気のはなし

第2回

『気のはなし』刊行記念 坂本美雨×若林理砂「先生、気のことが気になります!」(後編)

2022.04.05更新

 ミシマ社の2022年最初の1冊として1月に刊行された若林理砂さんの『気のはなし 科学と神秘のはざまを解く』。おかげさまで、「こんな気の本は初めて!」というたくさんの声をいただき、発売後すぐに増刷もかかりました。
 発刊直後の1月末、若林さんの長年の患者さんでもありご友人でもあるミュージシャンの坂本美雨さんをお迎えして、オンライン対談イベントを開催。
 歌と呼吸と気の関係、養生にどうやって気を活かすか、どうやって気を整えるのか、などなど、まさに「気になる気のはなし」が満載で、最後には美雨さんの愛猫サバちゃんもご登場となったイベントの一部を、前後編でお届けします!

前編はこちら
(構成 星野友里、田村洸史朗)

怒髪天をつくときの対処法

坂本 たまに、「カー」っとなって視界が狭くなるというか、頭の表面が物理的に熱くなるみたいな、「カーッとなる」って本当にあるんだ、というときがあるんです。なんかね、チリチリチリってなる。

220328-2.png左:若林理砂さん、右:坂本美雨さん

若林 怒髪天をつくってやつだよね(笑)

坂本 こうやって今みたいにしゃべってたりすると、わりとポヤポヤしていると思われるんですけど、本当に結構短気というか、血が上りやすいところがあって。

若林 あー、でも確かに、ご両親の性質考えたら、それはそうなんだよなあ。

坂本 本当?(笑)

若林 確かにそうだわ。面白いんですけど、そのときの気の巡りとは別に、遺伝的気質もあるのよ。親御さんやお子さんの身体も見せてもらうというのが、この仕事多いもんですから、場合によっては三世代見てたりとか。そうすると気質の遺伝ってあるんだなと。

坂本 うちも三世代お世話になっております。

若林 みなさん、 いわゆる肝気があがりやすい、逆上はしやすいですよね。

坂本 そういうとき、一番手っ取り早い方法は何ですか?

若林 もう、散歩に出かけてもらったりしますよね。

坂本 すぐできる。

若林 足のほうに気をおろしたいわけですよ。なので、歩くなり走るなりで下肢に血流を下げてもらうと結構うまくいくんです。なので、私は、たとえば家で夫と喧嘩したら、どっちかが家の外に出ることになっているんです。「もう知らない」とか言って部屋に籠ったりすると、逆に煮えてしまうんですよね。

坂本 煮えるともう悪い想像しかしないですもんね。

若林 煮えると破壊衝動とか出るから。家の中壊しちゃうじゃん。それダメじゃん。

坂本 私小さい時からハンガーとか投げてましたもんね。瞬時に本当に壊しちゃいけないものは判断するんですけど、ギリギリのもの。あまりダメージがないものでもおさまらないんですよ。枕とかじゃおさまんない。置き時計とか。

若林 なんかわかるよ。いくらか破壊されるものがいい(笑)

猫を吸うと邪気は落ちる!?

坂本 以前にある方に、たまに頭に血が上るみたいな時があるんですよという話をしたら、それは、人の念とか、邪気、嫉妬とかをキャッチして、それを自分の感情だと思い込んでいると言われたことがあって。そういう社会の気とか季節の気とか人の気もそうだろうけど、確かに受けやすいは受けやすい。

若林 それこそ音楽をやってらっしゃるし、芸術の人だから、そういう時代の空気感というのに共振しないといけないので、まあそういうもんだというふうに受け止めてもいいですよね。私ら治療家だと、それがあると逆に邪魔になるんですよ。私も小さい頃というか、前はよくあったんです。「もらっちゃう」というようなことが。なので頻繁に近所の氏神様に行ってお参りしてました。

坂本 やはり。

若林 宗教的装置としては一番身近にあって、ちゃんとお手入れされているところなら良い気も流れていて、結界が張ってあるから、そうすると鳥居をくぐれば雑多なものは落としてくれるという感覚があるので。あれもたぶん人の知恵みたいなもので、こういう手順を踏んで、こういう形にしておくと悪いものが入れないという仕組みなんだと思うんです。

坂本 うんうん。ノイズキャンセリング。その人が言ってくれたのが、気分を変える方法は、その人に合う何でもいいんだけれど、あなただったら猫を吸うとか、って。

若林 いいですね(笑)

坂本 私の中で猫を吸うというのがお参りと同じくらいの効果がある(笑)

若林 素晴らしい。強い猫への愛でたぶん全部飛びますね。サバちゃんと私の結界みたいな。いやあ何の話だっけ。

坂本 猫を吸うと邪気は落ちるというね。意外とそんなものだと思います。

220328-3.png

推しは本当に大事

坂本 そういう意味では、「推し」も神社みたいなものかもしれない。

若林 それは私、アイドルグループで、一応名前を全員わかっているのはSMAPで止まっている人で、こないだミシマ社の星野さんに笑われたところなんですよね。

坂本 あらあらあら。そうですか。私にも先生に教えられることがあった。

若林 娘さんと一緒にBTSにどハマりしてるんでしょう? やっぱりまわりでも「かっこいいかっこいい」って言ってる子たちが多いですよね。

坂本 それこそ神社みたいな存在というかね。推しは本当に大事。

若林 みなさん、健康になるために推しはあったほうがいいですね。各種沼があるじゃないですか。それで推し活をやっている間は気が整ってくるって。何かホルモンが出ている感じで発散ができて、明日から頑張ろうという気持ちになれる、それは大事なことだと思いますね。

坂本 はい。整うし巡るし。いいことしかない。

若林 アイドルって、そもそも偶像崇拝の偶像のことですからね。だからアイドルは神なんですよ。

坂本 そうですよ(笑)!

(終)

ミシマガ編集部
(みしまがへんしゅうぶ)

編集部からのお知らせ

若林理砂さん連続講座「気のはなし」期間限定販売中です!

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書籍『気のはなし』の元となった若林理砂先生による連続講座「気のはなし」、書籍化記念復刻としてアーカイブ販売をしております。書籍に入りきらなかった、あんな話やこんな話も語られていますので、よろしければぜひ!

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