みんなの『みんなのミシマガジン』

第8回 小さく始まる贈与経済

2013.04.29更新

 いよいよ明日、創刊号が最終日を迎えます。ついに、「完成」するというわけです。
 あっ、今日初めて「みんなのミシマガジン」に訪れてくださった方は、一体なんのこと?
 と思われたかもしれません。 
 完成ってどういうこと? ・・・と。
 すみません、唐突に、説明不足でした。

 本ウェブ雑誌のことを簡単に申します。

 「みんなのミシマガジン」は、毎日読み物を1~2、更新していきます。
 中身は、月に1度の連載もあれば(たとえば益田ミリさんの「今日の人生」や寄藤文平さんの「仕事場のデザイン」など)、月に数度更新されるもの(内田樹先生の「凱風館日乗」や、平尾剛さんの「近くて遠いこの身体」など)、それにくわえ「今月の特集」が2種類、作家さんへのインタビューコーナー「本屋さんと私」などなど。編集長の立場で言うのもなんですが、そうとう面白い読み物ばかり!

 しかも、その日にならないと、何がアップされるかわかりません。
 カレンダーに何がアップされるか。
 それを見る楽しみも、毎日味わっていただきたいな。と思っております。
 ともあれ、そうして最終日である月末に「編集後記」が更新されると、カレンダーが全部埋まり、「目次」が出来上がります。
 つまり、ひと月かけて日々、「完成」に近づいていきます。
 それが、「みんなのミシマガジン」という雑誌です。

 このウェブの雑誌は、世界中の「みんな」に広く読んでいただきたいという思いのもと、すべて無料です。
 では、どうして無料でこれだけの読み物を公開できるんでしょう?
 それは、サポーターの方々に運営費を出していただいているからです。
 サポーターの方々に支えられての無料・読み物の実現――。

 こうしたサポーターの方々にたいして、私たち編集部は、「紙版」を毎月、お贈りさせていただきます。もちろん非売品の贈答品です。
 サポーターの方々への思いを、ささやかながら形にしようと思います。

 これを少し大げさに「贈与経済」のモデルと申しておりましたが、いきなり創刊号から、より一歩踏み込んだ形の贈与経済が始まろうとしています。
 というのも、なんと・・・
 紙屋さんと印刷所さんが、この「紙版」を贈与くださることになったのです!

 わお。

 無料で、紙と印刷を提供いただける・・・
 正直なところ、言いだしっぺの私もびっくりしました。
 本当にこんなことが起こるなんて、と。

 もちろん、サポーター限定の「贈り物」だからこそ可能になったわけです。
 通常ミシマ社がおこなっている「商業出版」という流れには位置しない。「商品」をつくるわけではない。
 まったく違う流れのなかで始まった、まさに「贈与に基づくちいさな経済」の形なのです。

 ちなみにこの「新しい」流れは、実際には全然、新しいわけではありません。
 「原点回帰の出版社」を標榜するミシマ社は、これまで「つくる・送る・届ける」を熱量下げずに一直線におこなうことを心がけてきました。
 しかし、「つくる」といったとき、昨年の半ばごろまで、私のなかでは、出版社の仕事しか頭にありませんでした。たとえば、著者と編集者との本づくりといったことです。
 ところが、「つくる」のもうひとつの原点には、「一冊入魂」と謳っている「一冊」が形になる「その瞬間」が含まれていないといけないはずです。
 つまり、紙ができ、本が刷られる「その瞬間」です。
 そして、その瞬間の思いを私たちも、読者の方々も共有することができたら、おそらく、これまで見たことのない景色を体感できるだろう。
 そういう思いがあります。

 今後、「みんなのミシマガジン」紙版を通して、「つくる・送る・届ける」の循環が生まれてくるはずです。きっとそのとき、その「つくる」と「送る」と「届ける」と「つくる」と・・・というふうな循環を可能にするのは、「喜び」であろうと思います。
 「おお、こんな紙がこうしてできたのか! その紙をいま僕は手にしているわけかぁ」
 「へ~、表紙の印刷ってこういう技術でできてるんですね」
 これまで「商品」にしか過ぎなかった紙や印刷が、ずいぶんと自分の近くに感じられる・・・。
 そうなればなぁ、と願っております。

 一方で、紙をつくるだけ、印刷するだけ、で完成品がどう受け取られているかはおろか、完成品すら知らない、といったことが工場の現場ではあるそうです。
 ですから、この紙版では、サポーターの方々の「声」を、紙屋さんや印刷所さんの現場にも伝えていきたいと思います。
 (サポーターの皆さん、紙版に同封している「サポーター」カードに感想をご記入くださいませ!)

 お金を媒介にすることで、「商品」と「消費者」という存在に成り下がり、分断されていた「部分」が、再びつながる。
 「喜び」を媒介にして循環しだす。
 ちいさな贈与の経済が動きだそうとしている。

 きっと、この動きは、新しいことでもなんでもなく、本来、「ふつう」のことなんでしょうね。

 ぜひ、創刊号を楽しみにしていてください。
 5月10日ごろのお届け予定です。
 いったい、どこの紙屋さんと印刷所さんが「贈与」くださったのか。それを知るのも、「紙版」が届く楽しみのひとつにしていただければ嬉しいです。
 どきどき。


新たにサポーターにお申し込み、および引き続きサポーターを更新してくださる場合。
お手数ですが以下ご高覧のうえ、下記項目を、お電話、FAX、メール等にてご連絡くださいませ


・ご氏名(おフリガナもお願いいたします)
・サポーター番号(更新の方のみ)
・性別、ご年齢
・郵便番号、ご住所
・電話番号
・FAX番号
・メールアドレス
・決済方法(クレジットカードもしくは郵便振替)
・サポーターの種類(通常サポーターもしくはゴールドサポーター)
・クレジットの有無

*ウェブ版の「編集後記」や紙版の「奥付」に、ご希望されるサポーターの方々のクレジットを入れさせていただきます。掲載をご希望される場合には、・お名前をそのまま記載 または ・掲載用のハンドルネーム のいずれかをお知らせください。


【お申し込み先】
FAXご送付先:075-746-3439
Email: hatena@mishimasha.com
(件名「ミシマガサポーター申し込み」にてお願いいたします。)
宛先:〒604-8136 京都市中京区三条烏丸東入梅忠町20-1烏丸アネックスII 818 ミシマガ編集部宛
TEL:075-746-3438
ご不明点などありましたら、上記連絡先までご一報くださいませ。

※ クレジット決済をご希望の場合、下記から直接お手続きいただくことも可能です。

通常サポーターはこちら ゴールドサポーターはこちら
 

お便りはこちら

みんなのミシマガジンはサポーターの皆さんと運営しております。

ミシマ社 編

バックナンバー