今日の一冊バックナンバー

  • Oct

    01

    『ふしぎなともだち』たじまゆきひこ(くもん出版)

    『ふしぎなともだち』たじまゆきひこ(くもん出版)

    小学2年から淡路島で共に育った友。今、大人になって、郵便配達員をしながら、作業所で働く彼を見ている。言葉で話しができないのに、心が分かり合えるようになった僕の変化。このふしぎなともだちの暮らしぶりを絵本で紹介。

    (ミシマガジンサポーター EishiNさん)

  • Oct

    02

    『もし京都が東京だったらマップ  くらべて楽しむ「街の見方」 岸本千佳 (イーストプレス)

    『もし京都が東京だったらマップ くらべて楽しむ「街の見方」 岸本千佳 (イーストプレス)

    タイトルの通り、京都のここら辺の地域は、東京でいうところ○○かな!? というふうに当てはめた本です。個人的には岡崎=上野、山科=錦糸町というのがめちゃしっくりきました。京都にくる東京の方はもちろん、東京が嫌いな京都の方にもおすすめです。

    (ミシマ社 田渕洋二郎)

  • Oct

    03

    『市場を創る バザールからネット取引まで』マクミラン/著、 瀧澤 弘和、木村 友二 /訳(NTT出版)

    『市場を創る バザールからネット取引まで』マクミラン/著、 瀧澤 弘和、木村 友二 /訳(NTT出版)

    「市場システムは万能ではない」というのはよく言われる話だ。だがその一方で「ならば、その万能でないシステムを上手く機能させるには何が必要なのか?」という問いは、案外うやむやにされがちである。本書は、豊富な具体例を挙げながら、そうした疑問に真摯に答えようとする。古代アテネのアゴラ、インドのバザール、堂島の先物市場、中国の農業改革、シリコンバレーにおけるイノベーション、製薬ビジネス、周波数オークション、医学部インターンのマッチング・・・。古今東西の多岐にわたるエピソードを通して、マクミランは市場のよりよい設計について議論を深めていく。かつてマリオ・バルガス=リョサは、「経済学者はときどき小説家よりも面白い話をする」と言った。本書はまさにそれを証明する一冊である。

    (京都府 大垣書店 二条店 山田清貴さん)

  • Oct

    04

    『近代日本人の発想の諸形式 他四篇』伊藤整(岩波文庫)

    『近代日本人の発想の諸形式 他四篇』伊藤整(岩波文庫)

    血液型性格診断や心理テストの絶対視には反撥を覚えるけれど、そうした類型化が楽しい作業であるのもまた確かなことだと思う。共通項をまとめ上げ、対立軸を定めて、事象にクリアカットな説明を与えること、時としてそれは快感をすら呼び起こす。
    この小さな本に収められた表題論文は、その典型例だろう。文学者及びその作品を俎上にあげ、五つの型に分類していく伊藤整のスピーディーな議論の運びは、見事と言うほかない。全くもって隙のない、端正な論文だと思う。でも、どうしてだろう?明晰かつ怜悧なこの評論を前にすると、僕はなんだか虚しくなってしまう。どこからともなく、こんな宣告が聞こえてくる気がするのだ、「手術(批評)は成功しました!でも患者(文学)は死にました!」・・・色んな意味でゾクゾクする文芸批評の傑作。

    (京都府 大垣書店 二条店 山田清貴さん)

  • Oct

    05

    『戦後詩』寺山修司(講談社)

    『戦後詩』寺山修司(講談社)

    大学生の頃、喫茶店で友だちと一緒に文学や社会に対する毒を無責任に吐き散らし合っていたら、初老の男性に叱られた。去り際に男性はこう言った、「書を捨てよ、街へ出よう」。おかげで寺山修司が嫌いになった(読みもせずに)。
    その二、三年後に、偶然この「戦後詩」を手に取った。読んでみると鳥肌ものの面白さで、いままで読まず嫌いをしてきた自分の軽率さを恥じた。「寺山修司はすごい人だ。こんなにイキのいい、ぴちぴち跳ねるような本を書くなんて。素晴らしい。ほんと、素晴らしい!」
    ・・・で、それからさらに三年ほどが経った。しかし寺山の他の著作には依然として食指が動かないままだ。怠惰?いや、そうじゃない。僕は街へ出たのだ(・・・言い訳がましさは拭えないな)。

    (京都府 大垣書店 二条店 山田清貴さん)

  • Oct

    06

    『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』真木悠介(岩波現代文庫)

    『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』真木悠介(岩波現代文庫)

    たとえば赤子を愛おしく思い、何でもしてやりたくなること。それは逆照射すれば、赤子が自らの生存のために、私たちを篭絡した結果とも見なしうる。私たちは思わず笑顔に「させられている」。けれども、そうして篭絡されること自体が歓びであり、だからそれは避けようがない。利他行動。忘我Ecstasy。私たちは誘惑/快楽を通して他なるものに開かれている。つまり個体には自己裂開的な構造があるのだ。
    端的に言えば、以上が本書の主題である。その論証の過程はすこぶるスリリング。それってどうなの?という部分もあるにはある。社会生物学や進化生物学の知見を拡大解釈しすぎ、との批判も宜なるかな。でもそう思いつつも、私はこの本に魅かれてしまう。それもまた個体の自己裂開的な構造によるものだろうか?あるいはそうかもしれない。

    (京都府 大垣書店 二条店 山田清貴さん)

  • Oct

    07

    『ビッグ・サーの南軍将軍』R・ブローティガン/著、藤本和子/訳(河出書房新社)

    『ビッグ・サーの南軍将軍』R・ブローティガン/著、藤本和子/訳(河出書房新社)

    ここはひとつ、ブローティガンを野球選手だと仮定しよう。すると彼はどんな選手だと言えるか?・・・何よりもまず、彼は使い勝手の悪い選手だ。びっくりするほど非力だし、塁に出るたびに牽制で刺される。外野手なのにキャッチャーミットを愛用している。全くもって話にならない!ベンチに入れておくだけ無駄だ!・・・にもかかわらず、彼はちゃんと試合に出してもらえる。それは他でもなく彼の美しいバットスイングのおかげだ。まったく、見ているだけで惚れ惚れしちゃうもんな。教科書通りじゃないのに、不思議に美しいスイング。監督も観客も完全にその虜だ。たとえ彼が空振り三振したって、怒るものなど誰もいやないだろう。

    (京都府 大垣書店 二条店 山田清貴さん)

  • Oct

    08

    『「本能寺の変」は変だ!』明智憲三郎(文芸社)

    『「本能寺の変」は変だ!』明智憲三郎(文芸社)

    歴史名探偵・明智憲三郎が、歴史捜査の手法により、定説の矛盾点を次々と明らかにする。ご先祖様、明智一族の名誉回復のため。「本能寺の変」は「大変だ!」

    (ミシマガジンサポーター藤原寿治さん)

  • Oct

    09

    『手のひらの京』綿矢りさ(新潮社)

    『手のひらの京』綿矢りさ(新潮社)

    学生時代に京都の大学に通っていました。大学には、いろいろな地方から学生が集まっていたので、あまり感じることがなかったのですが、ふと居酒屋さんに入ったときなどに、生粋の京都人との間にある薄いけれどしっかり存在する膜を感じていました。この小説を読んで初めて、膜の中の人たちの息遣いを体感した気がします。夏は気が遠くなるほど暑くて、冬がとてつもなく寒くて、それでも美しくて人を惹きつける、京都がつまった一冊です。

    (ミシマ社 星野友里)

  • Oct

    10

    『ラブホの上野さんの恋愛相談』上野(KADOKAWA)

    『ラブホの上野さんの恋愛相談』上野(KADOKAWA)

    決していやらしい本ではありません。ラブホスタッフの上野さんが、恋に悩める男女に贈る恋愛相談コラムです。内容は恋愛が主ですが、その回答には普段の人との接し方や、生き方に関わるものも多々。少々ゲスな、でも正論で、それから語り口が優しくて...私の語彙では説明できないコラム本です。しかしこんなに納得できるものはほかにないでしょう。間違いなく一読の価値あり。Twitter発信で、コミックスも発売中です。

    (富山県 文苑堂書店 富山豊田店 一杉亜津子さん)

  • Oct

    11

    『挫折を経て、猫は丸くなった。』天久聖一/編(新潮社)

    『挫折を経て、猫は丸くなった。』天久聖一/編(新潮社)

    新しいジャンルの可能性を垣間見ました。その名も「書き出し小説」。その名の通りこの本にかかれているのは物語(になるであろうもの)の冒頭の一文だけ。続きは読み手が勝手に想像する新しいスタイルです。たった一文しかないにも関わらず、むしろだからこそ、一文のセンスが光ります。くすっと笑わせる一文、切なさを残す一文、続きが気になって仕方ない一文...416の物語のはじまりが詰まったお得な一冊。

    (富山県 文苑堂書店 富山豊田店 一杉亜津子さん)

  • Oct

    12

    『少年少女のための文学全集があったころ』松村由利子(人文書院)

    『少年少女のための文学全集があったころ』松村由利子(人文書院)

    ひとことひとことから伝わってくる、児童文学への愛。文学を愛している方の綴るエッセイが、同じく文学を愛する方の心を打たないわけがありません。というわけで児童文学を愛するすべての方へお勧めします。有名な児童文学とともに幼少時代の思い出が優しい語り口で綴られています。このエッセイに登場した児童文学をひとつ残らず読破してみたい、そしてこの方とぞんぶんに語り合ってみたい、そんな気持ちにさせられる一冊です。

    (富山県 文苑堂書店 富山豊田店 一杉亜津子さん)

  • Oct

    13

    『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎(幻冬舎)

    『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎(幻冬舎)

    もしかしたらこの作者らしくない作品なのかもしれません。作者の作品によく出てくる個性の強い登場人物も変わった設定もなく、ごくごく一般的な人々の生活を切り取った短編集。しかし何故だかいとおしく、何故だが優しい気持ちにさせられる、ひととひとの出会いの物語です。たとえば今日すれ違ったあの人も、ひとこと挨拶をしたあの人も、こんな風に物語をお持ちなのかもしれません。ひととの出会いが楽しみになる一冊です。

    (富山県 文苑堂書店 富山豊田店 一杉亜津子さん)

  • Oct

    14

    『自分を知るための社会学入門』岩本茂樹(中央公論新社)

    『自分を知るための社会学入門』岩本茂樹(中央公論新社)

    社会学って難しい? 役に立たない? そもそもよくわかんない? よろしい、とりあえずこの本を読みましょう。なかなか馴染みのない「社会学」という学術分野を、とても身近なところにぐいぐい引き寄せて解説しています。「あ、あれってそういうことなんだ」と日常生活がちょっと違って見えるかも。読み物としても楽しく、読み終わった後は「社会学っておもしろい!」と気づく、目から鱗間違いなしの一冊。

    (富山県 文苑堂書店 富山豊田店 一杉亜津子さん)

  • Oct

    15

    『阿呆の鳥飼』内田百閒(中公文庫)

    『阿呆の鳥飼』内田百閒(中公文庫)

    敬愛する百閒先生がこんなに鳥好きだったとは、うれしい驚きでした。阿呆列車にひけをとらないおもしろさで、百閒先生の魅力全開です!

    (ミシマガジンサポーター 吉田章子さん)

  • Oct

    16

    『将棋観戦記コレクション』後藤元気・編(ちくま文庫)

    『将棋観戦記コレクション』後藤元気・編(ちくま文庫)

    将棋の指し手は「棋譜」に記録することができる。楽譜を演奏すれば作曲家が紡いだメロディーを聞けるのと一緒で、棋譜をなぞれば、その対局結果を再現することができる。しかし、それだけでは、指された手しかわからない。そこで「観戦記」である。観戦記といっても、当事者が書くもの、同業者が書くもの、専門の記者が書くもの、あるいは作家が書くものなどいろいろだが、棋譜だけでは決してわからないさまざまなことが、例えば急所の局面での読み筋や、その対局の重要さや、そこに臨んだ棋士の想いなど、つまりその対局そのものがドラマとして迫ってくる。観戦記の執筆者は、そういう意味では「演奏家」なのかもしれない。演奏家の熱量が、棋士の生きざまたる棋譜をより至高のものにしている。本書には観戦記の選りすぐり37編が収録されている。

    (ミシマ社 渡辺佑一)

  • Oct

    17

    『空の飛びかた ペンギン、空を飛ぶ。』ゼバスティアン・メッシェンモーザー/作、関口裕昭/訳(光村教育図書)

    『空の飛びかた ペンギン、空を飛ぶ。』ゼバスティアン・メッシェンモーザー/作、関口裕昭/訳(光村教育図書)

    真顔なのがいい。
    お子様ランチ的でないのがいい。
    温かくて、もの悲しいのがいい。
    生きていく上で僕はこんなことを大事にしたいのだなと読み終えて感じた。

    僕達の日常は、潤滑油的なお世辞やしきたりに満ちている。
    それは大した問題じゃない。不要だとも思わない。慣れたもんだ。
    慣れたもんだけど、かったるい。
    それでもその中に身を置き、かったるいそれらを許容しながら日々を過ごしていると、じわじわと曇っていく何かがある。
    だけど僕は平気だ。本があるから。まるでワイパーのようにその曇りに本が作用する。
    現実逃避でない、本は、現実だ。
    この本はそういう意味で、"救い"に分類される。
    自然に微笑み、曇りは晴れる。

    (長崎市 ひとやすみ書店 城下康明さん)

  • Oct

    18

    『悲しみの秘義』若松英輔(ナナロク社)

    『悲しみの秘義』若松英輔(ナナロク社)

    今年の一番最初に読んだ本で、今年一番当店で売れた本だ。
    今年はこの本を売っていこうと決めた本でもあった。
    POPには最初にこの本を読んだ時に発信した第一声ならぬ第一ツイートを使用した。

    "「悲しみの秘義」という本を読んでいる。物質としてのこの本が溶けて身体と一体化してくるような感覚に、今ある。
    中の言葉が溶け出して本と僕との境目が曖昧になっている。
    ここに書かれていることは知っていたことだ。
    思い出している。魂。"

    熱い(笑)

    (長崎市 ひとやすみ書店 城下康明さん)

  • Oct

    19

    『大坊珈琲店』大坊勝次(誠文堂新光社)

    『大坊珈琲店』大坊勝次(誠文堂新光社)

    指針となる本に出会った。そう思いました。
    折に触れてこの本を開くことになるだろう。そう思いました。
    数年以上お店を営んでいる方、職人さん、作家さん、芸術家、...とか考えていたけれど、職種にかかわらず、です。続けることの苦悩や喜びに想うところのある方はぜひこの本をお手にとっていただきたい。

    「いえね、今、やっかいな問題を抱えておりますのですが、コーヒーを作っているのを見ているうちに、ああゆっくりでいいんだ、ゆっくりやっていけばいいんだという気持ちになりましてね、涙が出てきてしまいました」とカウンターで涙していたご婦人の言葉がありました。

    では例えば僕が大坊さんと同じ速度でコーヒーを抽出したとして、このご婦人が同じように涙するかというと絶対にしないはずで、大坊さんの、試行錯誤の何十年の深みという背景があってこそ。そういう域がきっとあるんだろうということは希望ですし、一歩づつだよという助言だと勝手に受け取りました。

    (長崎市 ひとやすみ書店 城下康明さん)

  • Oct

    20

    『歩くはやさで』松本巌/文、堺直子/絵(小さい書房)

    『歩くはやさで』松本巌/文、堺直子/絵(小さい書房)

    ミヒャエル・エンデのモモを大人になって読んで、ああ、と感じ入る人は多いと思います。
    僕もでした。
    時間どろぼうは、今の時代にも長方形であなたの手のひらに収まるサイズでいるのかもしれない。
    せっかく会っているのにずっとスマホ。
    食べログとかでまぁまぁ失敗しない店選び。
    そういうの、なんだかシケてるなぁと思っていたけど、なるほど、奪われているのかもしれないなと思いました。

    歩くはやさが僕らにもたらす恩恵を思い起こさせてくれるというか問いかけてくれるというか、ページをめくる速度はそういえば、画面をスクロールするスピードに比べたら、歩くはやさだなぁと思いました。

    (長崎市 ひとやすみ書店 城下康明さん)

  • Oct

    21

    『アルテリ 二号』田尻久子/責任編集(アルテリ編集室)

    『アルテリ 二号』田尻久子/責任編集(アルテリ編集室)

    「文学は、屈しない。ジタバタする」
    アルテリはそう標榜している。
    個人的なことを言う。
    読みながら、読み終えても、うしろめたさを僕は感じた。そのことはそしてありがたかった。
    僕はどうだ?という問いが、うしろめたさを感じさせるのだが、その問いこそが「糧(かて)」だからだ。糧を得た。
    「ひとりということ 江上茂雄さんに」を読みながら、初めて知った江上茂雄さんという人物の在り方に、それを描き出す小野由起子さんの誠実な筆記に、心震えた。
    浪床敬子さんの「石牟礼道子の歌2」でも同じく。
    田尻久子さんの「Aさんのこと」を読みながら、この書店が愛されるべくして愛されていること、必要とされるべくして必要とされていること、その意義深さを感じた。
    そして背負っておられるようにも見える先人たちの苦が垣間見えた。
    この本には血が通っていると思った。
    執筆者のみなさんの血が交じり合い、グツグツ音がする。
    次に読む本をお探しの方にはぜひおすすめしたいです。

    (長崎市 ひとやすみ書店 城下康明さん)

  • Oct

    22

    『内部告発の時代』 深町隆 、山口義正/著(平凡社)

    『内部告発の時代』 深町隆 、山口義正/著(平凡社)

    オリンパス事件について、現役社員でもある深町さんが内部告発の深層に迫る内容です。「エリートとは、本来自分たちの優れた能力を公益のために使う人々のことを示すはず」という深町さんの指摘は重いと思います。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Oct

    23

    『誰が音楽をタダにした?』スティーヴン・ウィット/著、関美和/訳(早川書房)

    『誰が音楽をタダにした?』スティーヴン・ウィット/著、関美和/訳(早川書房)

    一気読みである。このよくできたドラマが、すべてノンフィクションだという。驚きである。音楽業界で起きたことは、かねがね出版の未来を占う例として引き合いに出されてきた。だから、私は出版の世界で働く端くれとして、音楽業界から何か学ぶところがあるのではないかと、ある種の下心と「お勉強」的精神をもって本書を手に取った......のだが、すっかりそんなことは忘れていた。再び思い出したのは、読み終えてから。このドラマ(繰り返すがノンフィクション!)に、引き込まれてしまったのである。映像化の話もあるそうで、それはそれで、とても楽しみだ。

    (ミシマ社 営業チーム 池畑索季)

  • Oct

    24

    『職業としての小説家』村上春樹(新潮文庫)

    『職業としての小説家』村上春樹(新潮文庫)

    「自分の言葉で書きたい」狂おしいほどそう思った。私の中には様々な思いや言葉が渦巻いているはずなのに、どうしても言葉にできない。もどかしく、歯がゆい。
きっともう、上から覗きこんでいるだけではだめなんだ。私は私のつるはしを持って、私の井戸を掘るしかない。
井戸を掘り続ける偉大な作家。気が遠くなるくらいの根気強さ、紡ぎ出される圧倒的な物語の力を前に、私はただただひれ伏す。
そんな作家と同年代に生まれ、物語を読み続けられることを心底幸福に思う。

    (岡山市 本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

  • Oct

    25

    『あたらしい自分になる本』服部みれい(アスペクト)

    『あたらしい自分になる本』服部みれい(アスペクト)

    身も心もボロボロだった。辛くて、苦しくて、ただただ、日々をこなすことしかできなかった。でも「このままではいけない」。本当は分かっていた。そんなとき、わらにもすがるような思いで手にとったのが、この本だった。勇気を出して、自分の人生を歩いていこう、そう決心した。
私を本当に救ってくれた本。感謝してもしきれない。

    (岡山市 本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

  • Oct

    26

    『ふなふな船橋』吉本ばなな(朝日新聞出版)

    『ふなふな船橋』吉本ばなな(朝日新聞出版)

    誰になんと言われようが、これは私のための、私の物語だ。読みながら、涙がとまらなかった。でも、流れる涙をとめたくなかった。
泣いて泣いて、顔をあげた。
「もう大丈夫」って言えるようになった私が、確かにいた。

    (岡山市 本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

  • Oct

    27

    『海外旅行熱、急上昇して急降下 つれづれノート30』銀色夏生(角川文庫)

    『海外旅行熱、急上昇して急降下 つれづれノート30』銀色夏生(角川文庫)

    眠る前、必ず本を読む。どんなに疲れていようが、すぐに眠りに落ちそうだろうが、とにかくページを開く。長年の習慣だから、そうしないとうまく寝付けない。そんな時間を長く共にしてきたシリーズ。 私の帰ってくる場所。私の定点。

    (岡山市 本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

  • Oct

    28

    『選んだ理由。』石井ゆかり(ミシマ社)

    『選んだ理由。』石井ゆかり(ミシマ社)

    この夏、初めて東京へ行った。「どこで何をして生きていってもいいんだ」そう、思った。思ってしまった。
足が竦むような恐怖を感じた。でも、未来への小さな小さな希望も拭いさることができなかった。
帰りの新幹線の中で、夢中になって読んだ。この本に背中を押された気がした。
選んだ理由。そこには、心の声が潜んでいる。どんなに小さくても、弱々しくても、私は私の声を聞き逃がさないでいよう。そう誓った。

    (岡山市 本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

  • Oct

    29

    『おいしいぼうし』シゲタサヤカ(教育画劇)

    『おいしいぼうし』シゲタサヤカ(教育画劇)

    独特の絵のタッチと、そうきたかー!! というストーリー。大人がハマる、おいしい絵本です。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Oct

    30

    『明るい夜に出かけて』佐藤多佳子(新潮社)

    『明るい夜に出かけて』佐藤多佳子(新潮社)

    オールナイトニッポンのヘビーリスナーでハガキ職人でもある(あった)主人公が、逃げ出した先で出会った人たちとの日々を描く、と書くとどこにでもありそうに聞こえますがちがいます。ANNで実際に放送されていた番組がじゃんじゃん登場するのも新しい。わたしはラジオのヘビーリスナーではまったくなかったけれど、自分の好きなものを愛する気持ち、人と繋がりたいんだけど繋がりたくないあの感じ、全部知ってる、と思いました。やっぱり佐藤多佳子作品は最高!

    (ミシマ社 新居未希)

  • Oct

    31

    『チープ・シック―お金をかけないでシックに着こなす法』カテリーヌ・ミリネア、キャロル・トロイ/著、 片岡 義男/訳(草思社)

    『チープ・シック―お金をかけないでシックに着こなす法』カテリーヌ・ミリネア、キャロル・トロイ/著、 片岡 義男/訳(草思社)

    自分の軸がぐらぐらと揺らいでいる時になんとなく、この本を手に取ることが多い気がする。ファッションの本だけれど、どうもそれだけの本ではないことは、冒頭の「はじめに」を読めば明らか。もっともっと、自由な気持ちで、装うことを楽しみたいなあと思う。一人ひとりが自分のスタイルを確立し、それをまずは大切にしていくことから、ほんとうの自由とか、おもしろさにあふれた世界が、はじまっていくのかもしれない。1970年代に出た少し古い本だけれど、読むたびに、あたらしい気持ちにさせてくれる。

    (北海道 紀伊國屋書店札幌本店 林下沙代さん)