しごとのわ通信

その7 竹田茂『会社をつくれば自由になれる』刊行します!

2018.01.18更新

 この1月、創刊から1周年をむかえた「しごとのわ」。
 19日には、レーベル第8冊目『会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案』が発売となります。
 今回は編集を担当した星野が、その魅力をレポートいたします!

 本書のサブタイトルは「中年起業という提案」。その名のとおりの内容でもあるのですが、本書の胆は、もう少し深いところにあり、今の時代の働き方、さらに言えば生き方を考えるヒントと知恵が詰まっています。
 具体的にいえば、こんな項目に身に覚えのある方々には、ぜひ手にとってみていただきたい一冊です。

□ 勤めている会社や、会社員としての自分の将来に不安を抱いている
□ 働いている時間の80%以上を社内調整に費やしていて虚しい
□ 育児や介護などで、いわゆる普通の雇用形態での勤務が難しい
□ 定年が視野に入ってきているが、やることが無くなることが不安
□ フリーランス、個人事業主としての独立を考えている
□ 政府の繰り出す「働き方改革」の施策に違和感をおぼえている
□ 一攫千金を狙うより、地道に細く長く楽しく働き続けたい


「起業」というと、「人生をかけた大勝負」「ハイリスク・ハイリターン」と感じる方が多いと思います。野心と才能がある若者が、がむしゃらに働いて起業し、弱肉強食の競争を勝ち抜いて上場にたどり着き、一攫千金を成し遂げる......というのが、「起業」ときいて浮かぶイメージだったりもするかもしれません。

 けれど、本書がおすすめしている「起業」は、その正反対です。企業である程度経験を積んだ中年の人が、できればこのまま会社で働きたいなと思いつつも、冷静に将来を見据え、体力と経験知のかけ算がピークを迎える今のうちに、自分の得意な仕事でそこそこ食べ続けていけることを目標に会社をつくる......そんな「起業」です。

 ではなぜ、冷静に将来を見据えたときに、「会社に残る」のではなくて「起業」がいいのか? 著者の答えは「雇用という仕組みが制度疲労を起こしているから」です。
 
 詳細はぜひ本書でお読みいただけたらと思いますが、「雇用」は高度成長時代にフィットする形で急増した特殊な制度であり、これから本格的に人口減少や少子高齢社会を迎える日本では、いくら「働き方改革」でなんとかしようとしても根本的に難しい。とくに、「高齢者」と「雇用」は相性が悪く、一定の経験を積んだ高齢者が、その場しのぎの定年の延長や、安い時給での再雇用をされるべきではない、と著者は説きます。

 ......ここまで読んでいただいて、何となく伝わっていたら嬉しいのですが、本書は「起業」を猛烈にオススメするハウツー本ではありません。現時点で起業を考えていない方でも、テレビや新聞で「プレミアムフライデー」「副業元年」など、働き方改革にかかわる新語(?)を目にするたび、「なんとなく本質とズレているような...」と感じるのはなぜなのか、自分の未来に漠然とした不安を感じるのはなぜなのか、「働き方」の問題のありかを、わかりやすく知ることができます。

 もちろん、中年・定年起業をするための心がまえや、著者とその仲間たちが中年起業を実践するなかで体得した知恵も、惜しみなく公開されています。

 そしてもうひとつ、著者の竹田さんが、本書で一番伝えたかったと仰っていて、私も編集をしながら印象的だったのが、「起業をして、自分の人生の裁量権を100%自分が持つことの楽しさ」です。

 長年慣れ親しんだ会社を辞めて起業した場合、今までとは「色」の違うストレスを感じることになる。これは働き方の構造が変わったことを示す。サラリーマン時代のストレスの大半は「自分の意思ではどうにもならないことに対するストレス」だが、起業するとこれが「全部自分の責任になるストレス」に変化する。
――本文より


 あなたの生き方に一番詳しいのはあなた自身にほかならない。......自分のことを一番よくわかっている自分自身の専門家でもあるあなたは、自分の人事について100%の裁量権を保有していることに自覚的であっていただきたいのです。
――「おわりに」より



 日々の仕事に忙殺されているうちに、いつの間にか、自分の人生の裁量権を手放してしまっていた......というのは、「雇用」という仕組みの副作用の一つなのかもしれません。起業をする・しないにかかわらず、本書が、働き方について思いを巡らせるきっかけになったら嬉しいです。


1月19日発売!

会社をつくれば自由になれる 中年起業という提案
竹田 茂(著)
インプレス発行、ミシマ社編集(「しごとのわ」レーベル)

 本書では、体力と知力(経験値)の掛け合わせがピークとなる42歳から54歳までに会社をつくる「中年起業」を提案します。起業というとリスクとモチベーションが必須のイメージですが、中年起業はローリスクかつ負けない零細企業を目指します。
 これからの働き方を見直す一助に、または長く楽しく働くための手引きとしてご覧ください。



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