本屋さんはじめました

第14回

Jeans Shop LOKKI(北海道・小樽市)

2022.09.22更新

 北海道小樽の昭和な面影が残る梁川通りにある、お洋服、雑貨、食品などを売る「JeansShop LOKKI」の平山と申します。

 祖父母が戦後、米軍払下げの衣料品店、「日米商会」をこの地で始め、父母の代にジーンズと作業服販売に拡げ、店名を新たに私が受け継いだ古くからある店舗です。

20220921_131335.jpg
 自宅兼店舗であるこの場所で生まれ育った故、この町や通りへの愛着は半端なく、ここでのささやかな楽しみを模索する日々を送っています。ご近所の素敵な古い空き店舗を活用して地域の人達や仲間と、美術展、映画祭、ライブ、バザールなどわいわいやりながら暮らしております。

20220921_130337.jpg
 港町小樽の朝は、カラスより早くカモメの鳴き声が聞こえます。お店から港へは歩いて行ける距離で、海の香りや霧笛が届きます。

 そんな港町小樽に因んだ店名の「Jeans ShopLOKKI」(フィンランド語でカモメ)は
今年で15年を迎えました。

 お洋服屋さんなのになぜ本屋さん?
とたまに聞かれます。

 子供の頃から本の虫だった私の夢は本屋さんになることでした。本に囲まれ、お客様と好きな本の話をするお店を持つ夢を忘れられなくて、お店の10周年を記念して本の取扱いを始めました。

 日米商会創業当時からある事務机などを再利用し、お気に入りの本を並べました。
店内の「書籍コーナー」では何だが物足りないので「鴎書店」という店名もつけてみました。気分は書店店主ですが、日本一小さな本屋かもしれないですね。

20220921_134611.jpg


 うちのお店にあるお洋服や雑貨などに、流行のものや高級品はありません。
私と夫が暮らしの中で何となくいいなぁ、とか、よく見るとトガってるなぁ!と思うもの、周りと同じじゃないものを選び、取り揃えております。
 自分の好きなもの、好きなことを自由に選んで、楽しく逞しく暮らしていける生活のお手伝いが出来るようなお店にしたいなと日頃思っているので、本を仕入れる時もオリジナリティの強い拘った本が多くなります。

 私には、いつか旅をしながら訪れたいなと妄想している憧れの本屋さんが、全国にたくさんあります。そんな本屋さん達がSNS等でおすすめしている本には「ミシマ社」の本がとても多いんです。
 平川克美著「共有地をつくる」
 「ちゃぶ台9」特集:書店、再び共有地
 ミシマ社編 「THE BOOKS」などなど...。

 小さな町で書店やお店が「共有地」という役割を持つ。私の理想のお店作りがここにありました。生まれ育ったこの場所で自分たちの居場所を自分たちで作り、そこでささやかな出会いが生まれ、人々との暮らしが少しでも豊かになる。そんな「共有地」でありたいと思います。

20220921_131550.jpg
 オープン以来15年、お客様がたくさん来るお店ではないですが、ここで出会い、繋がり、広がっていった出来事が色々ありました。

 お店を持ち、今まで知らなかった分野や世界を知ることは、読書と一緒で本当にワクワクします。
 片寄ったセレクトかもしれない書籍を通してこの町の共有地となり、面白い人々と知り合える。
 もちろん15年、大変な事もたくさんあり未だ経営的には軌道に乗っているとは言えないお店ですが、自営業満更でもないよ!やっぱり本屋さんは楽しいよ!と思う毎日です。

 小樽の海風も朝晩は寒いなと感じる季節になってきました。秋になると開催される「おたるBook Art Week」に今年も参加させていただきます。
小樽市内の14店舗が「本」をテーマにしたアート作品を展示します。
Jeansshop LOKKIは "Black vs Black "というタイトルで小樽の素敵なお花屋さん「クチル花店」さんとコラボレーション(黒い本と黒い花を展示)。さらに小樽のイラストレーターsaru1さんのアート作品~本になった子も展示します。
小樽の古き街並みを散策しながら、是非会場巡りを楽しんで下さい。

20220921_131123.jpg

Jeans Shop LOKKI
場所:〒047-0032 北海道小樽市稲穂4丁目5−18
アクセス:小樽駅徒歩7分

営業時間:10:00~19:00
定休日:木曜

ミシマガ編集部
(みしまがへんしゅうぶ)

おすすめの記事

編集部が厳選した、今オススメの記事をご紹介!!

  • 仲野徹×若林理砂 

    仲野徹×若林理砂 "ほどほどの健康"でご機嫌に暮らそう

    ミシマガ編集部

    5月刊『謎の症状――心身の不思議を東洋医学からみると?』著者の若林理砂先生と、3月刊『仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!』著者の仲野徹先生。それぞれ医学のプロフェッショナルでありながら、アプローチをまったく異にするお二人による爆笑の対談を、復活記事としてお届けします!

  • 戦争のさなかに踊ること─ヘミングウェイ『蝶々と戦車』

    戦争のさなかに踊ること─ヘミングウェイ『蝶々と戦車』

    下西風澄

     海の向こうで戦争が起きている。  インターネットはドローンの爆撃を手のひらに映し、避難する難民たちを羊の群れのように俯瞰する。

  • この世がでっかい競馬場すぎる

    この世がでっかい競馬場すぎる

    佐藤ゆき乃

     この世がでっかい競馬場すぎる。もう本当に早くここから出たい。  脳のキャパシティが小さい、寝つきが悪い、友だちも少ない、貧乏、口下手、花粉症、知覚過敏、さらには性格が暗いなどの理由で、自分の場合はけっこう頻繁に…

  • 新しい「普通」を一個増やす

    新しい「普通」を一個増やす

    朴東燮

    みなさま、はじめまして。朴東燮(バクドンソップ)と申します。 僕は韓国の釜山(ブサン)生まれ育ちで、いまも釜山の日光(イルグァン)という街に住んでいる、 生粋の釜山人です。

この記事のバックナンバー

06月14日
第19回 本屋 象の旅(横浜) ミシマガ編集部
01月22日
第18回 Punto 本と珈琲(千葉・千葉市稲毛区) ミシマガ編集部
12月18日
第17回 OLD FACTORY BOOKS(和歌山・海南市) ミシマガ編集部
12月04日
第16回 百年の二度寝(東京・江古田) ミシマガ編集部
11月25日
第15回 自分の物語を生きるには「言葉」が必要だ ――BOOKSライデン(長崎) ミシマガ編集部
09月22日
第14回 Jeans Shop LOKKI(北海道・小樽市) ミシマガ編集部
08月16日
第13回 ハタハタショボウ(吉祥寺/西荻窪/糸島) ミシマガ編集部
04月03日
第12回 本屋ともひさし(京都市烏丸六条) ミシマガ編集部
03月13日
第11回 子どもの本屋ぽてと(大阪) ミシマガ編集部
02月08日
第10回 本と羊(福岡・六本松) ミシマガ編集部
12月04日
第9回 COYAMA(川崎) ミシマガ編集部
11月16日
第8回 句読点(出雲) ミシマガ編集部
10月14日
第7回 Finefine(岡山・総社) ミシマガ編集部
08月26日
第6回 考えるパンKOPPE(氷見) ミシマガ編集部
02月20日
第5回 「本」のお店スタントン ミシマガ編集部
03月16日
第4回 高久書店(静岡) ミシマガ編集部
12月09日
第3回 わおん書房(福井) ミシマガ編集部
09月16日
第2回 toi books(大阪) ミシマガ編集部
06月22日
第1回 本屋と活版印刷所(天草) ミシマガ編集部
ページトップへ