩への道しるべ』柴田翔(ちくまプリマー新書)

    一昨年の年末、わたしたち夫婦は、作家でドイツ文学研究者の柴田翔先生とお食事をしました。
    わたしは初対面だったので緊張しましたが、先生の穏やかで優しい語り口と、気さくなお人柄にすっかり魅了されてしまい、楽しい時間はあっという間でした。その後、恥ずかしながら初めて読んだ先生の著作がこの本でした。わたしにとってもは決して身近ではない「詩」を、あの穏やかで優しい語り口で、日常的で魅力的なものとして紹介してくださいました。この本から教えていただいた言葉選びの大切さは、その後文章を書くときにいつも頭においています。

    (大山崎COFFEE ROASTERS 中村佳太さん)

  • May

    07

    『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』篠田謙一(NHK出版)

    『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』篠田謙一(NHK出版)

    なぜか気になる生物の神秘。学生時代の生物の授業でも、とりわけ優性/劣性の法則で紹介されていた耳の形や舌の動き、指紋の形による細かな造りの違いに新鮮な驚きと興味を持ったあのころ。メンデルの法則というのもあったなぁ。長い年月をかけて変異してきた結果が、いまの人間の多様な姿であることをDNAを通して教えてくれる一冊。

    (大山崎COFFEE ROASTERS 中村まゆみさん)

  • May

    08

    『語りえぬものを語る』野矢茂樹(講談社)

    『語りえぬものを語る』野矢茂樹(講談社)

    わたしたちは日々の生活の中で、「言語」を使って話したり、表現したり、頭の中で考えたりします。でも、その「言語」についてどこまで知っているのでしょうか。ウィトゲンシュタインの哲学を中心に展開するこの本は、間違いなく「哲学の本」です。でも、この本を読んでいると、友達とおしゃべりするときに使ったその「言葉」や「表現」の先に広がる、とんでもない世界を探検するSF小説のようなドキドキが味わえるんです。

    (大山崎COFFEE ROASTERS 中村佳太さん)

  • May

    09

    『知識人99人の死に方』荒俣宏(角川文庫)

    『知識人99人の死に方』荒俣宏(角川文庫)

    もちろん100人目は私(読者)です。自ら死を選んだ人、最期まで生にしがみついた人、99人の知識人が残したものより、個人の人生のほうがドラマチックだと思える作品です。死に方が生きざまです。

    (ミシマガジンサポーター 長谷川良子さん)

  • May

    10

    『小さくて強い農業をつくる』久松達央(晶文社)

    『小さくて強い農業をつくる』久松達央(晶文社)

    久松達央さんは、一流企業のサラリーマン「だった」。エコに目覚めて農家に転身したものの、向かうところ壁だらけ。頭でっかちで仕事の遅い新人は、畑では「お荷物」なのだ――では「農業に向いていない」久松さんは、どうやって「あたらしい有機農業の旗手」とまで呼ばれるようになったのか。その軌跡はとてもスリリングでページを繰る手が止まらない。しかも実践的なヒントに満ちているのだから、これはおすすめせざるを得ない。

    (ミシマ社営業チーム 池畑索季)

  • May

    11

    『さらわれたい女』歌野晶午(角川文庫)

    『さらわれたい女』歌野晶午(角川文庫)

    『さらわれたい女』は『葉桜の季節に君を想うということ』で一躍有名になった歌野晶午の'92年の作品だ。狂言誘拐を持ちかけられた便利屋が殺人犯に仕立てられてしまうというお話で、とにかくテンポがよい。誘拐→殺人→真犯人探しがあれよあれよという間に進んでいく。
    作中、「ダイヤルQ2」や「自動車電話」等、時代を感じさせる小道具も懐かしく、W. アイリッシュの傑作『幻の女』のオマージュとしても楽しめる作品となっている。

    (東京都品川区 隣町珈琲 木村勇さん)

  • May

    12

    『水中眼鏡の女』逢坂剛(集英社文庫)

    『水中眼鏡の女』逢坂剛(集英社文庫)

    逢坂剛は昨年ドラマ化された『百舌の叫ぶ夜』を代表作とする、ハードボイルド作家の一人です。彼はハードボイルド以外にも様々なジャンルの作品を発表しており、『カディスの赤い星』を代表とする冒険小説もの。『さまよえる脳髄』を代表とするサイコ・スリラーもの。このサイコ・スリラーの中では『水中眼鏡の女』という短編集がお薦めで、気軽に読めてどの作品もどんでん返しの結末が用意されています。

    (東京都品川区 隣町珈琲 木村勇さん)

  • May

    13

    『レイテ戦記(上)』大岡昇平(中公文庫)

    『レイテ戦記(上)』大岡昇平(中公文庫)

    戦闘の詳細な記述、馴染みのないレイテ島周辺の地理、当時の軍隊組織を知らない人にはよくわからない軍隊の詳細、それと多数の軍人名、また凄惨かつ淡々とした内容で、とても読みにくいです。恐らく本書を推薦する人は少ないのではないでしょうか。そこで敢えて推薦させていただきます。読破するにはとても忍耐力の必要な本だと思いますが、一度お読みになられてはいかがでしょうか。私は時々読み返しています。(全3巻)

    (東京都品川区 隣町珈琲 加藤清隆さん)

  • May

    14

    『空の思想史~原始仏教から日本近代へ』立川武蔵(講談社学術文庫)

    『空の思想史~原始仏教から日本近代へ』立川武蔵(講談社学術文庫)

    一切皆空、神も世界も私も空である。ブッダを源流に大乗仏教の祖ナーガールジュナ(龍樹)とその弟子たちが育んだインド仏教とその思想が、中国・日本でどのように変容し発展していったのか、経典や論書の生々しい詩偈を解釈していくうちに何だか分かったような気になる。般若心経の色即是空、空即是色の意味もどんな解説書よりよく分かる。

    (東京都品川区 隣町珈琲 伊藤博(観学院称徳)さん)

  • May

    15

    『法然の衝撃~日本仏教のラディカル』阿満利麿(ちくま学芸文庫)

    『法然の衝撃~日本仏教のラディカル』阿満利麿(ちくま学芸文庫)

    末法に流行した貴族のための浄土教を万民に解放し、新しい鎌倉仏教の基礎を樹立した法然上人。凡夫のための救済を説き専修念仏を広めた。世俗を超えた宗教的価値の絶対性を主張した当時仏教界随一のスーパースター法然上人の革命的意義が解き明かされる。法然がいなければ親鸞も一遍もなく、題目を唱える日蓮もない。鎌倉仏教の衝撃が甦る。

    (東京都品川区 隣町珈琲 伊藤博(観学院称徳)さん)

  • May

    16

    『絶叫委員会』穂村弘(ちくま文庫)

    『絶叫委員会』穂村弘(ちくま文庫)

    とってもシュールです。日常には思わぬウラの顔が・・・。穂村さんの目で見ると、世界は上げ底になっていて、そこをボコッと踏み抜くと、思わぬ深みがあるのです。長い文章を読むのがしんどいときに、適当にあけたページから世界の広がりを感じることができます。

    (ミシマガジンサポーター 佐藤朝子さん)

  • May

    17

    『ある一日』いしいしんじ(新潮文庫)

    『ある一日』いしいしんじ(新潮文庫)

    京都の古い町家に越してきた慎二と園子。彼らが町屋に入居した日、以前そこに住んでいた老婆は遠くの家に居ながら家と自分をつなぐ「半透明の空気」を感じ「ほたほた」と笑った。ふたりは京都の町の過去と、自分たちの過去を交差させながら出産の日を迎える。病院に行って、買いもんをして、晩ご飯をたべて。なんでもない一日が、特別な一日になる。
    京都の家には「歴史」という言葉だけでは表現できないなにかが確かにある。そんな町で、ふたりは新しい命と出会い、ぼくは本屋さんをやっている。

    (ミシマ社 鳥居貴彦)

  • May

    18

    『音楽から解き放たれるために』原雅明(フィルムアート社)

    『音楽から解き放たれるために』原雅明(フィルムアート社)

    50年ほど前、そのめくるめくアドリブソロにひかれて、ジャズと呼ばれる音楽を聴き始めた。夢中になって聴き続け、数年すると、それはフリージャズの解体という形で、巨木が倒れるように終わりを迎えたかに私には見えた。この本は、終わりを迎えたかに見えたジャズの何が終わって、何がどうやって生き延びたのか、現在のジャズはジャズなのか、それとも別の音楽なのか、そうしたことを考える手がかりを与えてくれる。

    (自由が丘 カフェラジオプラント 奥田公介さん)

  • May

    19

    『音盤時代の音楽の本の本』大谷能生、湯浅学、佐々木敦、他(カンゼン)

    『音盤時代の音楽の本の本』大谷能生、湯浅学、佐々木敦、他(カンゼン)

    好きな人が出来たら、その人の生い立ちや、育った場所、影響を与えた人々などについても知りたいと思うように、そして知ったことでさらに好きになるということが起こるように、聴くという方法以外で音楽に接近できることもあると思う。この本はその接近の仕方が、当の音楽と同じくらいたくさんあるということを教えてくれる。音を聴かずに音について想ったり考えたりするのは、また違った音楽の楽しみ方だ。

    (自由が丘 カフェラジオプラント 奥田公介さん)

  • May

    20

    『「かわいい」論』四方田犬彦(ちくま新書)

    『「かわいい」論』四方田犬彦(ちくま新書)

    いったい「かわいい」はなぜ日本の少女のみならず、海外の女性まで魅了してしまうのか。「かわいい」の領域を力強く拡げつつある日本の少女たちにはある痛快さを感じるけれど、海外の女性たちも日本の少女と同じようにやっぱり未成熟で幼い自分が好きだなんてうれしい。これまで「かわいい」という美意識の背景や深層にきちんと取り組んだ文章には出会っていないので、私にとって貴重な本だ。

    (自由が丘 カフェラジオプラント 奥田公介さん)

  • May

    21

    『アメリカン・ルーツ・ミュージック』奥和宏(アルテスパブリッシング)

    『アメリカン・ルーツ・ミュージック』奥和宏(アルテスパブリッシング)

    今、私たちの周りにある音楽は、特にこの100年間で聴かれるようになった音楽は、ほぼ100%アメリカをルーツに持っている。ヨーロッパのロック、J・POPもそうだしレゲエやボサノバも、およそ国を越えて受けいれられている音楽のほとんどがそうだ。その理由の秘密は、アメリカでアフリカとヨーロッパの音楽が出会ったことにある、ということがこの本を読むとよくわかる。そしてここで紹介されているCDたちはその現場検証だ。

    (自由が丘 カフェラジオプラント 奥田公介さん)

  • May

    22

    『音盤考現学』片山杜秀(アルテスパブリッシング)

    『音盤考現学』片山杜秀(アルテスパブリッシング)

    片山杜秀の音楽評論は作曲家の内面や音楽の起源に迫るというよりも、その音楽の特徴と魅力の核心を、他の人が全く考え付かないような例を引いて言い表して見せる、その表現が読み物としてとても面白い。難しく高尚な言葉は全く使われていないのに、本質を突いていて妙に納得してしまう。片山流縦横無尽音楽論。まだ聴いたことのない作曲家や演奏を、これ程聴く前から興味津々で聴きたくなるという経験ははじめてだ。

    (自由が丘 カフェラジオプラント 奥田公介さん)

  • May

    23

    『ウェン王子とトラ』チェン・ジャンホン/作・絵、平岡敦/訳(徳間書店)

    『ウェン王子とトラ』チェン・ジャンホン/作・絵、平岡敦/訳(徳間書店)

    力強い絵なのに、どこまでもやさしさが漂う、不思議な魅力のある絵本です。おとなにも、おとなだからこそ、心に響く"なにか"があります。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • May

    24

    『レインコートを着た犬』吉田篤弘(中央公論新社)

    『レインコートを着た犬』吉田篤弘(中央公論新社)

    この本は「月舟町」という架空の町に住む人々(と犬)の日常を描いた物語です。この町で暮らしたいなと思っていたら、ある時、今自分が住んでいる町がモデルだったことを知りました。先日いつもと違う道で帰っていたら、一軒の本屋さんを見つけました。そのたたずまいがなんとなくこの中に出てくるお店に似ていました。日常の中で時々こんなふうに、すごくささいなことだけど自分にとっては特別にうれしいことが起きる、そんな感じの本です。

    (ミシマ社 長谷川実央)

  • May

    25

    『偶然の装丁家』矢萩多聞(晶文社)

    『偶然の装丁家』矢萩多聞(晶文社)

    装丁家の矢萩多聞さんが自身の半生を綴った本。不登校時代の話、13歳からのインドでの単身生活話、そして装丁家への道を歩んで行く話、というようにそれぞれのトピックだけを見てもこの人の人生はとびっきり面白いのですが、ここから見えてくるのは「何を学ぶか」ではなく「どう学ぶか」ということ。筆者の人柄がにじみ出ている優しい文体と赤線引きたくなるくらいの至極の言葉に触れながら、筆者自身が装丁したデザインも合わせて楽しんでほしいです。

    (写真家 吉田亮人さん)

  • May

    26

    『旅に出よう  世界にはいろんな生き方があふれてる』近藤雄生(岩波ジュニア新書)

    『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』近藤雄生(岩波ジュニア新書)

    僕は小学校の教員をしていましたが6年前写真家になりました。写真家になったばかりの頃は仕事も何もなくこんな生き方を選択してしまってよかったのかと悶々としていました。そんなとき、友人の紹介で読んだこの本。世界中を旅し、様々な生き方をする人々の姿を取材した筆者がこの本の中で「世界には様々な生き方が溢れている」と言うのですが、当時その言葉にどれほど救われたか。生き方は一つじゃないというメッセージに溢れた一冊。若い人にぜひ読んでほしいです。

    (写真家 吉田亮人さん )

  • May

    27

    『シェルターからコックピットへ 飛び立つスキマの設計学』椿 昇(産学社)

    『シェルターからコックピットへ 飛び立つスキマの設計学』椿 昇(産学社)

    現代美術家、京都造形大学美術工芸学科長、瀬戸内国際芸術祭のエリアディレクターといくつもの顔を持つ椿昇氏による、閉塞感たっぷりのこの世を創造的に且つ朗らかに生き抜くためのサバイバル指南書。書店でたまたま見かけたこの本。表紙の絵に何となく惹かれ、"まえがき"を数行読んだだけで気がつけばレジに並び、数時間で一気読み。読後、世界が違って見えると思います。

    (写真家 吉田亮人さん )

  • May

    28

    『定本 宮本から君へ』(全四巻)新井英樹(太田出版)

    『定本 宮本から君へ』(全四巻)新井英樹(太田出版)

    とことん不器用でうだつの上がらないサラリーマン・宮本。彼がヒロイン中野靖子と出会い、様々な不条理に立ち向かいながら男として成長していく物語。連載当時、宮本の「がむしゃら」に生きる姿があまりにも暑苦しくて、読者から苦情が来ていたそうです。しかしその「むき出しの一生懸命さ」に心打たれること間違いなし。男子必見。

    (写真家 吉田亮人さん)

  • May

    29

    『Genesis』Sebastiao Salgado(Taschen)

    『Genesis』Sebastiao Salgado(Taschen)

    生存する写真家の中で恐らく世界最高の写真家と断言しても過言ではないセバスチャン・サルガドの最新写真集。8年の歳月をかけて地球のあらゆる場所を訪れ、地球と人間の創世記の姿を追ったこの作品。500ページ以上に及ぶ写真群にも関わらず、その1ページ1ページ全てが傑作です。これを見ていると写真は誰でも撮ることはできるけど、写真を「創る」ことは誰でもはできないということがよくわかります。

    (写真家 吉田亮人さん)

  • May

    30

    『思いを伝えるということ』大宮エリー(文春文庫)

    『思いを伝えるということ』大宮エリー(文春文庫)

    自分の思いを誰かに伝えるって怖い。思いをこねくり回してあれこれ考えてしまう。そんな折この本と出会い、「はっ」とさせられた。「言葉はときどき嘘をつくけど 言葉はときどき裏切るけど でもやっぱり 暖かいものだと信じたい 信じたいんだ 言葉の力を」そして思った。今度こそ、誰かに思いを伝えよう、と。

    (ミシマガジンサポーター 竹内智子さん)

  • May

    31

    『漫画編集者』木村俊介(フィルムアート社)

    『漫画編集者』木村俊介(フィルムアート社)

    普段は表に出て自分たちの仕事について語ることはあまりない漫画編集者の方たち。『善き書店員』(ミシマ社刊)のときと同じく、インタビュアーの木村俊介さんは、そんな方たちの淡々と語る言葉を綴るのですが、そこにはどの仕事にも通じる、仕事に邁進している方たち特有の境地が浮かび上がっているように感じました。一気に読んでしまったけれど、おそらく何度も読み返すことになりそうな一冊です。

    (ミシマ社 星野友里)