いささか私的すぎる取材後記

第60回 朝の人

2017.04.21更新

 たくさんのかすみ草が春の花々を包んだ花束を渡すと、彼女は「わぁ」と笑った。

 「あまちゃん」は、この作品で変われなかったらもう無理だ、と思って挑んだ作品でした。自分を変えたかったんです。当時は周りのことは見えてなかったです。お芝居をすることで精一杯でした。今はちょっとだけ視野が広くなったきたかもしれません。皆さんの心に残ってほしいと思って演じています。今は変化を求めている時期でもあって、もどかしさもあるんですけど...。
 作品を背負っていることを常に感じています。放送が始まれば視聴率のことも言われるだろうし...。気にならないと言ったらウソになります。出来ればいい成績を残したいですし、みんなのモチベーションにもしていきたい。でも今、キャストの方々もスタッフの方々も素敵な作品を撮っている意識が高いので、みんな同じ気持ちでいる安心感があります。
 周りが変化していることは理解しないといけないと思うことがあって、責任を持たなきゃいけないとも思います。今までのようにはいられないんだなって。いつまでも新人のような気持ちでいちゃいけないですし、作品が終われば、また次に向かいたい。いつまでも「ひよっこ」の気持ちを持っていちゃいけないのかな、と思います。

 朝の15分間で見せている姿とは異なる都会的な視線で、有村架純は再び微笑した。

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北野新太(きたの・あらた)

1980年、石川県生まれ。学習院大学在学時に雑誌「SWITCH」で編集を学び、2002年に報知新聞社入社。以来、記者として編集局勤務。運動第一部読売巨人軍担当などを経て、文化社会部に在籍。2010年より主催棋戦の女流名人戦を担当。2014年、NHK将棋講座テキスト「第63回NHK杯テレビ将棋トーナメント準々決勝 丸山忠久九段 対 三浦弘行九段『疾駆する馬』」で第26回将棋ペンクラブ大賞観戦記部門大賞受賞。シリーズ「コーヒーと一冊」にて初となる単著『透明の棋士』を著す。

透明の棋士

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