じゃり道本屋さん日記

第27回 本とお野菜

2017.02.12更新

 こんにちは。
 寒い日々が続き、本屋さんにはキンキンに冷えた本が並んでいます。京都盆地の底に建つ、築90年の古民家。「寒い」というよりも「冷え」という言葉がしっくりきます。売り場の真ん中では掘りごたつが毎日稼働中。暖をとって本をながめてください。ただし、一度入ると暖かくて出られなくなります。ご注意ください。

 昨年末、周防大島の島のむらマルシェからエコバックと缶バッチが届きました。雑誌「ちゃぶ台」で取材させていただいた島の空気と取り組みを読むだけでなく体感していただければと本屋さんにも並べてみたのでした。実際、「ちゃぶ台」を読んで周防大島に行ってきました!といってくださる方はひとりふたりではありません。それだけではなく、ここでお店番している間にも「いってきます」「じつは島の出身なんです」「祖父のお墓があって毎年帰省しています」という方が何人もおられました。お墓まいりにいっているというご夫婦は何年も前からミシマ社のサポーターをしてくださっている方。自分たちが毎年帰省している島が、自分たちがサポーターとして関わっている出版社の雑誌にとりあげられてなんだか運命を感じる!とうれしそうにお話ししてくださいました。
 
 先々週から本屋さんではお野菜の販売をはじめました。畳の部屋にごろりと大根や小芋、カブやブロッコリー、そしてトマトジュースが並びます。なにも知らずに上がってこられた方は頭の上に?をたくさん浮かべながら眺めておられます。路地奥の怪しげな本屋さんにおそるおそるはいって野菜が並んでいたらそれは不思議な光景でしょう。


 このお野菜も周防大島からやってきました。野の畑みやた農園さんが送ってくださる新鮮なお野菜。これも、「ちゃぶ台」からはじまった企画です。本のなかの世界を持ちかえって味わう。周防大島にはなかなか行けなくても、お野菜やそこについた土を通して島を感じてもらえたのではないかとおもいます。毎週買いに来てくださる方、食べた感想を伝えにきてくださる方、いろんなうれしい反応をいただきました。お野菜の販売は今後形をかえつつ試行錯誤していければと思っています。

 本を入り口にしてお野菜にたどり着く。これも大きな意味で読書のひとつかもしれません。台所で土を落とし、料理している間も体験として本を読んでいる。逆に、なにかきっかけで一冊の本にたどり着くこともあります。お野菜を売っている本屋さんに興味をもって「ちゃぶ台」を買っていかれた方もいらっしゃいました。お野菜だけでなく、カメの育て方に悩んで図鑑を開いてみるとか。それも読書のはじまりです。もしかしたらそこらへんの道端に読書はいっぱい転がっているのかもしれません。そこから本へつなぐこと、本からどこか別の世界につなぐこと。それが本屋さんの仕事なのではないでしょうか。


2月の開店日(毎週金曜日)
3日、10日、17日、24日、25日
※今月の土曜営業日は25日です。
OPEN 13:00 - CLOSE 19:00



ミシマ社の本屋さん
京都市左京区川端通丸太町下る下堤町90-1
営業:毎週金曜日、月に一回どこかの土曜日
   13:00〜19:00
電話:075-746-3438
京阪・神宮丸太町駅2番出口から南へ徒歩1分
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ミシマ社の本屋さん

出版社・ミシマ社が運営する小さな本屋「ミシマ社の本屋さん」。2014年3月まで京都府城陽市で営業しておりましたが、京都市内にて2014年10月3日(金)より営業再開。毎週金曜日、最終土曜日の13:00~19:00の開店です。

京都市左京区川端丸太町下る90-1
京阪神宮丸太町駅から徒歩1分

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