みんなの『みんなのミシマガジン』


「みんなのミシマガジン」サポーターの方へ毎月お送りしている「紙版」。2013年12月の表紙を飾ったのは、平澤一平さんの木彫りの絵でした。絵本『はやくはやくっていわないで』、『だいじなだいじなぼくのはこ』(ともに弊社刊)のキャラクターと、くつろぐ「ミシマネコ」(?)が微笑むその姿に、見ていてとても気持ちが和みます。
 今回は、この素敵なプレゼントを贈ってくださったイラストレーター・平澤一平さんのお人柄やその作風に少しでも触れていただきたい! と思った営業ワタナベが、別件で打ち合わせ中の平澤さんへ、突如インタビューを敢行しました。

(聞き手・構成:渡辺佑一)

第23回 平澤一平さんの「はこ」。その①

2014.02.01更新


描き下ろし表紙のはなし

―― (できたての「紙版」を平澤さんにお渡ししながら)あまりに素敵な仕上がりに、社内が「ワッ」と湧いたんです! みんなで表紙をナデナデして。本当にありがとうございます!

平澤それは嬉しいです。ありがとうございます。

―― ミシマ社からは、「表紙書いてください。お願いします!」とだけで、まったく「こういうものを」という注文はしませんでした。

平澤そうですね。

―― まっさらなところから、どういうイメージで描いてくださったのですか?

平澤やっぱり、『はやくはやくっていわないで』と『だいじなだいじなぼくのはこ』がまずは浮かんで。

―― 船くんとクルマくんですね。

平澤はい。まずはそこから描こうかなと。そのうえに、ミシマネコを乗せました。寝そべっているネコを描くのが好きなんです。

―― これ、紙版に載せている読者の方からのイラストや、チラシを切り抜いたようなものがコラージュしてあるんですよね。

平澤編集後記に出ているヘルメットをかぶった三島さんの写真も面白かったので、貼ってみました。

―― ホント、眺めていてすごく楽しい気持ちになります。こういう「作品」というのは、いったいどうやって作り上げていくのですか?

平澤私の場合は、最初に全部決めて描くというより、描きながらイメージが湧いてくる感じです。手がどんどん動いて、「いっかあ」って感じで盛り上がって。

―― へえ〜〜!

平澤もう直感的なものですね。描きながら、どんどんなにかが出てくる感じで。作っていて、すっごい楽しくなってきて。盛り上がってしまいました、自分のなかで。

―― うれしいです。制作時間はどのくらいだったのでしょうか?

平澤けっこう早かったですよ。彫るのは私、早いので。あとはいろいろ貼って、塗って。1日で2つともできあがっちゃった感じです。

―― 1日で! すごい!!

平澤やっていて楽しかったです。ありがとうございます。

―― こちらこそありがとうございます。絵を描いている平澤さんって、はたから見ていても、すごく楽しそうで。なんだかこっちまで楽しい気持ちになってしまうんですよね。

平澤小さいころから絵を描くのは大好きでした。今でもそれは変わらないです。


平澤さんが描き下ろしてくださった絵


木を彫るのが得意だった。

―― 平澤さんの作品は、版木で絵の輪郭を彫って、そこに色を載せた「木彫りの絵」とでもいいますか。特徴的なこのスタイルは、どのようなきっかけで始められたのですか?

平澤以前、版画が好きでたくさん作っていたのですが、しばらくすると使い終わった版木がどんどん増えてしまって・・・。ある日、それを見た同級生が、「これ、もったいないから色を塗ってみたらどう?」と言ってくれたのが、木彫り作品を作るきっかけなんです。

―― なるほど! 版画はどういうきっかけで・・・?

平澤版画は・・・、もともと得意だったんです。子どものころから彫るのが早くて、小・中学校の授業のときには、周りの人たちがひとつ作っているあいだに3作品くらい作ってしまっているような感じで。

―― それは早い! 「はやくはやく」って言われなくても、どんどこできちゃったという。

平澤そうなんです(笑)。楽しいから身体が「わぁー」って動く感じで。下書きとかも一応は描くのですが、あんまり参考にせず、「まあ、いっかあ」って、勢いでどんどん彫っていました。もう楽しくて。

―― なるほど。平澤さんは子どものころから、今のような「絵にかかわる道に行こう」と意識されていたのでしょうか。それとも他に、なにか将来やってみたかったことなどはありましたか? たとえば「サッカー選手になりたい!」とか。

平澤やー、他になりたかったことは、あんまり考えたことはなかったです。僕はやっぱり得意なことが「描くこと」だったので、そこに行こうか、と考えたような・・・。

―― 家族や親戚といった近しいかたに、絵が得意な方はいらっしゃったのですか?

平澤はい、そうですね。大叔父は日本画家で平福百穂の弟子でした。だから今思えば、絵は身近にありました。描くのは特別なことではなくて、当たり前というか。みんなも得意というか、器用な感じでしたね。

―― やー。なるほど納得、といった感じです。


*明日もつづきます!

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平澤一平(ひらさわ・いっぺい)

秋田生まれ。1988年に中央美術学園卒。
東京ガスカレンダーコンペグランプリ受賞
第9回イラストレーション誌ザ、チョイス年度賞大賞受賞。
第1回TIS公募大賞受賞。
第58回産経児童出版文化賞産經新聞社賞受賞。
著書に絵本「はやくはやくっていわないで」
「だいじなだいじなぼくのはこ」(2作ともミシマ社)
「おはよう僕だよ」(岩崎書店)
本などのの装画、挿絵、広告など幅広く絵を制作。
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