2023年8月
ナナロク社
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『育児まんが日記 せかいはことば 』
齋藤さんの写真もいいけれど、イラストが味わい深くて、またいいのです。一人の子育て日記に留まらない、人と生きるとはどういうことかをおしえてくれる本です。
(ミシマ社サポーターさん)
2023.08.25
集英社文庫
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『類 』
ひと時代前のことを描くのに、色々な出来事や様子を調べて、それを反映させるのは当然ですが、言葉・言いまわしが大正〜昭和の文芸の世界の人はこうだったのかもと思わせるところが興味深かったです。
(ミシマ社サポーターさん)
2023.08.23
ミシマ社
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『ちゃぶ台Vol.5 「宗教×政治」号 』
生活や仕事のなかで、自分のしていることはよいことなのか、自分の目に映っているものは美しいものなのか、自分の食べているものはおいしいものなのか、いまひとつ信じられず、安心できない。そんな感覚がつみ重なって頭がこんがらがってしまい、頼りない気持ちになることが、たまにあります。強い理論や教義とはちがうかたちで、生きていくための背骨のようなものを持てたらなぁ。そう思っていた私の心に、釈徹宗先生の「信じているわけではないけれども、行う宗教。あるいは(...)感じる宗教」がある、という言葉がすーっと染み込みました。ぜひ、新刊『日本宗教のクセ』とあわせてお楽しみください。
2023.08.18
ミシマ社
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『すごい論語 』
語りをベースにして本づくりが進むとき、編集者として、その語りの現場にいて、語られる言葉の濃密さ、語り手の知識の深さ、当意即妙に展開していく流れ、などなどに圧倒されることがあります。なのですが、それが文字となり、原稿としてあらためて読むとき、その現場にいた自分が受け止められていたのは、そこで語られていたことのほんの一部だったことに気づいて、驚愕することになります。今月発売となった『日本宗教のクセ』も、そしてこの『すごい論語』も、そういうことが起こった本たちです。
2023.08.16
誠光社
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『喫茶店のディスクール 』
帯の言葉に「そうそう!」とうなずく一方、ポイントカードや電子決済をあまた導入している当店に突きつけられているようで、冷や汗をかいてしまう。
著者は喫茶店経営を35年続けてきた。これまでの失敗を振り返りながら、店と客のいい関係性を考える。店も客もお互いをナメてきた結果が、現代の消費社会ではないだろうか、と私には読める。自分の仕事を見つめ直すキッカケをくれる一冊。2023.08.12
夏葉社
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『移動図書館 ひまわり号 』
夏葉社の本は、その佇まいからして美しい。本書もそのうちの一冊だ。しかし、本書を読み進めるうちに、その印象はがらりと変わる。1965年、東京の日野市に移動図書館が誕生。著者の妥協を許さない取り組みは、その後の日本の公共図書館に大きな影響を与えた。
読み終えて、あらためて装丁を眺める。すると驚くことに、それまでの印象とは打って変わって、泥臭いイメージを喚起させるのだ。2023.08.09
筑摩書房
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『レトリックと詭弁 』
2022年10月、辺野古基地反対の座り込み抗議に対して、冷笑するような発言がSNSで繰り広げられた。テンプレートのような言葉と、詭弁によって。この一件に限らず、言葉がないがしろにされている場面は日常生活でも見られる。身を守るためには、まず「詭弁とは何か」を知らなければならないが、本書がその一冊にふさわしい。POPの言葉に多くの方が共感し、手に取っていただいている。当店のロングセラーになりつつある。
2023.08.07