
2024年5月
集英社新書
-
三宅 香帆
タイトルと「疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ」という帯文を見て手に取らずにはいられなかった一冊です。前半では明治〜現代までの「労働史×読書史」を振り返りつつ、「働いていると本が読めない」という現象は現代に限ったことなのかを追い、後半には「なぜ働いているとスマホゲームはできるのに本は読めなくなるのか」、さらには「スマホと本の違いは何か」という現代人が直面する問いに立ち向かい、最終的には現代の働き方、ライフスタイルにまでメスを入れた、壮大な一冊です。知的好奇心が刺激されるとともに、自分の生き方を見つめ直すことのできる、とても豊かな読書体験でした。
(ミシマ社 山田真生)
2024.05.29
光文社
-
三砂ちづる
"できると思うから、自然にできる" 頭上に80kgもの芋や水をのせて運ぶ。地図もあり、私の故郷広島の島も載っていた。3世代しらないことがつづくともうないことになる...のがしょうげきでした。これって原爆のこともそうだ・・・3世代しらないと、もう誰もわからないことになる。これって由々しきことかもしれない。「オッペンハイマー」映画をみた直後だったからか。あらゆる記憶、記録、身体、技法、生活がひきつがれることの価値を考えさせられました。
(ミシマ社サポーター 二井いりなさん)
2024.05.15
新潮社
-
益田ミリ
***祝・第28回 手塚治虫文化賞 短編賞受賞***
今は落ちついていて忘れそうになるけど、コロナで大変だった時期があったのだ、ということをマスクをつけた主人公が思い出させてくれる大切な一冊。涙なしには読めません。
(ミシマ社サポーター 伊良部恵美子さん)
2024.05.10
集英社
-
ファン・ボルム
ゴールデンウィークの連休中、私に素晴らしい休息の時間をくれた本です。
「ヒュナム洞書店」を立ち上げた店主の女性・ヨンジュと、店に集まってくる人びとを描いた小説。本の一節、映画、音楽、人の仕草、言葉のやりとり、コーヒーやお茶、生活習慣・・・心地よい細部に満ちた物語に包まれて、人生の大変さとおもしろさ、人の強さが、じわりじわりと伝わってきます。ふつうの人びとが、それぞれに深刻な悩みを抱え、生きていくことの難しさに晒されていること、そして、それでも勇気と真心を持ちつづければ、時間を前へと流していけることを、ゆっくりと教えてくれる本です。
ヒュナム洞の「ヒュ」は、漢字にすると「休」だそうです。羽を休める居場所をくれる一冊を、ぜひお手に取ってみてください。
(ミシマ社 角智春)
2024.05.01