その会社、入ってはいけません!

第5回 入ってはいけない会社―番外編―4

『お金をムダ遣いしている会社』

さて、いよいよ番外編の最終回となってしまいました。
新著「その会社、入ってはいけません!」をミシマ社さんとソシムさんの合弁出版ブランドビジパブから発刊させていただき、2カ月近くが経った今、本を出版させていただき本当に良かったなと思います。

多くの励ましの声や、前向きなご意見もたくさん頂戴して、これからの自分の成長につながるように感じます。まだ現在が完成形ではありませんので、もっと良いモノをこれから書いていきたいと思う次第です。

さて、「入ってはいけない会社-番外編」の最終回は、「お金をムダ遣いしている会社」です。

昨今の不景気の影響で、過半の企業の経営が悪化していると言われています。事業を継続させるためには、利益を出す必要があるのは言うまでもありません。そしてその利益を生み出す方法は2つだけです。
1つ目は「売上を高める」ということ。
そしてもうひとつは「コストを抑える」ということです。

売上があがりにくい、今のような時期にあっては、新規事業や新商品を開発して活路を切り開くか、コストを見直すことが主な突破方法となります。
新聞やニュースを見ても、どの会社も必死になって、なんとか新商品を出そうとしたり、コストを抑えようとしているのがわかります。

しかしながらトップが「コストを抑えろ!」と声高に叫んでみても、現場の行動が何も変わらなければ何の意味もありません。長年かけて身に染み付いた習慣というのはそんなに簡単に変えられるものではないのです。

たとえば普段から、夜寝るときに電気をつけっぱなしにする、誰もいないのにテレビや電気をつけっぱなしにする、社内用のコピーなのに裏紙を使わずに新品のコピー用紙を何のためらいもなく使っている、5分ちょっと歩けば到着できるのにすぐに地下鉄に乗ろうとする、すぐそこにチケット屋さんがあるのに敢えて定価で切符や切手などを買おうとする・・・・・・。

そうした行動が習慣となっている人が、不景気になったから、ムダ遣いの意識をいきなり変えろと言われてもそんなに簡単に変えられるものではありません。そのような「コスト意識」のない社員ばかりの会社というのは、たいていの場合、経営トップのコスト意識が甘いものです。

利益が出ない会社というのは、雰囲気もかなり悪くなります。これは第3回目の番外編でもお伝えしたとおりです。結果や成果ばかり求められるようになり、ギスギスした職場に様変わりします。業績が良かったときはとても雰囲気が良かった会社が、本当に変わってしまうのです。

それは経営者が「赤字」というものに非常に敏感だからです。「赤字」になれば、銀行などの金融機関の格付けが落ちてしまいますし、信用力も低下してしまいます。下手をすると倒産の危機です。そのためなんとか経営者は「赤字」を脱却するために、売上をあげようとして、リストラなどで社員を削ることによる「経費の削減」を行うようになります。そこまで行ってしまった会社の雰囲気は、悪くなる一方です。

リストラに至る前に、普段から余計なコストを使わない。そうした当たり前の経営感覚を持たず、普段からお金をムダ遣いしている会社は、入ってはいけない会社の代表格と言えます。

会社訪問したときにお手洗いに行ってみてください。お手洗いに誰も入っていないのに電気はついていませんか?
温かい冬の日に、ムダにエアコンをつけて暑すぎるぐらいの室温にしていないでしょうか? 
または涼しい夏の日に、肌寒いほどの室温にしていないでしょうか?
OB訪問をした際に、社有の携帯電話で、私用の電話をしていないでしょうか?

見るべきポイントはたくさんあります。

福利厚生が充実していることと、お金をムダ遣いしていることとは全く違います。そのようなコスト意識の緩い会社は、これから訪れる日本の厳しい時代を考えると、オススメできません。

以上、「入ってはいけない会社」の番外編いかがでしたでしょうか?

新著「その会社、入ってはいけません!」は私がこれから就職する若者たちや、再チャレンジしようとする人たちのために、次の就職を絶対に失敗して欲しくないと思って書いたものです。一度の就職に失敗したことで、フリーターとなり、そして無職となり、最後にホームレスになってしまうような社会はとても問題です。日本がそのような国になることを少しでも食い止められればと思い、本書を執筆しました。全ての人が充実した仕事に就くことができ、幸せに生活できるように祈ってやみません。

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プロフィール

藤井哲也(ふじい・てつや)

人事コンサルタント。(株)PASIO代表取締役社長。町工場を経営する親の長男として1978年誕生。2001年立命館大学法学部卒業後、人材派遣会社に就職。これからの日本社会を憂慮し2003年9月に会社設立。以後、若手求職者の就職支援事業を経て、現在は大企業から中小ベンチャー企業まで幅広く、若手社員の早期離職を減らすコンサルティング事業を展開。社員定着手法「リテンション・マネジメント」という概念を日本に普及・定着させた。将来の夢は「世界から飢餓をなくすこと」。

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