今日の一冊バックナンバー

  • Feb

    01

    『作家の口福 おかわり』朝井リョウ /ほか(朝日文庫)

    『作家の口福 おかわり』朝井リョウ /ほか(朝日文庫)

    小説家・作家さんはどんな生活をしていて、どんなものを食べているのだろう。作家さんの生態が垣間見れます。意外や意外、普通なのです。外食、間食、家で煮炊きもします。作品でしか知らない、時には作品を読んだ事のない作家さんがいるかもしれませんが、急に親近感が湧いてきます。そして日常の何気ない料理であっても実に美味しそう!本書は続編。前作『作家の口福』でも多くの作家さんが登場します。

    (ふたば書房 京都駅八条口店 北 勇輝さん)

  • Feb

    02

    『戦地の図書館』モリー・グプティル・マニング /著、松尾 恭子/訳(東京創元社)

    『戦地の図書館』モリー・グプティル・マニング /著、松尾 恭子/訳(東京創元社)

    第二次大戦中、アメリカは戦場の兵士の癒しの為に本を送り続けたという記録をまとめたノンフィクションです。銃弾が飛び交い、いつ交戦するのかわからない極限状態の中で、一瞬で現実を忘れさせるのが読書でした。一人の兵士が読むと、その本を他の兵士が読み、擦り切れるまで読まれました。読書の持つとてつもない力を感じます。戦いは武力だけではない事を教えてくれます。

    (ふたば書房 京都駅八条口店 北 勇輝さん)

  • Feb

    03

    『私の神保町』紀田順一郎(晶文社)

    『私の神保町』紀田順一郎(晶文社)

    本の街といえば神田神保町。書物に関する著作といえば紀田順一郎さん。組み合わせとして最高という他ありません!本書に街の歴史年表やガイドの要素はありません。紀田さんの思い出、青春、出会った人のすぐそばにいた存在、それが神田神保町なのです。私もその魅力にとりつかれた一人です。そういった個人の思いの集積地でもある。つまり「私の神保町」はそれぞれの中にあるものだと気付かされます。

    (ふたば書房 京都駅八条口店 北 勇輝さん)

  • Feb

    04

    『一瞬と永遠と』萩尾望都(朝日文庫)

    『一瞬と永遠と』萩尾望都(朝日文庫)

    高校時代の私にとって、モー様は神様でした。その神様が書いた本や映画、漫画、バレエ等々にまつわるエッセイ集。表現の神様は、受け手としても本当に深く中心まで入り込むような「眠」の持ち主なのでした。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Feb

    05

    『from everywhere.』坂本真綾(星海社文庫)

    『from everywhere.』坂本真綾(星海社文庫)

    歌手や声優として活躍する彼女が37日間、ヨーロッパ八ヵ国を巡る一人旅に出た。なぜ彼女は旅に出たのか。ただ楽しい旅行の様子をまとめた一冊ではありません。これは彼女が、「自分自身と、ふたりきり」で旅をした日々の記録。その記録とともに、旅行中に「あなた」に宛てたという手紙が載っています。この本を読むといつも旅に出たくなる。歌手としての坂本真綾とはまた違った、彼女の言葉がつまった一冊です。

    (ミシマ社 岡田千聖)

  • Feb

    06

    『紅茶の絵本』大西 進/著、平澤 まりこ/絵(mille books)

    『紅茶の絵本』大西 進/著、平澤 まりこ/絵(mille books)

    固有名詞を覚えなくてはならない様な説明や、資格試験の参考書の様な紅茶の淹れ方はあまり書かれていません。一杯の飲み物を、身近な人や自分のために大切に整えて準備し、そして大切に体に取り込む、そういうことが優しい絵と共に優しい口調で書かれている絵本です。茶葉や道具のブランド名とか器の作家名とか飲む場所の店名とか、そういうものがなくても自分の目の前の一杯の飲み物を飲んでみて「おいしい」と言える日々を送りたい方におすすめいたします。

    (京都府 喫茶店 uzuビバレッヂ 勝間田菜穂さん)

  • Feb

    07

    『いつも上天気』聖千秋(集英社)

    『いつも上天気』聖千秋(集英社)

    初めて読んだのは高校生の時だったと思います。この紹介文を書くために久しぶりに読みました。もう、何十回読んだかわからないのですが、案の定、今回もぽろぽろ泣きながら読み進め、読後、ものすごく大きい存在に自分を肯定されたような気持ちになりました。ぱっと見は恋愛ものっぽいのですが、人の強さ弱さ優しさと共に人生の美しさのようなものが描かれていると思います。映画「レッドータートル ある島の物語」がお好きだった方、ぜひこちらも読んでみてください。

    (京都府 喫茶店 uzuビバレッヂ 勝間田菜穂さん)

  • Feb

    08

    『〈彼女〉の撮り方』青山裕企(ミシマ社)

    『〈彼女〉の撮り方』青山裕企(ミシマ社)

    著者の青山氏は学生時代の友人です。(友人だからなんていう青山氏にもミシマガジン読者の皆様にも失礼な理由で本書を紹介するのではありません、念のため)。17年ほど前に出会った大学生の青山氏はすでに写真を撮ってました。「好きなことを続ける」って幸せなことですけど翻って辛い時もあると思うんです。なんで青山氏は「続け続けて」いるのか、が本書を読んですこし分かりました。「好きなこと」と共に在る日々を送りたい方、その覚悟をしたい方に、本書の「写真」や「〈彼女〉」のところをご自身の「好きなこと」「やり続けたいこと」に置換して読む、をおすすめします。きっと心強い気持ちになれるはず。

    (京都府 喫茶店 uzuビバレッヂ 勝間田菜穂さん)

  • Feb

    09

    『落下する夕方』江國香織(角川文庫)

    『落下する夕方』江國香織(角川文庫)

    「1mgの誤差もなく、言葉が正しい質量をもっていた。」この一文を読むために、この小説を読み返します。ここだけ読んでも味気なくて、どの箇所にあったか忘れちゃった頃に読み返して、出合い頭に衝突みたいにこの一文が目に入るとほっと安心できます。「言葉が正しい質量をもってい」る(登場人物の)華子は一般的に言えばハッピーではない展開になるのですが、それでも華子に憧れます。どうか私の言葉も、過不足ない正しい質量が保たれていますように。

    (京都府 喫茶店 uzuビバレッヂ 勝間田菜穂さん)

  • Feb

    10

    『脳を鍛えてブッダになる52の方法』リック・ハンソン/著、影山幸雄/訳(サンガ)

    『脳を鍛えてブッダになる52の方法』リック・ハンソン/著、影山幸雄/訳(サンガ)

    心とか気持ちとか幸せ、って結局何?→世界一幸せな男 マチウ・リカール氏(チベット仏教僧)→瞑想?→そもそも脳って?→臓器だし筋トレ同様考え方も変わるらしい→やっぱり日々の生活じゃないの? という流れで行き着いたのがアルボムッレ・スマナサーラ氏の書籍と有元葉子氏の書籍と本書でした。実践重視で、言うなれば脳の筋トレ方法が52項目に分けて書かれています。1年=約52週、1週間に1項目選んで読んだり実践したりに丁度良いです。「マインドフルネス」などに興味のある方、書名から受ける印象よりだいぶ読みやすく人懐こい書籍ですので、ぜひ読んでみてください。

    (京都府 喫茶店 uzuビバレッヂ 勝間田菜穂さん)

  • Feb

    12

    『雪明りの路』伊藤整(日本図書センター)

    『雪明りの路』伊藤整(日本図書センター)

    最近雪が多いので、なんとなく読み返してみました。小樽出身、伊藤整の詩集です。「雪夜」で描かれるのは、家々を盲目にするほどの吹雪が去った後、そっと窓の外を覗いたとき見える「しづかな青い雪明り」。視覚と聴覚の混ざりあう、伊藤整が紡ぐ音の風景に憧れます。学生時代、この詩に音楽をつけた曲集を歌ったことがあるのですが、こちらも素晴らしい作品です。

    (ミシマ社 田渕洋二郎)

  • Feb

    13

    『生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択(しごとのわ)』小林奈穂子(インプレス) 

    『生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択(しごとのわ)』小林奈穂子(インプレス) 

    東京にいると常に成長しなければいけない気がして、時折逃げ出したくなります。「田舎に移住したら」「地方に仕事があれば」と思っている時にこの本を読みました。ざっくりとした感想は、自分の価値観ではなく、会社や社会の価値観で働いていると生きる場所は見つからない。自分の価値観をしっかり持っていると、おのずと生きる場所が見えてくる、です。現状にしっくりこないタラレバ娘たちにも、読んでもらいたいです。

    (株式会社インプレス できる編集部 井上薫さん)

  • Feb

    14

    『驚きの介護民俗学』六車由実(医学書院)

    『驚きの介護民俗学』六車由実(医学書院)

    「ケアをひらくシリーズが面白い!」と友人が絶賛していたので、本書を購入しました。民俗学の視点で介護の現場を見るという内容ですが、「認知症の老人が話す昔話は、歴史的にも貴重な資料だった」など、まさに驚きの連続!また著者の「人の話を聴く姿勢」がすばらしいんです。これまで祖母の昔話をふんふんと適当に聞き流していたことを反省します。民俗学や福祉に関心がない人も、はまること間違いなしです。

    (株式会社インプレス できる編集部 井上薫さん)

  • Feb

    15

    『魔法使いの台所―まとめづくりと手早い料理で夕食用意が30分』婦人之友社編集部(婦人之友社) 

    『魔法使いの台所―まとめづくりと手早い料理で夕食用意が30分』婦人之友社編集部(婦人之友社) 

    はじめて一人暮らしするときに、母に持たされた料理本です。1990年に発行されたこの本。計算すると母は36歳。3人の子育てしながら働いていたので、本当に時間に追われていたと思います。そしてこの本は、母にとって時短の救世主であり、私にとっては母の味を再現できる1冊になりました。といいながら、今日もコンビニ飯を食べています......。久しぶりにこの本を取り出したので、週末は90Pに載っている紅茶豚を作ろうかと。絶品です!

    (株式会社インプレス できる編集部 井上薫さん)

  • Feb

    16

    『「あるある」で学ぶ 忙しい人のためのExcel仕事術』植山周志(インプレス)

    『「あるある」で学ぶ 忙しい人のためのExcel仕事術』植山周志(インプレス)

    今日はインプレスらしく、おすすめのパソコン書を紹介させてください。皆さん、パソコン書って読みますか?なんでもググれる時代ですし、パソコンの悩みはパソコンに聞く人が多いのではないでしょうか。でもそれって自分が分からないことしか、分かりません。とくにエクセルはだいたいの人が独学なので、非効率な操作に気付かない人が多いんです。この本は、パソコンでは調べられない、あなたの残念な操作を改善できますよ。

    (株式会社インプレス できる編集部 井上薫さん)

  • Feb

    17

    『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』渡辺格(講談社)

    『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』渡辺格(講談社)

    パンや発酵食品が入り口で本書を手にしたのですが、読後はお金の価値観ががらりと変わりました。利潤を追求しない田舎のパン屋。どうやって経営し、暮らしいくのだろう。その答えは、私たちの働き方を再構築してくれます。本書は講談社発売ですが、ミシマ社が編集にかかわっています。この本が好きすぎて、「豊かな気づきに溢れるビジネス書」との出逢いが、ミシマ社さんに「一緒に本を作りませんか?」と声をかけるきっかけになりました。

    (株式会社インプレス できる編集部 井上薫さん)

  • Feb

    18

    『生きて行く私』宇野千代(角川文庫)

    『生きて行く私』宇野千代(角川文庫)

    宇野千代という人は、テレビのイメージで自由な人だと思っておりましたが、苦労をものともせず懸命に働いてこられたことを淡々と振り返って素晴らしいと思いました。

    (ミシマガジンサポーターさん)

  • Feb

    20

    『ずばり東京』開高健(光文社文庫)

    『ずばり東京』開高健(光文社文庫)

    東京オリンピック前夜、1960年代前半の急速に変わりゆく東京の姿を、ありがちな温故嘆新ではなく生々しくルポルタージュ。2020年の東京オリンピックが迫る今だからこそ読みたい開高さんの一冊です。この本を読んだ後は平井玄さんの『ぐにゃり東京』も併せて。

    (銀座・本屋 EDIT TOKYO 生江秀さん)

  • Feb

    21

    『歳月の鉛』四方田犬彦(工作舎)

    『歳月の鉛』四方田犬彦(工作舎)

    60年代後半の東京の文化系高校生の青春を固有名詞たっぷりに描いた四方田さんの『ハイスクール1968』の続編。70年代の東大駒場を中心にその後の人文系の代表的知識人の学生時代の姿や当時の東京の文化系風俗がどのように受容されていたのかを知ることができる一冊です。

    (銀座・本屋 EDIT TOKYO 生江秀さん)

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    22

    『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ(バジリコ)

    『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ(バジリコ)

    松岡正剛さんの工作舎『遊』界隈、そして山崎春美さん編集長時代の『HEAVEN』に出入りしていた、まだ医学生だった香山さんの80年代の東京でのリアルな体験を、その後のカルチャーの重要人物、町田康さん、戸川純さん、後藤繁雄さん、祖父江慎さん、三田格さんなどの若き日の姿とともに描いた80年代カルチャーを知る上で貴重な一冊です。

    (本屋 EDIT TOKYO 生江秀さん)

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    23

    『IP/NN 阿部和重傑作集』阿部和重(講談社文庫)

    『IP/NN 阿部和重傑作集』阿部和重(講談社文庫)

    「インディヴィジュアル・プロジェクション」(IP)と「ニッポニアニッポン」(NN)という阿部和重さんの初期代表作が一冊になった文庫。中でも「IP」は元々、常盤響さんのちょっとエッチでポップな写真が表紙に使われたこともあって、90年代の洋楽志向のJポップを聴くような感覚で読まれたブンガク。カルチャーの中心だった頃の90年代の渋谷が今読むと懐かしくて切ない一冊です。

    (本屋 EDIT TOKYO 生江秀さん)

  • Feb

    24

    『あのこは貴族』山内マリコ(集英社)

    『あのこは貴族』山内マリコ(集英社)

    地方出身者の東京への憧れ、コンプレックス、をリアルに描かせたら今一番の山内マリコさんがテン年代なりの地方出身者のサバイブの仕方を描いたような傑作上京小説。絶望的なまでに住む世界が違う東京生まれの現代の貴族の暮らしっぷりの描き方も、昔で言う立身出世を志して上京してきた地方出身者の描き方も、どちらもとてもリアルで「東京を生きる」(by雨宮まみ)とはどういうことかを考えさせられ、最後勇気が湧く一冊です。

    (本屋 EDIT TOKYO 生江秀さん)

  • Feb

    26

     『村上ラヂオ』 村上春樹/文、大橋歩/画(新潮文庫)

    『村上ラヂオ』 村上春樹/文、大橋歩/画(新潮文庫)

    新作が話題になっている村上春樹さんですが、わたしの場合、村上さんの本を読むときの入り口のほとんどは、挿絵です。ということで、日常のなんでもないことをぽつぽつとつづっているこのエッセイには、大橋歩さんの版画がたくさん入っています。物静かで、素朴で、繊細で、でもどこかおちゃめで、少し毒っ気もある。絵から受ける印象は、わたしが村上さんに持っているイメージでもあるのですが、実際はどうなんでしょう?

    (ミシマ社 長谷川実央)

  • Feb

    27

    『モンスター』百田尚樹(幻冬舎文庫)

    『モンスター』百田尚樹(幻冬舎文庫)

    町で「モンスター」と呼ばれた、田淵和子。彼女は数々の整形をし、美人になり、初恋相手の英介と再会する。彼女が整形をしてどんどんきれいになっていくことが楽しいです。物語が進むにつれて、彼女の過去が明らかになっていきます。テンポがよくて一日で読み切ってしまいました。女性はもちろん、男性にも読んで欲しい一冊です。

    (ミシマ社 京都オフィスデッチ 高岸恭子)

  • Feb

    28

    『ぼくは猟師になった』千松信也(新潮文庫)

    『ぼくは猟師になった』千松信也(新潮文庫)

    日常的に「猟師」に触れることはあまりないと思います。この本では、作者の千松さんが何故猟師になったのか、ということから詳しい猟の方法、獲った後のレシピまで記されています。猟師というと、昔話などでも動物を殺害する残酷な人という悪いイメージがあると思います。しかし、この本を読むことで猟師の動物たちへの考えが分かり、人間と動物とのありかたについての考えが変わると思います。

    (ミシマ社 京都オフィスデッチ 高岸恭子)