PHPスペシャル×みんなのミシマガジン

 先月の7月10日、この「みんなのミシマガジン」と『PHPスペシャル』が協同編集をした『PHPスペシャル』8月号が発刊になったことは、もうみなさまご存知でしょうか?

 このコーナー「PHPスペシャル×みんなのミシマガジン」では、どうして協同編集をすることになったのか、企画会議の様子やお披露目会のレポートまで、ふんだんにお伝えしてまいりました。

 今回は、発刊直前に京都の恵文社一乗寺店でおこなわれた、発刊記念鼎談イベントの様子をお届けします。「みんなのミシマガジン」編集長の三島、そして『PHPスペシャル』編集長の丹所千佳さん、「偶然の装丁家」こと矢萩多聞さんが「いま関西で出版をやること」について語り合いました。
 後半には、特別ゲストもご登場! 全2回でお送りします。

(構成:新谷友里、写真:新居未希)

いま、関西で出版をやるということ 三島邦弘×矢萩多聞×丹所千佳 前編

2014.08.05更新


PHPをジャックしにいこう!?

三島今回我々ミシマ社の「みんなのミシマガジン」と「PHPスペシャル」が協同編集するということで、最初京都のPHPさんにお邪魔して企画会議をさせていただいたんですが、ほとんどメンバーは初めて顔を合わせた人たちだったんです。学生さんも含めて12人くらいですかね。

多聞そもそも、何をするのかも知らされてなかったんですよね。三島さんに「PHPに行くから」って言われただけで。「えっ、何しに行くんですか?」って聞いても「いや、ジャックだよ、ジャック」としか言われなくて(笑)。

丹所そうだったんですか!?

三島・・・そうだったみたいですね(笑)。そのとき2、3時間の濃密な企画会議をPHPさんの広い部屋でさせていただきました。このときの様子は、ミシマガジンの中の「PHPスペシャル×みんなのミシマガジン」のコーナーで見られるようになっています。その企画会議でまず、今回の特集は何にするのかを決めたんですよね。

多聞PHPの人もいるし、学生もいるし、ミシマ社の人もいる。そんな人たちがぐちゃぐちゃになって作っていく。

三島でも、そうでないと生まれないものができたかなという感じがあります。

丹所まさに偶然。

三島3人ひと組になって、各チームで特集のテーマを出してくださいということになりました。「これはPHPスペシャルに合わないんじゃないか」とかそういうのは抜きにして、その場で思いつくままに一枚の紙に書きなぐるようにしてやりましょう、と。それをメンバーを変えながらやったりすると、1時間で100タイトルくらいは出たんじゃないかな。

丹所かなり出ましたよね。そのまま特集タイトルになるんじゃないかというものなどを絞ると・・・10タイトルくらいあったでしょうか?

多聞「ほかに好きな人ができた」とかね(笑)。

三島わりと各チーム毒のある特集テーマが出てきましたよね。そして結局多数決でこの「どうしても許せない人」というタイトルに。ミシマ社にとってもPHPスペシャルにとっても、なかなか珍しいものになりました。


内容も決めました。

丹所「どうしても許せない人」というタイトルが決まってからも、さらにこの会議は終わらず、個々の企画の具体的な内容もまたブレストしていきましたね。

多聞短時間で脳みそフル回転して、みんなすっごい疲れているのにね(笑)。

丹所それもグループに分かれていっぱい出して、さらに絞り込んでいって。そのなかで、できるだけ多くの人がピンとくるものを基準に選びました。それから、「許せない」という具体的な話があったほうが面白いなということで、座談会をしようと。座談会のときは、いつもはPHPスペシャルの読者の方をお呼びしているんですが、今回はミシマガジンのサポーターの方に来ていただきました。

三島女性の方限定でサポーターの方を募って、またPHPの京都本社の方にお邪魔したんですよね。

丹所この様子は、みんなのミシマガジンにもアップされてますね。

三島同じ座談会が、PHPスペシャルに載っているのとは別の角度からの切り口で、みんなのミシマガジンにも載せています。

丹所そして、その座談会で出たお悩みから、内容を絞って、「誌上悩み相談」も行いました。解答者はミシマ社さんからは能楽師の安田登先生、もうひとりはスペシャルで日頃悩み相談の連載をしていただいている漫画家の里中満智子さんです。

三島これも、PHPスペシャルとみんなのミシマガジンとでは別の内容で掲載されています。どちらも傑作ですよね!


デザインもジャック!?

三島そして今日は何故、多聞さんがいまここにいるかといいますと。

多聞そう。ぼくもほとんどどういう会議なのか知らないまま、「これデザイナーの仕事かなあ」なんて思いながら企画会議に参加させてもらった。まあ、めちゃくちゃ楽しんだわけなんですけど(笑)。
ぼくは「みんなのミシマガジン」の紙版のデザイン担当をしているので、同じ月の紙版でもこの企画の記事をデザインするんだろうな、とぐらいにしか思っていなかったのですが、そのあとすぐ丹所さんから連絡がありました。

三島なんと「PHPスペシャル」の表紙デザインも多聞さんがされることになったんですよね!

多聞びっくりしました。雑誌のデザインって、ほとんどデザイナーが変わらないでしょ。毎号ぱっと見て、どの雑誌かわかるようになってるわけですから。

丹所創刊から変わらない雑誌もありますね。

多聞ところが丹所さんは「好きにやってください」と。「好きってどこまでやっていいんですか?」と聞くと「ロゴをいじる以外はなにしてもいいですよ」という。自由すぎる依頼に戸惑いながらラフをたくさん作りました。ほとんど悪ノリですけど(笑)。

三島それでも今までの表紙とはかなり違っているので、前のと並べるとパッと見これが同じ雑誌だとは思えないですよね。

多聞遠くから見ても、ひと目で「変わったな」とわかるものにしたかったんですよね。

三島いやあ、でもこれは売れてほしいなあ。

丹所そうですよね。せっかく出すからには。そしてこれで売れてくれたら、出版社が垣根を超えて何かを作るってことが面白いなって、より説得力が生まれると思いますし。

三島PHPもミシマ社もそれぞれがそれぞれの編集をやったんですが、これって仕事じゃないんですよね。金銭は発生してない。勝手にやってるんですよね。だからほんとにただただジャックなんです。

丹所たしかに。

多聞気がついたらみんな巻き込まれているというか。

三島今回のことはそれがすごいなと思っています。それってやっぱり京都だったからっていうのが大きかったのかなあと。出版社の数ってほとんど圧倒的に東京が多いんですが、京都は限られているからこそ、自由度が高かったんだと思いますね。


*つづく

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