第36回
クリスマスに「あの人」に贈りたい! ミシマ社の本(前編)
2021.12.16更新
メリークリスマス! ちょっとフライング気味ですが、すっかり温かく清らかな気分に満ちているミシマガ編集部の新人スミです。12月に入ってからというもの、自宅ではほぼ毎日「ジングベー ジングベー ジングベー ロック♪」と口ずさんで体を揺らし、オフィスではいきなりみなさんにシュトーレンを振る舞ったりしています。そんな浮かれた私の発案で、本日は「クリスマスに贈る」をテーマに、メンバーにおすすめのミシマ社本を選んでもらいました!
選書のポイントは、一人ひとりが「個人的に送りたい相手」を決めて、好きな一節を引用し、メッセージを添えたところ。もちろんミシマ社の本はどんな方にも読んでいただきたいのですが、今回ばかりは、ピンポイントでユニークな紹介文と、具体的な状況を思っているからこそ漂ってくる愛のようなものをお楽しみいただければと思います。
そして、これを読んで「私にもピンポイントに届いた!」「これって、まさにあの人みたい」と感じてくださいましたら、ぜひ、その本をご自分や誰かへの贈り物として選んでいただけますとうれしいです。
2歳になる娘へ
『ネコリンピック』益田ミリ(作)平澤一平(絵)
よ~いどんで 走らなくて いいんだってにゃ~
おとなしい性格の娘も、2歳を目前にしてだんだんと駆け回るようになってきました。これからどんどん自由に身体を使って、たのしく遊び回ってほしいにゃ〜という思いも込めて、この絵本を贈ります。(イケハタ)
時折「エモい漫画」を紹介してくれる友人へ
『みゃーこ湯のトタンくん』スケラッコ
オレ以外、みんなネコだけど・・・
時折「あなたが好きそうな漫画見つけた!」と突然連絡をくれる友人。彼女は私の漫画の好みをよく知っていて、自分では見つけられない面白い漫画を紹介してくれる。そんな彼女に『みゃーこ湯のトタンくん』をオススメしたい。一人を除いて登場人物全員ネコ、そんな世界で営む銭湯、お客ネコとのやり取り・・・。この世界観、きっと彼女もハマるはず。年末の慌ただしい空気の中、トタンくんと一緒にほっと一息ついてもらえますように。(オカダ)
サンタさんへ
『てがみがきたな きしししし』網代幸介
わたしの てがみ
ねえ わたしの てがみは?
たぶん、この時期、サンタさんにもてがみがたくさんきて、忙しくされていることと思います。プレゼントを購入し、家の隅に忍ばせて、寝静まるのを待つあいだに読む「自分用」のプレゼントとしてめっちゃおすすめです。(ノザキ)
足を剥離骨折した親戚のおばちゃんへ
『THE BOOKS――365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』
ミシマ社(編)
「本が好きになった!」という方、「もともと本が好きだったけど、もっと好きになった!」という方で、日本中を包み込みたいなぁ。
先日、すごく久しぶりに親戚のおばちゃんが連絡をくれて、足を痛めて安静なので今さらながら読書に目覚めて、ミシマ社の本を読んでると書いてあり、なんだかすごく嬉しかった。そんなおばちゃんを、より本好きにするために贈りたい一冊。(ホシノ)
あまり感情を露わにしない夫へ
『ど忘れ書道』いとうせいこう
自分ではほぼすべて忘れていたので、読みながらゲラゲラ笑った。が、他人には恐ろしいのかもしれない。
出版社で働く妻がおり、家にはたくさん本があるのに、夫が読むのは年に3冊程度。ぐぬぬ、なんだか悔しい。私が本を読んでニヤニヤしているのを不思議そうに見つめるので、聞くと、本を読んで笑ったことがないそうです。おお、まじか。この本で、文章を読んで笑うという初体験をプレゼントしたい。(アライ)
自分へ
『料理と利他』土井善晴・中島岳志
「和える」。それぞれの存在感を、美しいところを尊重させて、隣同士に・・・。これも利他ですよね。複数の利他がお互いに働きあって、ひとつのおいしいものが生まれる。
2021年は土井先生の教えを胸に生きてきましたが、今一度読み返して、自然に沿う料理/仕事/生活ができていたか、胸に手を当てて振り返ってほしいです。自分に。なんか、クリスマスというか年末感が出てしまいましたが、もういくつ寝るとお正月です。(モリ)
娘へ、サンタさんへ、そしてまさかの自分へ・・・まずは6人によるご紹介、いかがでしたでしょうか? 明日も残りのメンバーが、それぞれの「あの人」に想いを込めて本を勧めます! お楽しみにお待ちください。
(後半につづく)
編集部からのお知らせ
12/15(水)~12/28(火)『てがみがきたな きしししし』原画展 in 恵文社 一乗寺店
京都の恵文社 一乗寺店で『てがみがきたな きしししし』の原画展を開催中です!
これまで、nowaki(京都)、曲線(仙台)、READAN DEAT(広島)、URESICA(東京)と全国を旅してきたこの原画展。ご覧になった方からは、「作品の色合い、質感、とても素晴らしいです。網代さんの世界観が大好きです」、「動物の毛並みまで細かく描きこんであったり、シュール、時にファニーな表情などもずっと眺めていたいなと思いました」など、感激の声をいただきました。
会場では原画のほか、網代さんご自身が音楽を担当したショートムービーや、おばけにお手紙を書いて送る(?!)「おばけポスト」も登場。内装やお店の雰囲気にファンも多い、恵文社さんならではのディスプレイも、必見です。
観る人を虜にするちょっと不思議でおかしな網代ワールド、この冬たっぷりとお楽しみください!
12/15(水)~1/7(金)『みゃーこ湯のトタンくん』原画展 in 青山ブックセンター
そしてそして、東京の青山ブックセンター 本店では『みゃーこ湯のトタンくん』の原画展を開催中です!
どのページも眺めているだけで胸がきゅーっとして、ぽかぽかになってくる。トタンくんの世界の可愛さと温かさを、ぜひ、原画から直接感じていただきたいです。猫好き、銭湯好きなら、間違いなく心を奪われ、そのどちらでもない方でも、スケラッコさんの絵を眺めれば身も心もじわ~っと緩んでくるはずです。
会場には、原画に加えて、スケラッコさんがネーム、下絵、ペン入れ、塗りなどの制作工程をまるごと紹介してくださった「マンガ、こうやって描いてます」パネル、「みゃーこ湯」の舞台裏・メイキング資料、フォトブースなど、素敵なコーナーがたくさんあります。オリジナルグッズとして、スケラッコさん描き下ろしの銭湯タオルとトタンくんTシャツも販売しておりますので、ぜひ、足をお運びくださいませ!