今月の特集1

クラフト・エヴィング商會と私(1)

2017.10.12更新

『京都で考えた』、京都で出ます

(文:三島邦弘)

 いよいよ――。
 月並みに聞こえるかもしれませんが、この枕言葉をどうしてもつけたくなります。
 いよいよ、『京都で考えた』が、本日2017年10月12日、京都で先行発売となります。(こちらでお買い求めいただきます。全国での発売は10月20日)
 著者は、吉田篤弘さん。
 『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『電球交換士の憂鬱』など多くの小説をはじめ、クラフト・エヴィング商會名義によるデザインや執筆などの創作活動をされています。
 ちなみに、ミシマ社では、内田樹先生の街場シリーズの大半(『街場の中国論』『街場の教育論』『街場の文体論』)や平川克美さん『小商いのすすめ』、松本健一さん『海岸線の歴史』、益田ミリさんのエッセイ集『そう書いてあった』などのデザインを手がけていただきました。
 
 あるとき。
 といっても、もう、6年ほど前になるでしょうか。
 ミシマ社が京都のほうに(正確には、京都府城陽市に)、オフィスを構えていた頃。ある本のデザインを吉田さんにお願いすることになり、打ち合わせをしていたときのことです。ひととおりデザインの相談を終えると、ふと思い出したかのように、吉田さんが私に尋ねられたのでした。
 「でさあ、三島さん、京都にオフィスをつくったの?」
 そう訊く、吉田さんの表情がなんとも嬉しそうだったのを鮮明におぼえています。
 今から思えば、「京都」の話をしたくてうずうずされていたにちがいありません。
 その日のそのときまで、吉田さんが京都に思い入れを持っていたり、京都に何度も足を運んでいたことなど、まったく知りもしませんでした。
 「じつは・・・」
 と言って、語ってくださったお話がとてもおもしろく、かつ、これはもしや吉田さんの創作の原点にあたる話なのでは、と思わずにはいられませんでした。
 それで、「ぜひ、"京都"を入り口にして、今のようなお話をまとめてください」とお願いしたのでした。
 吉田さんも、いつか書きたかったとおっしゃってくださり、『京都で考えた(仮)』が、こうして動き出しました。

 あれから6年――。
 すぐにでも書いてくださる感じがしていたのは、私が編集者として未熟であった証拠です。
 一冊の本ができるには、期の熟すのを待たねばならない。
 この基本を痛感すること数え知れず、ようやく、「期」が訪れたのです。
 この間、何度も打ち合わせことがちょうど熟成されたかたちとなって、当初想像していたのとは全く違う、けれど、ずっとずっと素敵なかたちとなって完成しました。
 6年間、かたちを持たなかった『京都で考えた(仮)』が、ついに『京都で考えた』という一冊になったのです。


<京都の本屋さんでは、京都限定帯が巻かれています。>

 いよいよ、です。
 今日より、京都の本屋さんで先行発売されます。
 先に本書を読んでくださった書店員さんからは、こんなお声をいただいております。
 

少し路地を入ったら、いつもと違う世界が広がっているような。吉田篤弘作品が京都から生まれていたかと思うと誇らしい。
【恵文社一乗寺店 鎌田裕樹さん】


いつかきっと思い出す。
この本を読んだ場所のこと。
この本と過ごした頃のこと。
そこに京都があったこと。
今日の自分を懐かしむ日が、ほんの少し待ち遠しい。
【丸善 京都本店 清村真帆さん】


吉田さんが京都で考えている。
ゆらゆら、ゆらゆら。その思考はあてどもなく、
いったいどこへゆこうとしているのだろう。
京都の碁盤の目の通りを漂って、
いつか、誰かのもとにたどりつくのかもしれない。
【大垣書店 イオンモールKYOTO店 辻 香月さん】

 

 先日、著者である吉田篤弘さんに本書の見本ができた直後に、ミニインタビューをおこないました。その模様を、次回、お伝えいたします。吉田篤弘さんが考える「考える」って?
 どうぞお楽しみに。


★発刊記念イベントのお知らせ

●吉田篤弘『京都で考えた』刊行記念イベント 於:恵文社一乗寺店

【出演】 吉田篤弘・吉田浩美(クラフト・エヴィング商會)
【日時】 10月17日(火)19:00start / 18:30open
【参加費】2000円
【会場】 恵文社一乗寺店内 COTTAGE(〒606-8184 京都市左京区一乗寺払殿町10)
【ご予約方法】 
  ウェブ予約フォーム or 恵文社店頭(075-711-5919)まで。


●代官山文学ナイト:クラフト・エヴィング商會トークショー「クラフト・エヴィング・ラジオ」 於:代官山 蔦屋書店

【出演】 吉田篤弘・吉田浩美(クラフト・エヴィング商會)
【日時】 11月2日(木)19:00start
【参加費】1,000円(トークイベントのみの参加費)
     または、
     2,500円(トークイベント+サイン会に参加できる『京都で考えた』付きの参加費)
【会場】 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
【ご予約方法】 
  店頭 (1号館1階人文フロアレジカウンター)
  お電話 (03-3770-2525)
  オンラインストア

 

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