第101回
念願の増刷!
『学ぶとは』と『家のしごと』
2025.07.16更新
こんにちは、営業チーム「現場監督」(と、本当に名刺に書かれている)スガです。
この7月、2冊の増刷が決定しました。それが『学ぶとは 数学と歴史学の対話』(伊原康隆・藤原辰史)と、『家のしごと』(山本ふみこ)。
編集メンバーと営業メンバーを交えた会議で、増刷が決定すれば毎回その場で拍手をしてお祝いします。増刷はいつも嬉しいものですが、この2冊の増刷はさらにそれぞれいつもと違う意味も持ちました。
本日はその理由と、このたびめでたく増刷が決まった2冊をご紹介します!
ミシマ社史上最高価格の本の増刷『学ぶとは』
1938年生まれの日本を代表する数学者である伊原康隆さんと、1976年生まれでいくつもの話題作を世に投げかけられてきた、気鋭の歴史学者である藤原辰史さん。ふたりの研究者が往復書簡を通して、世代や文系理系の枠を超え、さまざまなトピックに話題を移しながら、一切の妥協なしに時に火花を散らして「学ぶ」ということを突き詰めた『学ぶとは』。
この内容の濃さを映すように、340ページの厚さと上製本(ハードカバー)の製本でがっしりとした印象の本書。この本のつくりもあって、ミシマ社の本で初めて3,000円を超える(3,500円+税)値付けを行いました。この価格設定は営業的には挑戦でもあったのですが、おかげさまでこのたび増刷が決定しました!
発刊から話題を呼んだ本書、今年4月の発刊から1ヶ月半ほどで社内在庫がわずかになりました。今回、高価格帯の本の増刷という前例のない取り組みを行うにあたり、増刷決定前に書店員さんに予約を募ったところ、早速多くの書店員さんからご注文をいただき、無事増刷が決定しました。一つ一つのご注文や、それと一緒にいただいた「面白かったです!」「計算しながら読みました!」というご感想が、小さな出版社が高単価の名著を残していくためにとてもありがたかったです。書店員のみなさま、ありがとうございました。
***ご感想***
とてもいい本です(編集部注:←ととても大きな字で書かれていました)。付箋をはって、線を引いて、心に残ったところを書き抜いて読んでいます!(読者の方より)
朝日新聞「好書好日」で、朝日新聞編集委員の秋山訓子さんの書評をお読みいただけます!
発刊から9年。ついに増刷決定『家のしごと』
随筆家の山本ふみこさんが、料理や手仕事、家族とのやりとりを綴ったエッセイが一冊になっている『家のしごと』。描かれているのは普通の日々なのに、美しく描かれる野菜やおみおつけや家事の道具と、端正さの中に優しさも感じさせる山本さんの文章に、読み進めるたびに目が喜び、「随筆家の文章って魔法のようだなぁ」と唸らされる名作です。
私は次の文章で、たわしにもサイズがあることを知りました。たわしで野菜を洗いたくなります。
たわしを半分ほどの大きさにした、馴染みの茶色の小たわしに向かって、長年の感謝を伝える。
「あなたなしでは、野菜たちとこんなに親しくはできませんでした。どうもありがとうございました」
p48「わたしはたわし」
2016年の発刊から9年、本書のはじめての増刷が決まりました!
長年、じわじわと手に取っていただいてきた、共感の声をいただいてきた本書、ぜひ今こそお手に取っていただきたいです。老若男女問わず読めば必ず、本書を片手に心新たに「家のしごと」に向き合いたくなるはずです!
***ご感想***
毎日、どこの家庭にも、ありそうななさそうな、 大きな出来事も小さな出来事もある!ある!と共感しつつゆっくりじっくり読みました。 生きてるってやっぱり楽しいとつくづく思えた1冊でした。(読者の方より)
疲れたなぁという時に読むと、心がおだやかになりました。(読者の方より)
お話も「あるある」から、「なるほどご立派」と感心させられるもの、「そうなの、私もそう思うの〜〜」って、ふみこさんと会話をしているかのようでした。この本と出会えて幸せでした。(読者の方より)
編集部からのお知らせ
【山本ふみこさんも出店!】「BOOK MARKET 2025」がいよいよ今週末開催!@浅草・台東館
今年も本のお祭りがやってきました!
『家のしごと』著者の随筆家・山本ふみこさんによる「書く・読む・聞く・話す」をテーマとする「ふみ虫舎」さんも、ブースを出展します!
ミシマ社も仕掛けをたくさんご用意してお待ちしております。
【第15回 BOOK MARKET 2025】
日時 2025年7月19日(土) ~ 20日(日) 10:00~17:00
場所 台東館 7階北側会場
〒111-0033 東京都台東区花川戸2-6-5