復活!ミシマガジン

第14回

暖ドリ! 寒さを乗りきる 暖のとりかた (前編)

2020.01.12更新

 こんにちは、ミシマガ編集部です!
 寒い日が続いております。来月もきっと寒いです。このまま寒い日が続くだなんて、考えただけで気が遠くなります。

 そんな寒い日々をどう乗り越えるか? そんな疑問に答える記事を、今日と明日、「旧ミシマガジン」より復活いたします!

 2013年の冬、『女たちが、なにか、おかしい おせっかい宣言』の著者で現在もミシマガ上で『おせっかい宣言』を連載中の三砂ちづる先生に、寒い冬を乗り切る方法を伺いました!


暖ドリ! 寒さを乗りきる 暖のとりかた

※本記事は、「旧みんなのミシマガジン」にて、2013年12月16日〜12月17日に掲載されたものです。

「なんか、寒い・・・」
「外はポカポカ暖かいのに・・・」
「絶対このオフィスの中、外より寒いよね・・・」

 ミシマ社自由が丘オフィスで毎年恒例で繰り返されるこの会話。
 その寒さは真冬になると社内でダウンコートを着用するメンバーまで出現するほどです。
そんな、すきま風吹きすさぶ自由が丘オフィスのメンバーと、寒風吹きすさぶ京都で越冬をしなければならない京都オフィスメンバーの切実な要望から、「暖ドリ」上段者の方々に、身体を温めるあの手この手を教わり、ミシマガ読者の方々にもお伝えしてみんなで冬を乗りきろう、企画が立ち上がったのでした。

 お話をうかがったのは、三砂ちづる先生(津田塾大学教授)。普段から着物を身につけられて、いろいろとラディカルな実践を積み重ねて日常生活を送られている、実践の達人です。
 どんな「暖ドリ」話が飛び出すのか・・・。

 

(聞き手:星野友里 写真:清水美沙、赤穴千恵)

人の身体が温まると世界が変わる!?

―― 三砂先生の『産みたい人はあたためて』(飛鳥新社)という本の最後に、「温める・・・これがけっこうカギですね。からだが冷えていると冷たい人間になってしまいます。冷たいからだだと、やっぱり受け止めたり、引き受けたりできません。・・・世界の変革は、あたたかいからだから。それなら、ちょっとできそうですね。」というふうに書かれていて、この「暖ドリ!」企画が出たときに、もう先生にお話をきくしかない!と思いました。

三砂 私、助産院フリークなので、助産婦さんがいうことは全部聞いているんですね。寒いんだったら、「首」っていうところは冷やしちゃダメだっていいますから、手首、足首、ほんとの首 とか、そういうところはレッグウォーマーとかしていますね。あと腹巻とか・・・。

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―― あ、腹巻は最近ミシマ社でもプチブームになっています。先生は普段からお着物を着ていらっしゃいますが、それも「暖ドリ」にはいいですか?

三砂 着物が一番いいのは、お腹まわりがすごくあったかいところ。助産婦さんが妊婦さんに、「お腹周りは10枚にしなさい」っておっしゃるんですけど、洋服だったら冬でもそれは無理、と思うんです(笑)

―― たしかに。

三砂 でも、着物だと普通に腰巻して、肌襦袢きて、長襦袢きて、合わせの着物を着て、帯を何回も巻くと、10枚なんて楽勝ですので。とにかくお腹と腎臓を冷やさないっていうのは、身体を冷やさないための一番の基本だそうです。そういう意味では、これは着物の利点ですね。さらに着物のいいところは、一番発汗するところがそとに空いているところ。脇と襟と裾と。人は冬でも発汗するので、それは気持ちいいですね。

―― 普段、着物を着れない人にもできることはありますか?

三砂 着物は着れないけど、着物の良さを生かすなら、やっぱりお腹まわりを着物ぐらいいっぱい着る、ということ。お腹まわりが冷えてると、いくら上を着ても寒いですよ。また、服を着る以前に適度にからだを動かす、ということは当然必要で、たとえばわたしは、ゆる体操(高岡英夫先生が推奨している体操。詳しくは『女は毎月生まれかわる―からだと心が元気になる「月経血コントロール」ゆる体操』高岡英夫・三砂ちづる著をご参考ください)をやらない日はありません。

「冷たい水に入れたのはお前かー!!」

三砂 それとあとはですね、「冷えない」ってことで私、去年からやっていることがあるんです・・・「温冷交互浴」って聞いたことあります?

―― なんとなく聞いたことがあるような・・・

三砂 温かいお風呂と、冷たいお風呂と、交互にはいる、ということなんですけど。サウナの隣に冷たい水の浴槽があったりしますよね。

―― たしかに! ありますね。

三砂「西式健康法」というのがあって、そこで「温冷交互浴」をすすめているそうです。助産院で西式健康法を実践している方から聞いた話なんですけど、そこでは、赤ちゃんを、温かいお風呂と冷たいお水とに、交互に入れるそうなんです。
 で、温かいほうに入れると、赤ちゃんもホヤ~と喜ぶんですけど、冷たいのに入れると、「ワーー!」と泣いて、抱きあげたときに「冷たい水に入れたのはお前かー!!」って、ジロッとにらまれるんだって!

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―― 爆笑

三砂 でも、そうするのが赤ちゃんにいい、というので、その助産院ではずっと温冷交互浴をやっているそうです。西式は温冷交互浴を大人にもすすめているらしい。家に二つ浴槽を作って、一つは暖かいの、一つは冷たいの、と。

―― え、浴槽をもう一つつくるんですか!

三砂 もちろん普通の家ではそんなことできないですよね(笑)。そこで、そのバリエーションとして、あったかいお風呂と、冷たいシャワーを交互に浴びる、という方法を教わったんです。それで私、すごく好奇心が強いので、なんでもやってみたいな! と思って。

―― はい、色んなことを実践されているの、存じ上げています(笑)

「勇気があるならやってごらんなさい」

三砂 やってみたんですよ。適当に5回くらい、お風呂にはいって、冷たいシャワーを浴びて、と。で、最後は必ず冷たいシャワーを浴びて、あがるんです。

―― 最後はあたたまらないであがるんですね。

三砂 そうなんです。冷たいので終わるのがコツなんです。初めてやったのが去年の10月の末だったから、さすがに最初に冷たい水をかぶる時には、ものすごく勇気がいりましたけど、一回やってしまえば、二回目、三回目は、そんなにたいしたことないです(笑)

―― へえ~!

三砂 それをやったら去年、本当に冷えなくなったんです。夜寝る時も、足が全然冷たくならないし、湯たんぽもいらない。これはすごいな~と思って1年続けてるんですよ。温冷交互浴をやると、湯冷めもしないし、湯あたりもしないんです。まあ、心臓の弱い人とか、体の弱い人は、心臓発作とか起こしちゃうかもしれないから、あまりすすめらませんけど、私にとってはすごく画期的だった。

―― お水はもう、ぬるま湯ではなくて完全な真水ですよね? それは勇気がいりますね(笑)

三砂 最初はね。でもお風呂だから、冷たくてもすぐ、あったかいのに入れますから。やっていくうちにだんだん気持ちよくなってきて、最後に水をかぶってあがると、お風呂から出たときの、あのヒヤっとした感じが、本当にないんですよ。なんだか騙されたような気になるんですけど(笑)

―― へえ~、やってみます!

三砂 だから私、今、冷えで困ってる人には、「勇気があるならやってごらんなさい」って言ってるんですけど(笑)

―― (笑)でも、お風呂とシャワーの水だけでいいなら、手軽ですもんね。

三砂 それなら、みんなできるでしょ。ちょっとやってみるだけで、全然違いますよ!

***

 みなさん、勇気を出して「温冷交互浴」いかがでしょうか? 明日は引き続きお風呂まわりのお話と、イギリスの「暖ドリ」法について、お届けします!

三砂 ちづる(みさご・ちづる)

1958年、山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。1981年、京都薬科大学卒業。1999年、ロンドン大学PhD(疫学)。津田塾大学国際関係科教授。著書に『オニババ化する女たち』『月の小屋』『不機嫌な夫婦』『女を生きる覚悟』など多数。本連載の第1回~第29回に書き下ろしを加えた『女たちが、なにか、おかしい おせっかい宣言』(ミシマ社)は2016年11月に発売になっている。

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