第127回
おそるおそる育休、明日発刊です!
2023.02.16更新
こんにちは。京都オフィスの角です。
いよいよ明日、
(装丁は佐藤亜沙美さん、イラストは神保賢志さん)
本日のミシマガは、本書の刊行記念特集第1弾をお届けします!
西さんからメッセージが届きました
まずはぜひ、西さんから読者のみなさまへのメッセージをご覧ください!
家の中は知らないことだらけ!?
育休について、「やっぱり取ってみるだけのことはあります!」と力強くおっしゃる西さん。
本書には、大人気アナウンサーの西さんが50歳を目前にして育休を取り、家事に育児に奔走した、濃密な日々が綴られています。
仕事ひとすじで約30年間過ごしてきた西さんにとって、育休の日々には、「本当にここはオレの家なのかと、頭がくらくらするくらい」はじめてのことが詰まっていたといいます。
独身で子育て経験もない私には想像すらできないほど、西家ではイベントや事件が次々と起こり、「こ、こんなに大変なのか・・・」とびっくり。
でも、そんな「おそるおそる」な日々を伝える西さんの語り口は、めちゃおもしろくて、温かいんです。私はどんどん引き込まれて、子どもたちの変化にもウルウルきたりして、気づけばすっかり西さん一家の親戚になったような気持ちでした。
本書の「はじめに」で、西さんはこう綴っています。
この本は「育休のススメ」とか「HOW TO 育休」のようなものかというと、それはまたちょっと違うのです。もちろんそんなふうに読んでいただいて、お役に立てればうれしいですけれど、なにせ休んだ本人が「おそるおそる」でしたから、そんなに偉そうなことは言えません。
でも、やっぱりお伝えしたいことはたくさんあるのです。
(...)
ベテランお母さんお父さんに、そんなことうちにもあったわ、懐かしいなぁ、と読んでもらえたらうれしいし、今まさに育児とがっつり向き合っているパパやママに「わかるぅー!」と言われたら駆け出してハグしたくなります。子どもがいないご家庭や、独身の方には、「ちょっと違う場所に身を置いてみたら、びっくりするくらいたくさんの発見があった」という体験本だと思ってもらえたら最高です。(P4~5)
まさに。
私もこの本を読みながら、家族のこと、夫婦のこと、子どもと過ごすことについて、「びっくりするくらいたくさんの発見」を疑似体験できました。
読み手の立場によって、読み方、感じ方がいろいろと広がることが本書の最大の魅力のひとつ。
そこで、「西さんのどんな言葉にグッときましたか?」と、ミシマ社メンバーに問いかけたところ・・・。それぞれが実感を込めて「ここです!」と答えてくれました。
生活の中で何度も思い出す一節
一児の母 オカダ
子どもたちとの時間、自分の時間、夫婦の時間、それぞれにいい
匙 加減で「だらだら」が混ざっているほうがいい。日常のスケジュールがタイトになった今こそ、わが家にはだらだらが必要です。(P159)
育休をとって育児をしている人は、「だらだら」なんてしてはいけないのではないか、という気持ちがどこかにありました。でも育児をするあらゆる局面で、気持ちの余裕がないとしんどくなってしまう場面があります。
そんな時、「だらだら」が少しでも余裕を取り戻してくれるのなら、それは悪いことではない。西さんが奥さんと「こんな暇あったら早よ寝たらええのにな私ら」と言いながら一緒に映画を見るエピソードが素敵でした。私も、ちょっとした「だらだら」を取り入れながら育児をしたいと思いました。
営業担当 タブチ
この本は「育休のススメ」ではないと、「はじめに」に偉そうに書いた私ですが、後輩の相談には「ええやん。育休な、たいへんやけどおもろいで」と答えたのでした。(P219~220)
西さんのいろいろな思いがこの「たいへんやけどおもろいで」という言葉に凝縮されている感があります。先輩がこういう言葉をかけられる職場では、後輩たちも気持ちよく働けるのだろうなと思いました。
編集担当 スミ
夫婦がギクシャクしないためには「一緒にいる時間を減らす」と「ときどきうまくサボる」という、年配のご夫婦からすれば「え、今気づいたの?」と思うような結論に達しつつあります。夫婦は二人三脚ですが、脚を結びつける紐がきつすぎると、どうもうまく走れないみたいです。(P131~132)
この言葉をはじめて読んだとき、「そ、そうなの!?」と思いました。つい「とことん話し合えばなんとなる」と思い込みがちな私にとって、この言葉は、人生の先輩からの超実践的なアドバイス。他者と暮らすことの心得と、手放すことの尊さを教えてもらいました。
新人 オオボリ
中古の譲り合いは、もちろん経済的にたいへんありがたいです。おまけとして、家によってこんなに洗剤の匂いが違うのか、とか、どんなアクロバットをやればここが擦り切れるのか、などなど、体操服ひとつにもそれなりの歴史が垣間見えます。(P24)
わたしも3人兄妹でお下がりのお下がりをよくもらって使っていたので、子ども目線ながら「わかる〜!」と大共感しました。小・中学生になると少し大人な気持ちで違う階へ借り物をしに行くのも、ちょっと楽しかったです。
一児の父 モリ
何度も「赤ちゃん返り」という言葉を使っていますが、本当のことを言えば、そんな簡単な言葉で片づけることすら、本当はよくないのかな、とも思います。
次男さとるにはさとるの個性があって、はいはい、赤ちゃん返りね、こんなふうに対応すれば大丈夫ですよ、なんて、彼に失礼なんじゃないかと。(P81)
子どもに何か変化があると、すぐ「あ、これは噂に聞く〇〇が来たかな」と思いがちなんですが、そういう分類を一応しつつも自制して、子どもの個性に向き合おうとする西さんの姿がカッコいいです。子どもと過ごすなかで、何度も思い出している一節です。
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『おそるおそる育休』は、いよいよ明日発売です。
不安を抱えつつも、これまでになく家族と過ごした時間を経て、西さんにはどんな変化が訪れた?
ぜひ、みなさんの生活と重ねてお読みいただたらうれしいです。