健康番長若林理砂先生のバッチコイ!

第15回

分子栄養学って、どうなんでしょう?

2020.06.29更新

アツガーリー.jpg 分子栄養学って先生的にはどう思われますか?前に副腎疲労ってないよ! 
って先生が仰っていたと記憶してますが、分子栄養学は副腎疲労は大前提で、足りない栄養素やたんぱく質をサプリやらプロテインなんかで補うっていう感じですよね。

わたしは、痩せ型で脾胃が弱いので、コツコツ運動・睡眠・食事で頑張ってます。なかなか太れず、疲れやすく、挫けそうになってると、分子栄養学勧められました。でも、どうなんだろ? と思ってます。

りさ先生.jpg ご質問ありがとうございました! これは、分子栄養学・・・実は二つあるんですね。
1.大学で研究されている「分子栄養学」
2.分子整合栄養学

の二つ。それでですね、ご質問者さんの勧められたものはおそらく、2の分子整合栄養学だと思います。これはオーソモレキュラーと呼ばれる栄養療法で、ビタミンCなどの大量投与を含むものです。私の患者さんでも、何人か受けていた人がいました。

一番の問題点は、高額の治療費が必要になるということでしょうか。正統派の西洋医学の中では、バランスが取れた普通の食事内容は、すべての必要な栄養素を含むのでサプリメントなどを摂取する必要はほぼない、というものです。

しかし、分子整合栄養学では、どんなものであれ食事内容は不完全であり、体には欠乏する栄養素があるので、細かく調べてサプリメントや点滴で補わなければならないとされます。ですので、非常にたくさんの種類のサプリメントを併用しつつ体調の改善をはかっていきます。

これがですなあ、サプリメント代だけでかなりの金額になるんですよ。それを聞いた私は、「その金額なら毎月すごくいい食事取れますけど・・・いわゆる無農薬無添加食材でも、それだけ用意できるなら買えますし。美味しいお肉とかお魚とかも」と伝えたんですね。

そうしたら、患者さんたちがハッとした顔をなさってですね。「本当だ。サプリメントよりも美味しいご飯の方がいいわ!」とおっしゃって、辞めたんです。

私は、「毎日の食事で栄養素は足りる」という立場をとっています。筋肉を増やす場合はプロテインを取ったほうが胃腸にかかる負担が少なくタンパク質摂取量を増やすことが可能ですけれど、それでも普通の食事も食べつつです。

現在の野菜には微量元素などが足らないのでサプリメントは絶対に必要とも分子整合栄養学では言われますが、日本型食生活のようにいろんな種類の食品を様々に食べていく食習慣なら特に心配することもありません。幅広く食べることで微量な元素が色々な食材から摂取できますのでね。この話の根拠として提示される、「昔の野菜の栄養素の方が高かった」という話は、今の測定技術と違う測定方法を使っていたので一概に比較することすらできないのです。

分子整合栄養学に支払う分のお金で美味しい食材を買う。これが私のおすすめする健康法です。

そして、それを喰う!さらに寝る!それから動く!! だから!養生最強です!

若林 理砂

若林 理砂
(わかばやし・りさ)

臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。現在、新規患者の受け付けができないほどの人気治療室となっている。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラ。著書に『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』(ミシマ社)、『東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す44の養生訓』(原書房)、『安心ペットボトル温灸』『大人の女におやつはいらない』(夜間飛行)、『その痛みやめまい、お天気のせいです――自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』(廣済堂出版健康人新書)、『決定版 からだの教養12ヵ月――食とからだの養生訓』(晶文社)、など多数。

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