ヤレ紙プロジェクト! 〜プロローグ〜

第2回

ヤレ紙プロジェクト! 〜プロローグ〜

2018.07.07更新

0707-1.png

 こんにちは。ミシマンです。いきなり本題に入りますが、今回からこのコーナーで、商品開発がはじまります! その名も・・・「ヤレ紙プロジェクト!」

 「ヤレ紙」って何? 「商品開発」ってどういうこと??

 本格的にプロジェクトの詳細をお伝えするのはもう少し先になりそうですが、初回の今日は、そもそもなぜこのプロジェクトが始まったのか、その導入部分をお伝えします。

すべては岡社長のひとことからはじまった

 当コーナーの第1回でとりあげた、「ミシマ社サポーター制度」。読者のみなさまに「ミシマ社サポーター」になっていただき、私たちの出版活動全般をご支援いただくというものです。この中で「印刷サポーター」として私たちを応援してくださっているのが、大阪にある印刷会社・あさひ高速印刷さんです。今年度のサポーターさんに毎回お送りしている「サポーター新聞」も、あさひ高速印刷さんが無償で印刷を請け負ってくださっています(詳しい経緯はぜひ、代表・三島の『失われた感覚を求めて 地方で出版社をするということ』をお読みください)。

 このあさひ高速印刷さんの岡社長がとってもユニークな方で、クライアントさんから受けるお仕事とは関係なく、「何か新しいことはできないか」と日々、様々な印刷の実験や研究をされています。

「だっておもろいことしたいやないですか」

 あるとき岡社長がぽろっとこぼしたひとことが、とっても印象的でした。  

0707-2.jpg

先日のミーティングでも、ノートやメモ帳の試作品や、「研究資料」をたくさん見せてくれました。

 そんな岡社長と、同じくサポーター新聞制作でお世話になっている、スタッフの小野さんとごはんを食べに行ったときのこと。この日も、いま試している印刷についての話で盛り上がりました。そのときに岡社長がこう言ったのです。

「ヤレ紙でなんかできひんかなあと思って」

「ヤレ紙」ってなに?

 本を作るとき、印刷所では、文字が載る場所や色合いなどをチェックするために、本番前にテスト印刷をします。そのときに出る紙が「ヤレ紙」です。たとえ本番と同じ内容が印刷されていたとしても、あくまでも、テストサンプル。通常、これらの紙はすべて捨ててしまいます。

 ここで話は少しズレるのですが、ときどき、おしゃれなお店とかで、買ったものを英字新聞で包んでくれることがありますよね? ロフトのラッピングコーナーにも、あえて英字新聞風の包装紙が売っていたり・・・。岡社長曰く、「あれ逆にダサないですか? スポーツ新聞でもええやんって。」この話の流れで出てきたのが、先の「ヤレ紙」発言でした。

「それおもろいっすね~!なんかやりましょう!」

 代表三島の目が光ったのを、ミシマンは見逃しませんでした。

いままでにないプロジェクト!

 ちょうど手売りブックスシリーズの制作を終えたばかりの時期でした。何を作るかも決まっていないけれど、即廃棄が運命のヤレ紙です。とりあえず「材料」を死守せねば! 印刷を担当してくださったシナノ印刷株式会社の河合さんへ、あわてて連絡をしました(シナノ印刷さんは、ほかにもたくさんミシマ社の本を印刷してくださっています)。

 この記事を書いている現在、印刷の現場でヤレ紙を保管していただいているのですが、「基本、(ヤレ紙は)残すつもりで動いてない」「リサイクルする発想はない」とのことで、河合さん、現場の方とのやりとりが、なかなか難航中。

 果たしてヤレ紙は無事、確保できたのか?!(次回につづく!!)

0707-3.jpg

「手売りブックスシリーズの」表紙には、通常書籍には使わない特殊な紙を使っています。
岡社長とスタッフの小野さんも興味津々。

ミシマ社仕掛け屋チーム

ミシマ社仕掛け屋チーム
(みしましゃしかけやちーむ)

 

おすすめの記事

編集部が厳選した、今オススメの記事をご紹介!!

  • 『中学生から知りたいパレスチナのこと』を発刊します

    『中学生から知りたいパレスチナのこと』を発刊します

    ミシマガ編集部

    発刊に際し、岡真理さんによる「はじめに」を全文公開いたします。この本が、中学生から大人まであらゆる方にとって、パレスチナ問題の根源にある植民地主義とレイシズムが私たちの日常のなかで続いていることをもういちど知り、歴史に出会い直すきっかけとなりましたら幸いです。

  • 仲野徹×若林理砂 

    仲野徹×若林理砂 "ほどほどの健康"でご機嫌に暮らそう

    ミシマガ編集部

    5月刊『謎の症状――心身の不思議を東洋医学からみると?』著者の若林理砂先生と、3月刊『仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!』著者の仲野徹先生。それぞれ医学のプロフェッショナルでありながら、アプローチをまったく異にするお二人による爆笑の対談を、復活記事としてお届けします!

  • 戦争のさなかに踊ること─ヘミングウェイ『蝶々と戦車』

    戦争のさなかに踊ること─ヘミングウェイ『蝶々と戦車』

    下西風澄

     海の向こうで戦争が起きている。  インターネットはドローンの爆撃を手のひらに映し、避難する難民たちを羊の群れのように俯瞰する。

  • この世がでっかい競馬場すぎる

    この世がでっかい競馬場すぎる

    佐藤ゆき乃

     この世がでっかい競馬場すぎる。もう本当に早くここから出たい。  脳のキャパシティが小さい、寝つきが悪い、友だちも少ない、貧乏、口下手、花粉症、知覚過敏、さらには性格が暗いなどの理由で、自分の場合はけっこう頻繁に…

この記事のバックナンバー

12月06日
第17回 2024年度ミシマ社サポーター募集中! ミシマ社仕掛け屋チーム
12月01日
第16回 2023年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ ミシマ社仕掛け屋チーム
12月03日
第15回 2022年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ ミシマ社仕掛け屋チーム
05月23日
第14回 ミシマ社の一筆せんをつくろう! 番外編 ミシマ社仕掛け屋チーム
05月23日
第13回 ミシマ社の一筆せんをつくろう! その3 ミシマ社仕掛け屋チーム
03月10日
第12回 ミシマ社の一筆せんをつくろう! その2 ミシマ社仕掛け屋チーム
03月04日
第11回 ミシマ社の一筆せんをつくろう! その1 ミシマ社仕掛け屋チーム
12月10日
第10回 2021年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ ミシマ社仕掛け屋チーム
07月01日
第9回 会社サポーター募集のお知らせ ミシマ社仕掛け屋チーム
12月01日
第8回 2020年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ ミシマ社仕掛け屋チーム
05月02日
第7回 2019年度ミシマ社サポーター、まだまだ募集しています! ミシマ社仕掛け屋チーム
01月26日
第6回 ヤレ紙プロジェクト! 〜最終回〜 ミシマ社仕掛け屋チーム
01月04日
第5回 2019年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ(2) ミシマ社仕掛け屋チーム
01月03日
第5回 2019年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ(1) ミシマ社仕掛け屋チーム
11月25日
第4回 ヤレ紙プロジェクト! ~第2回「使えない」の中に~ ミシマ社仕掛け屋チーム
08月17日
第3回 ヤレ紙プロジェクト! 〜第1回〜 ミシマ社仕掛け屋チーム
07月07日
第2回 ヤレ紙プロジェクト! 〜プロローグ〜 ミシマ社仕掛け屋チーム
04月19日
第1回 ミシマ社サポーター募集!(2) ミシマ社仕掛け屋チーム
04月18日
第1回 ミシマ社サポーター募集!(1) ミシマ社仕掛け屋チーム
ページトップへ