健康番長若林理砂先生のバッチコイ!

第2回

半年前から毎月風邪をひいています、ほか

2019.04.17更新

 新年度が始まり、生活のリズムが変わって苦労している人も多いかもしれません。今回のお悩みは、「半年前から毎月風邪をひいています」「ときどき全身に蕁麻疹が出ます」「もう春なのに、しもやけが治りません」の3つをお届けします!

その1 半年前から毎月風邪をひいています(熱乾タイプ、10代、女性)

nettsuu.jpg  小さい頃から寒暖差に体が弱くて、春・秋によく風邪を引いていました。忙しく動き回っているときは元気なのですが、休みの期間に入ると、とたんに熱が出て倒れてしまうというサイクルです。普段から生活習慣を乱さないように、7時間睡眠、3食、しっかりとるように気をつけています。なのになんで体調を崩してしまうんだろう? と不思議に思っています。この嫌なサイクルからはやく抜け出したいです。適度な休息のとり方を教えてください!

risasensei.jpg そうかー、熱乾体質ですか・・・この体質の方って、なかなか太れない人が多いのですよ。あなたのBMIいくつくらいかな? 18.5切ってたりとかしてないかな。少なくとも19以上欲しいのよ。どう? もし、BMIが低いようだったら、今食べている「しっかりとっている3食」は、全然足りていないってことなの。それと、体脂肪率はどう? 20%切ってたりしない? 測ったこともないとかではない? もしそうなら今度一度計ってみて。

 寒暖差に弱い人は、カラダの厚みが足らないことが多いのですよ。理由は簡単で、脂肪や筋肉の厚みはそれがそのまま外界の変化から体内を守るバリアの厚さになるからなの。家の外壁に入ってる断熱材の厚みみたいなものです。人間の体って物理なので、そういう厚みが足らないということは、体内が環境の変化に左右されやすくなって、頑張って体温をつくったり、水分を調整したりして体内環境の恒常性を維持しないとならない。そうすると、疲弊してくるんだな、カラダが。これにより、感染症にかかりやすい状態になる・・・と考えられるのです。だからまずは、BMIと体脂肪率、ここをチェックして。

 BMIが19以上、体脂肪率を20%以上で、その上で寒暖差に弱いとなると、自律神経の調整機能が悪いってことになる。定期的な運動していますか? それも、息が切れるくらいのヤツを。ウチに来ている患者さんたちに「運動していますか?」と聞くと、「1日に8000歩くらい歩いています」と仰る方が多いのですが、心拍数が上がるほどの運動となるとほとんどなさっていないのね。

 息が上がるほどの運動をすると、心拍・体温・発汗・呼吸その他全部一気にリミット近くまで使い切ることになるでしょ。普段そういうことって息が上がるほどの運動でもしなければなかなかないのだけれど、筋トレと同じようなものでね、カラダの調整能力も、使ってやらないと向上しないのよ。昔からよく喘息の子に運動させるでしょ。あれは自律神経の調整能力を鍛える意味合いがあるのですよ。一日に2分くらいでいいから、ぐわっと心拍数上げてみて頂戴。

 そして。最後がたぶん・・・自分でわかっていてもやめるのが一番難しい。熱乾タイプの人って、余計なことをずっと考えている人がとても多いの。脳みそが全部カロリー使っちゃうような感じね。地面が割れたり空が落ちてきたりしないし、起こってもいないことの可能性を片っ端から潰すために右往左往するのはやめようね! 

その2 ときどき全身に蕁麻疹が出ます(冷乾タイプ、20代、男性)

dosutoresusuki.jpg 2年に1回ほど、蕁麻疹に悩まされます。唐突に全身(手足がとくに)に蕁麻疹が世界地図のような感じでひろがり、かゆみを伴います。夕方~夜になるとひどくなり、寝づらい状態になります。1日だけの場合もあれば、数日続く場合もあり、最終的には自然に引いていきます。とくに直接の原因は思い当たらず、疲れが溜まっているときに出やすいかもしれない、くらいの感覚です。蕁麻疹をふせぐ、あるいは出たときにオススメの対処法はありますか?

risasensei.jpg 突発的な蕁麻疹ですね。これは、やはり自律神経系が弱っているときに、普段ならば特に問題がない刺激が加えられたのを体が勘違いして過剰反応を起こしたときになる症状です。寒冷蕁麻疹なんかがこれにあたるね。すごく疲れているときって普段はアレルギーが出ない人が食べ物にあたったりするとかあるでしょう? あれも、疲労しているときにカラダが過剰反応するのです。

 2年に1度くらいだと、トリガーになっているモノの特定も難しいね。冷乾タイプだと、基礎的な気力体力の不足があるとみなすので、その前提で考えようかな。東洋医学的な考え方だと、夜間にかゆみが増すタイプの皮膚症状は、「血」が関係するようなものに多いって考えます。お布団はいるとかゆくなるようなやつはまさにそれ。血液がうまくめぐらず、うっ滞によって熱がこもるようなイメージね。

 こういうとき、麻黄が飲めるタイプだと葛根湯でいけたりするんだよねえ。特に上半身に多く出るような場合ね。ただ、相談者さんがどの程度の体力なのかもわからないので、安易に葛根湯の服用で何とかなるとは言いにくいねえ。余り体力がなく、いろいろなことに過敏に反応するタイプだと自負なさっているようだったら、葛根湯はお勧めできないのです。こういう場合何使うかというと、子供に対して行うのと同じ方法が一番便利。身柱という経穴にペットボトル温灸しよう。

 ペットボトル温灸のやり方はここだね。

 身柱・・・首を前に倒して、一番飛び出てくる骨があるでしょ? そこから三つ下の骨の突起の直下にある経穴ね。骨の突起と突起の間を狙ってペットボトル温灸しましょう。まあ、適当にその辺にあたっていれば、だいたい効くよ。それがペットボトル温灸のいいところだから。あまり深く考えずに。

 で、だ。こういう理由のわからない蕁麻疹ってたいてい心理的なストレスが関係しているんだ。血がうっ滞するとき、気持ちが停滞してることが多いのです。だから次に、そういう状態に陥りそうなら、症状が出るもっとずっと前から香りのいいものを積極的に生活にとりこみつつ、軽い運動を使って血液をよく巡らせてやってね。それが蕁麻疹の予防になりますから。

その3 もう春なのに、しもやけが治りません。(冷乾タイプ、30代、女性)

samuke.jpg 高2の冬に突然しもやけができてから、ほぼ毎冬、悩まされています。足の指です。前日との気温の差が大きいと、指先がむずむずして、その日の終わりに必ずなります。いまの時期は、朝寒かったり、日中暖かくなったりするせいか、治りかけてたしもやけがこの数日で復活してきてしまいました。

risasensei.jpg また冷乾タイプさんからのご相談ですね。寒い時期から春の浅い季節、そして今年は特になんだか季節が大幅に行きつ戻りつするようなときはしもやけ、よく出そうだよねえ。高校2年の冬ってところに、42歳のおばちゃん鍼灸師はひっかかるのだよ。進路指導とかいろいろ始まって、ちょっとストレス大きくなるころよねえ。

 もとからの冷乾タイプなのかどうかが気になるところではあるのだけど、受験期や就職でからだの力を損なって、そのまま体質がおかしくなってしまった・・・というのは、よくあるパターンなのです。相談者さんはどっちかなあと私は考えるのだけど、しもやけって子供のほうができやすいのよ。理由は手足が小さくて薄くて、冷えやすいから。それが、高校2年の冬に突然と書かれているから、これはもともとの冷乾タイプじゃないのではないかと私は推測するわけです。

 ということで、30代女性になっても、まだその時のしもやけが出ているのなら・・・と私はいろいろ考えるのですけども。これもねえ、気滞瘀血なんだと思うんだよなあ。気持ちが滞って、血液の循環までおかしくなるやつね。なんか、ストレスとかない? そもそものことの始まりとして高校2年の冬に今現在まで続くような、ストレスのとても細い糸みたいなのって、ない? あればそれが原因なんだけどさ。

 そういうのがあるかどうか、とりあえず自問自答してもらったとして。こういう古いストレスって、自覚するだけでも十分解決したりするからそれだけでOKなのだけど。その上で、生活習慣として変えたほうがいいのは、甘いモノ・冷たいモノを摂取する量ね。春夏秋冬、どの季節でもできるだけ取らないほうがいい。特に秋冬は厳禁です。春夏でもごく少量じゃないと結構冷える感覚があると思うんだ。

 あとね、できるだけ肉類・魚類・卵などを取って。こういうのが足らないとカラダが暖かくならないの。そしてもちろん、BMIが19以上、体脂肪率を20%以上になってるかどうかも確認してね。ここは鉄板なのだよ、自律神経の調整がうまくいくかどうかに関して。自律神経の調整能力って、ヒトの体の中で意識しないでやってるの全部なのだよ。血圧も、脈拍も、体温も、発汗も、排尿排便消化・・・全部ね。なので、適度な厚みのボディは必須事項です。ちょっと確認してみてね。

りさ先生の先生 鍼灸の先生編②

 前回に引き続き、若林先生が師匠の足立先生や鍼灸の先生仲間たちと語り合う模様をお届けします。本日のテーマは「子育て」です。

 中学校のPTAの講演に行った若林先生に、「子どもに長時間のスマホ使用をやめさせるには、どうすればいいのか」との質問が。若林先生の答えは・・・?

若林 理砂

若林 理砂
(わかばやし・りさ)

臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。現在、新規患者の受け付けができないほどの人気治療室となっている。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラ。著書に『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』(ミシマ社)、『東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す44の養生訓』(原書房)、『安心ペットボトル温灸』『大人の女におやつはいらない』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』(廣済堂出版健康人新書)、『決定版 からだの教養12ヵ月――食とからだの養生訓』(晶文社)、など多数。

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