今日の一冊バックナンバー

  • May

    01

    『きみの隣りで』益田ミリ(幻冬舎)

    『きみの隣りで』益田ミリ(幻冬舎)

    ミリさんの本って、「そうそう」とか「そっかー」ってうなずきながら読むことが多いと思います。ことばが自分のすごく近くから聞こえてくるような気がします。だから、最後のページを見たとき、この物語の中に自分も加われたような気がして、すごくうれしかったです。『週末、森で』のその後のおはなし。読んだあと、とてもあたたかい気持ちになる本です。

    (ミシマ社 長谷川実央)

  • May

    02

    『バイエル原典探訪』小野亮祐他(音楽之友社)

    『バイエル原典探訪』小野亮祐他(音楽之友社)

    「安田 寛著の 『バイエルの謎』を読んで 泣けてくる ! 我が子達にバイエルの優しい気持ちを持って ピアノを教えられなかった事に、今、本当に悲しい!」(@rxnx3murasaki )
    ーーこうした感想をツィートしてくれる『バイエルの謎』の読者にお勧めしたいのがこれまで誰も見たことがないバイエルの初版を完全復活させたこの本です。旨いコーヒーを用意して、初版でバイエルを弾きなおす、めったにない贅沢です。

    (音楽学者 安田 寛さん)

  • May

    03

    『仰げば尊し』櫻井雅人他(東京堂出版)

    『仰げば尊し』櫻井雅人他(東京堂出版)

    〈仰げば尊し〉はあまたの学者の必死の探索にもかかわらずそのルーツはようとして謎だった。あの涙の〈仰げば尊し〉が本国アメリカでは消滅し忘れ去られていたのはなぜ? そこら中にゴロゴロしているうんざりの駄作だったからだ。それがなぜ日本では涙をしぼる一点ものの傑作に早変わりしたのか。こんな面白い話を3人の学者さんがまじめに語っている。巻末の『小学唱歌集』全曲ルーツを読まずにもう日本の歌の歴史は語れない。

    ( 音楽学者 安田 寛さん)

  • May

    04

    『辛口サイショーの人生案内』最相葉月(ミシマ社)

    『辛口サイショーの人生案内』最相葉月(ミシマ社)

    悩み相談には構造がある。解決不可能という構造だ。相談者もそれを知っている。でも人間は弱いのでなにか策はないかと虫のいいことを求める。回答者の役割は1つ。1つしかない究極の策を避けさせること。その策とは悩みの発生源である対象か自己のどちらかを消滅させること。悩みは解決しようとするから悩みになる。悩みは生きるための薬味。この薬味で人生は面白く味がでる。だからこの本は味があって面白い。

    (音楽学者 安田 寛さん)

  • May

    05

    『村に火をつけ、白痴になれ』栗原康(岩波書店)

    『村に火をつけ、白痴になれ』栗原康(岩波書店)

    選挙で国家を変えたい人々を私は笑えない。しかし、そうした人々がいる限り国家は安泰。なぜなら国家を支えているのは選挙だからだ。希望というような情緒を取り払って冷酷な論理の先にあるのは無政府主義という現人類の永遠の希求。その希求に生き殺された一人の女性がいた。伊藤野枝。今政府を変えようとしたいのなら、せめて想像でもって彼女と共に生きてみよう。破滅型の私小説無頼作家の異臭を醸す作家のメッセージが熱い。

    (音楽学者 安田 寛さん)

  • May

    06

    『フェルマーの最終定理』サイモン・シン(新潮文庫)

    『フェルマーの最終定理』サイモン・シン(新潮文庫)

    今さらベストセラーを取り上げる必要はないが、もしもまだ読んでいない方がいればぜひお勧めしたい。数学なんてさつぱり分からなくても、数学者がなぜ悲惨な失敗と引き換えに生涯を賭けるまでに取り憑かれてしまうのか、四百頁強を一気に駆け抜けて伝えてくれる本である。ここにはスタップ細胞事件の人間の陰湿な暗闇とは正反対の互に支え共感し合う美しい人間たちが描かれている。美空ひばりの〈川の流れのように〉の、ように。

    ( 音楽学者 安田 寛さん)

  • May

    07

    『介護民俗学へようこそ』六車由実(新潮社)

    『介護民俗学へようこそ』六車由実(新潮社)

    デイサービスに通ってくる高齢者の繰り言。そのひとことを聞き流さずに聞き書きを通して利用者の豊かな人生に出会う。「思い出の味の再現」「灯篭流し」など手作りの行事が生まれていく。そんな実践記録。

    (ミシマガジンサポーター EishiNさん)

  • May

    08

    『アメリカ最後の実験』宮内悠介(新潮社)

    『アメリカ最後の実験』宮内悠介(新潮社)

    「失音楽症」という、音楽における失語症のような病のこと。ピアノでファのシャープとソのフラットが同じ黒鍵であることから生じるズレの話。ピアニストは練習を繰り返すことで小脳が5%ほども大きくなるという話・・・。タイトルからはわかりませんが、これは音楽を題材にした小説です。私は音楽に関してまったく詳しくありませんが、音楽に魅せられた人々の愉悦や苦悩が、圧倒的な音楽知識とともに綴られていて、一気読みでした。オススメです!

    (ミシマ社 星野友里)

  • May

    09

    『アダムス・ファミリー全集』チャールズ・アダムス/著、H・ケヴィン・ミゼロッキ/編、安原和見/訳(河出書房新社)

    『アダムス・ファミリー全集』チャールズ・アダムス/著、H・ケヴィン・ミゼロッキ/編、安原和見/訳(河出書房新社)

    朽ち果てた屋敷に住む、謎の美女モーティシアたちアダムス・ファミリー。世界中で愛されるその原典が日本にもやってきました。幸せより不幸せ! 晴れより嵐! 薬より毒! おばけ一家によるブラックでユーモアな日常を描いた1コマ漫画で、みんな不気味なのにどこか愛くるしくて可愛いです...!

    (TSUTAYA枚方駅前本店 冨岡亜紀さん)

  • May

    10

    『ゴシック&ロリータ幻想劇場』大槻ケンヂ(角川文庫)

    『ゴシック&ロリータ幻想劇場』大槻ケンヂ(角川文庫)

    ゴスロリはあくまで1つのテーマで、愛とか夢とか青春とかさまざまなお話の入った短編集です。ただそこに不条理とか、怪奇が加わって普通とは違う、なかなかロックなハッピーエンドを楽しめます。

    (TSUTAYA枚方駅前本店 冨岡亜紀さん)

  • May

    11

    『るきさん』高野文子(筑摩書房)

    『るきさん』高野文子(筑摩書房)

    私の理想の女性像です。じぶんのペースでじぶんの好きなことをのーんびりやって生活しているなんてらやましい!! この本の影響で、切手を集めるのが好きになりました!

    (TSUTAYA枚方駅前本店 新家千景さん)

  • May

    12

    『夜とコンクリート』町田康(祥伝社)

    『夜とコンクリート』町田康(祥伝社)

    静かな気持ちになりたいときに、思い出してはよく読んでいます。タイトルに「夜」が付いているゆえにか、寝る前に読むと、とても深く眠れる気がします。

    (TSUTAYA枚方駅前本店 新家千景さん)

  • May

    13

    『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午(講談社文庫)

    『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午(講談社文庫)

    名前も性別も年齢もわからない推理小説好きが集まるチャットで知り合った5人は趣味が高じてお互いが考えた殺人推理ゲームを出題しあうようになる。そして、その出題の条件がなんとも恐ろしく、「自ら実行済みの殺人トリックであること」だという。

    (TSUTAYA枚方駅前本店 山田麻香さん)

  • May

    14

    『山をたのしむ』梅棹忠夫(山と渓谷社)

    『山をたのしむ』梅棹忠夫(山と渓谷社)

    地の巨人と言われた人が、こんなにアグレッシブだったとは思わなかった。京都に文化庁が来るならば、昔の京都学派が復活するのを見てみたいものです。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • May

    15

    『疲れない脳をつくる生活習慣』石川善樹(プレジデント社)

    『疲れない脳をつくる生活習慣』石川善樹(プレジデント社)

    ここ1ヶ月以上、とても忙しい日々を送っていた私ですが、その急場を乗り越えられたのは本書のおかげ、かもしれません。睡眠、姿勢、血糖値。とりわけ血糖値についてはあまり意識したことがなかったので目からウロコでした。自分の身体感覚がちょっと深まったような気がしています。コンパクトな良書です。

    (ミシマ社 渡辺佑一)

  • May

    16

    『実録山田』山田孝之(ワニブックス)

    『実録山田』山田孝之(ワニブックス)

    コミカルからシリアスまで様々な役をこなす山田孝之。謎に包まれている彼のイメージ通りの表紙の1冊ですが、読んでみるとそんな彼の素性を垣間みることができます。
    しかし、読めば読むほど彼の思考回路内で迷子になってしまうこと間違いなし!笑
    読み終わった後、僕はそんな彼の虜になってしまいました。

    (TSUTAYA三軒茶屋店 塘慶太さん)

  • May

    17

    『蘇える変態』星野源(マガジンハウス)

    『蘇える変態』星野源(マガジンハウス)

    歌手、俳優である星野源の第3の顔・文筆家としての4作目。2012年、彼が入院する前、そして地獄の日々から蘇えってくるまで、彼の変態な要素を随所に詰め込んだ"日常"が綴られています。
    何気ない日々、苦しい日々を決してそのように感じさせず面白く思わせてくれる、星野源の魅力を感じることのできる本作。オススメです!

    (TSUTAYA三軒茶屋店 塘慶太さん)

  • May

    18

    『映画はどこにある――インディペンデント映画の新しい波』寺岡裕治、森宗厚子/編(フィルムアート社)

    『映画はどこにある――インディペンデント映画の新しい波』寺岡裕治、森宗厚子/編(フィルムアート社)

    みなさんは自主制作映画と聞いて何を思い浮かべますか?
    自主制作映画は自分たちで集めた資金で作っている分だけ、監督のこだわりがより反映された作品なのです。
    この本では、日本で自主制作映画を撮り続け活躍する監督たちが、日本映画や自主制作映画にかける思いを語っています。
    未来の日本映画界を担っていく彼らの意気込みを感じ取ってほしいです。

    (TSUTAYA三軒茶屋店 塘慶太さん)

  • May

    19

    『東京の24時間を旅する本 TOKYO 24HOURS JOURNEY』TOKYO DAY OUT(DAY OUT BOOKS)

    『東京の24時間を旅する本 TOKYO 24HOURS JOURNEY』TOKYO DAY OUT(DAY OUT BOOKS)

    日本で最もいろんな顔を持つ街・東京。この本ではそんな東京という街の24時間を1時間ずつ切り取って、24人の著名人がその過ごし方を紹介しています。ただ紹介するだけでなく、ひとりひとり何を思いどのように過ごしているのかも載っていて、ガイド本としてのみならずエッセイ本としても楽しむことが出来ます。
    本を参考に空いた時間を埋めに行くのも、読み物として味わうのもどちらもオススメです!!

    (TSUTAYA三軒茶屋店 塘慶太さん)

  • May

    20

    『OPERA』OKAMOTO'S、草なぎ洋平(河出書房新社)

    『OPERA』OKAMOTO'S、草なぎ洋平(河出書房新社)

    この作品は、ロックバンドOKAMOTO'Sの現代版ロック・オペラ『OPERA』を題材に書かれています。カギ・ケータイ・サイフをなくすという現代版・三重苦を背負った主人公のトミーこと富井一が過ごすこの話は、現代社会に生きる僕らには必ず共感できるところがあります。当然ですがアルバムとリンクしているので、アルバムを聞いてから読むもよし!読んでから聞くもよし!です!!

    (TSUTAYA三軒茶屋店 塘慶太さん)

  • May

    21

    『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』想田和弘(中央法規出版)

    『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』想田和弘(中央法規出版)

    一度だけ、映画を観終わってすぐに映画館のロビーで売られていた関連本を迷わず購入したことがあった。それが、この『精神病とモザイク』で、観た映画は想田和弘監督の『精神』 だった。とにかく、この映画を撮ることができたワケを一刻も早く知りたかったのだが、この本はそれに十二分に答えてくれた。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • May

    22

    『 誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』黒川祥子(集英社文庫)

    『 誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』黒川祥子(集英社文庫)

    頻繁に新聞に踊る「虐待」の二文字。事件が起こるたびに、悲しく辛く、加害者の側に思いを巡らすが、その虐待を受けた子どもの側のことを、考えたことがなかった。虐待を加える人から逃げたら、それで何とかなるものだ、と脳内が停止していた。そんなことはあるはずがなかった。幼少期に虐待をされた子どもは、発達障害になる確率が高いこと。被虐待児はいまもずっと苦しんでいること。それを支えるファミリーホームの存在。すべてが知らないことだらけだった。家族、子育て、社会、あらゆることが書いてあるけれど、決して説教臭くならない、聡明な著者の書き味も素晴らしい。

    (ミシマ社 新居未希)

  • May

    23

    『すごい動物学』新宅広二(永岡書店)

    『すごい動物学』新宅広二(永岡書店)

    今年の1月に公開した「シーズンズ 2万年の地球旅行」と言う動物のドキュメンタリー映画の日本語監修をしていただいた動物学者の新宅先生とお仕事をさせていただきました。この方の話が本当に面白く、動物がいかにすばらしく、自分たちがまだまだ知らないことがいかに多いか気づかされます。例えば、一番エッチな動物はウサギであるとか。そんな興味をそそる動物に関するお話がわかりやすくまとめてある1冊が新宅先生の著書『すごい動物学』です。

    (GAGA 下高原啓人さん)

  • May

    24

    『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ/著 、森内薫/訳(河出文庫)

    『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ/著 、森内薫/訳(河出文庫)

    現在、担当している映画で7月公開の「帰ってきたヒトラー」と言う作品があります。この映画はドイツでベストセラーになった原作の映画化です。今回お勧めする本はこの同名タイトルの原作本です。2014年に日本でも単行本が発売され、今回、文庫化されて再発売されたのですが、売れ行きがよく重版されたようです。ヒトラーが現代にタイムスリップしたら、というストーリーですが、それだけでは終わらない問題作です。

    (GAGA 下高原啓人さん)

  • May

    25

    『十角館の殺人』綾辻行人 (講談社文庫)

    『十角館の殺人』綾辻行人 (講談社文庫)

    少し前にシャーロック・ホームズ関係の映画のPRで日本シャーロック・ホームズ倶楽部と言う団体の会合に出席させていただきました。そのゲストとして、ミステリー作家の綾辻行人さんが来られていました。そこでお話しされていた「十角館の殺人」をお勧めします。ミステリー小説は、トリックが醍醐味だと思います。この「十角館の殺人」は、その当時そのトリック方法は新しく、衝撃的だったとおっしゃっていました。綾辻さんの館シリーズでも最高傑作だと思います。

    (GAGA 下高原啓人さん)

  • May

    26

    『神戸、書いてどうなるのか』安田謙一(ぴあ)

    『神戸、書いてどうなるのか』安田謙一(ぴあ)

    誰にでも大切な街がある。懐かしい空間、思い出の詰まった景色。その街を、通り一遍に紹介されたガイド本には辟易、ガッカリすることも、しばしば。
    神戸在住の"ロック漫筆家"の著者が、今と昔、表と裏の神戸の街を日常目線で切り取った、ユニークかつ私的街ガイド。108篇のエッセイ形式ながら、著者の街への偏愛が滲み、地元民も納得の何だか哀愁の漂う街情報。本をバッグに、街ブラに出た元神戸人の自分が、ちょっと嬉しい。タイトルは、勿論、あの有名曲から。そこもニクイ。

    (GAGA 一色真人さん)

  • May

    27

    『下町ロケット』池井戸潤(小学館文庫)

    『下町ロケット』池井戸潤(小学館文庫)

    小さな製作所の男たちが、権力に屈することなく自分たちの夢とプライドをかけ、ロケットを飛ばしちゃう物語。主人公もそれを支える周りの人間もかっこ良すぎて泣ける。途中はハラハラ&ドキドキして、続きが気になる気になる......気になりすぎる!!
    読み終わった後に「私も仕事頑張ろう!」と元気をくれる一冊。テレビドラマも話題になりましたが、原作もおすすめ。

    (GAGA 小野理恵さん)

  • May

    28

    『男子御三家 なぜ一流が育つのか』おおたとしまさ(中公新書ラクレ)

    『男子御三家 なぜ一流が育つのか』おおたとしまさ(中公新書ラクレ)

    偏差値、進学実績など、わかりやすい指標に流されやすいが、「どういう人間に育って欲しいという想い」が教育の根幹。いろいろと考えさせられました。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • May

    29

    『雲は答えなかった――高級官僚 その生と死』是枝裕和(PHP文庫)

    『雲は答えなかった――高級官僚 その生と死』是枝裕和(PHP文庫)

    水俣病の公式確認から今月でちょうど60年を迎える。チッソとともに国の責任も問われた水俣裁判の影で、ひとりの官僚が自死を遂げていた。なぜ彼は死を選んだのか?――当時、まだ20代であった是枝裕和氏が、初めてディレクターとして撮ったTVドキュメンタリーを基に、その後取材を重ねて書かれた一冊。善悪の二元論を超えてひとりの人間に迫ろうとしたノンフィクションだ。是枝監督の原点が、ここにある。そう感じる。

    (ミシマ社営業チーム 池畑索季)

  • May

    30

    『このあとどうしちゃおう』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

    『このあとどうしちゃおう』ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)

    「しぬのがすごくさみしくてこわかったのかもしれない」だいすきなおじいちゃんが残した楽しいノート。てんごくのこと、おもしろいお墓のかたち、色んなどうしちゃおうが詰まっています。今回もとってもかわいくてわくわくが止まらないチャーミングな絵本。ちょっと切ないけれどあたたかい大切な一冊になりました。

    (大阪市中央区 ジュンク堂書店天満橋店 山下美緒子さん)

  • May

    31

    『さようなら、オレンジ』岩城けい(ちくま文庫)

    『さようなら、オレンジ』岩城けい(ちくま文庫)

    国籍の違う2人の女性が、言葉を交わすこともうまくいかない異国の地で生き抜いていくことの葛藤と覚悟。生きるとは運命とは家族とは国とは母国語とは何なのか。色々なテーマが力強く鮮明に描かれていて美しいです。離れていく者、寄り添う者。人々の距離感が絶妙で胸を打つ名作です。

    (大阪市中央区 ジュンク堂書店天満橋店 山下美緒子さん)