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「ロシア人の名前は何であんなに長ったらしいのか?」と、よく言われます。時にはもっと単刀直入に、「なんであんなに滑稽なのか?」とすら言われたこともある。
確かに、ロシア人といえば、「ドストエフスキー」「ムソルグスキー」「ゴルバチョフ」など、ゴツイというか愛想がないというか、そんな名前ばかり。
ですが、「グジェ」とか「ドヴァ」とか、「ルグスキー」なんて不可思議な文字列は、ロシア人の名前でも呼ばない限り、一生声に出すことはないはず。
だったらせっかくなので、読みづらいけど、大声で唱えてみよう。気分が晴れたり晴れなかったりするかもしれません。
本連載では、そんな怪しげな響きのロシア人名を厳選して紹介するとともに、その人物のプロフィールを解説。ロシア人の名前の仕組みについてもわかる。役には立たないが。
第5回 ポチョムキン
Григорий Александрович Потёмкин
「戦艦」で有名ですが、そもそもの艦名の由来は、帝政時代の軍人であるグリゴリー・アレクサンドロヴィチ・ポチョムキンの名前より。
勇敢かつ知的で、数々の戦功を挙げた歴戦の勇者であるばかりか、エカテリーナ2世の愛人として政治にも深く関わった人物。
非常にカッコよく、魅力的な人物だったようです。
でも、名前が「ポチョムキン」。
冒頭に「ポチョ」と入る時点でどうなんだ。
お前は宮崎アニメか?
しかもその後に続く「ムキン」も、滑稽さに拍車をかける。
エカテリーナ2世を扱った池田理代子の漫画『女帝エカテリーナ』を読むと、当然ポチョムキンは主要人物、かつカッコいい人物として出てきます。
本書のクライマックス、ポチョムキンの死の報に接した女帝が、大きなコマの中央で、悲しみに満ち溢れた表情をして叫ぶ。
「ポチョムキン!!」
ある意味大爆笑。
でも、そもそも自分の愛人のこと、苗字で呼ぶものでしょうか。
そこで私は、「池田先生確信犯説」=「ここに到るまでのすべては、このネタを書きたいがための壮大なネタ振り」を唱えたいと思います。
