しごとのわ通信しごとのわ通信

第4回

『僕でもできた!「おもしろい」を仕事にする』発刊しました!

2019.03.16更新

 ミシマ社では、不定期に全員参加の企画会議をしているのですが、その際の企画の採用基準はただ一つ。「おもしろい」かどうか。しかしながら、この「おもしろい」、考え始めるとなかなかに奥深い言葉です。

 昨日、レーベル「しごとのわ」から11冊目となる『僕でもできた!「おもしろい」を仕事にする』が発売となりました。

shoei_omoshiroi.jpg 『僕でもできた!「おもしろい」を仕事にする』チームしごとのわ(インプレス)

 著者の松本圭司さんは、自身の薄毛コンプレックスを大逆転させて、「薄毛を魅せる」をプロデュースする会社カルヴォを立ち上げ、肩書きとしても「美薄毛研究家」を名乗るという、少し聞いただけでおもしろ度数高めの印象の方。ですが、じつは数年前まで、「仕事がおもしろくない」と思いながらすごす普通のサラリーマンでした。

 そんな松本さんが本書で伝えるのは、まず、「おもしろい」の種を見つけるにはコツがあるということ。そしてそれをロジカルにひろげて、仕事にしていくことができるということ。つまり、「おもしろい」を仕事にするために、自分が「おもしろい人」である必要はないのです。

 以下に、本書の「はじめに」を掲載します。「なんだか毎日、おもしろくないなぁ」と感じている方、おもしろいアイディアは思い浮かぶけれど仕事につなげられていないという方、「おもしろい」が気になるすべての方に、ぜひ、読んでいただけたらと思います。

はじめに

 「どないしたん、その頭」
 いまから15年ほど前、昔そう親しくなかった女性からの友達申請に対して承認ボタンを押したばかりに、その当時の、少ない髪で頭皮を隠している私の写真が彼女のPCディスプレイに表示されました。それを見て彼女からこのメッセージが送られてきたのです。
 以来、私は薄毛問題に「ハマってしまった」のです。

 私はいま、ハゲ・薄毛に悩む男性のパーソナルプロデュースをする会社を経営しています。そう言うと、「なにそれ、おもしろいことしてるねぇ」と言ってもらうことがほとんどです。私自身、刺激に溢れる日々で、毎日「おもろいな〜」と思いながら働いています。
 でもほんの数年前まで、ほんっとうに普通の、「仕事がおもしろくない」と思いながら日々ダラダラと過ごしている、どこにでもいるようなサラリーマンでした。
 その突破口は、意外にも、薄毛コンプレックスにあったのです。

 もちろん、先述の事件が起こる前から、薄毛をコンプレックスと認識し、隠す・増やすという手段でなんとか乗り切ろうとしていました。この事件でそれまでしてきた努力の甲斐も虚しく、すっかり意気消沈する......どころか、いっそう育毛に励もうと決意をするわけですが、同時に、従来の、薄毛を隠す、髪を増やすではない方法で、このコンプレックス問題に決着をつけることができないだろうかと真剣に考えました。
 そして、古今東西のいわゆるカッコいいと言われる薄毛男性になにかしらの法則が存在するのではないかと考え、ひたすらグーグル画像検索で薄毛男性の画像を集め、髪の残し方をパターン化したり、目鼻口などの各パーツの間の距離を測ってみたりを繰り返してきました。
 現在、大阪大学と共同研究を行っていますが、薄毛に悩む男性で頭頂部に髪が残っている場合は、やみくもにスキンヘッドにするのではなく、ヘアスタイルを変えることによって、頭頂部から顎まで垂直におろした距離と、耳を除いた顔の最大幅の距離の比率を「1.5倍程度」にすることにより、他人からの印象がもっともよくなることを突き止めたのです。

 他にも、自分の悩みであった薄毛問題と向き合う中で、新しい気づきを得ては科学的根拠をとりに行くということを繰り返し、ついには前述の、ハゲ・薄毛に悩む男性のパーソナルプロデュースをする会社をつくるにいたったのです。

 あなたはいま、自分の仕事がおもしろいですか?
 就職サイトを運営するマイナビが、男女300人に行ったアンケートで、「仕事は楽しいですか?」という質問をしたところ、
  はい...51.8% / いいえ...48.2%
 という結果が出たそうです。たった300人を対象としたアンケートではありますが、おおよそ全体の半数近くの人たちは、仕事を楽しい、おもしろいとは思っていないようです。

 私自身、三洋電機で社会人生活をスタートし、その後、本田技研工業、ヤンマーと日系の大企業三社で22年間のサラリーマン生活を送った中で、「この仕事はおもしろい!」と思えていた期間は、おそらくトータルで5年もなかったのではないかと思います。
 海外営業から商品企画、米国での市場調査や人事まで、いろんな職種を経験してきましたが、残りの20年近くは、まったく仕事がおもしろいと思えないまま、満員電車に揺られてただ通勤するという日々でした。
 「仕事をおもしろいと思えないのは自分のせい」と思い、自分にはなにかが欠落しているのだろうかと真剣に悩んだものです。それに、まわりの人たちのほとんども、おもしろそうに仕事をしてはいませんでした。

 仕事を「おもしろい」と感じていなかったのはサラリーマンだったからであって、刺激の多い経営者になったからそれが変わったんじゃないか、と思われる人もいるかもしれません。
 たしかに独立起業した際に強く感じたのは、それまで経験してきた会社員とはそもそも必要とされるスキル・能力・思考法がまったく違うということでした。どちらがエラい、どちらが優れているということではなく、同じビジネスというフィールドにいながら、まったく違う競技をしているような、そんな感覚を味わったのです。
 私が会社員をしていた際、とくに事業戦略を立案するような仕事をしていたころは、いかにして競合企業に対して優位に立てるかということを主眼に環境分析を行い、打てる手立てを考えていました。一方、起業してからは、とにかくリソースが尽きてしまう前にトライアンドエラーを繰り返して、事業をものにするまで打席に立ち続ける、という発想に立つようになりました。
 そして両方をやってみてわかったことは、やはり「おもしろい」モノ・コトをやっている人こそが一番イキイキしているのであって、企業で勤務しているか、独立起業しているかは、それほど重要でないということです。
 そして、どうすれば、「おもしろい」を創れるのか、またその結果として「おもしろく」働けるのかについて考えてみたいと思うようになりました。

 考えているうちに気がつきました。誰かから言われたことを、ただやったり、引き継いだりするのではなく、自分で「おもしろい」アイディアを考え、自ら動いてなにかを始めている人たちこそが、人生を「おもしろい」ものにしている。ここまでは、ある意味、当たり前とも言えます。重要なのは、その「おもしろい」を見つけて仕事にするには、一定の法則があるのではないか、というところです。
 「おもしろい」アイディアを考えると言うと、「クリエイティブ」などの言葉を思い浮かべる人もいるかもしれません。
 実際に企画やアイディアの参考になるような本を書店に探しに行くと、そういったコーナーに置いてある本の著者は大手広告代理店(出身)のクリエイターばかり。CMや大きなイベントを手がけるような人たちは、そりゃあ個性的で、尖った人ばかりだから・・・と、以前は私も思っていました。

 でも、本書を読めば、「おもしろい」アイディアを生み出すのに、なにか特別な才能が必要なわけではないということを理解いただけると思います。
 現に私自身、いわゆる「クリエイター」と呼ばれるような職種を経験したことはありません。フツーのサラリーマンでも、大丈夫なんです。必要なのは、「おもしろい」タネを発見するコツと、それを広げていく視点、そして実際に行動することです。

 本書では、これからの時代の中で、企業等に所属する・しないにかかわらず、どのようにしておもしろいモノ・コトを見つけ、それを自分自身で展開していくかについて、できるだけわかりやすくお話ししていきます。
 最低でも1日の1/3の時間、人によっては1日の半分以上の時間を割く仕事。人生100年時代と言われるいま、おもしろく働くことは、健康寿命を延ばすことにも直結しているはずです。

 本書を最後までお読みいただくことが、「よし、おもしろいことにチャレンジしてみよう!」「誰もやっていないことに挑戦してみよう」と思い、行動に移していただけるきっかけになれば、筆者としてはこれ以上うれしいことはありません。

しごとのわ編集部

しごとのわ編集部
(しごとのわへんしゅうぶ)


「しごとのわ」とは?
仕事について考えるとき、成果や時間、お金を意識することがあっても、輪を意識することは少ないのではないでしょうか。小さい輪でも大きな輪でも構いません。会社や家庭、地域、過去と未来、わたしとあなた。切り離さなければ、輪はできます。仕事を考えるときそんな輪を大切にしたいという想いから、ミシマ社とインプレスの2つの出版社で起ち上げたレーベルです。

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