第26回
クモのイト 刊行記念特集(2)クモの魅力総特集!
2019.09.18更新
昨日に引き続き、ミシマ社の新刊『クモのイト』特集第2弾です!(昨日の記事はこちら)
インパクト満点の装丁デザインをしてくださった佐藤亜沙美さん(『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話』の装丁も佐藤さんです!)と、イラストを描いてくださったイラストレーターのミヤタチカさん(↑の表紙カバーのクモの絵もミヤタさんが描いてくださいました!)から、発刊に向けてコメントをいただきました。
佐藤亜沙美さん
ミステリアスな存在でちょっぴりこわかったクモたち。その生態を知りたい! と思いました。自宅で見るクモを「ピョン吉」と呼んで、距離をとりながらも共存していましたが、ピョン吉は「ハエトリグモ」と判明。なんと虫を食べたり、自宅をパトロールしてくれていたことが分かり、見直したぜ、ピョン吉! 他にもその生態を知るうち、賢くてたくましくてチャーミングなクモの魅力を知りました。これを機にクモも身近に感じてほしいと思い、擬人化したイラストをプランしました。クモのイトで息を潜めるクモのイメージでカバーや表紙は真っ黒に。知れば知るほどクモが好きになる一冊です!
クモをこんなにたくさん描いたのは人生で初めての経験です。種類の多さにも驚きながら、それぞれに表情というか、個性があって親近感が湧きました。なかでも気に入ったのはハエトリグモ。思いのほかつぶらな瞳で、2歳の娘に見せたら「かわいいー!」と叫んでいたくらい。クモの世界は知らないことばかりでしたが、先生のユニークな視点で、素人の私でも楽しく読めました。最近では、クモを見つけるとついつい観察してしまいます。
佐藤さんとミヤタさんもおっしゃる通り、クモには知られざる魅力が盛りだくさんです!
(お2人が言及されているハエトリグモ、注目です。気になる方はお住まいで探してみると見つかるかも・・・?)
ミシマ社メンバーが語るクモの魅力
ここからはミシマ社の営業・モリ、新人・スガ、営業・ワタナベ、仕掛け屋・ハセガワ、そして編集・ホシノ(『クモのイト』の編集担当でもあります)が、クモのありあまる魅力を紹介していきます!
『クモのイト』を読んでクモの仕事人っぷりを学んだことにより、私の中でかわいさというよりはいぶし銀の職人みたいなイメージが形成されつつあります。
でも、ハエトリグモがマウスカーソルをエサだと思ってピョンピョン追いかけるというエピソードには圧倒的なかわいさを感じました。自由が丘オフィスで毎日のようにハエトリグモを見かけるので、私のPCモニターの前にやってくるチャンスを待っているのですが、なかなか来てくれません。
実はクモって開拓者でもあるんです。「バルーニング」というワザを使うことができるクモは、何十何百もの糸を空中に放って、上空の気流に乗ってどこまでも飛んでいきます。本当にどこまでも飛ぶので、着地点が陸地とは限りません。新天地を目指して、一か八か飛んでいくクモ。その勇気にしびれます!
そんな空飛ぶクモ、実は45年以上前に、アポロ宇宙船に乗り込んで宇宙旅行をしています。開拓者でもあり宇宙飛行士でもあるクモ。最近は尊敬しています。
エサをひたすら待つクモ。果たしてそんなにたくさんエサを捕まえられるのだろうか、日々おなかをすかせて苦しんでるのではないかと、常々疑問に思っていた私ですが、本書を読んでなるほど納得。クモは毎日、網を張り直しているのですが、その糸はタンパク質でできており、回収すれば食べて消化することができるそう。分解してできたアミノ酸は、新しい糸を作る材料になる! クモの網を見つけても払うのはやめようと心に誓いました。
出会い、結ばれ、そしてオスはメスに食べられる・・・! 共食いをするクモにとって、事が終われば相手は、卵を作るための大切な栄養なんだそう。ひえー。
オスのほうもそれを回避するために、いろいろと作戦を立てていて、クモの世界の恋は命がけです。実際、自ら最中にわが身をメスに捧げるクモもいるらしく、
どこの世界でも女は怖い生き物なのだなあ、と女の私は思いました。
身近なことでいえば、おそらくミシマ社自由が丘オフィスのゴキブリさんなども捕獲してくれていると思われ、それは心からありがとうポイントです。
ただ本書の最終章を読むと、そもそもクモという存在のおかげで、今の地球環境が成り立っている!ということがわかって、存在してくれてありがとう、という気持ちになります。
かわいくてかっこいい、その上かしこいクモから、我々が学べることはたくさんあります。「生き方」「働き方」について考えるときにも役に立ちます!
クモ好きのアナタ、または虫嫌いのアナタも、おどろきながら読み進めるうち、いつの間にかクモに感謝しているハズです!
ぜひお手に取ってみてください! (ご予約はこちらからどうぞ!)