『新装版 超訳 古事記』発刊します!
2026.07.14更新
明日7月15日(水)、『新装版 超訳 古事記』が公式発売となります!
本書の著者は、神道研究の第一人者で、昨年逝去された、鎌田東二先生です。10歳のとき、『古事記』を読んで救われた、その恩返しの気持ちがこめられた本書は、ミシマ社の創業まもない2009年に刊行され、6刷を重ねたロングセラーです。
このたび、宗教学者・釈徹宗の解説を加え、ポケットサイズで復刊。
装丁は、旧版と同じく文平銀座・寄藤文平さん。旧版のシンボルを引き継ぎつつ、新たな命が吹き込まれたカバーにも、ご注目いただきたいです。
「序」を読んでみていただきたい!
編集を担当した星野からお伝えしたいのは、ためしにまずは、本書p8~10の「序(はじめ)」を、声に出して読んでみていただきたい、ということです。なんとも、いい気分がするのです。ここに、「序」を転載いたしますので、ぜひお試しください。
序(はじめ)
これはこの世の 元(もと)始(はじめ)
ふることぶみの 神(かみ)がたり
古(ふる)事(こと)記(ふみ) の 物(もの)語(がた)り
天(あめ)地(つち)開闢(ひらけ)の 天(あま)語(がた)り
天(あめ)地(つち)初発(はじめ)の 神(かみ)語(がた)り
産霊(むすひ) の神(かみ)の ちからもて
天神(てんじん)地(ち)祇(ぎ)が 現(あらわ)れて
地(ち)水(すい)火(か) 風(ふう) かためなし
万(ばん)有(ゆう)和(わ) 楽(らく)の 気(き)満(み)ちて
神の徳力(いさおし) 地にあふれ
青人(あおひと)草(くさ)を うるおわす
五(ご)穀(こく)豊(ほう)穣(じよう) 禰(ね)ぎもうし
天(てん)の斎庭((ゆにわ)に 神(かみ)集(つど)い
地(ち)の斎場(ゆにわ)に 人(ひと)和(なご)み
天(あま)照(て) る 地(つち)照(て)る 人(ひと)照(て)ると
結び固めし 神の縁(えん)
天地(あめつち)初発(はじめ)の 神(かみ)語り
これはこの世の 元(もと)始(はじ)め
ふることぶみの 神(かみ)がたり
古(ふる) 事(こと) 記(ふみ) の 物語り
天地(あめつち)開闢(ひらけ)の 天語り
天地(あめつち)初発(はじめ)の 神語りふることぶみの いのり なり
ふることつたえの まつり なり
ひのもとつたえの かたり なり
「口伝」でできた本書
この読み心地は、どこからきているのか。
「あとがき」に詳しいですが、鎌田先生が寝転がり暗唱した「古事記」を、編集担当ミシマが録音して文字に起こしてできあがったものなのです。
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「あとがき」より
本書『超訳 古事記』は、そんな言い伝えの世界を再現しようとする試みです。稗田阿礼が語り、太安万侶がそれを文字に起こし、筆写して整え、ある編纂意図をもってまとめたものが、古代の『古事記』とされるならば、その『古事記』の世界の「原古事記」を訪ねる試みが本書です。わたしが鎌田阿礼となり、三島さんが三島安万侶となって共同作業で作った、わたしにとっては、忘れられない記念すべき本となりました。
(略)
一日目は、大宮の自宅で語り下ろしを行ったのですが、その日、京都から久しぶりに大宮に戻る途中、ぽつりぽつりと雨が降ってきました。そのときには、それほど強烈な雷雨になるとは思いもしませんでした。
「さあ、それでは、これから『古事記』語りを始めよう!」という段になって、突如、空が搔き曇って薄暗くなり、バリバリと雷鳴が轟き、ピカピカと稲光りが走り、激しい雨音がザァーッと地面を打ちつづけているところで、死者が棺桶に入ったような姿勢になって、寝そべった姿のまま、わが『古事記』を語り始めたのでした。
それまで、この夏一番と思われるくらい蒸し暑かったのが、一挙にぐーっと冷えに冷えて、急速に、おそらくは、十度くらい気温が低下したでしょう。その後はまるで冷蔵庫のなかにいるような涼しさでした。「さっき、あんなに暑くて、サウナに入っているようだったのに。信じられないなあ」と思ったほどです。とにかく、すごかったです、その変化は。
二日目は、自由が丘にあるミシマ社の二階で行いましたが、わたしが寝転がっている頭の先に、隣の家の庭の竹があって、それが目を開けると、窓越しに見えます。この竹と和室の部屋の暗さが、なんとも瞑想的ないい塩梅で、わたしは現代版『竹取物語』を語る竹取の翁のような気持ちになって、童子のように若々しい三島さんを横に、語りつづけたのでした。
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きっと本当に「古事記」は、そうやって口伝で伝えられていたのだということが、体感として腑に落ちる、読み心地のよさです。
魅力、満載。
実際、旧版の読者からはこんな感想が寄せられていました。
日本語の音感のすばらしさ、心地よさを感じました。 ――20代
本当にきれいな映像が頭の中に流れるような『古事記』でした。 ――30代
いつか読みたいと願っていた『古事記』を、こんなにすんなりと楽しく味わえて感謝しています。 ――70代
注釈がなく、フリガナも多く振ってあり、どんどん読み進めることができます。古代の自由な世界を感じるままに味わえるので、お子様にもおすすめです。
そして新装版の白眉は、巻末の釈徹宗先生の解説です。
鎌田先生との交流もあった釈先生が、神道を含む、日本の宗教への深い造詣をベースに、鎌田超訳の魅力を紐解いてくださっています。
暑すぎる夏の始まりに、頭に風が吹き抜ける『新装版 超訳 古事記』を、ぜひ。




