復活!ミシマガジン

第22回

第22回「本屋さん発!」ウィー東城店発!

2023.05.25更新

 こんにちは! ミシマガ編集部です。

 6月3日、広島県福山市の「BOOK MEETS COFFEE」で、ウィー東城店の佐藤友則さんとミシマ社代表ミシマによる対談「これが僕たちの生きる道!〜書店・出版社の枠を超えて、いま」を開催します。(イベントと、啓文社さんでのフェアの紹介はこちら

 佐藤友則さんは、かつてミシマガジンにご登場いただきました。そちらの記事に登場する「ハゲーポッター」は、ミシマ社内で伝説的な存在となっています。
 対談の開催を記念して、9年ぶりに再掲いたします。


「本屋さん発!」ウィー東城店発!

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※本記事は、「旧みんなのミシマガジン」にて、2014年4月12日に掲載されたものです。

魔法使いがいつも心がけていること
 こんにちは。
 山の中で本屋を営んでおりますウィー東城店の佐藤と申します。
 業界の一部では「日本一ポジティブなハゲ」と呼ばれ、お店ではたまに「ハゲーポッター」と言われております。なんでハゲーポッターなのかというとレジ前でよく手品を子どもたちにしているからなんですけどね。

 「おじちゃん・・・、実はねー、ハリーポッターの友だちなんだよ。それでねー、魔法使いの名前もあってねー、ホントは内緒なんだけどねー、名前がねー、ハゲーポッターって言うんだ」というくだりがありまして♪(笑)

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 今回、ミシマ社の渡辺さんからお店でやっている「ワザ」を書いてもらえないかというお題を頂戴しまして困っておりました。
 「ワザ」ねえ~・・と思いつつ、格別なものも持っておらず。

 でも、いつも心がけていることがあって、時々「どうしてわかるんですか? 魔法使いですね」なんて言われることがあるのでそれをちょっと書いてみたいと思います。なんだそんなこと普通だよと言われてしまいそうで怖いんですが、そう思った方は優しくスルーしてくださいませ。

「接客のヒ・ミ・ツ」
 怖いとか言いつつ可愛いタイトルにしてみました!! 
 いつも心がけていることは、必ず顔を見て「いらっしゃいませ」を言うこと。ここからしか接客は始まらないと思っています。
 誰がどんな気分で来られたのか? それをまず目で確認します。そしてこの後が僕オリジナル(ワザ)なんじゃないかなと思っているのが、「背中を3~5秒見つめる」こと。これをすることでお客様の思念を感じる事ができるようになります。
 あっ、僕・・・見えないものが見えたりしませんからね(笑)。

 たとえば、目に見えるかたちだと歩く導線だったり、目線だったり、仕草だったりって結構最初の数秒に凝縮されていることが多いと思うんです。そこにお客様の心の中で呟かれている要望が行動になって表れているハズなのです。
 このワザを取得すると・・・様々な利点があります。
 簡単なのは万引き犯がすぐにわかる。探しものがある方だったら未然に対応ができる。趣味趣向が分かるようになる。お客様の声に出されていない要望に合わせた商品を仕入れることができる、などなど。

 もちろん完璧にできるわけでもないし、上手くいくなんて一部です。大きなお店やたくさんのお客様が来られるお店だと難しい面もあるかもしれません。
 だけど、これはおもしろいんですよねえ~♪ いつでもどこでも誰にでもできるし、喜んでもらえることが多い。

 えっ・・・誰にでもできるのか? って。
 はい、誰でも直ぐにしかも簡単にできる方法があります。

 それは・・・ハゲてみることです。
 そうすると、何と言うことでしょう~♪♪♪ お客様の思念を感じるアンテナ(頭頂部)がクリアになりますので、いとも簡単に接客のプロになれること間違いなしです!!
 どうですか?? 一緒にハゲてみませんか♪ 

                                 (佐藤友則)

ウィー東城店
〒729-5121
広島県庄原市東城町川東1348-1
TEL:08477-2-1188

定休日:元日
営業時間: 10:00~19:00

【6/3(土)18時〜】佐藤友則×三島邦弘「これが僕たちの生きる道!〜書店・出版社の枠を超えて、いま」

 人口がどんどん減る、コミュニティもなくなりつつある、物価は急激に上がりたいへん・・・都市か過疎地か関係なく、私たちはこうした「下り坂」の時代に生きています。そのなかで、それでも元気に、前を向きつづけて、「次世代」へ自分たちの仕事をパスしようともがき続けている人たちがいます。

 それがこの二人。

 佐藤さんは、本以外にも日用品や食品、コインランドリーにパン屋と美容室まで揃っているウィー東城店を営まれています。
お客さんと話しているうちに「本は問題解決のツールだ」と気がつき、その上で本だけでは解決できない町の人の困りごとを引き受けるうちに、自然と「よろず屋」になっていったとお話されています。

 出版社ミシマ社の三島は、新刊『ここだけのごあいさつ』(ちいさいミシマ社)で、少ない人数で「おもしろい」本づくりを続けていくために、社内のチームづくりに取り組んだり、社外では「一冊!取引所」というサイトをつくり、全国の出版社と書店がやりとりをする場作りを模索する様子が記されています。

 二人は同世代でもあり、同じ年数を生きてきながら、全然違う道を歩んできたわけですが、いま、ものすごく見ている景色が似ているのです。

 今回の二人による対談では、その景色をたっぷり語り合います。さらには、そこから、二人が現時点では気づいていない景色まで、きっと見えてくると二人とも期待しています。書店、出版社、職種は違えど、同志と慕いあう二人による記念すべき初対談!

概要

日時:6月3日(土)18:00〜19:30
参加方法:会場参加
会場:BOOK MEETS COFFEE(啓文社 BOOKS PLUS緑町 内)
住所:広島県福山市緑町1番30号 みどり町モール内
出演者:佐藤友則、三島邦弘
参加費:1,000円(税込・ワンドリンク付)
お申し込み:啓文社 BOOKS PLUS緑町店頭 or お電話(084-925-1811)

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