白山米店の季節つれづれ

第10回

1月のお便り

2019.01.27更新

 松の内が明けた尾山台への買い物道には、大平農園の梅の花がほころび始めました。我家の裏庭の大きな梅の木は、昨年、強剪定されて今年の梅の香りはおあずけです。

 氏神様の小さな白山神社の階段脇には、房咲きの芯が黄色い水仙が、いつのまにか満開でこの種のものは、とてもいい香りがします。

 お正月の玄関は、松本でみつけた郷土玩具で首が上下にゆれる張子の亥と、友人宅でのお餅つきで作った柳につけた餅花でお迎えしました。今は、青いムスカリの鉢をおいています。水仙やヒヤシンスなど香りのいいものを、玄関におくとドアを開けたとたんにリラックスでき、いい気が入り良い年となりそうです。

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新年に使い始める

 以前、散歩中にみつけた、お座敷箒が静かで使い勝手良く、武蔵小山アーケードを抜けた旧中原街道の松本商店へ。昭和2年創業、現在は3代目の娘さんご夫婦が継がれて自ら箒草を育て、手造された箒を手にできる幸せ。もう1本は畳用にとそろえました。

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野菜は50℃洗い

 冬野菜が寒さに耐え、とても甘くなっています。年末に目黒通り沿いの農家で、秋の品評会で銀賞をいただいたオレンジ白菜を手に入れました。

 外側は鍋や炒め物にして、味のつまった内側を塩漬けにしたら、オレンジ白菜が黄金色に輝き、夕焼けをあびたおめでたい白菜漬けになりました。

 この時期水仕事は冷たくて大変です。今は、お湯(50℃)で野菜を洗った方が、つや良くシャキッとします。ただ、米研ぎだけは水でないと美味しく炊けません。冬は空気が乾燥して、気温が低いので、冷めたごはんが食べやすいように水加減は多めにしています。

閉店と大切にしたいもの

 昨年、本家の目黒区八雲にあった、宮前精米店が85年の営業を終えました。何かと頼りにさせていただいた本家の店締いは、夫も私も不意のことでショックでした。私たちもいつかそんな決断をする日が来るのを実感しました。

 自由が丘は2、3年で閉店の変動が多い中、35年続くご近所のシャンブレイが、今月いっぱいでネットの販売だけにすると聞きました。お洒落で何をたずねても詳しいご主人と話せないのは淋しくなります。

 一昨年、大好きだったバターフィールドがなくなった時は落込みました。35年前に私が嫁いだ時からありました。内装は古き良きアメリカ風、一度も改装なしで、お掃除がゆきとどいた唯一無二のものでした。

 初めて食べた生(なま)のホウレン草のサラダは、衝撃的でした。うすいうすいピザも、生のフルーツを絞ったジュースも、ドーナツも最高に美味しかった。

 普段私が心地良いと感じる街の風景、散歩道の畑、樹木、建物は、大切な「地域風景資産」とわかりました。自由が丘3丁目オオカミ博士のお屋敷の存続を願い「平岩米吉邸(白日荘)を大切に思う住民の会」として、目黒区長へお願いの著名運動をしています。

 近年、自由が丘は、街の緑化計画と大きな植木鉢を設置して、緑がふえました。雑貨も、お菓子も、昔オオカミが飼われていたお屋敷もある商業地は魅力的です。足元の宝物に、気づいていただくこと願います。

今月の食卓

さて今回のお料理は、30年来作りつづけている2品です。

1. バターフィールドへのオマージュを込めたホウレン草とベーコンとクルミのサラダ
2. バレンタインに向けた ココアで作るブラウニー


2019年版 大好きなホウレン草とベーコンとクルミのサラダ(2〜3人分)

材料 

・ホウレン草 1束(200gくらい)

・ベーコン 厚切り8mmくらいに切る、60g
・クルミ 粗いみじん切り、大さじ2
・ニンニク 粗いみじん切り、2個分
・玉ネギ 粗いみじん切り、大さじ2

・オリーブオイル 大さじ1と2分の1
・酢 大さじ1
・粗塩 小さじ2分の1弱
・黒胡椒 適量

作り方

1. ホウレン草は、根元に十文字の切り込みを入れ、洗う。4~5cm長さに切り、根元の方と葉に分けておく。
2. 大きめのフライパンに、オリーブオイルとベーコン、ニンニクを入れてこんがり焼き、ベーコンとニンニクは取り出しておく。
3. フライパンに残ったオイルに酢、粗塩、胡椒を入れ、まずホウレン草の根元の方をさっと炒め、次に葉を入れ火を止めて、余熱でホウレン草にまんべんなくドレッシングをからめる。
4. お皿に盛り、ベーコン、ニンニク、クルミをのせる。

〈白山米店お母さんより〉

インフルエンザが流行っているのでスタミナがつくように、ニンニクとクルミをたしてさらに美味しくしました。お皿も準備しておき段取りよくしましょう。

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バレンタインにぴったりの どんどん加えて混ぜるだけココアで作るブラウニー( 20cm角型)

材料

A(合わせてふるっておく)
・薄力粉 75g
・ココア 30g
・ベーキングパウダー 小さじ1

・砂糖  120g
・卵(大きめ)  2個
・サラダオイル 80cc
・ラム酒 大さじ2

・前日にラム酒につけたプラム又はイチジク 9~12個

・炒りクルミ 粗く切る、20g
・乾燥クランベリー 20g

※ 型にオーブンシートを敷いておく

作り方

1. ボールに、卵と砂糖を入れ、泡立器で少しもったりするまで、よく泡立てる。
2. サラダオイルを加え、泡立器でよく混ぜ合わせる。粉類を加え混ぜ、ラム酒も加えて混ぜる。
3. 型に流し入れ、均等にラム酒漬けのフルーツをおき、クルミとクランベリーをちらす。
4. 予熱したオーブンで25分焼き、楊枝をさして生地がついてなければ取り出す。生地がついていたらもう少し焼く。

 ※オーブンの種類と温度
 電気オーブンの場合:200℃で予熱後、焼く時は、180℃で25分
 ガスオーブンの場合:170℃で予熱後、焼く時は、170℃25分

5. 荒熱が取れたら、きれいな大きいビニール袋にタオルを敷き、上にのせ、袋の口をとめる。できれば、翌日までそのままおくか、袋の中の水蒸気がなくなるまでおく。

〈白山米店お母さんより〉

 翌日まで袋に入れることでしっとりします。お子様にはラム酒の量を減らしてください。娘が幼稚園の時にお誕生日会のおやつになりました。

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白山米店お母さん

白山米店お母さん
(はくさんこめてんおかあさん)

自由が丘、白山(はくさん)通りに60年近く前からあるお米屋さん「白山米店」。1996年よりお弁当の販売を開始。毎週水曜日のみ、おかあさん手作りのおいしいお弁当が食べられます。愛情たくさんのおかずと、お米屋さんならではのおいしいお米で地元ファンが通う人気店のお母さん。著書『自由が丘3丁目 白山米店のやさしいごはん』(ミシマ社)。

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