ミシマ社通信オンライン

2012年11月11日、紅葉深まる仙台にて、ジュンク堂書店仙台ロフト店書店員の佐藤純子さんとともに、「寺子屋ミシマ社in 仙台」を行いました。本日はそのほがらかな、かつ熱い! 1日について、三島・林に同行したデッチの大滝がお伝えします。

(文:大滝空、写真:小川直人)

第30回 寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

2012.11.27更新

仙台で、佐藤純子さんと『一冊入魂!』

今までの「寺子屋ミシマ社」では「出版社とはどういうものか」を体験してもらう狙いで、様々なイベントを行ってきました。しかし今回はひと味違い、「仙台発でミシマ社から本を出す」という目標のもと、メンバーを募集いたしました。つまり、この場にいる参加者全員で「一冊入魂」しよう! という企画なのです。このイベントで生まれたものが、そのまま本になるのです。そして、ミシマ社から全国に向けて届けられます。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

『月刊佐藤純子』(佐藤純子、仙台文庫)

今回の仙台本企画には、強力な方が仲間についております。ジュンク堂書店仙台ロフト店書店員の佐藤純子さんです。
仙台に本好きを増やすことを目的に結成されたBook! Book! Sendai2013の一員として、仙台を盛り上げていたり
「月刊佐藤純子」という、自身の日々を綴ったお便り漫画をつくられていたり
(なんと、書籍となりました。)

わたしは本になりたい」というブログを更新されていたり、いつもほがらかで楽しそう。ジュンコさんと会うと、冬の寒さも吹き飛ぶほどの温かさにつつまれます。
以前ミシマガジンの「本屋さんの遊び方」にも登場してくださいました。

三島さんとジュンコさんの強力タッグのもと、「寺子屋ミシマ社 in 仙台」が立ち上がりました。どんな旅路になるのでしょう。自由が丘デッチの大滝も、ぼんやり見ているには飽き足らず、今回ぽーんと、仙台に飛んでしまいました。

仙台を愛する方が集結!

さて、イベント当日のお昼過ぎ、参加者の方々が続々と到着されます。
学生さんから60代の方まで、老若男女約30名の方に参加していただきました。ほぼ全員が初対面なので、みなさん緊張した面持ち・・・。それでもジュンコさんの「こんにちはー」という優しい声とほがらか笑顔で、みなさんの心がほぐれるのが、すぐにわかります。さすが、ジュンコさん。

会場は、西公園沿いにあるビーアイさんを使わせて頂きました。
普段は子どもたちが集まって、それぞれに創作活動を行っているという素敵な空間。生徒さんによる作品が、あちらこちらに並んでいます。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

ビーアイにて、参加者の皆様と三島、佐藤純子さん。
寺子屋らしく、座布団を並べて顔を突き合わせます。
11月11日は佐藤純子さん曰く「ボーダーの日」だそう。三島もジュンコさんもボーダーです。ナイスボーダー!

本にとっての、読者にとっての幸せを考えた本づくり

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

イベントの始まりは、三島さんとジュンコさんによるショートトーク。
今回のイベントの目的について語ります。
ワクワクと同時に緊張感が、場をみっしりと満たしています。

「仙台、この街の血の通った本をつくりたいんです」と三島は話します。
仙台は、降り立ったどんな人も受け入れてしまう、柔軟性の高い伸縮自在な街。初めて来た人も「前世は仙台人なんじゃないか」と錯覚してしまうくらい、どこか懐かしさを感じてしまいます。人々の営みによって丁寧につくられた街は、あちこちで物語が生まれそうな景色でいっぱい。ふとアーケードの路地を入ると、小さなお店が建ち並ぶ横町に迷い込めます。映画「ゴールデンスランバー」の撮影にも使われた勾当台公園では、毎週のようにお祭りが開かれ、定禅寺通のケヤキ並木は、静かに温かく道ゆく人を見守ります。街を少し外れると、のどかな田園風景が広がり、蔵王連峰や泉が岳などの山々が顔をのぞかせます。

このような仙台の魅力を、仙台市民の持っている熱を、螺旋を巻いて上に向くようにして本へとつなげていくとき、その土地で、血の通ったことばで本をつくらなければいけないと感じた、とおふたりは話しします。

仙台人はこっそり「熱い」

参加者をワクワクさせてくれるようなショートトークのあと、早速本題に移ります。
最初は、2、3名に分かれブレインストーミングを行いました。
仙台の面白いもの、好きなもの、みんなに教えたいもの、それぞれの仙台をざくざくざくと掘り出してもらいます。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

会場に入ったばかりのときは、少しばかり不安げな表情を浮かべていた参加者の方も、この時間になると生き生きとお話ししてくださいました。みなさんいわく「仙台人はこっそり、熱い」のだそう! 仙台ビギナーの大滝にも、目をキラキラさせながら、大好きな街について、人について教えてくださいました。仙台に来たばかりの私なのに、仙台が大好きで、もう何でも知ってる気分になってしまうくらい、みなさまの言葉は勢いのあるものでした。

十数分の意見交換で、アイディアがどっさり! ホワイトボードが埋まりそうです。この辺りから仙台の方の「静かに熱い」姿がうかがえるかと!

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

この後はお茶菓子休憩を挟みつつ、三島の指揮の下、全員で具体的に「どんな本をつくっていくか」について話し合っていきます。
こんなたくさんのアイディア・・・ひとつにまとまるんでしょうか。
いやいや、まとまるんです。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

真剣な面持ちで、だけども「ほがらかに」会議は進みます。本にとって、読者にとってしあわせな形は一体なんなのかを、みんなで模索していきます。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

絶妙な舵取りで、メンバーを乗せて本作りの海を進む三島。しかし黒板の図は、まったくの謎・・・。一体どんな本になるのでしょう?

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

ビーアイはもともと、子どもたちのための「ものづくり」の場所。色鮮やかな作品に囲まれたここは、まさに「本をつくる」にはぴったりの空間なのです。三島が描いた図を解読しようと、みなさん「むむ〜ん」とした目で黒板を見つめています。

「ミシマ社発仙台本、発刊は2013年11月11日!」

お昼過ぎから始まった企画会議はなんと、日が暮れるまで続きました。あっという間の4時間半、全員で頭も体も心も使いきりました〜。エネルギーを総結集したおかげで、すぐにでも走り出したくなる、発刊が待ちきれない企画が産み落とされました。今日から1年という時間をかけて、このメンバーで本をつくっていくこととなります。発刊は1年後の11月11日です。書籍となって、1分1秒でもはやく、読者の方と楽しさを共有したいです。

本日初対面の方ばかりでしたが、もう互いに心の芯から触れ合えたような心地です。
そのあとは、ジュンコさん先導で打ち上げへ! 打ち上げは壱弐参横丁にある「鉄塔文庫」さんにて行われました〜。

寺子屋ミシマ社 in 仙台 レポート

鉄塔文庫さんは古本販売と立ち飲みやのお店。小さな店内が人でいっぱい!
疲れきった脳に、おいしい芋煮がしみわたりますね。
打ち上げでも話題は、今回つくる本のことばかり。これから始まる長く楽しい旅に、みんな胸が高鳴ります。

初めて向かった仙台でしたが、こんなにも温かく優しい気持ちになれる街なのだと、サンモール一番町のイルミネーションを見ながら、今回この場所に来られたご縁に感謝の気持ちでいっぱいになりました。私が滞在しているときにも地震に何度か遭い、震災がいつまでも自分たちの近い所に存在している事実を、改めて噛み締めることもありました。これからみんなでつくっていく本が、人々の生活にそっと寄り添ってくれるような本となりますように。
「仙台で、一冊入魂!」ぜひ、これからも見守ってくださいね。制作過程など、ミシマガにて随時レポートさせていただきます。

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