第53回
ミシマ社合宿2023春in亀岡&るり渓レポート(前編)
2023.04.15更新
こんにちは。自由が丘オフィスのスガです。週末ですが東京はあいにくの雨です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は久しぶりの合宿レポートです!
ミシマ社はだいたい年に1回、合宿を開催します。
今回は新年度のスタート、9月末に決算を行うミシマ社にとっては下半期が始まる4月の1日と翌日2日、合宿を行いました。
出版社で合宿ってなにするの? 私も入社前はそう思っていたものですが、自由が丘と京都のメンバー全員が顔を合わせながら打ち合わせると、新しい取り組みをスタートするきっかけになったり、先を見据えた大きな計画が決められたりと、普段のミーティングとは一味違う打ち合わせができています。
実はこのミシマガジンも、ちょうど14年前の4月に静岡の三島で開催した、ミシマ社史上初の合宿のミーティングで創刊しています。
また往年の三島合宿は宿も決めずに現地に向かい、ヒヤヒヤしながらも打ち合わせに適した宿を見つけ出した(見つからなければ今日のミシマガはなかったかも?)。このエピソードは三島の著作『計画と無計画のあいだ』(河出文庫)の「野生の感覚を磨くのだ」という章で書かれています。
今回の舞台は京都の亀岡とるり渓(南丹市)。春日太一さんの『時代劇聖地巡礼 関西ディープ編』に登場する時代劇のロケ地を巡ったり、山の中の宿でいろいろと話す中で、普段の町中とは違う感覚に触れつつ、しっかり打ち合わせを行う合宿にできれば。
そう意気込んだメンバー一同が、1日の朝10時に京都オフィスに集いました。
合宿の初めは、代表ミシマの指導のもと、全員で呼吸法を行うのが恒例です。「アー」「ウー」と声を出しながら、爪先立ちでかかとを上げ下げしながら、胸を叩きながらと、体をいろいろなところに感覚を働かせながら呼吸をする。そのことで普段気に掛けられてなかったり、知らず知らずのうちに浅くなってしまっている呼吸にしっかりと意識を向けることができて、頭がスッキリしました。
スッキリしたところで企画会議!
打ち合わせのために、コピー用紙をつなぎ合わせたホワイトボードの代わりを制作する編集スミ(営業ヤマダとともに合宿リーダーを担当)。
ミーティングで発言している合宿初参加の営業ニシオはこの日(4/1)から「新人」を卒業
ランダムに3チームにわかれてのミーティング。合宿スタートの盛り上がりのままに「サポーターさんと今後こんなことをやってみたい!」「こんな本の届け方もある!」「ラジオの新企画をやってみたい」など、企画と熱いプレゼンの数々が飛び出しました。実現に向けて動き出しましたら、またお知らせいたします。
ミーティングを終了すると、2組に分かれて車に乗り込みます。
この日は土曜日でそのうえ春休み。大渋滞に見舞われながらもなんとか高速道路(京都縦貫自動車道)に漕ぎ着け、目指すのは亀岡市。
最初の目的地は、お楽しみのお昼ごはん。しかも、早速『時代劇聖地巡礼 関西ディープ編』のロケ地、へき亭さんに向かいます。
三百年前の武家屋敷を保存し、今は日本料理屋として営業している「へき亭」は、戦前から現代に至るまで時代劇の撮影に使われており、最も長い歴史を持つロケ地の一つと言えるかもしれません。
(『時代劇聖地巡礼 関西ディープ編』p190)
へき亭は、日置(へき)家の武家屋敷です。その日置家、「日置流」という弓道の流派の祖であるようです。かつては弓が放たれていたであろう広い庭園からは、うぐいすの声が聞こえます。300年の歴史を持つ日本家屋で、庭園の花を眺めつつ天ぷらや煮物を食べながら、今まで自分の人生でこれ以上に春という季節を噛み締めたことはないだろうと確信しました。
へき亭の店員さんが、今までこの地でロケを行った映画や、ロケに訪れた俳優さんについて店員さんが教えてくれて、お店の入り口には記念撮影の写真が飾られています。時代劇のファンはかなりお楽しみいただけるのではないかと思います
ご飯を食べた後は、へき亭と道路を仕切る土壁を見に行きます。この土壁も時代劇で多く使われています。
連なる土壁。その名の通り、土を塗り固めて作られているため、近くによるとデコボコした質感と歴史を感じられる
土壁の前で血が騒いだ2人。見よ、この躍動感(左・ミシマ、右・スミ、どちらも合気道経験者)
新聞紙とアルミホイルで刀を作ったのはもちろんこの人、仕掛け屋・ハセガワ
その後はホームセンターで買い出しを行ったのち、二手に分かれて南丹市のるり渓へ。同時に出発したはずが、片方は大渋滞に巻き込まれ、もう一方はまったく渋滞に引っかからず、到着に30分以上差がつきました。
私スガは、渋滞巻き込まれ組でした。こちらチームは、渋滞からの抜け道を探してもがくうちに、『時代劇聖地巡礼 関西ディープ編』に登場するロケ地である穴太寺(あなおじ)にたどり着くというミラクルも。『桃太郎侍』などが撮影されたというお寺に、思いがけず巡礼することができました。
穴太寺は桜がきれいでした
その後なんとかるり渓に到着。森と川と滝に囲まれた、静かで穏やかで少しだけ寒い山の中。
ミシマ以外は日頃運転することのないミシマ社メンバー。山道のカーブの連続に苦戦しながらもるり渓温泉に出かけた帰り道、宿の近くで車を止めてライトを消すと、本物の闇に包まれました。かすかな光さえないと、自分が動いているのか、止まっているのかすらわからない。そのときは、内臓から怯えていたような気がします。
晩ごはんはバーベキューでした。
ホームセンターでのミシマによる「着火剤はいらんやろ」発言のもと、外から落ち葉を拾い集め、木炭に火が移るのを待ちます。木炭は多すぎても隙間がなくて火がつかない。木炭のまわりの葉っぱが燃えても、やっぱり木炭には火が移っていない。難しい・・・。そんなこんなで手こずりましたが、考えようによっては苦戦や、火がつくのをただじっと待っていること自体も楽しいものです。「この感覚って、本の営業にも共通するかも」、そんなことを思ったのは、扇ぎ方が下手でうちわ係をクビになったためぼーっとしていたからでしょう。まあ、普段は意識しない感覚について考えたということで、よしとしたいです。
そんなこんなで、初日からなんとか未来に向けてのミーティングと野生の感覚に触れることを達成し、1日目を終えました。
2日目のレポートは、後日スミが行います。ちなみにスミは元登山部だからか、火おこしで大活躍でした。
元登山部のイケハタ・スミが的確に火を起こしていく。右で見切れている何もしていない人が私・スガ
編集部からのお知らせ
2023年度ミシマ社サポーターを募集します!
【サポート期間】2023年4月1日(土)~2024年3月31日(日)
★お申し込み特典★
①非売品の特別本『ここだけのミシマ社』
代表ミシマの書き下ろしの文章とミシマンガを収録し、なぜか営業・スガ(デザインは全くの素人)が装丁デザインを担当(?!)、まさに「ここだけの」一冊です。
②MSLive!「仕上がるまで終わらない!寄藤文平と営業・スガの時間無制限デザイン講座」のアーカイブ動画視聴URL
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