ミシマ社サポーター名鑑

第17回

神奈川の挟間さん

2022.11.26更新

 数年前のある日、「匂わせ行脚」というタイトルのメールが届きました。「なんだろう?」と思ってひらくと、それはサポーターさんからの旅レポート。ミシマ社とお取引がある本屋さんに行ったり、フェアを開催しているカフェでお茶したり、歴史好きな方なので、時にはお城巡りや古美術鑑賞も。そんな旅のお供は、ミシマ社エコバックです。表に大きく入った顔マークのような、あのミシマ社ロゴをさりげなくアピールして歩いてくださっているので、「匂わせ行脚」というわけです。コロナで遠出する機会もすっかり減ってしまった今日この頃ですが、いただいたメールを読むたびに、旅の計画を立てている時の、あのワクワクした気持ちを思い出させてくれます。次のお休み、みなさまはどんなところへ行きたいですか?

サポーターNo.639 挟間真美さん(神奈川)

 「自称営業職の50代の女が」で始まる話。

 と聞いたら、続きはどうなると思いますか。そもそも、「自称」という時点ですでにアヤシイ香り・・・。

 私はミシマ社の自称・営業部の挟間真美と申します。(実際は一介のサポーター)。
 営業の業務は好きな時に好きなようにあちこちを歩き、気に入ったカフェがあれば入り、お目当ての展覧会があれば鑑賞し。唯一の条件は、"ミシマ社特製エコバックを提げること"。これを私は「匂わせ行脚」と名付けています。

 思い返せば5年前、本屋さんで『うしろめたさの人類学』という題名が目に入ったのがミシマ社との出会い。「うしろめたい」と「人類学」を繋げる発想が面白いなと思ったのが、この本を手にとってみた理由です。やがて様々な出版物・発信に触れ、3年前からサポーターとなりました。

IMG_9874のコピー.JPG

 良いなと思ったものは周りの人に勧めるタイプなのですが、広く宣伝したくなったことから始めたのが「匂わせ行脚」。「匂わせ」というのは、たとえばSNSで「お誕生日だから素敵なレストランでディナー」とか言っちゃって、写真にグラスが2つ映りこんで(映りこませて)いることから、誰かと一緒だったことを匂わせる、あれです。さり気なく、主張する。ミシマ社バックを見せて出歩くことで「ミシマ社っておもしろいのよ」と匂わせる。初めはなぜか恥ずかしくて、バックの裏面を見せていました。はい。ミシマ社バックの裏面は何も書いてありません。この行動に無理に理屈をつけるなら、着物の裏地に凝る心境に通じるかもしれません。ミシマ社バックを見た人から、「私もサポーターです」とか「ミシマ社って何ですか」とか、声をかけてくださる方が現れて会話が始まるかしらと思っていたのですが、なかなかそういう機会には恵まれません。

お城石碑.jpg

 そういえば、自称しているものはもう一つありまして、自称・歴女です。NHK大河ドラマは小学校低学年の頃でしたか「樅の木は残った」が一番古い記憶。その頃、家の襖を開けたてして"兵部さまのお屋敷ごっこ"を兄とやったものです。小学校の中学年で「国盗り物語」が放送され、司馬遼太郎さんの原作が家にあったので読みました。ハードカバーの厚い本で、上下2段組だったでしょうか、大人向けの本を読んだ誇らしさのようなものを感じたのを覚えています。

 行脚に話を戻して。これまでに"営業"した場所は熱海のMOA美術館や京都の京都府立植物園などなど。最近では名古屋城・犬山城・安土城跡・福知山城をめぐり、石垣萌えの私は大満足でした。出かけた先でクリアファイルや絵葉書を求めてくるのがマイブーム。

クリアファイル.jpg

 今では堂々と表面(ミシマ社の文字とミシマンの顔デザイン)を見せていますが、漁業も魚群探知機で漁場を絞り込む時代。「匂わせ」の趣旨を考えると、本好きの人が多そうなところにピンポイントで乗り込むのも良いのではと思いつつ、次のお出かけ先を考えています。

 これからも越後のちりめん問屋の隠居の気分で、でも世直しなどということでは無く、さり気なく、あくまでもさり気なく見せて歩こうと思っています。ミシマ社特製バックをさげて石垣を見て嬉しそうにしている人がいたら、私かもしれません。お声かけお待ちしています。合言葉は「匂わせ行脚」。

挟間さんのコピー.jpeg

ミシマガ編集部より。ミシマ社エコバックが気になった方は→こちらへ!

ミシマ社+ミシマ社サポーター
(みしましゃ+みしましゃさぽーたー)

編集部からのお知らせ

来月(2022年12月)より、2023年度ミシマ社サポーターの募集がはじまります。お申し込み方法については、来月のミシマガにてくわしくご案内いたします。サポーター制度の活動については、ぜひこちらの過去のレポートもあわせてご覧くださいませ。

2022年度ミシマ社サポーター募集のお知らせ

おすすめの記事

編集部が厳選した、今オススメの記事をご紹介!!

  • 斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある

    斎藤真理子さんインタビュー「韓国文学の中心と周辺にある"声"のはなし」前編

    ミシマガ編集部

    ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞により、ますます世界的注目を集める韓国文学。その味わい方について、第一線の翻訳者である斎藤真理子さんに教えていただくインタビューをお届けします! キーワードは「声=ソリ」。韓国語と声のおもしろいつながりとは? 私たちが誰かの声を「聞こえない」「うるさい」と思うとき何が起きている? 韓国文学をこれから読みはじめる方も、愛読している方も、ぜひどうぞ。

  • 絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    絵本編集者、担当作品本気レビュー⑤「夢を推奨しない絵本編集者が夢の絵本を作るまで」

    筒井大介・ミシマガ編集部

    2024年11月18日、イラストレーターの三好愛さんによる初の絵本『ゆめがきました』をミシマ社より刊行しました。編集は、筒井大介さん、装丁は大島依提亜さんに担当いただきました。恒例となりつつある、絵本編集者の筒井さんによる、「本気レビュー」をお届けいたします。

  • 36年の会社員経験から、今、思うこと

    36年の会社員経験から、今、思うこと

    川島蓉子

    本日より、川島蓉子さんによる新連載がスタートします。大きな会社に、会社員として、36年勤めた川島さん。軽やかに面白い仕事を続けて来られたように見えますが、人間関係、女性であること、ノルマ、家庭との両立、などなど、私たちの多くがぶつかる「会社の壁」を、たくさんくぐり抜けて来られたのでした。少しおっちょこちょいな川島先輩から、悩める会社員のみなさんへ、ヒントを綴っていただきます。

  • 「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    「地獄の木」とメガネの妖怪爺

    後藤正文

    本日から、後藤正文さんの「凍った脳みそ リターンズ」がスタートします!「コールド・ブレイン・スタジオ」という自身の音楽スタジオづくりを描いたエッセイ『凍った脳みそ』から、6年。後藤さんは今、「共有地」としての新しいスタジオづくりに取り組みはじめました。その模様を、ゴッチのあの文体で綴る、新作連載がここにはじまります。

この記事のバックナンバー

04月03日
第22回 大阪の島田さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
04月26日
第21回 高崎の本島設計さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
03月26日
第20回 群馬の原沢さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
02月12日
第19回 長野の白石さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
12月25日
第18回 福岡の宇都宮さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
11月26日
第17回 神奈川の挟間さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
10月30日
第16回 新潟の江川さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
09月21日
第15回 神奈川の吉田さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
08月09日
第14回 大阪の初田さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
07月24日
第13回 群馬の真下さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
06月12日
第12回 京都の大手さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
05月19日
第11回 川崎の税理士 高橋さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
04月17日
第10回 周南市の平井さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
03月27日
第9回 横浜の渡邉さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
01月23日
第8回 GOOD NATURE STATIONの田尻さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
11月28日
第7回 神奈川の嘉登先生 ミシマ社+ミシマ社サポーター
10月24日
第6回 西尾の寺田商会さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
09月23日
第5回 北海道の 暮らしと珈琲 みちみち種や さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
08月31日
第4回 経営学の研究者・神吉さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
07月25日
第3回 岐阜の深澤さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
06月27日
第2回 富山の一本ゲタ大使館さん ミシマ社+ミシマ社サポーター
05月23日
第1回 桐生の齋藤さん  ミシマ社+ミシマ社サポーター
ページトップへ