第50回
ちゃぶ台編集部は、どんなふうに雑誌をつくっていくのか?(4)
2026.06.13更新
こんにちは。ちゃぶ台編集部のスミです。
ミシマ社の雑誌「ちゃぶ台」の最新号『ちゃぶ台15』の制作過程を毎月レポートしていく本連載。書いて記録に残すことで、制作真っ最中の私たち自身の脳内を整理し、また、雑誌づくりを読者のみなさまとほぼリアルタイムで共有する、という初の試みとして、今年2月にスタートしました。
と申しつつ、3回目までは毎月アップできたのですが、その後2カ月ほど、更新が止まってしまいました。すみません。そんななかでも、ちゃぶ台の制作現場では、この間にたくさんのことが起きていました!
「20年の御礼と、報告と、その先」号
前回までを少しふりかえると、企画会議が紆余曲折をたどり、特集テーマもなかなか決まらず、アイデアだけはたくさん出つづけるも、「機が熟していない」という直感が編集部を覆っていました。一方で、なぜか刊行予定時期は当初よりも早まり、2026年10月に決定。今回は、そのつづきのご報告です。
刊行時期がなぜ早まったのか。これが本日お伝えしたいことのひとつめなのですが、次号のちゃぶ台は、「ミシマ社創業20周年記念」号としてつくろう!ということになったからです。
前回ノザキさんも書いていましたが、ちゃぶ台という媒体は、ミシマ社にとって「活動体であり場所」です。ミシマ社がそのときにもっとも探りたいことを追いかけた軌跡を、一冊の雑誌という形にしたもの、でもあり、それを著者や読者の方々と共有したり、ともに感じたり考えたりする共有地、でもありたいと願ってきました。ちゃぶ台にどんなテーマを掲げるか、実際にどんな雑誌ができあがったか、ということは、結果として、ミシマ社のほかの本づくりをはじめ、出版活動全体が進んでいく方向にも大きく関わってきたと感じています。
ミシマ社は今年10月に、創業20周年を迎えます。そこで自然と、今年のちゃぶ台は節目の今にしかつくれない渾身の号、「20年の御礼と、報告と、その先」のような号にしたい、という話が持ち上がり、刊行は10月をおいてほかにないということになりました。
雑誌を育む時間の不思議
とはいえ、もともと12月刊行予定だったものが、10月刊行に。2カ月のスケジュール前倒しが決まり、「これは・・・」と、編集部のギアも一段階、いや三段階くらいあがりました。
実際、そこから約1カ月間のあいだに、
・特集が決定する
・企画がどんどん挙がる
・寄稿者の方が決まっていく
・デザイナーさんと「新しいちゃぶ台のデザイン」のミーティングをする
・編集長ミシマによるインタビュー取材が着々と進む
と、一気に次号の骨格ができあがっていったのでした。
その前までの4カ月におよぶミーティングのくりかえしと、発酵期間を経たからこその、この跳躍。なのかもしれないと、今ふりかえりながら思います。雑誌を育む時間の不思議に、この連載を書くことで気づけました。
『ちゃぶ台15』の特集
そしてついに、特集テーマが決まりました!
毎回、特集が決まるときには、編集部4人全員が「これだ!」と一瞬にして明るい顔になる、という不思議な瞬間が訪れます。裏を返すと、「それいいね! でも、うーん、もうちょっと」となっているあいだは、まだベストなものに出会えていない。言葉にしがたいのですが、はっきりと明らかな違いがあります。さきほどからうまく理屈にならないことを書きつづけてしまい恐縮です・・・。
さて、長い検討の末に、ついに全員が「これだ!」となるテーマに出会いました。
発表します。『ちゃぶ台15』の特集は、
「おもしろいの風が吹く」 です!
・・・いかがでしょうか? 20周年記念号、今しかつくれないちゃぶ台を、と考えるなかで、ミシマ社が創業以来、本づくりや活動のほぼ唯一の価値基準としてきた「おもしろい」を、正面から掲げることになりました。
「おもしろいの風が吹く」にたどり着いた『ちゃぶ台15』。この言葉が出てきた瞬間にも、まさに風が吹き、何かが動き出す感覚がありました。次回は、特集に込めた思いや、実際に進行中の企画についてもお知らせしていく予定です。このテーマが膨らみ育っていく時間を、一緒に見守り、おもしろがっていただけたら嬉しいです。




