第13回「今、Kポップがおもしろい!」(前編)
高橋修(たかはし・おさむ) |
みなさん、韓国の音楽、Kポップを耳にしたことがあるでしょうか?
今、韓国では人気も実力も兼ね備えたアイドルが群雄割拠(東方神起だけじゃないんです!)。さながら日本の80年代の歌謡曲全盛期の様相を呈しています。
日本でも「次に来るのはKポップ!」といわんばかりに、テレビや雑誌で特集が組まれたり、大型レコード店でもJポップと並んで大展開していたり、じわりじわりと人気が拡大中。今年、多くのKポップアイドルの日本活動が続々と予定され、みなさんの目に触れる機会も増えることでしょう。
今月の特集では、Kポップ漬けの毎日を送るふたり、『ミュージック・マガジン』の高橋修編集長とミシマガ編集部アダチがその魅力を熱く語ります!(聞き手:足立綾子)
東方神起はやっぱりすごい!
東方神起 DVD「ALL About 東方神起 season3」 |
――今日はよろしくお願いします。こういう逆取材って、たまにあるんですか?
高橋いや、全然ないですね。足立さんもKポップ、好きなんですか?
――はい! 私がKポップを好きになったのはここ一年ぐらいなんですが、もともと音楽が好きで、中村一義、七尾旅人、小谷美紗子とか、その周辺をいろいろ聴いていたんです。
高橋情念系ですね(笑)
――そうなんです(笑)。で、あるとき、突然、東方神起にハマったんです。
高橋それは、あの「♪どぉーして」からですか?
――そうではなくて、あるとき東方神起ファンの友人が、日本版と韓国版のアルバムを両方貸してくれたんです。一聴しただけだとピンとこなかったんですが、YouTubeで韓国の歌番組を見たら、「日本で見る東方神起と全然違う!」ってびっくりして。忘れもしない「2008年SBS歌謡大戦」でのステージなんですけど。
高橋あー! はいはい、12月29日のね。たしかにあれは素晴らしかったですよ!
――ほんと、素晴らしかったですよね! あれで度肝を抜かれまして。
高橋あれが、実質的に国内最後のテレビ出演になっちゃいましたね。
――うぅ、やめてくださいー! 復活しますって! そこからBIGBANG(ビックバン)、Rain(ピ)、SHINee(シャイニー)、少女時代、KARA(カラ)ときて、今は2PM(ツーピーエム)をよく聴いていますね。
高橋いいですねー。たしかにSBSの東方神起見ちゃったら、もう、他のものが甘いんじゃないかって思いますよね。日本での東方神起の活動、よく知らないけど、紅白歌合戦とかを見ると、なんでこんな直立不動で歌っているんだろうって思いましたよ。
――日本と韓国の東方神起、まったく別物ですよね。バラードもハーモニーが美しくていいけど、やっぱり歌って踊ってほしいですね。
高橋そうですねー。「2008年SBS歌謡大戦」の動画、ぼくも今でも時々見直しますよ。ユチョンが出てくるとき、なにかをうしろにぽーんと投げるところがかっこいいんだよね。
――イヤホンかなにか、投げてますね。東方神起ファン以外でその話ができる人、ほっとんどいませんよ! びっくりしました!
高橋チャンミンも途中でなにか投げるんだよね。
――蝶ネクタイ、投げてますね。しかし、細かく見てますねー(笑)。
Perfumeと韓国歌謡界の共通項
――高橋さんは、なにがきっかけでKポップが好きになったのですか?
高橋2008年秋にワンダーガールズの「Tell Me」「Nobody」を見て、Kポップ、とりあえず勉強してみようかと思って。
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ワンダーガールズ「Nobody」動画 |
――どのあたりが、そういう気にさせたんでしょう?
高橋まあ、女の子が歌って踊っていたら、最低限チェックはしておかないとなと。そのわりにはAKB48とか見てないんですけど(笑)。新大久保のコリアプラザに行って、ワンダーガールズ、SeeYa(シーヤ)、少女時代のアルバムを買って、聴いて、動画や写真見て、なにがなんだかわからないなーと思いながらも、やはりそのなにかひっかかるものがあり、ついついいろいろ見てしまい・・・。
――はいはい。
高橋ワンダーガールズだったらソヒとか、少女時代ではテヨンとか、これを美少女として売り出されても、日本人はいまいち反応しないよなーと思ったわけです。でも「ソヒ、美少女かあ?」と思っていたのに、あるとき、「ソヒ、めちゃめちゃ美少女じゃないか!」って考えが改まるんですよ。これは見続けないとわからないのかもしれないけど。
――たしかに、動画を見続けていると、あるとき、見る目が変わるのってありますよね。
高橋まずPerfumeが好きだったのがあって。Perfumeは、あの歌って踊るっていう総体としてのパフォーマンスがめちゃめちゃいいのと、あと「このぐらいのパフォーマンスでも、あんたたちCD買うでしょ」みたいな客をナメた感じがない。もう徹底的にやる姿勢は、Perfumeと韓国歌謡界でしか感じられないですね。「一見さんもこれ見たら逃がさないわよ!」みたいなね。
――たしかに引きが強いですよね。曲を聴いているときは、ちょっと遠めから「ふーん、こんな感じなのね」って思っていたのに、動画でパフォーマンスを見たら、もう釘づけ(笑)。そうやって一気に好きになってしまったっていうグループ、私、たくさんいますよ。
少女時代とおニャン子クラブは似て非なるもの?
――Perfume以外のアイドルは興味ないんですか?
高橋最近はそうですね。昔はアイドル専門だったんで、勉強しとかなきゃって思ってましたけど。
――それは雑誌のなかでそういうコーナーがあるんですか?
高橋そう。アイドルのシングルを紹介したり、取材したりしていましたね。なんだかんだ言っておニャン子世代ですしね。
少女時代 アルバム「Run Devil Run」 |
――私、少女時代見たときに、おニャン子っぽいなと思ったんですけど、どう思いますか?
高橋半分そうとも言えるが、半分違うかな。やっぱりおニャン子は、曲がいいとか歌って踊れるとかじゃなくて、素人くさいのがよかった。少女時代は、ちゃんと練習してちゃんと芸を見せてくれるから、そういう意味でぜんぜん違う。でも、ステージをおりると、この子はあの子にしか心を開いてないんじゃないかとか、そういうグループ内の関係性をつい想像してしまうのはおニャン子に近いかな(笑)。
――なるほどなー。私、おニャン子全盛のとき、小学生だったんですけど、その頃の目線で見た年上のきれいなお姉さんみたいな感じで少女時代を見てしまうんです。ルックスありきですけど。彼女たちは私よりもかなり年下だけど、「高校の二個上のあこがれの先輩」みたいな雰囲気だなーと。
高橋あはははー、なるほどねー。そうなんだ。
――それが、アラサーの女子や男子にはぐっとくるポイントになるんじゃないかと勝手に思っているんですけど。懐かしいというか、昭和っぽいというか。
高橋少女時代に関していうと、普通っぽい感じはありますよね。普通っぽくてキャラがたっている9人組という感じがバラエティ番組的にはおもしろい、おニャン子的な感じになっているのかもしれませんね。
韓国で一番人気の男性グループ・2PMの評価
高橋足立さんはどのグループが好きなの?
2PM アルバム「01:59PM」 |
――SHINeeと2PMですね。SHINeeはダンスのキレがすごいし、楽曲の完成度がめちゃめちゃ高いじゃないですか。去年「Ring Ding Dong」が出たとき、楽曲とダンスのキャッチーさ、SMエンターテインメント(以下、SM)のプロデュース力に、つい唸ってしまいました。
高橋SHINeeは素晴らしいですよね。
――なので、『ミュージック・マガジン』の記事でSHINeeの人気が伸び悩んでいるのを知って意外でした。たしかに韓国内での人気の面でも、CMの本数からしても、同時期にデビューした2PMに水をあけられていますよね。
高橋SHINee、曲がかっこよすぎるのが逆にだめなのかなー。ぼくは2PMが、ちょっとなー。
――それは、なぜですか?
高橋リーダーのジェボムが脱退したのが痛い。最初、ジェボム以外はいまいちキャラ立ちが甘い感じがしたし。なんだかんだ言ってジェボムが締めてたから、その中心人物がいないのは、やっぱりさびしいよね。
――たしかに、そうですね。2PM、全然注目してなかったんですけど、去年の後半から存在感が増してきた気がします。ジェボム不在という逆境に耐えて得た成長の証なのか、表情がきりっと引き締まってきたし、ジェボムの陰にうもれがちだったメンバーのキャラがたってきて、グループとしてのバランスがよくなったような。
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2PM「Heartbeat」動画 |
高橋なるほどね。でも、「Heartbeat」見たとき、がっかりしたんだよねー。
――えーっ! 「Heartbeat」、最高じゃないですか! 特にダンスの構成が素晴らしいと思うんですけど。
高橋音を消して、パフォーマンスだけ見ていたら最高だけど、ジュンス以外はやっぱり歌唱力がねー。
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SHINee「Ring Ding Dong」動画 |
――少女時代やSHINeeなど、SM所属のグループって、歌もダンスも文句なしでうまくて、安心して見ていられる。でも、2PMは完璧ではない。「組体操、失敗しないかな? 大丈夫かな?」って、心配でほっとけない。そういう荒削りの魅力もあると思うんですよ。
高橋去年、「Again & Again」と「ニガ ミッタ(お前が憎い)」が出たとき、すごくかっこよかったから、「これで勝てる!」と思ったんだよね。「勝てる!」って、「何に?」って感じだけど(笑)。でも、ジェボムがいなくなった後の2PMは、なんかちょっと後退した感じがしたんだよなー。
――きびしいですねー。
少女時代「Gee」はハレの曲
――高橋さんとしては、今、ホットなのはKARAですか?
アフタースクール シングル「BANG!」 |
高橋むずかしいなー。今だったらアフタースクールじゃないですかね。
――アフタースクールの新曲「BANG !」見て、やるなーと思いましたね。
高橋やりますよー。まあでも、いちばん好きなのは少女時代のテヨンですね。
――そうなんですね。Kポップ特集の表紙にもってきたので、てっきりKARAだと思いました。
高橋KARAの「Rock U」を見なければ、Kポップにハマっていなかったので、もちろん好きですけど、あえて誰かと聞かれれば、少女時代のテヨン。
――歌い上げる感じが好きなんですか?
高橋そうね。うーん。テヨンのいいところ・・・(しばし考える)。歌がうまいのと仕切りが異常にうまいのと、だけど、はっちゃけないところかな。
――その仕事ぶりからして、「テヨン、いい嫁になるだろうなー」って思いますよ。男性にすごく人気があるのがわかる気がします。Kポップ好きな方、高橋さんの周りにいますか?
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少女時代「Gee」動画 |
高橋全然いないですね。ベストパフォーマンスをCDに焼いて、周りに配って布教活動しているんですけど。歌番組で歌っている少女時代の「Gee」を全部見て、「これだ!」というベストの「Gee」をセレクトしたりね(笑)。
――MVよりも歌番組で歌っている姿を見せた方が、魅力を伝えやすいっていうのがありますよね。厳選した動画を見せてダメなら諦めもつきますし(笑)。「Gee」と「願いを言ってみて(Genie)」は、ほんとにいろんな人に見てもらいたいですよ! なにかが祓われますもん。
高橋ふはははー!
――思いませんか? すっごい元気になるハレの曲ですよ。
高橋たしかにねー。まあ、そういうメディアに載せられない地道なアングラ活動をしているわけですよ。
――布教活動の結果、ファンになった人、いましたか?
高橋編集部内では基本的な話が通じるようになりましたね。今、韓国のテレビ番組しか見ていないから、周りの人と話が合わなくなってきているかもしれないんですけど。
――歌番組はひととおり見て。
高橋そうですね。金曜日の「KBSミュージックバンク」、土曜日の「MBCショー!音楽中心」、日曜日の「SBS人気歌謡」は基本的に全部見る。「M-net Mカウントダウン」もなるべく見る。それ以外にバラエティ番組もそこそこ見る。韓国語がまったくわからないのに見てますね。
――そんなにKポップ漬けな毎日だと、韓国に行きたくなりませんか?
高橋別にそんなにないかな。ふだんからあまり旅行しないし。
――韓国料理はどうですか?
高橋韓国料理ってどう食べればいいか、いまだにわからないんですよ。
――えっ!?
高橋スンドゥブチゲを注文するとごはんやキムチ、たまに卵も一緒に出てくるでしょ。これ、ごはんを汁につけていいのかな、この卵はどうするのかなとか。そういうのの連続で敷居が高いですよー(笑)。
――えー! 好きなように食べればいいんですよー!(笑)
Kポップの楽しみ方(初級者編)
「SBS歌謡大戦」をチェック!
年末にテレビ各局が組む音楽特番で一年のヒット曲をまとめてチェック。なかでも「SBS歌謡大戦」は構成が秀逸。去年はマイケル・ジャクソンを追悼したダンスのカバーコーナーがあったり、男性は女性グループの、女性は男性グループの曲をカバーしたり(男性チームは女装して熱演!)、人気ドラマのパロディがあったりで盛りだくさん。2008年の東方神起、2009年の2PMのステージは必見!
同じ事務所のくくりでチェック!
事務所ごとにそれぞれ独自のカラーがある。SM、YG、JYPなど専属の音楽家・プロデューサーがいる事務所は、その傾向が顕著。ひとつ好みのグループを見つけたら、芋づる式にハマってしまうことも。キケン!
(主要な事務所と所属アーティスト)
SMエンターテインメントBoA、東方神起、Super Junior、少女時代、SHINee、f(x)
YGエンターテインメントBIGBANG、2NE1
JYPエンターテインメントワンダーガールズ、2PM、2AM
DSPエンターテインメントSS501、KARA
J-TUNEエンターテインメントRain、MBLAQ
キューブエンターテインメントB2ST、4Minute
コアコンテンツメディア超新星、T-ara、Davichi
FNCミュージックFT Island、C.N.BLUE

