今日の一冊バックナンバー

  • Aug

    01

    『昨日』アゴタ・クリストフ/著、堀茂樹/訳(ハヤカワepi文庫)

    『昨日』アゴタ・クリストフ/著、堀茂樹/訳(ハヤカワepi文庫)

    ハンガリー動乱の際、スイスに渡り、超有名作『悪童日記』は亡命先で覚えたフランス語で書いたという、アゴタ・クリストフ(その人生だけでも泣けてくるほど)。『昨日』は、主人公・トビアス(亡命者)と、ヒロイン・リーヌ(移住者)に重ね合わせて、「言葉」というひとつのアイデンティティをめぐる物語。母国語を失うことを、クリストフに重ね合わせて考えざるをえません。

    (京都府 京都岡崎 蔦屋書店/編集者 浪花朱音さん)

  • Aug

    02

    『かなわない』植本一子(タバブックス)

    『かなわない』植本一子(タバブックス)

    写真家であり、2児の母であり、ラッパーの嫁でもある一子さん。ブログで公開していたエッセイと、書き下ろしも含む短いエッセイからなる一冊です。プロローグ的にはじまる短編「遺影」は、著者が撮影した友人の写真が、その後遺影になってしまった話。いきなり「かなわない」、死というものを見せつけられるわけです。なんでこんな風に文章が書けるのだろうと思うと同時に、なんてすごい編集なんだ、と震えた本。

    (京都府 京都岡崎 蔦屋書店/編集者 浪花朱音さん)

  • Aug

    03

    『ある島の可能性』ミシェル・ウエルベック/著、 中村佳子/訳(河出文庫)

    『ある島の可能性』ミシェル・ウエルベック/著、 中村佳子/訳(河出文庫)

    犬は生きているだけで尊いものです。愛犬が永遠に元気なまま生きてくれたら......人間が不老不死でいる技術さえない今日、そんなことが起こりえることもなく。ウエルベックの『ある島の可能性』は、永遠の命を可能にした通称「ネオ・ヒューマン」を軸に、物語が進みます。登場人物のひとり、主人公の愛犬・フォックス(最高にかわいい)も不滅の存在になっているでしょうか!? 本題はそこじゃないけど、気になる人は読んでほしい。

    (京都府 京都岡崎 蔦屋書店/編集者 浪花朱音さん)

  • Aug

    04

    『海と山のピアノ』いしいしんじ(新潮社)

    『海と山のピアノ』いしいしんじ(新潮社)

    いしいさんの新作『海と山のピアノ』の一作目「新しい熊」を読んだ瞬間、川上弘美さんの『神様』のくまがよぎった。どちらの作品も、くまはくまのまま。でも、いしいさんの「熊」はあの街にいたり、この街にいたりする。匿名の(ように思えた)場所が、本当は確かな場所だったり、不思議な人物が、実はどこかで知っている人のように思えたり。どこかを行ったり来たりするような短編集。

    (京都府 京都岡崎 蔦屋書店/編集者 浪花朱音さん)

  • Aug

    05

    『結婚式のメンバー』カーソン・マッカラーズ/著、村上春樹 /訳(新潮文庫)

    『結婚式のメンバー』カーソン・マッカラーズ/著、村上春樹 /訳(新潮文庫)

    2016年上半期一番うれしかった文学的ニュースは、村上柴田翻訳堂が立ち上がったことでしょうか。古本でペーパーブックを見つけたことのある、という程度だったマッカラーズが、村上翻訳で読めるように。「好きな人の本棚に村上春樹が並んでいたらつらい」って言う文系女子、案外、苦い思春期を思い出してぐさぐさするかもよ。あと、「村上春樹が翻訳する作家は結構イケてる」って思いませんか?

    (京都岡崎 蔦屋書店/編集者 浪花朱音さん)

  • Aug

    06

    『ニューヨークのとけない魔法』岡田光世(文春文庫)

    『ニューヨークのとけない魔法』岡田光世(文春文庫)

    ニューヨーク在住の著者によるエッセイ。街角で、メトロで、レストランで、家のバルコニー越しに、ニューヨークの人々との出来事をつづっています。ニューヨークのひとはみんなおしゃべり好きで優しくて温かい。自分も家でゴロゴロしてないで出掛けて、道行くひととおしゃべりしたくなる、ウキウキしちゃう本です。

    (ミシマガサポーターさん)

  • Aug

    07

    『イラストレーター 安西水丸』安西水丸(クレヴィス)

    『イラストレーター 安西水丸』安西水丸(クレヴィス)

    先月京都でやっていた、安西水丸展の図録でもあるこの本。お世話になっている書店員さんにチケットをいただき、京都まで行っちゃいました。展示で胸がいっぱい、とても観光どころではなく、これだけ見て日帰り。この本もその場で欲しかったけど、帰ってきてその書店員さんのお店で買いました。二人で展示の話をして、すっごく楽しかったです。そんなことを、この本を読むたびに思い出すんだと思います。

    (ミシマ社 長谷川実央)

  • Aug

    08

    『あんぱんまん』やなせたかし(フレーベル館)

    『あんぱんまん』やなせたかし(フレーベル館)

    一番最初の「あんぱんまん」です。うちの息子(3歳)は、この「あんぱんまん」しか知りません。手のひらパーで飛び、首が全くなくなっても飛びつづけます。最後の最後まで力を使い果たしますが、もっと大きな顔を作ってもらい、また飛びます。あとがきをぜひ読んでほしい。やなせたかしさんが「あんぱんまん」を描いた理由が書かれています。何度も何度も読んで、大好きな絵本なのです。

    (南阿蘇の移動本屋さん 310Books(サンイチゼロブックス)佐藤 慧さん)

  • Aug

    09

    『犬が星見た ロシア旅行』武田百合子(中公文庫)

    『犬が星見た ロシア旅行』武田百合子(中公文庫)

    「つれて行ってやるんだからな。日記をつけるのだぞ」と夫に言われて書いたロシア旅行記。武田百合子さんの書く文章が大好きです。特に好きなのがこの作品です。武田百合子さんの少女のような観察眼がいかんなく発揮されています。淡々と、気取ってなくて、クスッと笑ちゃったりするかと思えば、ジーンときたり。出来事の綴りかたに、とにかくユーモアがあって、ウィットに富んでいるのです。

    (南阿蘇の移動本屋さん 310Books(サンイチゼロブックス)佐藤 慧さん)

  • Aug

    10

    『味の形 迫川尚子インタビュー』迫川尚子(ferment books)

    『味の形 迫川尚子インタビュー』迫川尚子(ferment books)

    結局一度も行けなかったんです。新宿駅東口の"高品質でファストフード"な「ベルク」。15坪の狭い店内は、いつもお客さんであふれていて、一度もその雰囲気を味わうことなく、熊本県・南阿蘇へ引っ越してきてしまいました。その後悔というか後ろ髪引かれる思いがあったからかはわからないけれど、ベルクに関する本は出る度に気になって。迫川尚子氏の独特の言語感覚が創る世界観と、定価864円というリーズナブルさのギャップに戸惑う、まさにベルクな一冊。

    (南阿蘇の移動本屋さん 310Books(サンイチゼロブックス)佐藤 慧さん)

  • Aug

    11

    『毎日のパン』カタネベーカリー(アダチプレス)

    『毎日のパン』カタネベーカリー(アダチプレス)

    東京・代々木上原のパン屋「カタネベーカリー」の処女作。夫がパン職人、妻が販売と二人三脚で紡ぐお店の日常が綴られていて、パンに対する素直な視点にハッとさせられます。「パン屋をやっていていちばんよかったと感じるのは、(中略)もともと何者でもない僕らが地元の人達に受け入れてもらえること。」という一文には、本屋としての小さな一歩を踏み出した私にも当てはまるところがあり、嬉しくなりました。

    (南阿蘇の移動本屋さん 310Books(サンイチゼロブックス)佐藤 慧さん)

  • Aug

    12

    『本屋がなくなったら、困るじゃないか』ブックオカ 編(西日本新聞社)

    『本屋がなくなったら、困るじゃないか』ブックオカ 編(西日本新聞社)

    「本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか」。そんな素朴な疑問から出版界の構造的な問題を徹底的に"明るく""未来へ向けて"話し合った、本屋にとってバイブル的な一冊。何が素晴らしいって、本屋が本を売ってメシを食うために、どうしたら良いかを正面から向き合って議論していること。こんな素晴らしい本が、九州・福岡から出版されたという事実に、同じ九州の小さないち書店として、誇らしく思います。

    (南阿蘇の移動本屋さん 310Books(サンイチゼロブックス)佐藤 慧さん)

  • Aug

    13

    『マイ・リトル・世田谷』しまおまほ(スペースシャワーネットワーク)

    『マイ・リトル・世田谷』しまおまほ(スペースシャワーネットワーク)

    お父さん島尾伸三さんの写真集「まほちゃん」のあのかわいかったまほちゃんもとうとうお母さんになったらしい。大人の世界から滲み出すあやしい気配。嫌悪しているのにひかれていく、ゆれる年頃の女の子の何気ない日常の情景が本人の撮ったしゃしんとともに艶やかに切り取られています。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Aug

    14

    『彼女の家出』平松洋子(文化出版局)

    『彼女の家出』平松洋子(文化出版局)

    ときどき、無性に平松さんのエッセイを読みたくなるときがあります。独特なこぶしの効いた文体に身を委ねて読んでいると、なんだか背筋がシャキッとしてくるのです。こちらは先月発刊された最新のエッセイ集。美味しいだけではなくて、炭酸がピリリとくるような、のどごし抜群の本書、暑いお盆のおともにぜひ。

    (ミシマ社 星野友里 )

  • Aug

    15

    『禅と日本文化 』鈴木大拙/北川桃雄訳(岩波新書)

    『禅と日本文化 』鈴木大拙/北川桃雄訳(岩波新書)

    「禅」が美術、武士道、俳句などの日本文化に、どのような影響を与えているのかを論じた本です。もともとは欧米人の為に行った講演内容で、それが翻訳され書籍化されたものです。「禅」は体感するもので、教えて伝わるものではないと思いますが、鈴木大拙さんの、いくつかの例を紹介しながら「禅」の全体像をつかませようとする文章はとても理解しやすく、「禅」入門書としてオススメです。

    (文平銀座 阿津侑三さん)

  • Aug

    16

    『デザインのデザイン』原研哉(岩波書店)

    『デザインのデザイン』原研哉(岩波書店)

    デザインを学び始めて1年目、とりあえずタイトルに"デザイン"と書いてある本を読もうと手に取ったのがこの本でした。デザインは表面的な浅い領域のものではなく、もっと深く、人が意識していない部分まで考え作るものだとこの本に教えられました。無印良品の事例や学生とのプロジェクトなど、幅広い内容で構成されており、デザインに興味ない方にもオススメの一冊です(分厚いですが...)。

    (文平銀座 阿津侑三さん)

  • Aug

    17

    『少年少女』(全4巻)福島聡(ビームコミックス)

    『少年少女』(全4巻)福島聡(ビームコミックス)

    少年少女達の青春物語をメインとした短編集。地味な作品が多いのですが、断片的なストーリーやセリフがなぜか心に残ります。それは表現が抽象化されることによって、登場人物の感情が漫画の世界を超え、読者である自分の記憶に強く共鳴するからだと思います。なので私は、この漫画を自分の体の一部のように大切にしています。好き嫌いはあると思いますが、ぜひ皆さんにも読んでもらいたい漫画です。

    (文平銀座 阿津侑三さん)

  • Aug

    18

    『続・日々の100』松浦弥太郎(集英社文庫)

    『続・日々の100』松浦弥太郎(集英社文庫)

    松浦弥太郎さんが、身の回りの品々と自分との関係をエッセイとして記した一冊。松浦弥太郎さんの文章を読んでいると、空気が澄んでいくようで気持ちが良くなる。この本を読んでいた当時、とても励まされた文章がある。タイトルは「ふたつの石」。「味方が欲しければ、敵を作れ」という言葉から始まるこの文章は、当時どのような態度で人と接すればいいのか悩んでいた自分の背中を押してくれました。

    (文平銀座 阿津侑三さん)

  • Aug

    19

    『自分をいかして生きる』西村佳哲(ちくま文庫) 

    『自分をいかして生きる』西村佳哲(ちくま文庫) 

    自称「働き方研究家」西村佳哲さんの前著『自分の仕事をつくる』の補稿として、<自分の仕事>とは何かということ、またそれはどのように可能なのかという考えや、逡巡が書かれた一冊。とにかく働かないといけない、止まることが許されない状況の中で、自分を生かせる仕事、場所を探すことなんて難しい。そんな風に思っている人にこそ、読んでもらいたい一冊です。ちなみに前著『自分の仕事をつくる』もオススメです!>

    (文平銀座 阿津侑三さん)

  • Aug

    20

    『親を送る』井上理津子(集英社)

    『親を送る』井上理津子(集英社)

    認知症の父を介護しながら働いていた老母が倒れる。フリーライターとして取材に走り回っていた娘は半年ほどで、母をそして父を見送る。看病・看取り・葬儀・認知症ケアの中で心に湧き上がってきた思いを一つのケースとして語る。自分の来し方を振り返りつつ「私も親を送りました」と。

    (ミシマガジンサポーター EishiNさん)

  • Aug

    21

    『不屈の棋士』大川慎太郎(講談社現代新書)

    『不屈の棋士』大川慎太郎(講談社現代新書)

    羽生善治氏ほか将棋のプロ棋士11名へのロングインタビュー集。人工知能(AI)の技術により劇的な進化を続ける将棋ソフト。400年の長きにわたって卓越して強いことを自らの存在証明としてきたプロ棋士たちだが、もはや「勝ち負け」の基準では窮地に立たされている。そんな今この状況に対して、当事者たちはなにを考え、コンピュータとどう向き合おうとしているのか。そしてこれから先、どんな未来を描いているのか。本書は、過渡期の渦中にある今だからこそ、そしてこの気鋭の将棋観戦記者だからこそ作れたであろう旬の本で、今こそ読むべき旬の本である。数年後になっていたらきっと書き残せなかったであろう人間の声が詰まっている。

    (ミシマ社 渡辺佑一)

  • Aug

    22

    『バイコヌール宇宙基地の廃墟』ラルフ・ミレーブズ(三才ブックス)

    『バイコヌール宇宙基地の廃墟』ラルフ・ミレーブズ(三才ブックス)

    時代の最先端を行く打ち上げ台の傍にひっそりと佇む廃墟棟。中には旧ソ連版スペースシャトルともいえる有人宇宙船ブランが眠っている......。自分の手には届かない未来が朽ちているそんな寂しい気持ちと、近未来SF映画に迷い込んだようなワクワク感が一緒に沸きあがる写真集です。

    (京都府 大垣書店 京都ヨドバシ店 大岩祐子さん)

  • Aug

    23

    『ちょっとだけ』 瀧村有子/作、鈴木永子/絵(福音館書店)

    『ちょっとだけ』 瀧村有子/作、鈴木永子/絵(福音館書店)

    "なっちゃん"は、赤ちゃんが生まれてお姉ちゃんになったのでちょっとだけ自分ひとりで頑張ってみたり、ちょっとだけ我慢したりして、お母さんに甘えられずちょっとだけ淋しくなったりします。そのいじらしい姿に我が長男をかさねて、こんな思いをさせていたのか......と気づかされました。現在中学1年生。ギュッと抱きしめさせてはくれませんが、やさしいおにいちゃんに育ってくれてありがとうって伝えてみようかなと思います。

    (京都府 大垣書店 京都ヨドバシ店 大岩祐子さん)

  • Aug

    24

    『みちこさん英語をやりなおす am・is・areでつまずいたあなたへ』益田ミリ(ミシマ社)

    『みちこさん英語をやりなおす am・is・areでつまずいたあなたへ』益田ミリ(ミシマ社)

    お店では、度胸と中1英単語で外国人のお客様に対応します。ヒアリングはできても話せない! 英語できるようになりたい! 仮定法や未来形でさっぱりわからなくなったと思っていたのですが、みちこさんと英語をやり直しているうちにもっと根本的な言語感覚の違いに戸惑っていることに気づきました。英語が苦手な人はご一読ください。実は英語の入り口以前のところでひっかかっているもしれませんよ。

    (京都府 大垣書店 京都ヨドバシ店 大岩祐子さん)

  • Aug

    25

    『星を賣る店』クラフト・エヴィング商會(平凡社)

    『星を賣る店』クラフト・エヴィング商會(平凡社)

    クラフト・エヴィング商會さんの素敵なお仕事がたくさんつまった本。売り場でクラフト・エヴィング商會さんの本と出会うとニヤニヤしてしまいます。大好きなんです。ないものだったり、架空の世界だったりするのにあたかも実在するかのような存在感が大好きなんです。クラフトエヴィング商會でフェア組みたい。『Think-夜に猫が身をひそめるところ』も復刊してくれないかなあ。

    (京都府 大垣書店 京都ヨドバシ店 大岩祐子さん)

  • Aug

    26

    『新解さんの謎』赤瀬川原平(文春文庫)

    『新解さんの謎』赤瀬川原平(文春文庫)

    この本を読んで辞書って読み物だ! と思った私は、本を買うおこづかいが足りなかった高校時代、父親の持っていた大辞林を"あ"から順番に読んでいました。これがまた面白くて半年かかって最後まで読みきりました。中学生から大学生にかけての10年間は本当にたくさんの本を読んだと自分でも思うのですが、一番面白かった本は? と聞かれたら間違いなくこの新解さんから大辞林にかけての辞書ブームだったと答えます。

    (京都府 大垣書店 京都ヨドバシ店 大岩祐子さん)

  • Aug

    27

    『雪国の幻灯会へようこそ  映画「風の波紋」の物語』小林茂(岩波書店)

    『雪国の幻灯会へようこそ  映画「風の波紋」の物語』小林茂(岩波書店)

    ドキュメント映画が大好きでこの本を手にしました。映画撮影の様子がページをめくるたびに目の前にあらわれる本でした。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Aug

    28

    『古典芸能(あたらしい教科書13)』金原瑞人/監修(プチグラパブリッシング)

    『古典芸能(あたらしい教科書13)』金原瑞人/監修(プチグラパブリッシング)

    知りたいけどちょっと入りにくいし、関連本もなんだか難しそうだな、と思いがちな古典芸能。そのなかでも歌舞伎、能楽、文楽、落語の4つを、金原瑞人さんがやわらかくエスコートしてくれます。なによりも、YA小説を多く翻訳されてきた金原さんのことばがやさしくて、あたたかい! 各界の若手の方のインタビューも面白く、古典芸能に関わる方々の思いがまっすぐにこちらに届いてきます。おもわず劇場に足を運んでみたくなる。

    (ミシマ社 新居未希)

  • Aug

    29

    『ごく普通の在日韓国人』姜信子(朝日文庫)

    『ごく普通の在日韓国人』姜信子(朝日文庫)

    著者は私と同じく日本で生まれ育った在日韓国人。差別是正を声高に叫び社会運動に身を投じるでも、韓国や北朝鮮に強烈にアイデンティを同化させるでもない「ごく普通」の感覚を綴ったエッセイ。彼女が青春を過ごした80年代と現在では違う点も多いが、「変に意味が込められてしまう『在日韓国人』よりも『日本語人』というほうが身も心も軽くなる気がする」という記述など、同じ在日韓国人として今読んでもとても共感できる1冊。

    (ミシマ社 自由が丘オフィスデッチ 李 泰炅)

  • Aug

    30

    『四畳半神話体系』森見登美彦(角川書店)

    『四畳半神話体系』森見登美彦(角川書店)

    初めて読んだ中学生の時から大好きな作品です!森見氏の特徴である、こねくり回した表現の文語風な文体が堪らず、まさにこじらせ系な主人公にピッタリ。主人公と同学年の大学3年生になってしまった今改めて読むと、彼のほろ苦い大学生活模様が面白いだけでなくハートにグサグサ刺さる...。「我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」という樋口師匠の台詞は超弩級の名言。

    (ミシマ社 自由がオフィスデッチ 李 泰炅)

  • Aug

    31

    『最後の授業 僕の命があるうちに』ランディ・パウシュ(ソフトバンク文庫)

    『最後の授業 僕の命があるうちに』ランディ・パウシュ(ソフトバンク文庫)

    コンピューターサイエンスの教授である著者。末期癌で余命わずかな彼が最後の授業で語ったのは、病と向き合う方法でも愛する家族のことでもなく、「夢を叶える方法」。「現実は変えられない。現実の受け止め方を変えるのです。」と、人生を前向きに生きるためのヒントを、悲壮感を感じさせないユーモアたっぷりな語り口で教えてくれています。
    実際の講義の様子もYoutubeで字幕付きで観られるので、そちらも是非!

    (ミシマ社 自由がオフィスデッチ 李 泰炅)