健康番長若林理砂先生のバッチコイ!

第4回

子育て中、細切れに起きてしまい疲れがとれません、ほか

2019.06.19更新

 梅雨入りして、体調のバランスが取りづらい季節ですね。今回のお悩みは、「子育て中、細切れに起きてしまい疲れがとれません」「毎日のヒゲ剃りでカミソリ負けします」「貧血と診断されました」の3つをお届けします!

その1 子育て中、細切れに起きてしまい疲れがとれません(熱乾タイプ、20代、女性)

ネブソンくん.jpg 昨年第一子を出産しました。今は子育てをしながら仕事をしているのですが、子どもがまだ小さいため、夜中によく起きてしまいます。眠すぎるので夜は子どもと一緒に21時ごろに寝ているのですが、細切れに起きるためしっかりと寝た感覚がなく、いまひとつ疲れがとれません。何か気をつけることがあれば教えてください!

りさ先生.jpg これはねえ、この時期はどうしようもないのよね。わたし自身もそうだったので、いろんな手段を使ってなんとかしていた思い出があります。東洋医学的にいうなら陰虚になるのが加速するので、熱乾タイプだととても辛いだろうなあと思います。わたしは割と湿気が多いタイプなのでなんとかなってきた感がありますね。

 まずは、日中どこかで仮眠がとれないかどうか。お昼休みに15分くらい睡眠が取れるとそれだけでもだいぶ違います。長いお昼寝は必要ないです。わたしは昼休みに治療室の床に転がって寝てたりしました。オフィスワーカーだと自席で少し寝られればいいんですけどねー。オフィスの自席で寝るの、ファーストクラス睡眠とか呼んでたね(笑)、誰かが。

 もう一つは、漢方薬に頼ること。わたしは、この時期は、

・補中益気湯
・六味丸

この二つは疲労が強くなると飲んでいました。わたしは、下腹部がヘニャヘニャしてなんとなく腰の反りが強くなってしまってお腹ぽっこりになるとか、ウェストラインくらいの腰を触るとひんやりしているのを飲み始める目安にしていました。これは脾虚・腎虚のサインなのねー。脾と腎がどっちもたらなくなると、だいたい疲弊した感じになるから、この二つを補うことでなんとか乗り切っていくことができるわけです。

 乾熱タイプだから、多分カッサカサしてきたりもするよね。これは食事で対応しておこう。乳製品とか卵がいいと思います。潤いを与えて気血を増すヤツです。バターとかチーズとかがいいかなー、牛乳そのものより。乾熱だから、ヨーグルトも適応するね。それと、植物性・動物性問わずに油脂も足らなくならないように注意してね。

 ペットボトル温灸する時間も惜しい感じだけど、失眠と湧泉だけはやってたなあ。気付いたときは三陰交と関元も。授乳中だったりすると、哺乳瓶用のお湯とか沸かしてあったりするでしょ。あのお湯を流用してたよ。ペットボトルがないときは哺乳瓶でペットボトル温灸をやったりしてました。すんごい大変な時期だけど、こんな風にしてわたしは乗り切ってきました。参考になれば!

その2 毎日のヒゲ剃りでカミソリ負けします。(熱乾タイプ、40代、男性)

ドストレススキー.jpg 毎朝シャワーのときにT字カミソリでヒゲを剃るのですが、カミソリ負けをしてぽつぽつと血を滲ませます。全体的にヒリヒリするわけではなく、いつもだいたい、負けるエリアは一緒です。あと、寝不足が続いたときはヒリヒリ感が増す感じもします。とはいえそんなに強く剃ってないのになあ。ヒゲは太目でしっかりしています。そのせいなのでしょうか?

りさ先生.jpg 熱乾タイプの男性の皮膚・・・あるあるですね、このお悩み! ええとですね、熱乾タイプの場合、皮膚の潤いが少ないわけなのですよ。こういう皮膚って、毛穴が閉じている場合が多くて、ちょっとだけ盛り上がってたりするんです。なので、カミソリでその部分を削ぎ取ってしまうので、ポツポツ血液が滲んでしまうんです。

 また、「寝不足が続いたときはヒリヒリ感が増す」というのは、陰気が足らなくなることと関係しています。そうすると、潤いが減っちゃうんですさらに。ついでに、皮膚を守る「衛気」というのも、睡眠不足が続くと減りますので、皮膚の防御力も低下してしまいます。結果、カミソリ負けがひどくなる・・・というわけです。

 これの対処方法・・・って、さっきの子育て中のお姉さんと同じ方法をとるのですよ! 結局のところ、陰虚が原因だからね。まあ、子育て中と違って、彼の場合はおそらく睡眠をとることで陰気が増やせるから、まずはそこを気をつけることでしょうか。その上で、毛穴の開閉の訓練をしてやったほうがいいかもしれません。バスタブしっかり入ってます? もし、毎晩シャワーだけで済ませているようだったら、ちゃんとバスタブにお湯を入れて浸かるようにしてください。そして、少し発汗するくらいまで入ってください。これを毎晩繰り返すと、皮膚が滑らかになってきます。

 もちろん、お風呂上りはちゃんと保湿してくださいね。純度の高いワセリンを少量伸ばしてやるといいです。あんまり男性、風呂上がりに保湿剤とか使わないですよね。肌のキメを整えるにはお風呂から出た直後に保湿するのが一番いいのですよ。そうすると、カミソリ負けしにくくなってきます。ただ、一旦荒れた皮膚が整うまではだいたい若い人で20日前後、40代だと45日前後かかるそうですから、その間しっかり保湿し続けないと綺麗な皮膚にならないですよ。この辺は、綺麗になりたい一心で肌の手入れをする女性と違って「めんどくさい」って思ってしまうかもしれないですね。そこは、忍耐です!

その3 貧血と診断されました。(冷乾タイプ、20代、女性)

サムケ.jpg 以前から「貧血っぽい症状」(めまい・立ちくらみがするなど)がありましたが、特に何の対策もしていませんでした(今は鉄剤を処方されて服用しています)。そもそも「貧血」という状態はどういうことなんでしょう? また「貧血」と診断されたら気をつけることはありますか?

りさ先生.jpg 貧血・・・血色素(ヘモグロビン)が足らない状態を指していうものです。ヘモグロビンって鉄が原料になってるので、鉄が足らないと鉄欠乏性貧血になるんだけども。ヘモグロビンは、赤血球の赤い色を作っているもので、酸素と結合して酸素を運ぶ働きを担っており、そのため貧血に陥ると動悸・息切れ・疲れやすいなどの症状が出るのです。

 で、だ。「貧血っぽい症状」とおっしゃっている諸症状は、ひょっとすると貧血とは全く関係がない可能性もあってね。よく、朝礼で倒れる子を「貧血起こした」って言ってたでしょ。あれは、貧血じゃなく「脳貧血」。正式名称は、起立性低血圧っていいます。血色素が薄いから起こるのではなくて、自律神経失調症が原因です。なんらかの原因で、自律神経の血圧調整能力が失調して、立ち続けることで下肢に血液が集まってしまって脳の方の血流が減少、昏倒するわけです。

 こうやってみてみると、「貧血」と「貧血っぽい症状」とでは、対処方法が違うのがわかると思います。本当に貧血なら、鉄剤を処方されていることで改善を見ると思います。ただし、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)という病気の場合、胃の中に含まれるキャッスルない因子と呼ばれる物質が分泌されておらず、これが原因で鉄分が吸収できずに貧血に陥ります。難病指定されている病気です。これはこれで別の治療を行う必要があります。

 そして、「貧血っぽい症状」の方ですが。これこそ養生で治ります。寝る・食う・動くを整えるだけで、ほぼほぼ完全に治ります。それと、冷乾タイプのようなので、体重をきちんと増やしてください。BMI18.5以下じゃダメですよー。これは、本当の貧血でも言えることで、きちんと食べて栄養をとっていないと、鉄剤をやめたらまた貧血になっちゃいます。食事から鉄分を補給するのが普通なので、肉や魚などをしっかりとっていることが貧血の一番大切な治療になるんですよ。そうそう、ひじきやほうれん草なんかより、赤身の肉や魚を定期的に摂取するほうがよほど効率よく鉄分をとることができますからね。ひじきなんか消化しないじゃない? しかも植物性だから吸収しても効率悪いのですよ。ほうれん草の鉄分もそうだけど、ヘム鉄と呼ばれる状態になっているものじゃないとそのまま体内では使えないの。なので、普通に肉や魚をとって欲しいのね。頑張って食べてねー!

りさ先生の先生 鍼灸の先生編④

 本日の「鍼灸の先生編」は、いよいよ最終回。今回のテーマは「働き方」です。
 休みの日もテンションを一定に保ち、「常にアイドリングがかかっている」状態を意識する若林先生と、「まめに休む」若林先生の師匠・足立先生。身体の達人たちも、疲れへの向き合い方は人それぞれのようです。

健康にまつわるお悩み募集中!!

本連載では、健康番長・若林理砂先生に相談したい健康にまつわるお悩みを募集しております。

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・性別(無しでもOKです)

を、hatena@mishimasha.com宛に、【件名:健康番長のお悩み】としてお寄せくださいませ。

若林 理砂

若林 理砂
(わかばやし・りさ)

臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。現在、新規患者の受け付けができないほどの人気治療室となっている。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラ。著書に『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』(ミシマ社)、『東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す44の養生訓』(原書房)、『安心ペットボトル温灸』『大人の女におやつはいらない』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』(廣済堂出版健康人新書)、『決定版 からだの教養12ヵ月――食とからだの養生訓』(晶文社)、など多数。

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