今月のミシマ社

第58回

大好きなイベント「ハレトケ市」に参加しました!

2023.05.05更新

 こんにちは! 京都オフィスのスミです。
 みなさま、連休はいかがお過ごしでしょうか?

 外で過ごすのが気持ちいい季節になりましたね。私たちミシマ社京都オフィスメンバーは、去る4月23日、京都市北区の今宮いまみや神社で「ハレトケ市」に参加しました。さわやかな春の風に吹かれながら、本を手売りしてまいりました!

 とにかく、まずはこちらの写真をご覧ください。

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 水色のミシマ社Tを着てブースに立つヤマダとスミの、このゴキゲンな顔!!!
 オフィスにこもっているときよりも、2.5倍は晴れやかな笑顔。

 そうなんです。私たちはこのハレトケ市が大好き。
 2021年4月からはじまったこのイベントは、今回で3回目です。ミシマ社は毎回参加させていただいています。

ハレトケ市公式Instagram

 本日のミシマガでは、そんな楽しすぎた第3回ハレトケ市のレポートをお届けします。

 私たちがハレトケ市大好きな理由のひとつは、会場の今宮神社が、本当に素敵で気持ちのいい場所だからです。

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 境内には木がたくさん生えていて、いつも風が抜けています。
 一歩足を踏み入れるだけで、はぁ~~っと自然に深呼吸。

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 参道に、お店がずらっと並びます。
 私たちのように本を売るお店だけではなく、コーヒー、果物、お弁当やパン、醤油などの食品、陶器の食器や花瓶、Tシャツのプリント体験、段ボールでの操り人形づくりなど、いろいろなブースが集まっています。

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 ミシマ社ブースはこんな様子でした。
 あちこちからいろんなものを吊り下げたり、貼ったり、立てかけたり。いつも手売りイベントでお客さんから「学園祭みたいですね~」と言っていただく、おなじみの賑々しい佇まいです。

 朝、ブースの設営作業をしていたら、ハレトケ市の運営団体「ムラサキノハレ」のスタッフさんが「これ、作りました!」とこんなすてきな表札をプレゼントくださいました。

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 よろこぶハセガワ。(うしろで「ミシマン」の人形もガッツポーズ)
「出版社の新しい挑戦 ぜひ体感してください!!」というキャッチコピーをいただき、メンバーみんなが大感激でした。

 ハレトケ市は、「環境(地域)に負担をかけない市」をテーマに掲げていて、環境に配慮した仕組みを考えるとともに「地域の循環」のはじまりとなることを目指した、住民参加型の催しです。
 そんなイベントに参加させていただくうえで、私たちも「本」というものを通して「循環」に新しく挑戦したい、と思い、今回はこんなコーナーを設けました。

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 その名も、「捨てないミシマ社」コーナー。
 捨てないミシマ社とは、まもなく本格的にスタートする予定の新レーベルです。

「捨てないミシマ社」について

 本屋さんに卸した本の数%から何十%は「返品」されます(業界の返品率は約40%)。その返品された本のうち大半は、カバーを巻きなおす、汚れをとるなどの改装を経て再出荷されます。が、どうやっても再出荷できないほど、傷んだり汚れたりしたものも、少なくありません。そういう本たちは断裁・焼却されるのが業界の通例で、私たちミシマ社でも何度か、泣く泣く、その判断をしました。そのたび、わが身を燃やされ、傷つけられるような痛みをおぼえずにいられませんでした。
 昨年(2022年)、循環社会をめざしたイベント「ハレトケ市」で、傷み本たちを「復活本」と名づけ、定価販売しました。すると、とても多くの人たちに喜んで買っていただけたのです! 外見にはすこし傷があるかもしれないが、中身はまったく変わらない。一冊の価値はまったく同じ。その思いが、証明されたような瞬間でした。
 こうして経験を踏まえ誕生したのが、「捨てないミシマ社」レーベルです。断裁・焼却するしかないと思われていた本たちを集め、「新たな商品」として生まれ変わります。
 できるだけ捨てない――。出版界に気持ちのいい循環が生まれるひとつの動きになればと願ってやみません。     

ミシマ社 三島邦弘

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 会場にはこんな看板も設置しました

 お客さんに実際に現物の本を見ていただきつつ、この「本を捨てない」試みについてご説明すると、「もったいない! ぜひこれを買いたいです」「こんな小さな傷があるだけで断裁されてしまうんですね」と、みなさんから温かい反応をいただきました。

 手売りイベントは、「本」というもののおもしろさを読者の方々と共有できる最大の機会。生(なま)のミシマ社本に触れていただくことで、新しい商品の魅力をお伝えできるだけでなく、出版の仕組みや新しい試みについてみなさんと共に考えていける、という手応えを得ることができ、大きな勇気をいただきました。

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 ブースにはたくさんお客さんにお越しいただきました。
 メンバー自ら、「私のイチオシの『仕事本』はこれです」「『発酵』に興味がある方なら、これおすすめです!」「あ、いまお持ちのその本、私が制作いたしました!」「おみくじ引きませんか?」などなど、熱くトーク。
 そう、会場ではふつうに本を売るだけではなく、「本のおみくじ」もお配りしました。

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ブースの前でおみくじを読むお客さん(右)

 このおみくじには、いろいろなミシマ社本のフレーズが書かれています。
 偶然引いた一節によって、ハッとしたり、ふと気が楽になったり、何かを考えるきっかけになったり・・・そんなふうにして本との新しい出会いが増えますように、という思いを込めています。

 本日このミシマガを読んでくださっているみなさまも、おみくじを引いた気分で、その中身をちょっぴりご覧ください。

~本のおみくじ 其の一~
現代の豊かな生活を可能にした石油や木材などの天然資源は、もとはといえば自然の恵みだ。人間が自分たちの力だけで繁栄をなしとげたと考えるのは、思い上がりにすぎない。

松村圭一郎『小さき者たちの』P23より

~本のおみくじ 其の二~
先の見通しが立たないこの生活にもさすがにちょい疲れ気味。
私は気を取り直して、ひとまずジャムを煮ることにしました。

本上まなみ・澤田康彦『一泊なのにこの荷物!』P112より

~本のおみくじ 其の三~
自転車操業をしようとすれば、経営層も、現場も、皆が走者である。一緒に、一つずつ、考え、試し、失敗したら撤回し、やり直し、少しずつ、解決へと近づいていく。

三島邦弘『ここだけのごあいさつ』P231より

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先行発売したミシマの新刊『ここだけのごあいさつ』を手に取ってくださったお客さん

 すべてのミシマ社本を販売することはできなかったのですが、このハレトケ市で特にたくさんの方に手に取っていただいた本をご紹介いたします。

 まず、なんといってもこの4月の最新刊。

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 本上まなみさんと澤田康彦さんによるエッセイ『一泊なのにこの荷物!』です。

 本上さんと澤田さんが夫婦で順番に綴ったエッセイには、京都での暮らしがたっぷり綴られています。
 ハレトケ市にも出店されていた「サーカスコーヒー」さんや、賀茂川、宝が池、京都御所・・・といった場所が登場すると知って、「このあたりが舞台なんですね! 読みます!」と言ってくださるお客さんがたくさんいらっしゃいました。

 そして、同じく京都にゆかりのあるこちらの本も大好評でした。

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 ロビン・ロイドさんと中川学さんによる詩画集『幸せに長生きするための今週のメニュー』

 神戸を拠点にする民族楽器奏者のロビンさんと、京都のお寺・瑞泉寺の住職でイラストレーターの中川さんのお二人が著者です。
 本書を実際に手に取って、お二人が紡いだ絵と言葉、そして、こだわり抜かれた造本に、「こんなきれいな本だったんですね」「毎朝、一篇ずつ読みたくなります」とみなさんが驚いてくださいました。

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 実際に手に取ってみて、びっくりされる方の多かった本がもうひとつあります。

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 松村圭一郎さんの『小さき者たちの』です。

「大きくて強くて多いほうがいい。そう教えられてきた。」
 冒頭のこの一文読んだあるお客さんが、一瞬で「やばい・・・、最初からめちゃしびれる・・・撃ち抜かれました」とおっしゃり、「ざらざらした帯の手触りも最高ですね」と、即決で買ってくださいました。
『うしろめたさの人類学』を知っていた読者の方々が、「松村先生が日本の歴史と向き合った最新刊なら、ぜひ読みたい」と、強く関心を示してくださったのが印象的でした。

***

 今回のハレトケ市も、たくさんの方々と本を通じて出会い、お話しすることができました。ほんとうに充実した時間で、私たちもエネルギーをたくさんいただきました。
 この経験を、今後の日々の仕事につなげてまいります!

 そして、来週末の5/13(土)~14(日)は、神奈川県の「大磯ブックマルシェ」にて本を手売りいたします!

詳細はこちら

 ご縁がありましたら、ぜひおでかけいただけますとうれしいです。
 これからも、みなさまとさまざまな場所でお会いできるのを楽しみにしております!

ミシマガ編集部

ミシマガ編集部
(みしましゃへんしゅうぶ)

 

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