明日の一冊

2019年2月

自殺会議朝日出版社

自殺会議

末井昭

自殺に関わった人たちが、自殺について語る本です。自殺されてしまった、自殺の名所で自殺者を止めてる、自殺しそうになった・・・など。それでもこの本が深刻一色に染まらないのは、家族の本でもあるからだと思いました。家族と自殺したひとの話をしたり、うつを発症したときに家族がちゃちゃ入れた・・・人生が一色に染まらないとか、家族がいてくれてありがたいことなんだ、とこの本を読みながらなんとなく考えました。

くまざわ書店武蔵小金井北口店[ミシマ社フェア開催中!] 中原高見

2019.02.15

小さなユリと夏葉社

小さなユリと

黒田三郎

酒びたりで、実生活では家族を振り回していたという詩人黒田三郎の、自己嫌悪と後悔から生まれた切なく美しい詩集。これは夢だ。黒田の、美しく甘い夢だろう。「詩に書かれているような場面や会話が実際にあったわけではない」と後年娘ユリは言ったという。そばにいた家族だのに、真っ直ぐ優しくできなかったという後悔がみせた夢。自分がここに居るということが耐えられなく恥ずかしくて、酒を飲まずにはいられなかった黒田。だから読んでいて胸掻きむしられ、涙が出てきて仕方がないのだ。

くまざわ書店武蔵小金井北口店[ミシマ社フェア開催中!] 小泉佳奈

2019.02.13

漂流女子朝日新聞出版社

漂流女子

中島かおり

子捨て、放置、虐待。悲しいニュースを目にした時、「ひどい母親だ」「ひとり親は自己責任」と切り捨ててどうしてそうなったのかを想像することをやめてはいけない。彼女たちがどんなに追い詰められ、ギリギリの状況で必死で生きているのか。にんしんSOS東京の中島かおりさんはそんな女性たちの話を深く、優しく聞き続ける。荒い海を漂う小舟が泊まる港のように。

くまざわ書店武蔵小金井北口店[ミシマ社フェア開催中!] 小泉佳奈

2019.02.11

ぼくのひまわりおじさん文屋

ぼくのひまわりおじさん

チャンキー松本/絵と物語、中島敏子/ルポ、半田真二/監修

東日本大震災発生後に「福島ひまわり里親プロジェクト」がスタートしました。でも、それよりずーっと前から、心をこめてひまわりを育てている人がいました。この絵本はみんなを笑顔にしてくれる「ひまわりおじさん」佐久間辰一さんの物語です。

(ミシマ社サポーター Hamiさん)

2019.02.08

ドーダの人、西郷隆盛中央公論新社

ドーダの人、西郷隆盛

鹿島茂

ドーダ学なるものがあるらしい。"ドーダとは自己愛に源を発するすべての表現行為である"というのが定義らしいが、このドーダを軸として日本の近代史を語るというのが本書です。NHK大河"西郷どん"の西郷隆盛のイメージががらがらと崩れていくのがある意味面白かったです。

(ミシマ社サポーター 金山忠司さん)

2019.02.06

好日日記 季節のように生きるPARCO出版

好日日記 季節のように生きる

森下典子

年齢とともに変化していく心や身体。お茶のけいこ中の気づきにも影響しています。変わりゆくもの、変わらないもの、どちらも大事だと教えてくれる本です。

(ミシマ社サポーター 平野美香さん)

2019.02.04

二重らせん講談社文庫

二重らせん

J.Dワトソン/著、江上不二夫/訳、中村 桂子/訳

科学は先人の仕事の上を進む。だが、ときに障壁を突破する瞬間が来る。著者らが1953年に提唱したDNAの二重らせん構造もそれに近い。本書は、科学の発見が静かな思考のみならず、剛腕からも生じることを教えてくれた。二重らせん構造の発見は、針金とブリキ板で組み上げた「ちからわざ」であった。長崎で85歳のワトソン博士に出会い、本書にサインをもらった。左手に万年筆を握ったワトソン博士はがっしりとして、その腕は太かった。

長崎大学病院病院長/『胎児のはなし』著者 増﨑英明先生

2019.02.01

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